それいけ一護君 久しぶりの現世
「なぁ、今度現世にいくことになったのだ。浦原に頼み事があるのと、空座町に最近出没するという強い虚を倒すためだ。お前も来い、一護。家族や友人にあえるチャンスだ」
「現世・・・俺もいっていいのか?・・・」
「死神として、立派に暮らしていると知れば、残されていった者たちも安堵するであろう」
「俺が行ってもいいなら、行きたい」
現世に残してきた者達に別れの言葉すら、告げられなかった。だが、ルキアと結婚するにあたり、現世の家族や友人に連絡を入れた。
死神として生きていると。
結婚式当日は、井上、茶虎、石田もきてくれた。
子供を庇ってトラックにはねられて死亡とか、まるで漫画のような展開だった。でも、それが一護の死因であって。
瞬歩なりなんなり使って、助ければよかったのだが、生憎死神化していなかったので、生身の肉体で庇うのには限界があった。それでも、鍛え上げられた一護なら大丈夫と、誰しもが思った。救急車で搬送されていく一護に付き添った、双子の妹に親父である一心には、虚しくご臨終ですと告げられて、集まった井上、石田、茶虎にもそれは伝えらえれた。
「そんな・・・黒崎君・・・うわあああああああん」
あの時の、井上の悲痛な叫びを、魂魄の状態で聞いていた。
すぐにルキアが魂葬を行ったが、普通は前世の記憶は失うはずなのに、一護は死神代行であったせいか、現世の記憶をもったまま尸魂界にやってきた。
そのまま、死神のことを何も知らないとのことで、真央霊術院にいれられて半年で卒号し、13番隊の副隊長になった。
今では、少しだが鬼道も使える。
命中すれば威力がでかいが、よく自爆した。恋次といい勝負だ。
朽木邸で、現世にいくのはあさってからだと告げられて、少しわくわくしていた。
次の日は、普通に仕事をこなした。13番隊の副隊長として、平隊士たちに稽古をつけて、席官クラスにも稽古をつけた。
「さすが朽木副隊長・・・・・」
そう言われて、何かむず痒かった。
黒崎と呼ばれ慣れていたせいか、今になっても朽木一護という名前がしっくりこなかった。
白哉から、白哉が頭につけている牽星箝をするために、髪を伸ばせと言われていたが、そんな気はさらさらなかった。
牽星箝などつけるものかと、反抗した。
極度のシスコンの白哉とは、うまくいっていないのかいっているのか分からない状態で。極度のブラコンのルキアは、一護のことを大切してくれるが、よく放りだして白哉の方へ行く。
まぁ、それにも慣れた。
次の日になり、一護は空座町にルキアと共にやってきた。
ルキアは浦原に用があると、先に一護に家族に会って来いと言われて、恐る恐るではあるが、黒崎医院とかかれた自宅のドアをあける。
念のため、義骸に入っていた。
「え、一兄!?」
夏梨が、驚いた声をあげた。
「え、お兄ちゃん!?生き返ったって本当なの!?」
そう言われて、どう説明すればいい分からずにいると、一心が一護の頭をぐりぐりしだした。
「いってーな!」
「その様子だと、死神としてうまくいってるらしいな」
「そうだよ。なんか文句あるか!」
「なんでもねーよ。だが、親より先に死ぬ息子なんて、情けない!真咲が泣いているぞ!」
リビングルームにある真咲の写真の隣に、小さく一護の写真が飾られてあった。
「この扱いの差、なんなんだよ!」
「だって一兄は生きてるんでしょ?死神として」
「まぁ、そうだけど・・・・・」
家族でなんだかんだと、今の状態を話すと、一心が「ルキアちゃんはやっぱ四大貴族だったのか」と、溜息をついた。
「お前、ルキアちゃんとその家族とは、うまくいってるのか?」
「まぁ、ぼちぼちな」
1時間ほど話あって、次に井上と石田のところに訪れた。二人は今付き合っているらしく、石田の一人暮らしの家に、井上が転がりこんできた形となっている。
「黒崎君、久し振り。朽木さんとは、うまくいってる?」
「黒崎、まさか朽木さんを泣かせはいないだろうな?」
「ルキアとはうまくやってるよ。ただ、ルキアの兄貴とちょっとうまくいってないけど」
「朽木白哉だったっけ?」
石田の言葉に頷く。
「そうだ、石田、ぬいぐるみ作れるか?」
「そんなもの、すぐに作れる」
「じゃあわかめ大使の・・・こういうぬいぐるみを作ってほしい」
もっていたハンカチが、わかめ大使の柄付きだった。
「30分待て。すぐ作る」
30分が経過する頃には、見事なわかめ大使のぬいぐるみができあがっていた。
「石田、相変わらず裁縫の腕がいいな」
「褒め言葉として、受け取っておこう」
「茶虎は、何処にいるか知らないか?」
「今、ボクシングの世界ツアーに参加してて、私たちもどこにいるかしらないの」
「そっか・・・・・」
茶虎にはメールを送っておいた。
合流する時間になり、一護は石田と井上に礼をいって、またそのうち会いにくると約束して、空座町の真上にきた。
「たわけ、遅いぞ一護。強いという虚も、私一人で退治してしまったではないか。む、なんだそれは!けしからん、わかめ大使のぬいぐるみではないか!」
ルキアがとろうとするが、身長差があすぎて無理だった。
「これは、白哉への土産だ。石田に作ってもらった」
「むう、石田に頼めばチャッピーのぬいぐるみも、作ってくれるであろうか」
「メールで頼んでみろよ。これ、石田のメルアド」
ルキアは、早速石田にメールをした。
「作ってくれるそうだ!資料を送らねばな」
るんるん気分のルキアを抱き寄せる。
「一護?」
「やっぱ、死神になって正解だわ。ルキアの傍にいられないとか、精神的にも物理的にも無理だわ」
ルキアは、キスをされていた。
「うん・・・・んう」
「ルキア、好きだ・・・・・」
「一護、私もだ・・・・・」
抱き締めあって、尸魂界へと続く穿界門をくぐる。
名残惜しいが、死神が人間と関わるのは極力避けるべきなのだ。
朽木邸に戻ると、ちょうど夕飯の時間だった。
「これやるよ、白哉」
白哉にわかめ大使のぬいぐるみを渡すと、白哉は固まった。
「兄は・・・・これを、何処で手にいれた?」
「石田っていう、現世の友達に作ってもらたんだ。あんたも知ってるだろう?滅却師の石田だ」
「なんという芸術的なセンス・・・・まさにこれは至上の美だ」
あ、やべ。
白哉のスイッチおしちゃった。
「清家」
「はっ」
「すぐに腕のいい裁縫士たちを集めて、このぬいぐるみを大量生産するのだ」
「御意」
「おい、白哉そんなぬいぐるみをたくさん作って、どうするんだだよ!」
「わかめ大使博物館をつくる」
「いいですね、兄様!チャッピーの部屋も用意してもらっていいですか!?」
きらきらした目で見られて、白哉もすぐに快諾した。
「わかめ大使&チャッピー大使館をつくるぞ、一護!石田を拉致してこい」
「あんたら・・・・・アホだろ。石田をそんなことのため拉致とかできるかよ!」
「アホとはなんだ!アホというほうがアホなのだ!」
「いいや、アホなのはお前らだ」
「一護、このたわけ!兄様の崇高なる思いを理解できぬ凡人が!」
「凡人でけっこう!」
一護は、飯をさっさと食い終わって、湯浴みをして寝てしまった。
夜遅くまで、白哉とルキアはわかめ大使がどうのチャッピーがどうのと、意見を出し合っていた。
数日後、ルキアの腕の中に、石田に作ってもらったとおぼしきチャッピーのぬいぐるみがあった。
そして、瀞霊廷のど真ん中の土地を買い、本当にわかめ大使&ちゃっぴーの博物館を作ってしまったのだ。
見学人は、ほとんど零で、ほどなく閉館するのであった。
「現世・・・俺もいっていいのか?・・・」
「死神として、立派に暮らしていると知れば、残されていった者たちも安堵するであろう」
「俺が行ってもいいなら、行きたい」
現世に残してきた者達に別れの言葉すら、告げられなかった。だが、ルキアと結婚するにあたり、現世の家族や友人に連絡を入れた。
死神として生きていると。
結婚式当日は、井上、茶虎、石田もきてくれた。
子供を庇ってトラックにはねられて死亡とか、まるで漫画のような展開だった。でも、それが一護の死因であって。
瞬歩なりなんなり使って、助ければよかったのだが、生憎死神化していなかったので、生身の肉体で庇うのには限界があった。それでも、鍛え上げられた一護なら大丈夫と、誰しもが思った。救急車で搬送されていく一護に付き添った、双子の妹に親父である一心には、虚しくご臨終ですと告げられて、集まった井上、石田、茶虎にもそれは伝えらえれた。
「そんな・・・黒崎君・・・うわあああああああん」
あの時の、井上の悲痛な叫びを、魂魄の状態で聞いていた。
すぐにルキアが魂葬を行ったが、普通は前世の記憶は失うはずなのに、一護は死神代行であったせいか、現世の記憶をもったまま尸魂界にやってきた。
そのまま、死神のことを何も知らないとのことで、真央霊術院にいれられて半年で卒号し、13番隊の副隊長になった。
今では、少しだが鬼道も使える。
命中すれば威力がでかいが、よく自爆した。恋次といい勝負だ。
朽木邸で、現世にいくのはあさってからだと告げられて、少しわくわくしていた。
次の日は、普通に仕事をこなした。13番隊の副隊長として、平隊士たちに稽古をつけて、席官クラスにも稽古をつけた。
「さすが朽木副隊長・・・・・」
そう言われて、何かむず痒かった。
黒崎と呼ばれ慣れていたせいか、今になっても朽木一護という名前がしっくりこなかった。
白哉から、白哉が頭につけている牽星箝をするために、髪を伸ばせと言われていたが、そんな気はさらさらなかった。
牽星箝などつけるものかと、反抗した。
極度のシスコンの白哉とは、うまくいっていないのかいっているのか分からない状態で。極度のブラコンのルキアは、一護のことを大切してくれるが、よく放りだして白哉の方へ行く。
まぁ、それにも慣れた。
次の日になり、一護は空座町にルキアと共にやってきた。
ルキアは浦原に用があると、先に一護に家族に会って来いと言われて、恐る恐るではあるが、黒崎医院とかかれた自宅のドアをあける。
念のため、義骸に入っていた。
「え、一兄!?」
夏梨が、驚いた声をあげた。
「え、お兄ちゃん!?生き返ったって本当なの!?」
そう言われて、どう説明すればいい分からずにいると、一心が一護の頭をぐりぐりしだした。
「いってーな!」
「その様子だと、死神としてうまくいってるらしいな」
「そうだよ。なんか文句あるか!」
「なんでもねーよ。だが、親より先に死ぬ息子なんて、情けない!真咲が泣いているぞ!」
リビングルームにある真咲の写真の隣に、小さく一護の写真が飾られてあった。
「この扱いの差、なんなんだよ!」
「だって一兄は生きてるんでしょ?死神として」
「まぁ、そうだけど・・・・・」
家族でなんだかんだと、今の状態を話すと、一心が「ルキアちゃんはやっぱ四大貴族だったのか」と、溜息をついた。
「お前、ルキアちゃんとその家族とは、うまくいってるのか?」
「まぁ、ぼちぼちな」
1時間ほど話あって、次に井上と石田のところに訪れた。二人は今付き合っているらしく、石田の一人暮らしの家に、井上が転がりこんできた形となっている。
「黒崎君、久し振り。朽木さんとは、うまくいってる?」
「黒崎、まさか朽木さんを泣かせはいないだろうな?」
「ルキアとはうまくやってるよ。ただ、ルキアの兄貴とちょっとうまくいってないけど」
「朽木白哉だったっけ?」
石田の言葉に頷く。
「そうだ、石田、ぬいぐるみ作れるか?」
「そんなもの、すぐに作れる」
「じゃあわかめ大使の・・・こういうぬいぐるみを作ってほしい」
もっていたハンカチが、わかめ大使の柄付きだった。
「30分待て。すぐ作る」
30分が経過する頃には、見事なわかめ大使のぬいぐるみができあがっていた。
「石田、相変わらず裁縫の腕がいいな」
「褒め言葉として、受け取っておこう」
「茶虎は、何処にいるか知らないか?」
「今、ボクシングの世界ツアーに参加してて、私たちもどこにいるかしらないの」
「そっか・・・・・」
茶虎にはメールを送っておいた。
合流する時間になり、一護は石田と井上に礼をいって、またそのうち会いにくると約束して、空座町の真上にきた。
「たわけ、遅いぞ一護。強いという虚も、私一人で退治してしまったではないか。む、なんだそれは!けしからん、わかめ大使のぬいぐるみではないか!」
ルキアがとろうとするが、身長差があすぎて無理だった。
「これは、白哉への土産だ。石田に作ってもらった」
「むう、石田に頼めばチャッピーのぬいぐるみも、作ってくれるであろうか」
「メールで頼んでみろよ。これ、石田のメルアド」
ルキアは、早速石田にメールをした。
「作ってくれるそうだ!資料を送らねばな」
るんるん気分のルキアを抱き寄せる。
「一護?」
「やっぱ、死神になって正解だわ。ルキアの傍にいられないとか、精神的にも物理的にも無理だわ」
ルキアは、キスをされていた。
「うん・・・・んう」
「ルキア、好きだ・・・・・」
「一護、私もだ・・・・・」
抱き締めあって、尸魂界へと続く穿界門をくぐる。
名残惜しいが、死神が人間と関わるのは極力避けるべきなのだ。
朽木邸に戻ると、ちょうど夕飯の時間だった。
「これやるよ、白哉」
白哉にわかめ大使のぬいぐるみを渡すと、白哉は固まった。
「兄は・・・・これを、何処で手にいれた?」
「石田っていう、現世の友達に作ってもらたんだ。あんたも知ってるだろう?滅却師の石田だ」
「なんという芸術的なセンス・・・・まさにこれは至上の美だ」
あ、やべ。
白哉のスイッチおしちゃった。
「清家」
「はっ」
「すぐに腕のいい裁縫士たちを集めて、このぬいぐるみを大量生産するのだ」
「御意」
「おい、白哉そんなぬいぐるみをたくさん作って、どうするんだだよ!」
「わかめ大使博物館をつくる」
「いいですね、兄様!チャッピーの部屋も用意してもらっていいですか!?」
きらきらした目で見られて、白哉もすぐに快諾した。
「わかめ大使&チャッピー大使館をつくるぞ、一護!石田を拉致してこい」
「あんたら・・・・・アホだろ。石田をそんなことのため拉致とかできるかよ!」
「アホとはなんだ!アホというほうがアホなのだ!」
「いいや、アホなのはお前らだ」
「一護、このたわけ!兄様の崇高なる思いを理解できぬ凡人が!」
「凡人でけっこう!」
一護は、飯をさっさと食い終わって、湯浴みをして寝てしまった。
夜遅くまで、白哉とルキアはわかめ大使がどうのチャッピーがどうのと、意見を出し合っていた。
数日後、ルキアの腕の中に、石田に作ってもらったとおぼしきチャッピーのぬいぐるみがあった。
そして、瀞霊廷のど真ん中の土地を買い、本当にわかめ大使&ちゃっぴーの博物館を作ってしまったのだ。
見学人は、ほとんど零で、ほどなく閉館するのであった。
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