エンシェントエルフとダークエルフ5
浮竹と京楽は、キメラ退治に赴いた。
ライオンの頭、山羊の身体、蛇の尻尾をもつのがキメラだった。
山奥の深くに、キメラはいた。
借りてきたワイバーンから降りて、二人は戦った。
適正ランクはB+。
浮竹と京楽は、B+と評価されていた。
ライオンの頭を炎で包み込み、山羊の胴体を斬り裂いて、蛇の尻尾を切り落とす。
「GARURURU!!!」
キメラは酸素を欲して口を開くが、入ってくるのは煙と一酸化炭素。
肺を火で焼かれ、一酸化炭素中毒になってキメラは倒れた。
倒した証である魔石を取り出して、死体を土に埋める。
放置しておくと、他の何かの生物に寄生されたり、アンデット化してわきだしてくる。
なので土に埋めて、ワイバーンに乗って帰還すると、冒険者ギルドのギルドマスターに呼ばれた。
「浮竹ちゃん、春ちゃん、強くなってみたいと思わない?」
「なりたい。もっともっと、もっと強くなって、いつかSランク冒険者になりたい!」
「僕も、強くなりたい。もっと威力の高い魔法を覚えて、魔力も高めたい」
「じゃあ、決定ね♡2名様、お案内~~~」
オカマのギルマスの熱い抱擁のせいで(物理的な)意識を失った二人が気づいた時には、目の前に自分を不老不死の妖刀使いで、魔法も使えるという、何度か共闘したことのある剣士の京楽の家にいた。
修行を引き受けてくれるらしい。
隣の部屋が空いているので、月銀貨5枚という破格の値段で部屋を借りれた。
強くなるため。
そう言い聞かせて、集中し瞑想した。
ひょんなことから、エルフの浮竹と京楽は、不老不死であるという剣士京楽のもとに弟子入りした。
剣士と言っても、妖刀を使うだけで魔法も使う。
古代人らしく、古代の禁呪を使ったりもした。
もっと強くなりたい。時間ならいっぱいあるが、短期間で強くなる方法として、剣士京楽の指導の元で、魔力を高める訓練を受けていた。
針の上で座禅を組み、瞑想した。
ある時は滝に打たれながら、瞑想した。
またある時は、蒸し暑い空間の中や薄い酸素の空間の中で瞑想した。
とにかく瞑想して瞑想しまくった。
心はからっぽである。
すると、胸の奥、心臓のほうから湧いてくる魔力を実感できた。その基礎の魔力を練り上げていく。
そして、魔力切れが起きる程に魔法を使い、魔力を酷使してまた瞑想をする。
そんな無茶なやり方だが、確実に魔力は高まっていった。
新月の日が来た。
剣士の京楽はそわそわしはじめて、隣の部屋を借りて住んでいるエルフの浮竹と京楽を、その日は修行を休みだといいだした。
様子がおかしいので、こっそり様子を伺っていると、なんと妖刀の精霊が具現化して現れていた。
「ずっと隠していたのはこれだったのか!なるほど、確かに俺に似ているな。というか、衣装を交換して角と耳を交換すれば、ほぼ同じ見た目になるんじゃないか?」
精霊の浮竹の姿の前に現れたエルフに浮竹に、精霊の浮竹は目を点にした。
『えっと。どなた?』
「ああ、申し遅れた。おれは浮竹十四郎。エンシェントエルフの魔法剣士だ」
「僕は京楽春水。見た目はこうだけど、ダークエルフの魔法使いだ」
精霊の浮竹は、にこにこして二人と握手を交わした。
ダークエルフがどういう存在なのか知っているようだが、あえて追及はしてこなかった。
『俺は浮竹十四郎。この妖刀の精霊だ。満月か新月の夜にしか、この姿をとれない。それにしても、よくあの京楽が俺に会わせるのを許可したな』
「いや、許可なんてもらってないから」
「勝手に入ってきた」
「プルルルルン!」
プルンが、いけないんだとジェスチャーする。
『ちょっとキミたち、今日は修行は中止だっていったでしょ。あーあ、僕だけの浮竹が見られてしまったよ』
「減るもんでもないし、別にいいんじゃないの?」
エルフの京楽の言葉に、剣士の京楽はエルフの京楽を指さした。
『エルフの浮竹ならともかく、キミには一番見せたくなかった』
「同じ顔をしているせいだろう?だが、お互い別々に愛しい相手はいる。そんなに警戒することないんじゃないのか?」
エルフの浮竹の言葉に、精霊の浮竹が微笑んだ。
『まぁ、みんな仲良くしよう』
『もう、見られちゃったもんは仕方ない。ボクの妖刀の精霊の浮竹だよ』
『俺は主(マスター)と呼んでいる』
「ふむ。妖刀の精霊か。剣や刀に意思が宿ることがあるのは知っているが、実体化できる例を見たのは初めてだな」
そう言って、エルフの浮竹は精霊の浮竹ヲペタペタと触った。
『ちょっと、ボクの浮竹にあんまり触れないで』
「別に取って食うわけではない。ふむ、実体化しているがアストラル体に近いな。神々の力の片鱗というべきか・・・・」
ぶつぶつ言いだしたエルフの浮竹は、考察の自分だけの世界に入ってしまった。
「まぁ、僕は君を毛嫌いしていたけど、君に僕の浮竹と似た愛しい相手がいると知って、少し態度を改めるよ」
『そこらへんは、好きにしてくれていいよ』
「ぷるるん!」
プルルが、僕の存在も忘れないでと言ってくる。
「ああ、忘れたわけじゃ・・・って、スライムと意思疎通ができている?」
「ああ、僕は前々から少しできてたよ。やたらと懐いてきたから、この子」
「京楽だけなんて、ずるいぞ!」
エルフの浮竹は、プルンを抱きしめると頬ずりした。
「ププゥ」
こそばゆい。
ぽよんぽよんはねていくスライムを見て、浮竹は京楽を見た。
「クロを召還してみろ」
「はいはい、分かったよ」
ぼふんと音をたてて、黒いリスのクロが、京楽の肩に乗って、チュチュっと鳴いた。
『わぁ、かわいいな』
『浮竹、危ない!』
黒リスに手を伸ばそうとした精霊の浮竹の手を、剣士の京楽が止めた。
「かんだりしないから、大丈夫だぞ?」
『京楽、俺が噛まれると思ったのか?』
『いや、なんていうか、初対面だし・・・』
「大丈夫だ。そっちのプルンのようにはいかないが、簡単な魔法やスキルなら使える」
『例えば、どんな?』
「隠密とか?おい、京楽、隠密をさせてみろ」
「はいはい。クロ、隠密だよ。頼むよ」
「チューー」
クロは鳴いて、透明になった。
『あ、消えた』
『消えたように、見せかけているだけだね。実物は変わらずキミの肩にいる』
「その通りだよ。隠密というスキルは、自分を透明にして周囲から見つかりにくくすること。ただし体温や魔力はそのままだから、そういうのを探知できる人間には効かないけどね?」
『僕は、魔力の流れを見れるからね』
「ププウ!」
『プルンも凄いって言ってるな』
隠密を解いたクロは、プルンに近寄って、ドングリを差し出した。
それを、プルンは嬉しそうに食べた。
今度はプルンが林檎を出してきて、クロは少しだけ齧った。
ライオンの頭、山羊の身体、蛇の尻尾をもつのがキメラだった。
山奥の深くに、キメラはいた。
借りてきたワイバーンから降りて、二人は戦った。
適正ランクはB+。
浮竹と京楽は、B+と評価されていた。
ライオンの頭を炎で包み込み、山羊の胴体を斬り裂いて、蛇の尻尾を切り落とす。
「GARURURU!!!」
キメラは酸素を欲して口を開くが、入ってくるのは煙と一酸化炭素。
肺を火で焼かれ、一酸化炭素中毒になってキメラは倒れた。
倒した証である魔石を取り出して、死体を土に埋める。
放置しておくと、他の何かの生物に寄生されたり、アンデット化してわきだしてくる。
なので土に埋めて、ワイバーンに乗って帰還すると、冒険者ギルドのギルドマスターに呼ばれた。
「浮竹ちゃん、春ちゃん、強くなってみたいと思わない?」
「なりたい。もっともっと、もっと強くなって、いつかSランク冒険者になりたい!」
「僕も、強くなりたい。もっと威力の高い魔法を覚えて、魔力も高めたい」
「じゃあ、決定ね♡2名様、お案内~~~」
オカマのギルマスの熱い抱擁のせいで(物理的な)意識を失った二人が気づいた時には、目の前に自分を不老不死の妖刀使いで、魔法も使えるという、何度か共闘したことのある剣士の京楽の家にいた。
修行を引き受けてくれるらしい。
隣の部屋が空いているので、月銀貨5枚という破格の値段で部屋を借りれた。
強くなるため。
そう言い聞かせて、集中し瞑想した。
ひょんなことから、エルフの浮竹と京楽は、不老不死であるという剣士京楽のもとに弟子入りした。
剣士と言っても、妖刀を使うだけで魔法も使う。
古代人らしく、古代の禁呪を使ったりもした。
もっと強くなりたい。時間ならいっぱいあるが、短期間で強くなる方法として、剣士京楽の指導の元で、魔力を高める訓練を受けていた。
針の上で座禅を組み、瞑想した。
ある時は滝に打たれながら、瞑想した。
またある時は、蒸し暑い空間の中や薄い酸素の空間の中で瞑想した。
とにかく瞑想して瞑想しまくった。
心はからっぽである。
すると、胸の奥、心臓のほうから湧いてくる魔力を実感できた。その基礎の魔力を練り上げていく。
そして、魔力切れが起きる程に魔法を使い、魔力を酷使してまた瞑想をする。
そんな無茶なやり方だが、確実に魔力は高まっていった。
新月の日が来た。
剣士の京楽はそわそわしはじめて、隣の部屋を借りて住んでいるエルフの浮竹と京楽を、その日は修行を休みだといいだした。
様子がおかしいので、こっそり様子を伺っていると、なんと妖刀の精霊が具現化して現れていた。
「ずっと隠していたのはこれだったのか!なるほど、確かに俺に似ているな。というか、衣装を交換して角と耳を交換すれば、ほぼ同じ見た目になるんじゃないか?」
精霊の浮竹の姿の前に現れたエルフに浮竹に、精霊の浮竹は目を点にした。
『えっと。どなた?』
「ああ、申し遅れた。おれは浮竹十四郎。エンシェントエルフの魔法剣士だ」
「僕は京楽春水。見た目はこうだけど、ダークエルフの魔法使いだ」
精霊の浮竹は、にこにこして二人と握手を交わした。
ダークエルフがどういう存在なのか知っているようだが、あえて追及はしてこなかった。
『俺は浮竹十四郎。この妖刀の精霊だ。満月か新月の夜にしか、この姿をとれない。それにしても、よくあの京楽が俺に会わせるのを許可したな』
「いや、許可なんてもらってないから」
「勝手に入ってきた」
「プルルルルン!」
プルンが、いけないんだとジェスチャーする。
『ちょっとキミたち、今日は修行は中止だっていったでしょ。あーあ、僕だけの浮竹が見られてしまったよ』
「減るもんでもないし、別にいいんじゃないの?」
エルフの京楽の言葉に、剣士の京楽はエルフの京楽を指さした。
『エルフの浮竹ならともかく、キミには一番見せたくなかった』
「同じ顔をしているせいだろう?だが、お互い別々に愛しい相手はいる。そんなに警戒することないんじゃないのか?」
エルフの浮竹の言葉に、精霊の浮竹が微笑んだ。
『まぁ、みんな仲良くしよう』
『もう、見られちゃったもんは仕方ない。ボクの妖刀の精霊の浮竹だよ』
『俺は主(マスター)と呼んでいる』
「ふむ。妖刀の精霊か。剣や刀に意思が宿ることがあるのは知っているが、実体化できる例を見たのは初めてだな」
そう言って、エルフの浮竹は精霊の浮竹ヲペタペタと触った。
『ちょっと、ボクの浮竹にあんまり触れないで』
「別に取って食うわけではない。ふむ、実体化しているがアストラル体に近いな。神々の力の片鱗というべきか・・・・」
ぶつぶつ言いだしたエルフの浮竹は、考察の自分だけの世界に入ってしまった。
「まぁ、僕は君を毛嫌いしていたけど、君に僕の浮竹と似た愛しい相手がいると知って、少し態度を改めるよ」
『そこらへんは、好きにしてくれていいよ』
「ぷるるん!」
プルルが、僕の存在も忘れないでと言ってくる。
「ああ、忘れたわけじゃ・・・って、スライムと意思疎通ができている?」
「ああ、僕は前々から少しできてたよ。やたらと懐いてきたから、この子」
「京楽だけなんて、ずるいぞ!」
エルフの浮竹は、プルンを抱きしめると頬ずりした。
「ププゥ」
こそばゆい。
ぽよんぽよんはねていくスライムを見て、浮竹は京楽を見た。
「クロを召還してみろ」
「はいはい、分かったよ」
ぼふんと音をたてて、黒いリスのクロが、京楽の肩に乗って、チュチュっと鳴いた。
『わぁ、かわいいな』
『浮竹、危ない!』
黒リスに手を伸ばそうとした精霊の浮竹の手を、剣士の京楽が止めた。
「かんだりしないから、大丈夫だぞ?」
『京楽、俺が噛まれると思ったのか?』
『いや、なんていうか、初対面だし・・・』
「大丈夫だ。そっちのプルンのようにはいかないが、簡単な魔法やスキルなら使える」
『例えば、どんな?』
「隠密とか?おい、京楽、隠密をさせてみろ」
「はいはい。クロ、隠密だよ。頼むよ」
「チューー」
クロは鳴いて、透明になった。
『あ、消えた』
『消えたように、見せかけているだけだね。実物は変わらずキミの肩にいる』
「その通りだよ。隠密というスキルは、自分を透明にして周囲から見つかりにくくすること。ただし体温や魔力はそのままだから、そういうのを探知できる人間には効かないけどね?」
『僕は、魔力の流れを見れるからね』
「ププウ!」
『プルンも凄いって言ってるな』
隠密を解いたクロは、プルンに近寄って、ドングリを差し出した。
それを、プルンは嬉しそうに食べた。
今度はプルンが林檎を出してきて、クロは少しだけ齧った。
「ぺットと使い魔が仲良くしてるんだし、僕たちも仲良くしようよ」
「そうだな。そっちの妖刀の精霊のことは、誰にも言わないと誓おう」
『わかったよ。じゃあ、今後もよろしくね』
『俺は新月か満月の夜にしかこんな姿をとれないが、普段は人型もとる。いつもは刀の恰好だが、よろしく頼む』
4人は、そうして絆を深め合った。
次の日からは、エルフの浮竹には剣士としての訓練も受けるようになった。
エルフで魔法剣士は珍しい。
大抵のエルフは魔法使いか弓手に育つ。剣を持っても、せいぜいレイピアで、急所を一突きという戦闘スタイルだ。
だが、エルフの浮竹はヒューマン、人間と同じように剣を振るう。
鞘を抜かないままの妖刀で相手をされているが、エルフの浮竹はすごい汗をかいていた。
動きが半端ではなく、ついていくのがやっとというところだった。
『少し、休憩にしようか』
「じゃあ、俺は時間が勿体ないので瞑想する」
深呼吸をすると、浮竹は周囲から隔絶された世界に落ちていき、魔力のある場所で心をたゆたわせる。
じんわりと体中に魔力が巡っていき、瞑想は魔力をより高めた。
そんな修行を半月ほど続けて、エルフの浮竹と京楽は、巣立っていった。
「今までありがとう。お陰で、Aランクを目指せそうだ」
『君の努力の結晶だよ』
『そっちの京楽も、いろんな属性の上位魔法を覚えれるようになったな』
「さすがに、禁呪を唱えるにはまだ魔力の絶対量が足りないけどね」
エルフの浮竹と京楽は、剣士の京楽と精霊の浮竹と別れを済ませて、元のイアラ帝国へと戻っていった。
といっても、隣国なので会おうと思えばすぐ会えるのだが。
さてはて。
エルフたちは修行をして強くなった。
その結果はいかに?
「そうだな。そっちの妖刀の精霊のことは、誰にも言わないと誓おう」
『わかったよ。じゃあ、今後もよろしくね』
『俺は新月か満月の夜にしかこんな姿をとれないが、普段は人型もとる。いつもは刀の恰好だが、よろしく頼む』
4人は、そうして絆を深め合った。
次の日からは、エルフの浮竹には剣士としての訓練も受けるようになった。
エルフで魔法剣士は珍しい。
大抵のエルフは魔法使いか弓手に育つ。剣を持っても、せいぜいレイピアで、急所を一突きという戦闘スタイルだ。
だが、エルフの浮竹はヒューマン、人間と同じように剣を振るう。
鞘を抜かないままの妖刀で相手をされているが、エルフの浮竹はすごい汗をかいていた。
動きが半端ではなく、ついていくのがやっとというところだった。
『少し、休憩にしようか』
「じゃあ、俺は時間が勿体ないので瞑想する」
深呼吸をすると、浮竹は周囲から隔絶された世界に落ちていき、魔力のある場所で心をたゆたわせる。
じんわりと体中に魔力が巡っていき、瞑想は魔力をより高めた。
そんな修行を半月ほど続けて、エルフの浮竹と京楽は、巣立っていった。
「今までありがとう。お陰で、Aランクを目指せそうだ」
『君の努力の結晶だよ』
『そっちの京楽も、いろんな属性の上位魔法を覚えれるようになったな』
「さすがに、禁呪を唱えるにはまだ魔力の絶対量が足りないけどね」
エルフの浮竹と京楽は、剣士の京楽と精霊の浮竹と別れを済ませて、元のイアラ帝国へと戻っていった。
といっても、隣国なので会おうと思えばすぐ会えるのだが。
さてはて。
エルフたちは修行をして強くなった。
その結果はいかに?
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