世界が終わってもⅡ「君って本当は天使だよ」
リジェネは、雑誌の中で、ティエリアと対になるゴスロリの男の子用の服を着て、ゴスロリドレスを着たティエリアと向かい合わせになって天井を見上げたり、泣いている写真や、リジェネの膝の上で薔薇の花びらに囲まれて人形のようにゴシックドレスを翻して、その涙に触れるティエリア。
手を組み合わせて、お互いを見つめる写真。
どれもCG効果を芸術的に使い、二人を本当に、天使のように見せている。
パラパラと捲ると、蒼い薔薇を持って、背中に白い翼を生やしたティエリアが、後姿だったが、真紅の薔薇を持って、背中に黒い翼を生やしたリジェネを追いかけようとしている写真。
一面を、蒼い薔薇の花びらが埋め尽くし、空からも降ってきている。それが、一番印象的だった。
「おはよう・・・・あー、それできたんだ」
ティエリアが、嬉しそうに雑誌を覗き込む。
「この写真が、僕は好き」
それは、蒼い薔薇の花びらに埋め尽くされた写真だった。ティエリアは白い翼でリジェネを包み込み、リジェネは黒い翼でティエリアを包み込む。
「ああ、これね。いいかんじでしょ」
リジェネが得意げになる。
「撮影の時、リジェネがとてもかっこよかった。僕もかっこいいでしょ?」
賛同を求められて、リジェネもニールも無言で頷いた。
どこからどう見ても、写真の中のティエリアは美少女にしか見えない。ゴシックドレスを着て、とても愛らしくかわいらしいが、いつもの「本人曰くかっこいい」はいつでもどこでも。撮影の時も「かわいいよ、ティエリア君」と言われるとすねだすティエリアだ。「かっこいいよ、ティエリア君」といわれたら、氷の華のような笑顔をカメラに向かって惜しげもなく浮かべる。
リジェネは決して女性用の衣装は着ない。それがポリシーだ。ゴシックの入った服を着ても、絶対に男性用の衣装しか着ない。まぁ、服なんてユニセックスなものが多いから、二人揃って半ズボンにニーソとかも平気だ。スカートだけは絶対に着ないリジェネであった。
「リジェネにも、絶対白の翼が似合うのに」
CG効果でつけられた翼の色に、ティエリアは不満のようだった。リジェネは、翼をCGでつけたすなら、絶対に黒にしてくれといって譲らなかった。
雑誌の対談でも「天使のティエリア、堕天使のリジェネ」というタイトルがよく用いられる。
もしくは、小悪魔のリジェネ。
リジェネが、自分のことをいつも悪魔だとか堕天使とか小悪魔とか例えるのだ。
確かに、リジェネの性格は捻じ曲がっていて、小悪魔のようだが、でも本当は純粋なんだとニールは思っている。そうでなければ、ニールを再生させて、誰よりも愛しいティエリアに会わそうとなんてしないはずだ。
ティエリアを自分のものにして、籠の中に閉じ込めるように誰にもあわそうとしないだろう、本当に悪魔であれば。
「はい、雑誌は後で見ること。コーンスープが冷める。席につきなさい」
「はいよ」
「今日も美味しそう」
リジェネの作るご飯が、ティエリアは大好きだった。
食が細いティエリアであったが、朝食もちゃん食べる。ニールが作ってくれる食事も好きだったが、リジェネの作ってくれる食事も愛情がこもっていて、美味しい。甲乙つけがたいといったところか。
ドボドボドボ。
スクランブルエッグに、トマトケチャップをかけまくるティエリア。
「そんなかけて、どうすんだ?」
「僕は、生のトマトが嫌いなんです。でも、トマトケチャップは好きです」
そこらへん、原型を留めている食物は嫌いというティエリアの基本が出ているのかもしれない。はじめは、3食ともにゼリー食で、食事、というものに慣れさせるのに苦労したニールだ。魚が形としてでてくると、食べるのを拒否したり。ゆっくりと時間をかけて、ニールはティエリアの食生活を変えていった。
今では、形を保っている食物も平気で食べれる。
これぞ愛。
「ティエリア、トマトケチャップかして」
「はい」
リジェネは、スクランブルエッグに、器用に「ティエリア愛」と書いた。
「リジェネ、器用だね」
「ティエリアのにも書いてあげるよ」
ドボドボトマトケチャップにまみれたスクランブルエッグを、ニールに押し付けて、ニールのにリジェネは「リジェネ愛」と書いてティエリアに渡した。
「ありがとう、リジェネ」
ニールは、負けじと、トーストの上にマヨネーズで「ニール愛」と書いて、はっとなった。
「俺が、自分で自分愛って書いてどうすんだよ・・・」
もう書いてしまった後だ。
「交換しましょ」
ティエリアが、トーストを変えてくれた。
ニールは、今度こそトーストの上に器用に「ティエリア愛」と書いた。
「おのれニール。朝からやるな」
「ふふふ。負けるか」
朝から、すでにティエリア争奪戦は始まっている。
三人はそれでも仲良く、朝食を食べるのであった。
手を組み合わせて、お互いを見つめる写真。
どれもCG効果を芸術的に使い、二人を本当に、天使のように見せている。
パラパラと捲ると、蒼い薔薇を持って、背中に白い翼を生やしたティエリアが、後姿だったが、真紅の薔薇を持って、背中に黒い翼を生やしたリジェネを追いかけようとしている写真。
一面を、蒼い薔薇の花びらが埋め尽くし、空からも降ってきている。それが、一番印象的だった。
「おはよう・・・・あー、それできたんだ」
ティエリアが、嬉しそうに雑誌を覗き込む。
「この写真が、僕は好き」
それは、蒼い薔薇の花びらに埋め尽くされた写真だった。ティエリアは白い翼でリジェネを包み込み、リジェネは黒い翼でティエリアを包み込む。
「ああ、これね。いいかんじでしょ」
リジェネが得意げになる。
「撮影の時、リジェネがとてもかっこよかった。僕もかっこいいでしょ?」
賛同を求められて、リジェネもニールも無言で頷いた。
どこからどう見ても、写真の中のティエリアは美少女にしか見えない。ゴシックドレスを着て、とても愛らしくかわいらしいが、いつもの「本人曰くかっこいい」はいつでもどこでも。撮影の時も「かわいいよ、ティエリア君」と言われるとすねだすティエリアだ。「かっこいいよ、ティエリア君」といわれたら、氷の華のような笑顔をカメラに向かって惜しげもなく浮かべる。
リジェネは決して女性用の衣装は着ない。それがポリシーだ。ゴシックの入った服を着ても、絶対に男性用の衣装しか着ない。まぁ、服なんてユニセックスなものが多いから、二人揃って半ズボンにニーソとかも平気だ。スカートだけは絶対に着ないリジェネであった。
「リジェネにも、絶対白の翼が似合うのに」
CG効果でつけられた翼の色に、ティエリアは不満のようだった。リジェネは、翼をCGでつけたすなら、絶対に黒にしてくれといって譲らなかった。
雑誌の対談でも「天使のティエリア、堕天使のリジェネ」というタイトルがよく用いられる。
もしくは、小悪魔のリジェネ。
リジェネが、自分のことをいつも悪魔だとか堕天使とか小悪魔とか例えるのだ。
確かに、リジェネの性格は捻じ曲がっていて、小悪魔のようだが、でも本当は純粋なんだとニールは思っている。そうでなければ、ニールを再生させて、誰よりも愛しいティエリアに会わそうとなんてしないはずだ。
ティエリアを自分のものにして、籠の中に閉じ込めるように誰にもあわそうとしないだろう、本当に悪魔であれば。
「はい、雑誌は後で見ること。コーンスープが冷める。席につきなさい」
「はいよ」
「今日も美味しそう」
リジェネの作るご飯が、ティエリアは大好きだった。
食が細いティエリアであったが、朝食もちゃん食べる。ニールが作ってくれる食事も好きだったが、リジェネの作ってくれる食事も愛情がこもっていて、美味しい。甲乙つけがたいといったところか。
ドボドボドボ。
スクランブルエッグに、トマトケチャップをかけまくるティエリア。
「そんなかけて、どうすんだ?」
「僕は、生のトマトが嫌いなんです。でも、トマトケチャップは好きです」
そこらへん、原型を留めている食物は嫌いというティエリアの基本が出ているのかもしれない。はじめは、3食ともにゼリー食で、食事、というものに慣れさせるのに苦労したニールだ。魚が形としてでてくると、食べるのを拒否したり。ゆっくりと時間をかけて、ニールはティエリアの食生活を変えていった。
今では、形を保っている食物も平気で食べれる。
これぞ愛。
「ティエリア、トマトケチャップかして」
「はい」
リジェネは、スクランブルエッグに、器用に「ティエリア愛」と書いた。
「リジェネ、器用だね」
「ティエリアのにも書いてあげるよ」
ドボドボトマトケチャップにまみれたスクランブルエッグを、ニールに押し付けて、ニールのにリジェネは「リジェネ愛」と書いてティエリアに渡した。
「ありがとう、リジェネ」
ニールは、負けじと、トーストの上にマヨネーズで「ニール愛」と書いて、はっとなった。
「俺が、自分で自分愛って書いてどうすんだよ・・・」
もう書いてしまった後だ。
「交換しましょ」
ティエリアが、トーストを変えてくれた。
ニールは、今度こそトーストの上に器用に「ティエリア愛」と書いた。
「おのれニール。朝からやるな」
「ふふふ。負けるか」
朝から、すでにティエリア争奪戦は始まっている。
三人はそれでも仲良く、朝食を食べるのであった。
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