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オメガバース恋白読み切り短編2

「隊長、熱あるんじゃないっすか?顔が赤い」

「気のせいだ」

「なんか、すごいいい匂いがする‥‥‥俺、変になりそう」

やばいと、白哉は思った。

周囲に隠してはいるけれど、白哉はオメガである。

一方、恋次はオメガのフェロモンにあてられやすいアルファだ。

白哉は、何故4大貴族の朽木家の当主であるのに、自分がアルファでなくオメガであることに、強い劣等感を抱いてきた。

そして、副官は流魂街出身なのにアルファだった。

正直、アルファであることがうらやましかった。

白哉は、裏マーケットでオメガであることを隠せる強い制御剤を飲んで、暮らしてきた。緋真との間に子ができなかったのは、白哉がオメガであることが大きい。

「隊長、俺、隊長を抱きたい」

「ばかを言うな。私は男だぞ」

「隊長、オメガっすよね?薬飲んで隠してるみたいだけど、フェロモンが漏れ出てる。俺、アルファなんでおかしくなりそうだ」

「私は、ベータだ!」

「いや、オメガっすね。知り合いのオメガと同じ匂いがする」

アルファと言えなかったのは、劣等感のせい。

「隊長」

「くるな。くっ‥‥」

熱っぽいと言われた通り、薬で隠していたが、今ヒート期間の真っ最中だった。

おとなしく、仕事を休んでいればよかったと思うが、後の祭りである。

「隊長、責任ちゃんととりますから、抱かせてください」

「よせ、恋次」

「隊長‥‥好きです」

告白されて、ドクンと心臓が高鳴る。

アルファである恋次を、白哉は自然と好きになっていた。だが、全部オメガのせいだと思いこみ、恋慕を隠していた。

「隊長‥‥」

「んう」

キスをされて、嫌ではなく、もっとされたいと思った。

「やめよ、恋次。このままでは、ただの上官と副官ではいられなくなる」

「それでもいいっすよ。俺は隊長が手に入るなら、副隊長の座もおしくないっす」

ソファーに押し倒されて、白哉は千本桜に手をかけたが、体が熱くなって、それどろこではなかった。

「ああ!熱が‥‥頭が、おかしくなる」

ヒートをまともに過ごしたことのない白哉は、薬を飲み忘れたわけでもないのに、ヒートの熱にあてられた。

「あ、恋次‥‥」

「隊長、初めてっすよね?優しくしますから」

「恋次、番になれるか。責任をとって」

「なれます。むしろ、隊長と番になりたいです」

恋次は死覇装を脱ぎ、入れ墨がされたよく鍛えられた体をさらす。

白哉の服は袴と下着だけ脱がされた。

「隊長、エロいかっこですね」

「貴様がしているんだろうが」

「そうですね。いっぱい愛してあげますから」



「あああ!!!」

白哉はその日、処女を失った。

恋次に濡れているとはいえ、はじめて挿入されて、苦し気に呼吸を繰り返す。

「隊長、もっと力ぬいてください。息もちゃんとして」

「ひああああ!!」

ごりごりと奥を削られて、白哉は頭が真っ白になり、人生ではじめての中いきを経験していた。

「隊長、いっちゃった?」

「あう」

「隊長、こっちでもいけますよね?」

恋次に己のものをしごかれて、また頭が真っ白になった。

精液を吐き出し、自分ですらまともにぬいたことのない白哉は、襲い掛かってくる快感に、体を震わせて、声をあげる。

「やあああ、変になる」

「きもちよくなるだけですよ。俺も、隊長の中に出しますよ?」

「あ、だめだ、妊娠する」

「あとでアフターピル飲めば大丈夫っすから」

「やああああ」

嫌がる白哉を貫いて、恋次は白哉の胎の奥で子種を弾けさせた。

「ひあああ!」

「まだ、終わりじゃないですよ?」

「やあああ」

「っと、隊長はじめてなんすよね。後1回で終わらせますから。本当なら、何回でも抱きたいっすけど」

「恋次、責任をとれ。私を犯した責任を」

白哉は、少し長い黒髪をかき分けて、うなじと首をさらす。

「噛みつきますよ?もう、本当に元に戻れないっすけど、いいですか?」

「どうせ、いつか誰かと番にならねばならぬのだ。それなら、恋次がいい」

白哉の言葉に、恋次は己を大きくさせていた。

「あ、中で大きく‥‥‥」

「隊長、いっちゃってください」

「んああああ!!」

恋次は、白哉から一度引き抜き、最奥まで貫きながら、白哉のうなじを噛んだ。

ビリビリと電気が走ったようになって、番になったのだと分かった。

「隊長、俺たちもう番です。隊長?」

白哉は気を失っていた。

「わああ、隊長!」

揺さぶっても起きないので、恋次は執務室で発見したアフターピルを、水と一緒に口移しで飲ませる。無事嚥下したのを確認して、ぐちゃぐちゃになったソファーの隊長羽織や死覇装をとりのぞき、白哉の中に出したものをかき出して、濡れたタオルで白哉を清めて、隊首室に置かれてあった、新しい死覇装を着せた。

「隊長、無理させてしまってすみません」

恋次は、白哉をお姫様抱っこすると、隊首室の仮眠用のベッドに寝かせた。

白哉の寝顔を見つめている間に、恋次もいつの間にか眠ってしまった。

「いい加減、起きよ」

「へ、え、あ、朝!?」

「朝ではない、たわけが。初めてだといったのに、激しい上に、夕食も取らず眠ってしまい、起きると早朝。恋次、貴様はきもちよさそうに半日は眠っていたぞ」

「す、すんません隊長!朝飯どうします?」

「それより、アフターピルは?妊娠したら、堕胎するぞ」

その言葉にがっくりとしながらも、アフターピルは飲ませたことを説明し、番になったことも説明した。

「今度から、ヒート期間は私の番として、一緒に過ごしてもらう」

「もちろんです、隊長!幸せになりましょうね!」

「恋次‥‥このアホウが」

白哉と番になったことは、ある意味結婚に近い。

それを言うと、恋次は顔を蒼くした。

「私の番になったのだ。貴族としての作法を、叩き入れるからな」

「簡便してください、隊長~~~~」

恋次の情けない声が、執務室まで響くのであった。

ちなみに、朝食は焼きおにぎりだった。朽木家に連絡を入れて、清家にもってきてもらったのだ。

「うまいですね、これ」

「その食べ方も直してもらうからな」

白哉は、結構なスパルタであると、恋次は遅まきに気づくのであった。





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