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ルキアを忘れた一護 記憶

井上の館に置いてあった、自分の荷物をまとめる。

「じゃあな、井上」

「いやああああ、行かないでーーー!」

すがりついてくる井上を無視して、一護は13番隊の6席となったことで、与えられていた自分の館で住むようになった。

相変わらず、ルキアとの記憶は思い出せないが、ルキアを愛しいという記憶だけあって、上司であるルキアとと、時折いけない関係へと発展した。

貴族の子女が、婚姻もなしに関係をもつことは、禁じられていた。

それを、白哉が黙しているのをいいことに、一護はルキアとの関係を深めていった。

「夢みたいだ・・・またこうやって、貴様と居られることが」

「きっと、記憶は取り戻すから。それまで待っていてくれ、ルキア」

一護の言葉に、ルキアは一護にの傍にもたれっかかった。ここは、一護の館だった。

「今のままでも、もうよい・・・。また、新しく関係を一から築いていくのも、悪くない」

「俺は、今までの記憶を取り戻したい。ルキアと、愛し合っていた記憶を」

「ならば、一度試してみるか?」

「何をだ?」

「もう1つの可能性・・・・記憶の、混濁だ。涅マユリに頼めば、そんな薬くらいありそうだ」

「それで記憶が取り戻せるなら、試したい」

「分かった・・・・」

ルキアが手配して、記憶が混濁するという薬がやってきた。

記憶の混濁は一時的なもので、後には元にもどるという、安全な薬であった。

「飲むぞ」

「ああ」

ルキアの目の前で、薬を飲んだ。

「ここはどこだ・・・・・俺は誰だ・・・・・」

「貴様は、黒崎一護。ここは尸魂界で、貴様は死神だ。そして私は朽木ルキア。お前を愛し、お前が愛する者だ」

「朽木・・・ルキア・・・・・ああ・・・・15歳の夏に出会った・・・・」

「そうだ、その調子だ、一護!」

「でも俺は、一向に来てくれないお前を諦めて・・・・井上と結婚して・・・でもまたお前は現れて、俺の心をもっていった・・・・・」

「一護、私が分かるか?」

「朽木ルキア。朽木白哉の義妹で、俺の恋人」

そこで、薬の作用を止まらせる薬を飲ませた。

「はっきりと、思い出した。あれは高校一年の夏だったかな・・・いきなりお前が現れて、死神としての力をくれた。でも、それのせいで尸魂界に追われて、処刑されることになって・・・全部、藍染がしくんだことで・・・・」

「一護、愛している!」

ルキアは、一護に抱き着いて離れかった。

一護も、ルキアを離そうとしなかった。

「ルキア、俺の永遠の恋人・・・俺が死ぬ間際まで、いてくれた」

「そうだ。そして死後も、貴様は私と一緒にいるはずだった」

「井上はどうなる?」

「さばかれることはないように、手配した。だが、もしもまた貴様に手をだすようななら、罪人として警邏隊に引き渡す」

「そうか・・・・ありがとな。井上に温情をかけてくれて」

一護は、ルキアの頭を撫でた。

思い返す。この細く小さな体を、いつも抱き締めていた。時に体を重ねた。

「ルキア、結婚しよう」

「一護?」

「もう、こんなことが起こらないうちに、結婚しよう。俺はお前を愛している。朽木家から出るのは嫌か?」

ルキアは、ポロポロと涙を流した。

「嫌なわけあるか・・・・このたわけが!」」

その年の年末、籍をいれて、式を挙げた。

石田と茶虎、それに他の隊長副隊長に、一護と縁のあった者のほとんどが出席してくれた。ただ、その中に井上の姿はなかった。

井上は、席官をやめて平隊士となり、皆に交じって生活をしはじめていた。

井上に思いを寄せる男性と、最近付き合いだしたとう噂を聞いて、一護もルキアも、ほっとした。

「朽木と縁続きになるのだ。くれぐれも、貴族社会に波をたてるな」

そう白哉に念押しをされた。

黒崎ルキアとなったルキアであるが、いつの間にか、一護は貴族に名を列ねていた。

かつでの5大貴族、志波家の末裔として。

屋敷も何もない名前だけの貴族であったが、貴族社会とはまぁ適当に付き合いつつ、一護とルキアのために建てられた屋敷で、二人は過ごすようになった。

「お前、白哉から愛されてるなぁ」

「兄様はとても優しいぞ?」

「あの白夜が、ここまで義妹のお前に骨抜きにされるとはなぁ」

「骨抜きではない。家族愛だ!」

「いや、それでも義妹の結婚のために、こんな立派な屋敷建ててくれるなんて・・・」

朽木家から、料理人やその他の家人を呼んであったので、生活は楽だった。

一護は、13番隊の副官にまで登りつめていた。

「なぁ、ルキア」

「なんだ?」

「許しもらえたら、現世に新婚旅行にいこうか」

「面白そうだな!行くぞ!」

白哉に願い出たが、断られるとばかり思っていたが、思ったよりあっさりと許可がおりた。

北海道へ、5泊6日の旅にでた。





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