忍者ブログ

プログ

小説掲載プログ
08 2025/09 1 2 11 12 17 18 21 22 23 24 25 26 2728 29 30 10

ルキアを忘れた一護 遠征

一護が、13番隊に所属されてから半月。

遠征があった。

ルキアをはじめとする、13番隊と白夜のいる6番隊との合同の遠征だった。

大量の虚がでてきたが、尸魂界を救ったとだけあって、一護の力は凄まじかった。

卍解を使っていた。

負けてなるものかと、ルキアと白哉も卍解していた。

敵の取り合いになった。

一護が月牙天衝で、一番多くの敵を葬ってしまった。

白哉の千本桜も、逃げる虚を億の刃で切り刻んだ。

ルキアは、周囲を氷点下の温度まで下げて、敵を凍りつかせて倒してしまった。

「おれらの出番がねぇ・・・・」

恋次が、苦々しそうにしていた。

「なぁ、一護。ルキアのこと忘れたって、ほんとか?」

「ああ、本当だ。今、井上と暮らしている。そのうち、籍を入れるつもりだ」

「てめぇ!井上と離婚しておきながら、今更井上に乗り換えるのかよ!」

「止めよ、恋次」

「でも、ルキア・・・・・」

恋次が、ルキアのほうを見る。

恋次は、ルキアのことが大好きだった。婚礼の手前までいったのだ。肉体関係もあった。

ルキアが、どうしても一護のことが忘れられず、やはり婚姻は無理だと言われて、引き下がったのだ。

「じゃあ、ルキアは俺がもらっていく。それでもいいんだな?」

「好きにしろよ」

その答えに、恋次は一護を殴っていた。

「てめぇ!あれだけルキアを愛しておきながら、今更忘れただって!?んなこと、許されると思ってるのかよ!」

「じゃあ、恋次が取り戻してくれよ!俺の記憶を!好きで、ルキアのことを忘れたわけじゃねぇ!」

その言葉に、恋次もそれ以上一護を追い詰めることができなかった。

「絶対に、記憶を取り戻せ。俺がなんのために身を引いたと思ってやがるんだ・・・・」

「恋次、すまぬ・・・・」

ルキアの額を、恋次がデコピンした。

「ひゃあ!」

「俺とお前の仲だろ。相談ごとがあったら、乗るからいつでも俺のところにこい」

「ありがとう、恋次」

恋次は優しい。一度は結婚を誓いあった。裏切る形になってしまったが、それでも恋次はルキアのことを思っていた。

次の日、ルキアは恋次のかまえる屋敷に赴いた。

「お、ルキアじゃねーか。どうした」

「苦しいのだ・・・・今の一護見ているのが」

「まぁ、座れよ。何もしねぇから」

出された座布団の上に座る。昔恋次にあげた、チャッピー柄の座布団だった。

「いっそ、一から口説いてみるのはどうだ?」

「だめだ。一護は井上のことを好きだと思っている」

「井上ねぇ・・・・何か怪しいな」

「井上が、何かしたとでも?」

「一護がルキアの記憶を亡くして一番喜ぶ奴って誰だ?」

「井上だが・・・・・まさか」

「そうだとなぁ。あの優しい井上が、そんなことするわけねぇだろうし」

恋次もルキアも知らなかった。

一護のことになると、井上の性格が豹変することを。

「ま、今日はパーッと飲んで、嫌なことは忘れちまえ」

恋次の酒をどんどん飲んでいくと、ルキアは泥酔しだした。

「家族としてだが、未だに恋次のことも好きだぞおおおお」

酔っぱらったルキアを布団で寝かせる・

「昔だったら、襲ってたんだろうなぁ。まぁ、一護がいる限り、俺に勝ち目はねぇからな。早く、一護の記憶が戻るといいな」

「ふにゃー恋次好きだーー」

「おい、ルキア。俺は未だにお前に恋してるんだぜ。そんなこと言ってると、マジで襲っちまうぞ」

「それはだめだ。私には一護がおるのだ」

「ルキアの記憶がなくても?」

「たとえなくても、私は一護だけを心の底から愛している・・・・」

恋次はもう何度目かに分からない振られ方に、溜息を零す。

「ふにゃーーーーー」

結局、その日は恋次の家に泊まった。

次の日。

「うう、飲み過ぎた・・・・・」

二日酔い悩まされながらも、恋次の家から13番隊の執務室に出勤する。

恋次は朝食まで用意してくれて、二日酔いの薬までくれた。

優しい恋次。

何故、恋次ことを振ってしまったのだろうと思いつつも、胸に残る一護への思いは消えない。

「一護・・・・」

今頃、井上の家から出勤しているのだろうか。

そう思うだけで、胸が切なくなった。

「おはよう、ルキア」

「ああ、おはよう一護」

こうして挨拶を交わしてる時などは、一護がルキアのことを忘れているようには見えなかった、

一護は、ルキアのことを隊長とも呼ばず、昔のようにルキアと呼んでくれた。

それがいっそうルキアの心を苦しくさせているのだが、ルキア以外の呼ばれ方を・・朽木ルキアさんだとか、朽木隊長だとか言われることのほうが、余計に苦しいのだ。

「恋次のところで、酒をのんだ」

「ふーん。恋次とは、付き合い長いのか?」

「流魂街の・・・子供の頃からの付き合いだ」

「じゃあ、恋次のことが好きなんじゃないのか」

「好きだった。結婚の手前までいって、一護、貴様への思いが、結婚をできなくさせていた。今でも恋次のことが家族として好きだ。でも、愛しているのは一護、貴様だけだ」

ルキアの訴えに、一護は戸惑う。

「俺は・・・ルキアを覚えてないから、好きだとかいえない。それでもいいのか?」

「今は仕方ない・・・ただ、覚えておいてくれ。私はいつでも一護、貴様のことを愛していると」

「・・・わかった。頭のすみっこで覚えとく」

「すみっこか・・・それでも、何も思われぬより、ましであろうな」

ルキアは願う。

早く、一護が自分のことを思い出してくれますようにと。

拍手[0回]

PR
URL
FONT COLOR
COMMENT
Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字
PASS

TRACK BACK

トラックバックURLはこちら
新着記事
(09/20)
(09/20)
(09/19)
(09/19)
(09/19)
"ココはカウンター設置場所"