忍者ブログ

プログ

小説掲載プログ
10 2024/11 14 2324 27 28 29 30 12

ルキアを忘れた一護 遠征

一護が、13番隊に所属されてから半月。

遠征があった。

ルキアをはじめとする、13番隊と白夜のいる6番隊との合同の遠征だった。

大量の虚がでてきたが、尸魂界を救ったとだけあって、一護の力は凄まじかった。

卍解を使っていた。

負けてなるものかと、ルキアと白哉も卍解していた。

敵の取り合いになった。

一護が月牙天衝で、一番多くの敵を葬ってしまった。

白哉の千本桜も、逃げる虚を億の刃で切り刻んだ。

ルキアは、周囲を氷点下の温度まで下げて、敵を凍りつかせて倒してしまった。

「おれらの出番がねぇ・・・・」

恋次が、苦々しそうにしていた。

「なぁ、一護。ルキアのこと忘れたって、ほんとか?」

「ああ、本当だ。今、井上と暮らしている。そのうち、籍を入れるつもりだ」

「てめぇ!井上と離婚しておきながら、今更井上に乗り換えるのかよ!」

「止めよ、恋次」

「でも、ルキア・・・・・」

恋次が、ルキアのほうを見る。

恋次は、ルキアのことが大好きだった。婚礼の手前までいったのだ。肉体関係もあった。

ルキアが、どうしても一護のことが忘れられず、やはり婚姻は無理だと言われて、引き下がったのだ。

「じゃあ、ルキアは俺がもらっていく。それでもいいんだな?」

「好きにしろよ」

その答えに、恋次は一護を殴っていた。

「てめぇ!あれだけルキアを愛しておきながら、今更忘れただって!?んなこと、許されると思ってるのかよ!」

「じゃあ、恋次が取り戻してくれよ!俺の記憶を!好きで、ルキアのことを忘れたわけじゃねぇ!」

その言葉に、恋次もそれ以上一護を追い詰めることができなかった。

「絶対に、記憶を取り戻せ。俺がなんのために身を引いたと思ってやがるんだ・・・・」

「恋次、すまぬ・・・・」

ルキアの額を、恋次がデコピンした。

「ひゃあ!」

「俺とお前の仲だろ。相談ごとがあったら、乗るからいつでも俺のところにこい」

「ありがとう、恋次」

恋次は優しい。一度は結婚を誓いあった。裏切る形になってしまったが、それでも恋次はルキアのことを思っていた。

次の日、ルキアは恋次のかまえる屋敷に赴いた。

「お、ルキアじゃねーか。どうした」

「苦しいのだ・・・・今の一護見ているのが」

「まぁ、座れよ。何もしねぇから」

出された座布団の上に座る。昔恋次にあげた、チャッピー柄の座布団だった。

「いっそ、一から口説いてみるのはどうだ?」

「だめだ。一護は井上のことを好きだと思っている」

「井上ねぇ・・・・何か怪しいな」

「井上が、何かしたとでも?」

「一護がルキアの記憶を亡くして一番喜ぶ奴って誰だ?」

「井上だが・・・・・まさか」

「そうだとなぁ。あの優しい井上が、そんなことするわけねぇだろうし」

恋次もルキアも知らなかった。

一護のことになると、井上の性格が豹変することを。

「ま、今日はパーッと飲んで、嫌なことは忘れちまえ」

恋次の酒をどんどん飲んでいくと、ルキアは泥酔しだした。

「家族としてだが、未だに恋次のことも好きだぞおおおお」

酔っぱらったルキアを布団で寝かせる・

「昔だったら、襲ってたんだろうなぁ。まぁ、一護がいる限り、俺に勝ち目はねぇからな。早く、一護の記憶が戻るといいな」

「ふにゃー恋次好きだーー」

「おい、ルキア。俺は未だにお前に恋してるんだぜ。そんなこと言ってると、マジで襲っちまうぞ」

「それはだめだ。私には一護がおるのだ」

「ルキアの記憶がなくても?」

「たとえなくても、私は一護だけを心の底から愛している・・・・」

恋次はもう何度目かに分からない振られ方に、溜息を零す。

「ふにゃーーーーー」

結局、その日は恋次の家に泊まった。

次の日。

「うう、飲み過ぎた・・・・・」

二日酔い悩まされながらも、恋次の家から13番隊の執務室に出勤する。

恋次は朝食まで用意してくれて、二日酔いの薬までくれた。

優しい恋次。

何故、恋次ことを振ってしまったのだろうと思いつつも、胸に残る一護への思いは消えない。

「一護・・・・」

今頃、井上の家から出勤しているのだろうか。

そう思うだけで、胸が切なくなった。

「おはよう、ルキア」

「ああ、おはよう一護」

こうして挨拶を交わしてる時などは、一護がルキアのことを忘れているようには見えなかった、

一護は、ルキアのことを隊長とも呼ばず、昔のようにルキアと呼んでくれた。

それがいっそうルキアの心を苦しくさせているのだが、ルキア以外の呼ばれ方を・・朽木ルキアさんだとか、朽木隊長だとか言われることのほうが、余計に苦しいのだ。

「恋次のところで、酒をのんだ」

「ふーん。恋次とは、付き合い長いのか?」

「流魂街の・・・子供の頃からの付き合いだ」

「じゃあ、恋次のことが好きなんじゃないのか」

「好きだった。結婚の手前までいって、一護、貴様への思いが、結婚をできなくさせていた。今でも恋次のことが家族として好きだ。でも、愛しているのは一護、貴様だけだ」

ルキアの訴えに、一護は戸惑う。

「俺は・・・ルキアを覚えてないから、好きだとかいえない。それでもいいのか?」

「今は仕方ない・・・ただ、覚えておいてくれ。私はいつでも一護、貴様のことを愛していると」

「・・・わかった。頭のすみっこで覚えとく」

「すみっこか・・・それでも、何も思われぬより、ましであろうな」

ルキアは願う。

早く、一護が自分のことを思い出してくれますようにと。

拍手[0回]

PR
URL
FONT COLOR
COMMENT
Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字
PASS

TRACK BACK

トラックバックURLはこちら
新着記事
(11/26)
(11/25)
(11/25)
(11/22)
(11/21)
"ココはカウンター設置場所"