ユダ-背徳の罪-「罰を受ける時Ⅱ」
「すまないが、先生、席を外してもらえるか」
刹那が医師に目配せする。
「その前に、ロックオン君と二人で話をもう少しさせてもらえるかな?」
「分かった」
刹那は一度病室を出た。
「先生?」
「ロックオン君。診察を受けてもらうよ」
「俺のことはいいから!」
「だめだ。君も、私の患者だ」
そうして、ロックオンもまた診察を受けた。
医師は刹那を説き伏せた。事情が事情なので、刹那も納得してくれた。
ティエリアの時と同じように精密検査を受ける。
その結果に、医師は呆然となった。
「結論からいうと・・・・」
「同じ病気でも、変異性のウィルスなんだろ?」
「どうしてそれを」
「自分の体のことくらい、自分で分かるさ」
「CBが作った特効薬は、君にはきかない。ティエリア君は助かるだろう。だが、このままでは君は・・・・」
「報いなんだよ。神に逆らった罰かな」
「全力は尽くす」
「ありがとう、先生。じゃあ、刹那が待ってるから」
ロックオンは、医師を残してティエリアの病室に向かった。
ティエリアの病室では、刹那が愛しそうにティエリアの手を握っていた。
その桜色の唇に、唇を重ねる。
静かに。
誰よりも愛しそうに、じっとティエリアを見つめる刹那。
「今でも愛している、ティエリア。お前は俺が守る。絶対に、守ってみせる。死なせはしない」
ティエリアの頬を撫でる刹那。
ロックオンは、エメラルドの瞳を細めた。
ああ、そうか。
この二人は。
そうなのか。
「待たせてすまない、刹那」
病室に入ってきたロックオンに、刹那がきつい眼差しを向ける。
「説明してもらおうか。あんたは誰なんだ。なんでロックオンの姿をしている?どうしてティエリアと一緒なんだ」
「俺は・・・・・・」
ロックオンは、床を見つめた後、刹那を見つめた。
「刹那、大きくなったな」
「ロックオン・ストラトスだというのか?」
「正確には違う。ティエリアが生み出した、ロックオン・ストラトスの姿と記憶をもつ人工生命体だ、俺は」
「ティエリアが!!」
刹那が、言葉に詰まる。
そのまま、長いこと刹那と話をした。
今までどんな風に暮らしてきたのか。
「まさか、ティエリアがそんな真似をするなんて・・・」
「ティエリアを責めないでやってくれ。悪いのは、全部ティエリアを残して死んだ俺だ」
「俺が・・・・俺が、もっとティエリアを愛していれば!!」
「刹那」
「仮だが、あんたのことはロックオンと呼ばせてもらう。ロックオン。あんたを失った後、俺とティエリアは互いに寄り添い合い、あんたの穴を俺が埋めていたんだ。ティエリアを愛して、体の関係も持った」
「そうだったのか」
「ショックは受けないのか?」
「いいや。俺が死んだ後のティエリアが、どんな状態になるかくらい想像はつく。誰かに縋りつくしかなかったんだろう。でも、それが刹那で良かった」
「ロックオン?」
「ずっと、ティエリアを支えてくれてたんだな。ありがとう、刹那」
寂しい微笑みに、きつめだった刹那のルビーの瞳が伏せられた。
「あんたは、ずるい。こんな形で、またティエリアを手に入れるのか」
「いいや・・・・・」
「ロックオン?」
「俺も、ティエリアと同じ病気だそうだ。変異性のウィルスだ。多分、助からない」
「あんたは!またティエリアを残していくのか」
「罰なんだよ。これは。罰を受ける時がきたんだ。ティエリアも、罰を受けている、今。でも、ティエリアは助かるはずだ。ティエリアが助かるなら、俺は満足だ」
刹那が医師に目配せする。
「その前に、ロックオン君と二人で話をもう少しさせてもらえるかな?」
「分かった」
刹那は一度病室を出た。
「先生?」
「ロックオン君。診察を受けてもらうよ」
「俺のことはいいから!」
「だめだ。君も、私の患者だ」
そうして、ロックオンもまた診察を受けた。
医師は刹那を説き伏せた。事情が事情なので、刹那も納得してくれた。
ティエリアの時と同じように精密検査を受ける。
その結果に、医師は呆然となった。
「結論からいうと・・・・」
「同じ病気でも、変異性のウィルスなんだろ?」
「どうしてそれを」
「自分の体のことくらい、自分で分かるさ」
「CBが作った特効薬は、君にはきかない。ティエリア君は助かるだろう。だが、このままでは君は・・・・」
「報いなんだよ。神に逆らった罰かな」
「全力は尽くす」
「ありがとう、先生。じゃあ、刹那が待ってるから」
ロックオンは、医師を残してティエリアの病室に向かった。
ティエリアの病室では、刹那が愛しそうにティエリアの手を握っていた。
その桜色の唇に、唇を重ねる。
静かに。
誰よりも愛しそうに、じっとティエリアを見つめる刹那。
「今でも愛している、ティエリア。お前は俺が守る。絶対に、守ってみせる。死なせはしない」
ティエリアの頬を撫でる刹那。
ロックオンは、エメラルドの瞳を細めた。
ああ、そうか。
この二人は。
そうなのか。
「待たせてすまない、刹那」
病室に入ってきたロックオンに、刹那がきつい眼差しを向ける。
「説明してもらおうか。あんたは誰なんだ。なんでロックオンの姿をしている?どうしてティエリアと一緒なんだ」
「俺は・・・・・・」
ロックオンは、床を見つめた後、刹那を見つめた。
「刹那、大きくなったな」
「ロックオン・ストラトスだというのか?」
「正確には違う。ティエリアが生み出した、ロックオン・ストラトスの姿と記憶をもつ人工生命体だ、俺は」
「ティエリアが!!」
刹那が、言葉に詰まる。
そのまま、長いこと刹那と話をした。
今までどんな風に暮らしてきたのか。
「まさか、ティエリアがそんな真似をするなんて・・・」
「ティエリアを責めないでやってくれ。悪いのは、全部ティエリアを残して死んだ俺だ」
「俺が・・・・俺が、もっとティエリアを愛していれば!!」
「刹那」
「仮だが、あんたのことはロックオンと呼ばせてもらう。ロックオン。あんたを失った後、俺とティエリアは互いに寄り添い合い、あんたの穴を俺が埋めていたんだ。ティエリアを愛して、体の関係も持った」
「そうだったのか」
「ショックは受けないのか?」
「いいや。俺が死んだ後のティエリアが、どんな状態になるかくらい想像はつく。誰かに縋りつくしかなかったんだろう。でも、それが刹那で良かった」
「ロックオン?」
「ずっと、ティエリアを支えてくれてたんだな。ありがとう、刹那」
寂しい微笑みに、きつめだった刹那のルビーの瞳が伏せられた。
「あんたは、ずるい。こんな形で、またティエリアを手に入れるのか」
「いいや・・・・・」
「ロックオン?」
「俺も、ティエリアと同じ病気だそうだ。変異性のウィルスだ。多分、助からない」
「あんたは!またティエリアを残していくのか」
「罰なんだよ。これは。罰を受ける時がきたんだ。ティエリアも、罰を受けている、今。でも、ティエリアは助かるはずだ。ティエリアが助かるなら、俺は満足だ」
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