ルキアを忘れた一護 遠征
一護が、13番隊に所属されてから半月。
遠征があった。
ルキアをはじめとする、13番隊と白夜のいる6番隊との合同の遠征だった。
大量の虚がでてきたが、尸魂界を救ったとだけあって、一護の力は凄まじかった。
卍解を使っていた。
負けてなるものかと、ルキアと白哉も卍解していた。
敵の取り合いになった。
一護が月牙天衝で、一番多くの敵を葬ってしまった。
白哉の千本桜も、逃げる虚を億の刃で切り刻んだ。
ルキアは、周囲を氷点下の温度まで下げて、敵を凍りつかせて倒してしまった。
「おれらの出番がねぇ・・・・」
恋次が、苦々しそうにしていた。
「なぁ、一護。ルキアのこと忘れたって、ほんとか?」
「ああ、本当だ。今、井上と暮らしている。そのうち、籍を入れるつもりだ」
「てめぇ!井上と離婚しておきながら、今更井上に乗り換えるのかよ!」
「止めよ、恋次」
「でも、ルキア・・・・・」
恋次が、ルキアのほうを見る。
恋次は、ルキアのことが大好きだった。婚礼の手前までいったのだ。肉体関係もあった。
ルキアが、どうしても一護のことが忘れられず、やはり婚姻は無理だと言われて、引き下がったのだ。
「じゃあ、ルキアは俺がもらっていく。それでもいいんだな?」
「好きにしろよ」
その答えに、恋次は一護を殴っていた。
「てめぇ!あれだけルキアを愛しておきながら、今更忘れただって!?んなこと、許されると思ってるのかよ!」
「じゃあ、恋次が取り戻してくれよ!俺の記憶を!好きで、ルキアのことを忘れたわけじゃねぇ!」
その言葉に、恋次もそれ以上一護を追い詰めることができなかった。
「絶対に、記憶を取り戻せ。俺がなんのために身を引いたと思ってやがるんだ・・・・」
「恋次、すまぬ・・・・」
ルキアの額を、恋次がデコピンした。
「ひゃあ!」
「俺とお前の仲だろ。相談ごとがあったら、乗るからいつでも俺のところにこい」
「ありがとう、恋次」
恋次は優しい。一度は結婚を誓いあった。裏切る形になってしまったが、それでも恋次はルキアのことを思っていた。
次の日、ルキアは恋次のかまえる屋敷に赴いた。
「お、ルキアじゃねーか。どうした」
「苦しいのだ・・・・今の一護見ているのが」
「まぁ、座れよ。何もしねぇから」
出された座布団の上に座る。昔恋次にあげた、チャッピー柄の座布団だった。
「いっそ、一から口説いてみるのはどうだ?」
「だめだ。一護は井上のことを好きだと思っている」
「井上ねぇ・・・・何か怪しいな」
「井上が、何かしたとでも?」
「一護がルキアの記憶を亡くして一番喜ぶ奴って誰だ?」
「井上だが・・・・・まさか」
「そうだとなぁ。あの優しい井上が、そんなことするわけねぇだろうし」
恋次もルキアも知らなかった。
一護のことになると、井上の性格が豹変することを。
「ま、今日はパーッと飲んで、嫌なことは忘れちまえ」
恋次の酒をどんどん飲んでいくと、ルキアは泥酔しだした。
「家族としてだが、未だに恋次のことも好きだぞおおおお」
酔っぱらったルキアを布団で寝かせる・
「昔だったら、襲ってたんだろうなぁ。まぁ、一護がいる限り、俺に勝ち目はねぇからな。早く、一護の記憶が戻るといいな」
「ふにゃー恋次好きだーー」
「おい、ルキア。俺は未だにお前に恋してるんだぜ。そんなこと言ってると、マジで襲っちまうぞ」
「それはだめだ。私には一護がおるのだ」
「ルキアの記憶がなくても?」
「たとえなくても、私は一護だけを心の底から愛している・・・・」
恋次はもう何度目かに分からない振られ方に、溜息を零す。
「ふにゃーーーーー」
結局、その日は恋次の家に泊まった。
次の日。
「うう、飲み過ぎた・・・・・」
二日酔い悩まされながらも、恋次の家から13番隊の執務室に出勤する。
恋次は朝食まで用意してくれて、二日酔いの薬までくれた。
優しい恋次。
何故、恋次ことを振ってしまったのだろうと思いつつも、胸に残る一護への思いは消えない。
「一護・・・・」
今頃、井上の家から出勤しているのだろうか。
そう思うだけで、胸が切なくなった。
「おはよう、ルキア」
「ああ、おはよう一護」
こうして挨拶を交わしてる時などは、一護がルキアのことを忘れているようには見えなかった、
一護は、ルキアのことを隊長とも呼ばず、昔のようにルキアと呼んでくれた。
それがいっそうルキアの心を苦しくさせているのだが、ルキア以外の呼ばれ方を・・朽木ルキアさんだとか、朽木隊長だとか言われることのほうが、余計に苦しいのだ。
「恋次のところで、酒をのんだ」
「ふーん。恋次とは、付き合い長いのか?」
「流魂街の・・・子供の頃からの付き合いだ」
「じゃあ、恋次のことが好きなんじゃないのか」
「好きだった。結婚の手前までいって、一護、貴様への思いが、結婚をできなくさせていた。今でも恋次のことが家族として好きだ。でも、愛しているのは一護、貴様だけだ」
ルキアの訴えに、一護は戸惑う。
「俺は・・・ルキアを覚えてないから、好きだとかいえない。それでもいいのか?」
「今は仕方ない・・・ただ、覚えておいてくれ。私はいつでも一護、貴様のことを愛していると」
「・・・わかった。頭のすみっこで覚えとく」
「すみっこか・・・それでも、何も思われぬより、ましであろうな」
ルキアは願う。
早く、一護が自分のことを思い出してくれますようにと。
遠征があった。
ルキアをはじめとする、13番隊と白夜のいる6番隊との合同の遠征だった。
大量の虚がでてきたが、尸魂界を救ったとだけあって、一護の力は凄まじかった。
卍解を使っていた。
負けてなるものかと、ルキアと白哉も卍解していた。
敵の取り合いになった。
一護が月牙天衝で、一番多くの敵を葬ってしまった。
白哉の千本桜も、逃げる虚を億の刃で切り刻んだ。
ルキアは、周囲を氷点下の温度まで下げて、敵を凍りつかせて倒してしまった。
「おれらの出番がねぇ・・・・」
恋次が、苦々しそうにしていた。
「なぁ、一護。ルキアのこと忘れたって、ほんとか?」
「ああ、本当だ。今、井上と暮らしている。そのうち、籍を入れるつもりだ」
「てめぇ!井上と離婚しておきながら、今更井上に乗り換えるのかよ!」
「止めよ、恋次」
「でも、ルキア・・・・・」
恋次が、ルキアのほうを見る。
恋次は、ルキアのことが大好きだった。婚礼の手前までいったのだ。肉体関係もあった。
ルキアが、どうしても一護のことが忘れられず、やはり婚姻は無理だと言われて、引き下がったのだ。
「じゃあ、ルキアは俺がもらっていく。それでもいいんだな?」
「好きにしろよ」
その答えに、恋次は一護を殴っていた。
「てめぇ!あれだけルキアを愛しておきながら、今更忘れただって!?んなこと、許されると思ってるのかよ!」
「じゃあ、恋次が取り戻してくれよ!俺の記憶を!好きで、ルキアのことを忘れたわけじゃねぇ!」
その言葉に、恋次もそれ以上一護を追い詰めることができなかった。
「絶対に、記憶を取り戻せ。俺がなんのために身を引いたと思ってやがるんだ・・・・」
「恋次、すまぬ・・・・」
ルキアの額を、恋次がデコピンした。
「ひゃあ!」
「俺とお前の仲だろ。相談ごとがあったら、乗るからいつでも俺のところにこい」
「ありがとう、恋次」
恋次は優しい。一度は結婚を誓いあった。裏切る形になってしまったが、それでも恋次はルキアのことを思っていた。
次の日、ルキアは恋次のかまえる屋敷に赴いた。
「お、ルキアじゃねーか。どうした」
「苦しいのだ・・・・今の一護見ているのが」
「まぁ、座れよ。何もしねぇから」
出された座布団の上に座る。昔恋次にあげた、チャッピー柄の座布団だった。
「いっそ、一から口説いてみるのはどうだ?」
「だめだ。一護は井上のことを好きだと思っている」
「井上ねぇ・・・・何か怪しいな」
「井上が、何かしたとでも?」
「一護がルキアの記憶を亡くして一番喜ぶ奴って誰だ?」
「井上だが・・・・・まさか」
「そうだとなぁ。あの優しい井上が、そんなことするわけねぇだろうし」
恋次もルキアも知らなかった。
一護のことになると、井上の性格が豹変することを。
「ま、今日はパーッと飲んで、嫌なことは忘れちまえ」
恋次の酒をどんどん飲んでいくと、ルキアは泥酔しだした。
「家族としてだが、未だに恋次のことも好きだぞおおおお」
酔っぱらったルキアを布団で寝かせる・
「昔だったら、襲ってたんだろうなぁ。まぁ、一護がいる限り、俺に勝ち目はねぇからな。早く、一護の記憶が戻るといいな」
「ふにゃー恋次好きだーー」
「おい、ルキア。俺は未だにお前に恋してるんだぜ。そんなこと言ってると、マジで襲っちまうぞ」
「それはだめだ。私には一護がおるのだ」
「ルキアの記憶がなくても?」
「たとえなくても、私は一護だけを心の底から愛している・・・・」
恋次はもう何度目かに分からない振られ方に、溜息を零す。
「ふにゃーーーーー」
結局、その日は恋次の家に泊まった。
次の日。
「うう、飲み過ぎた・・・・・」
二日酔い悩まされながらも、恋次の家から13番隊の執務室に出勤する。
恋次は朝食まで用意してくれて、二日酔いの薬までくれた。
優しい恋次。
何故、恋次ことを振ってしまったのだろうと思いつつも、胸に残る一護への思いは消えない。
「一護・・・・」
今頃、井上の家から出勤しているのだろうか。
そう思うだけで、胸が切なくなった。
「おはよう、ルキア」
「ああ、おはよう一護」
こうして挨拶を交わしてる時などは、一護がルキアのことを忘れているようには見えなかった、
一護は、ルキアのことを隊長とも呼ばず、昔のようにルキアと呼んでくれた。
それがいっそうルキアの心を苦しくさせているのだが、ルキア以外の呼ばれ方を・・朽木ルキアさんだとか、朽木隊長だとか言われることのほうが、余計に苦しいのだ。
「恋次のところで、酒をのんだ」
「ふーん。恋次とは、付き合い長いのか?」
「流魂街の・・・子供の頃からの付き合いだ」
「じゃあ、恋次のことが好きなんじゃないのか」
「好きだった。結婚の手前までいって、一護、貴様への思いが、結婚をできなくさせていた。今でも恋次のことが家族として好きだ。でも、愛しているのは一護、貴様だけだ」
ルキアの訴えに、一護は戸惑う。
「俺は・・・ルキアを覚えてないから、好きだとかいえない。それでもいいのか?」
「今は仕方ない・・・ただ、覚えておいてくれ。私はいつでも一護、貴様のことを愛していると」
「・・・わかった。頭のすみっこで覚えとく」
「すみっこか・・・それでも、何も思われぬより、ましであろうな」
ルキアは願う。
早く、一護が自分のことを思い出してくれますようにと。
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