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浮竹の生きている世界線2

「浮竹、おはよう」

「おはよう、京楽」

浮竹は、大戦で神掛けをしてミミハギ様を手放し、戦死した。

はずだった。

なぜか、京楽のベッドで、院生時代の髪の短い少年の浮竹がいた。

京楽は開いた口が塞がらないと言ったかんじであったが、浮竹が生きてこの世界にいることに感謝をした。

好きだといって、付き合ってはいたが、まだ関係は浅かったのだ。

今の院生時代の浮竹とは、正式に付き合い、浮竹の兄弟ということで通している。

「ああ、今日もいい天気だ。仕事日和だな?」

「浮竹は仕事が好きだねぇ」

書類仕事を一緒にしてくれるので、京楽は随分助かっていた。

「仕事が終わったら、久しぶりに甘味屋にでも行く?」

「行く!行って、たくさん食べる!」

浮竹は、通常の食事はあまり食べないのだが、甘いものは人の数倍を食べた。

「じゃあ、執務室に行こうか」

昨日、隊首室でお互い泊まっていったので、執務室はすぐそこだった。

「朝食、おにぎり用意させてあるから」

「いつもすまんな」

「ううん。浮竹が生きていてくれるだけで、ボクは幸せだよ」

「大げさだな」

浮竹はからから笑う。

京楽は、そんな浮竹を見て、今が幸せなのだとかみしめていた。

「浮竹、ほっぺにご飯物ついてる」

「え、どこだ?」

おにぎりをもきゅもきゅ頬張っていた浮竹の頬についた米粒を、京楽はとって自分で食べた。

「は、恥ずかしやつだな」

「夜には、もっと恥ずかしいことしてるじゃない」

「い、言うな。この体はまだ慣れていないんだから」

「でも、中いきとか覚えちゃたよね?」

「うるさい!朝飯は終わりだ!仕事するぞ”!」

浮竹は、きびきびした動きで書類仕事にとりかかる。

京楽も、仕事をしながら時折浮竹を見て、浮竹が生きている喜びをかみしめた。

「今日の仕事は、これくらいかな」

「ありがとう。浮竹のおかげで、定時にあがれそうだよ」

「そうじゃないと困る。一緒に甘味屋に行く約束だろう?」

「浮竹、こっちおいで」

「なんだ?」

京楽は、浮竹の頭を撫でた後、触れるだけのキスをする。

「京楽!」

「ふふ。いいんじゃない、キスくらい。昔は関係を隠してもいなかったんだし」

「でも、俺は浮竹の弟ということになっている。よからぬ噂が流れても、知らないぞ」

「ああ、もうすでにボクが、浮竹を思うあまり、瓜二つの弟を寵愛してるって、噂されてるから」

「あちゃー。父上と母上に、顔向け出来ない」

「いいんじゃないの。浮竹の居場所は、ボクの隣なんだから」

「むう」

浮竹は、頬を膨らませる。

「ああ、浮竹はいつでもかわいいねぇ。ボクとおない年の浮竹は美人だったけど、院生時代の君はかわいいね」

「ぬかせ。甘味屋へ行くぞ」

「はいはい。おごるから、好きなだけ食べていいよ」

京楽は上流貴族で金をはいて捨てるほど持っているうえに、総隊長で給料もよかった。

浮竹は、甘味屋で好きなだけ飲み食いをして、勘定を京楽に払わせると、けっこうな額になった。

「京楽‥‥その、いっぱい使わせてしまったし、今日は抱いていいぞ」

「え、本当に?急いで帰ってお風呂に入ろう!」

「おい、京楽!」

浮竹の手をひっぱって、京楽はぐいぐい歩く。

「京楽、俺は逃げないし消えないから」

「うん。でも、君と二人きりでいられる時間が大切だから」

浮竹は、真っ赤になった。

「お前に抱かれるの、嫌いじゃない」

「早く帰ろう」

「あ、ああ」

風呂に入り、京楽の持つ館の一つで、夜を迎えようとしていた。

「抱くよ」

「加減、してくれよ?」

「できるならね」



「ああ!」

浮竹は、京楽に貫かれて啼いていた。

「ううん」

背後から突き上げられて、奥をごりごりと抉られて、中いきをしていた。

「君は若いから、まだまだいけるよね?」

「やああ、春水、奥はだめえええ」

「いいの、間違いじゃない?」

結腸にまで入りこんできた京楽のものは、浮竹の胎の奥で子種をまき散らす。

「ひあああ、あ、あ!」

じんわりと広がっていく熱を受け止めながら、浮竹は大きく中いきをしていた。

「やああん、いってる最中だからあああ」

「こっちでも、いけるでしょ?」

浮竹のものをしごくと、まだ硬さを失っていなかったそれは、精液をはきだした。

「やああああ、2重でいっちゃてえ、思考がぐずぐずになる」

「溶けちゃいなよ。アイスみたいに」

「ひああああ!」

京楽は、浮竹をひっくり返して正常位になると、ぱんぱんと音がなるほど打ち付ける。

「いあああ!」

浮竹は、その間いきっぱなしだった。

「らめえええ、変になるうう」

「何度も同じこと言ってきて、おかしくなったこと一度もないよね?ほら、まだ精液だせるでしょ。中いきと同時にいきなよ」

「んあああ!」

京楽に攻め立てられて、浮竹はあっけなく吐精する。

「やあああ、いっちゃううう」

ぷしゅわあああと、潮をふきながら、浮竹は京楽をしめつけて、ビクンと体を弓なりにのけぞらせて、いっていた。

「愛してるよ、十四郎」

「あ、春水‥‥」

浮竹の意識は、そこで途絶えた。



朝になり、浮竹は怒っていた。

「やりすぎだ。腰が痛くて立つのがやっとだ」

「ごめんなさい。久しぶりだったので、がっつきました」

「分かればいい。おはぎが食いたい」:

「はい、買ってきます」

京楽が去っていった隊首室で、浮竹はベッドに横になる。

「俺は、京楽に抱かれるために蘇ったわけじゃないんだけどなぁ」

京楽は、浮竹が傍にいるだけでいいと言った。

でも、実際はセックスをしている。

「やめたやめた。考えるだけ、時間の無駄だ」

浮竹は、京楽の帰りを待ちながら、非番の日なのだが暇なので仕事をするのであった。





ぎしりと。

体が、音を立てる。

足元から、粉々に崩れていく。

「嫌だ、消えたくない!」

欠片となって、世界から消えていく。

そこで、はっと目覚めた。

「夢‥‥不吉な‥‥」

隣では、京楽が浮竹の手を握り締めて、眠っていた。

「京楽。俺は、あとどれくらい、お前といられるのだろうな?]

一度死んで、地獄へ行った身だ。

突然院生時代の体で蘇った。消えるときも、突然かもしれない。

でも、なるべく京楽と長く一緒にいたいと、儚い願いを浮かべるのであった。







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