ルキアを忘れた一護 一護の他界
黒崎一護が死んだ。
老衰だった。85歳で他界した。
一護は、一度井上と結婚したが、離婚していた。
原因は、ルキアの存在だった。
時折、ルキアが来ては、二人は体を重ね合った。
その現場をついに見られてしまい、井上は拒絶したが一方的に、離婚を切り出した。
二人の間には、子はできなかった。
井上は、一護より先に他界していて、現世の記憶をもったまま、死神となるための真央霊術院を2年で卒業し、4番隊に配属されていた。
ルキアも、恋次と婚姻しそうになったが、結局断った。
一護と密通を重ねる自分の、その性根の悪さに自分でもほとほと困りながらも、一護への思いを絶つことはできなかった。
「ルキア・・・・大好きだ」
「私もだ、一護」
その関係は、一護が他界して尸魂界に魂がやってきても、続くと思われた。
ルキアが、一護の魂葬を行った。
尸魂界に来ると、一護はぽかんとしていた。17歳の頃の姿を保っていた。
「ここどこだ?あんた誰だ?」
はじめ、ただ混乱しているのかと思った。
「ここは尸魂界。お前は黒崎一護だ。そして私は朽木ルキア」
「ルキア?どこかで聞き覚えが・・・・いや、知らないな」
「貴様、現世での記憶がないのか!」
ルキアが、まさかと声をあげる。魂葬は、本来現世の記憶を忘れさせるもの。そのせいかと思った。
「あるぜ。井上が好きで、井上と結婚した。死神代行もしていた。でも、俺はなんで、大切な井上と離婚したんだろう」
一護の中から、ルキアの存在だけがすっぽりと抜けていた。
「貴様、本当に、私が分からぬのか!?」
「朽木ルキアさんだろ」
「朽木ルキアさん・・・・・だと・・・・・」
ポロポロと、ルキアは涙を零した。
今まで、約70年間、老衰する間際までルキアと一緒にいたのに。
ルキアはこんなにも一護をのことを思っているのに。
一護には、現世の記憶があるのに。
ルキアのことだけが、一護の中から消え失せていた。
「なぁ、何泣いてるんだ?」
「たわけ・・・私のことを、あんなに愛しているといったではないか・・・」
「え」
一護は固まった。
「俺が、朽木ルキアさんを?」
「そうだ、思い出せ!」
「うーん。だめだ、全然記憶がない。あんたの、思い違いじゃないか。俺は85で老衰して死んだけど、独り身だったし」
正確には、老衰して死ぬ間際まで、ルキアに見守れていた。
一護が老いていく姿を悲しくもありながら、それでも魂魄が尸魂界にくれば、もう一護またやり直せるのだと思っていた。
石田も茶虎も死んだ。
みんな、現世の記憶を持っていた。そのまま真央霊術院を卒業し、死神になっていた。
だから、一護も当たり前のように現世の記憶があるのだと思っていた。
実際にあった。
でも、肝心のルキアのことだけを忘れてしまっていた。
「一護・・・大好きだ」
抱き締められて、一護は戸惑う。
「ごめん、俺には井上がいるから・・・・・」
それは、一護が井上に言った言葉と似ていた。
俺にはルキアがいるから。そう言って、井上と離婚したのだ。
「一護、いちごおおおおおおおお」
一護は、戸惑いつつもルキアの頭を撫でた。
「何かしらねぇけど、俺のことが好きなんだな」
「そうだ。一護、もう一度私を好きになれ!」
「俺には、井上がいるから」
「私は諦めない、一護。必ず、貴様の記憶を取り戻させて見せる。もう一度私のことを愛していると言ってみせる」
ルキアは泣きながら、去っていく一護の姿を見送った。
4番隊で、井上が死神として働いているのを知って、一護は井上に会いに行った。
「井上!」
「え、黒崎君!?」
「井上、俺はお前を愛していたのに、何故お前のと離婚しちまったんだろう」
「朽木さんは?」
「ああ、朽木ルキアさんか。なんか俺のこと愛してるとか言って泣いてたけど、記憶にないし、俺もよくわからねぇ」
「朽木さんの、記憶、ないんだ」
井上は、ニヤリと笑った。
それは、井上の罠。浦原商店で買いこんだ、死後の記憶が塗り替えられるという薬を、離婚の直前に一護に飲ませていたのだ。
こんなものが本当に効くのかと思っていたが、効いたようだった。
「おかえりなさい、黒崎君。黒崎君も、真央霊術院に行って、一緒に死神になろう。そしてまた、私と結婚しよう」
「ああ、そうだな井上・・・・」
二人のその姿を見て、ルキアはショックのあまり言葉を失っていた。それから、ぽつりと呟く。
「一護・・・本当に、私のことを忘れてしまったのだな・・・・・」
老衰だった。85歳で他界した。
一護は、一度井上と結婚したが、離婚していた。
原因は、ルキアの存在だった。
時折、ルキアが来ては、二人は体を重ね合った。
その現場をついに見られてしまい、井上は拒絶したが一方的に、離婚を切り出した。
二人の間には、子はできなかった。
井上は、一護より先に他界していて、現世の記憶をもったまま、死神となるための真央霊術院を2年で卒業し、4番隊に配属されていた。
ルキアも、恋次と婚姻しそうになったが、結局断った。
一護と密通を重ねる自分の、その性根の悪さに自分でもほとほと困りながらも、一護への思いを絶つことはできなかった。
「ルキア・・・・大好きだ」
「私もだ、一護」
その関係は、一護が他界して尸魂界に魂がやってきても、続くと思われた。
ルキアが、一護の魂葬を行った。
尸魂界に来ると、一護はぽかんとしていた。17歳の頃の姿を保っていた。
「ここどこだ?あんた誰だ?」
はじめ、ただ混乱しているのかと思った。
「ここは尸魂界。お前は黒崎一護だ。そして私は朽木ルキア」
「ルキア?どこかで聞き覚えが・・・・いや、知らないな」
「貴様、現世での記憶がないのか!」
ルキアが、まさかと声をあげる。魂葬は、本来現世の記憶を忘れさせるもの。そのせいかと思った。
「あるぜ。井上が好きで、井上と結婚した。死神代行もしていた。でも、俺はなんで、大切な井上と離婚したんだろう」
一護の中から、ルキアの存在だけがすっぽりと抜けていた。
「貴様、本当に、私が分からぬのか!?」
「朽木ルキアさんだろ」
「朽木ルキアさん・・・・・だと・・・・・」
ポロポロと、ルキアは涙を零した。
今まで、約70年間、老衰する間際までルキアと一緒にいたのに。
ルキアはこんなにも一護をのことを思っているのに。
一護には、現世の記憶があるのに。
ルキアのことだけが、一護の中から消え失せていた。
「なぁ、何泣いてるんだ?」
「たわけ・・・私のことを、あんなに愛しているといったではないか・・・」
「え」
一護は固まった。
「俺が、朽木ルキアさんを?」
「そうだ、思い出せ!」
「うーん。だめだ、全然記憶がない。あんたの、思い違いじゃないか。俺は85で老衰して死んだけど、独り身だったし」
正確には、老衰して死ぬ間際まで、ルキアに見守れていた。
一護が老いていく姿を悲しくもありながら、それでも魂魄が尸魂界にくれば、もう一護またやり直せるのだと思っていた。
石田も茶虎も死んだ。
みんな、現世の記憶を持っていた。そのまま真央霊術院を卒業し、死神になっていた。
だから、一護も当たり前のように現世の記憶があるのだと思っていた。
実際にあった。
でも、肝心のルキアのことだけを忘れてしまっていた。
「一護・・・大好きだ」
抱き締められて、一護は戸惑う。
「ごめん、俺には井上がいるから・・・・・」
それは、一護が井上に言った言葉と似ていた。
俺にはルキアがいるから。そう言って、井上と離婚したのだ。
「一護、いちごおおおおおおおお」
一護は、戸惑いつつもルキアの頭を撫でた。
「何かしらねぇけど、俺のことが好きなんだな」
「そうだ。一護、もう一度私を好きになれ!」
「俺には、井上がいるから」
「私は諦めない、一護。必ず、貴様の記憶を取り戻させて見せる。もう一度私のことを愛していると言ってみせる」
ルキアは泣きながら、去っていく一護の姿を見送った。
4番隊で、井上が死神として働いているのを知って、一護は井上に会いに行った。
「井上!」
「え、黒崎君!?」
「井上、俺はお前を愛していたのに、何故お前のと離婚しちまったんだろう」
「朽木さんは?」
「ああ、朽木ルキアさんか。なんか俺のこと愛してるとか言って泣いてたけど、記憶にないし、俺もよくわからねぇ」
「朽木さんの、記憶、ないんだ」
井上は、ニヤリと笑った。
それは、井上の罠。浦原商店で買いこんだ、死後の記憶が塗り替えられるという薬を、離婚の直前に一護に飲ませていたのだ。
こんなものが本当に効くのかと思っていたが、効いたようだった。
「おかえりなさい、黒崎君。黒崎君も、真央霊術院に行って、一緒に死神になろう。そしてまた、私と結婚しよう」
「ああ、そうだな井上・・・・」
二人のその姿を見て、ルキアはショックのあまり言葉を失っていた。それから、ぽつりと呟く。
「一護・・・本当に、私のことを忘れてしまったのだな・・・・・」
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