カナリア「カナリア、さようなら」
「はじめまして」
「ティエリア・・・・」
「はじめてお会いしますね」
その言葉で、ロックオンは絶望に打ちひしがれた。
今まで築いてきたもの全てが、奪われてしまったというのか。
記憶の抹消。CB研究員は、別れ際にそう言っていた。記憶の抹消に成功すれば、またティエリア・アーデはガンダムマイスターに戻れると。
確かに、壊れてしまったティエリアのトラウマである全ての記憶を抹消すれば、まっさらなティエリアは新しく知識を吸収していき、またガンダムマイスターに戻れるだろう。
けれど、そこにはロックオンが愛したティエリアはいない。
それでも。
それでも、愛しているティエリアだ。
誰でもない、ロックオンが愛しているティエリアには変わらない。
これから、また新しく関係を築いていこう。
ロックオンは、涙を流していた。
「ロックオン!!」
ティエリアが、全裸で抱きついてきた。
「え?」
「カナリアの、宝物。ロケットペンダントのロックオン」
「ティエリア?」
「カナリアは、僕が築きあげた、僕の自我を守るための別人格です」
「ティエリア、なのか?」
ジャケットを脱いで、裸のティエリアに着させる。
「カナリアなの」
「どうしたんだ、ティエリア?」
「ごめんなさい。まだ、カナリアの人格が完全に消えていなくて・・・・僕に起こった記憶は抹消されました。でも、カナリアは消えなかった」
「帰ってきたのか、ティエリア?」
「カナリア、ロックオンを愛しているの。カナリアのこと、忘れないで?」
「忘れない。カナリア、愛している」
抱きしめて、深いキスをする。
「ありがとう、ロックオン。カナリア、嬉しい。カナリア、ロックオンのロケットペンダントを見て、ずっと耐えてた。辛いできごとも全部、ロックオンを思い出して」
「カナリア・・・・」
「さようなら、ロックオン。カナリアは消えます。カナリアは、ティエリアを守るための表層人格だから、もう用済み。でも、カナリアのこと忘れないで?カナリアも、ロックオンのこと愛してる」
「俺も愛してるよ、カナリア、ティエリア」
すっと、瞳が閉じる。
金色に輝く瞳が、瞼を開ける。
「ロックオン、愛しています」
「ティエリア!!」
「ただいま、ロックオン」
「おかえり、ティエリア」
「あなたを愛しています。どうか、カナリアのことを忘れないであげてください。もう一人の僕です」
「ああ、忘れるものか。ずっと覚えておく。愛している、カナリア、ティエリア」
二人は、エレベーターでCB研究所に戻った。
そこには、ミス・スメラギがいた。
「ミス・スメラギ」
「やっぱり、思った通り。あなたがいてくれて良かったわ。今回の事件で起こった記憶の抹消は、カナリアという人格の死を意味していた。だから、ためらったのよ。カナリアも、ティエリアだから。でも、ティエリアを取り戻すためにはカナリアという人格には消えてもらわないといけない。辛い記憶を抹消するためにカプセルに入れたのだけど、下手をすると、ティエリアは記憶の全てを忘れてまっさらな赤子同然の状態になってしまっていたわ。ロックオンを愛していなければ、ティエリアという人格まで消えてしまっていた。ティエリアがロックオンを愛していなければ、記憶の全ては辛いものであると処理されてしまうから」
ミス・スメラギは泣いていた。
「ああ、ティエリア。だめよ、そんなかっこじゃ。こっちいらっしゃい」
「ミス・スメラギ」
ぎゅっと、ミス・スメラギが泣きながらティエリアを抱きしめた。
そして、CB研究員から渡されたバスローブを、ティエリアに着させる。
「おかえりなさい、ティエリア」
「ただいま・・・・・・」
ティエリアは泣き崩れた。
「ロックオン、ロックオン、ロックオン。愛しています、愛しています!」
「俺も、お前を愛している」
ティエリアを抱きしめる。
還ってきたティエリアと、消えてしまったカナリア。
カナリアは、幸せだった。
ロックオンに愛されていたから。
ティエリアの代わりに拷問を受け、犯され、嬲られ。
いっぱいいっぱ、辛い経験をしたけれど、カナリアは幸せだった。
だって、ロックオンに愛されていたから。
カナリアも、ロックオンを愛していたから。
「ティエリア・・・・」
「はじめてお会いしますね」
その言葉で、ロックオンは絶望に打ちひしがれた。
今まで築いてきたもの全てが、奪われてしまったというのか。
記憶の抹消。CB研究員は、別れ際にそう言っていた。記憶の抹消に成功すれば、またティエリア・アーデはガンダムマイスターに戻れると。
確かに、壊れてしまったティエリアのトラウマである全ての記憶を抹消すれば、まっさらなティエリアは新しく知識を吸収していき、またガンダムマイスターに戻れるだろう。
けれど、そこにはロックオンが愛したティエリアはいない。
それでも。
それでも、愛しているティエリアだ。
誰でもない、ロックオンが愛しているティエリアには変わらない。
これから、また新しく関係を築いていこう。
ロックオンは、涙を流していた。
「ロックオン!!」
ティエリアが、全裸で抱きついてきた。
「え?」
「カナリアの、宝物。ロケットペンダントのロックオン」
「ティエリア?」
「カナリアは、僕が築きあげた、僕の自我を守るための別人格です」
「ティエリア、なのか?」
ジャケットを脱いで、裸のティエリアに着させる。
「カナリアなの」
「どうしたんだ、ティエリア?」
「ごめんなさい。まだ、カナリアの人格が完全に消えていなくて・・・・僕に起こった記憶は抹消されました。でも、カナリアは消えなかった」
「帰ってきたのか、ティエリア?」
「カナリア、ロックオンを愛しているの。カナリアのこと、忘れないで?」
「忘れない。カナリア、愛している」
抱きしめて、深いキスをする。
「ありがとう、ロックオン。カナリア、嬉しい。カナリア、ロックオンのロケットペンダントを見て、ずっと耐えてた。辛いできごとも全部、ロックオンを思い出して」
「カナリア・・・・」
「さようなら、ロックオン。カナリアは消えます。カナリアは、ティエリアを守るための表層人格だから、もう用済み。でも、カナリアのこと忘れないで?カナリアも、ロックオンのこと愛してる」
「俺も愛してるよ、カナリア、ティエリア」
すっと、瞳が閉じる。
金色に輝く瞳が、瞼を開ける。
「ロックオン、愛しています」
「ティエリア!!」
「ただいま、ロックオン」
「おかえり、ティエリア」
「あなたを愛しています。どうか、カナリアのことを忘れないであげてください。もう一人の僕です」
「ああ、忘れるものか。ずっと覚えておく。愛している、カナリア、ティエリア」
二人は、エレベーターでCB研究所に戻った。
そこには、ミス・スメラギがいた。
「ミス・スメラギ」
「やっぱり、思った通り。あなたがいてくれて良かったわ。今回の事件で起こった記憶の抹消は、カナリアという人格の死を意味していた。だから、ためらったのよ。カナリアも、ティエリアだから。でも、ティエリアを取り戻すためにはカナリアという人格には消えてもらわないといけない。辛い記憶を抹消するためにカプセルに入れたのだけど、下手をすると、ティエリアは記憶の全てを忘れてまっさらな赤子同然の状態になってしまっていたわ。ロックオンを愛していなければ、ティエリアという人格まで消えてしまっていた。ティエリアがロックオンを愛していなければ、記憶の全ては辛いものであると処理されてしまうから」
ミス・スメラギは泣いていた。
「ああ、ティエリア。だめよ、そんなかっこじゃ。こっちいらっしゃい」
「ミス・スメラギ」
ぎゅっと、ミス・スメラギが泣きながらティエリアを抱きしめた。
そして、CB研究員から渡されたバスローブを、ティエリアに着させる。
「おかえりなさい、ティエリア」
「ただいま・・・・・・」
ティエリアは泣き崩れた。
「ロックオン、ロックオン、ロックオン。愛しています、愛しています!」
「俺も、お前を愛している」
ティエリアを抱きしめる。
還ってきたティエリアと、消えてしまったカナリア。
カナリアは、幸せだった。
ロックオンに愛されていたから。
ティエリアの代わりに拷問を受け、犯され、嬲られ。
いっぱいいっぱ、辛い経験をしたけれど、カナリアは幸せだった。
だって、ロックオンに愛されていたから。
カナリアも、ロックオンを愛していたから。
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