別れの時(コード継承シリーズ)
別れの時は必ずやってくる。
人は、生きている限り必ず誰かと別れる。
「本当に、何も言わずに出て行くつもりか」
「ああ」
「ナナリーにも?」
「ああ」
ルルーシュは荷物をまとめながら、同じ返事を繰り返した。
C.C.はチーズ君人形を抱きしめてソファーに座り、顔を伏せていた。
C.C.がルルーシュを生き返らせたようなものだ。体に現れていなかったコードを強制的に解除し、コード継承を終わらせた。ルルーシュはシャルルのコードを望んでもいないのに、継承していた。
なのに、何故だろう。ギアスの力はそのままなのだ。
まるで、コードの呪いを受けろという父シャルルの呪いのように。
「私は、お前をこうしたことに後悔はしていない。だって、お前がいなければ私は世界で一人きりだ。なぁ、私のことを憎んでいるか?」
「いいや」
一度は旅に出たC.C.。ルルーシュを置いてふらりと世界をぶらついたけれど、やっぱり戻ってきた。
似たもの同士は、吸い寄せられるのだ。
「お前には私と違って愛する者がたくさんいる。愛されるために生き返ったようなものだ。だから、私は一人でまた世界を旅した・・・でもな、だめだった。お前との契約はまだ終わっていない。続いているんだよ」
「そうだな・・・・契約か。お前の願いを叶える・・・・死をお前に与える・・・・どうして、お前は俺にコードを継承させなかった?ラグナレクの世界で、俺のギアスは一定以上の力になった。両目にギアスが宿ることが、コードを継承できる最初の条件なんだろう?」
「どうしてだろうな・・・・お前を、一緒にさせたくなったんだ。私のような存在と、同じものに。私のような絶望をもつ人間になってほしくなかった」
「でも、俺はシャルルのコードを継承してしまった。もう、遅いさ。同じだ、お前と」
「私はな・・・・心から、喜んだよ。これで、契約は永遠に続行だと。お前を失わずにすむ、またお前と一緒にいれる。私と同じ地獄を味わうものができたと」
チーズ君人形をぎゅっと抱きしめてで、心から嬉しそうにC.C.は喜びの表情を作る。
「お前らしい」
「そうだな・・・・」
二人はそっとキスをする。
触れるだけの。
荷物をまとめたルルーシュは、C.C.の荷物も続いてまとめだした。
「お前もついてくるんだろう?」
「もちろんだ」
「俺は王。王は孤独になる・・・そう、終わってなんかいないんだ。孤独になるのが王のギアスの力。コードを継承して再び孤独になる・・・王は、終わっていない。本当の王とは、コード継承のことなのかもな」
「そうだな。王は、コード継承者の隠語でもあるんだ。お前は魔王、私は魔女・・・・魔女とは女の王のこと」
「・・・・・・・・」
ルルーシュは何も言わなかった。
そのまま荷物をまとめて、二人でアリエス宮を出た。
ルルーシュを生き返らせたのはC.C.だ。
泣き続けるナナリーの目の前で、ルルーシュのコードを解放して継承を完全にさせ、生き返らせた。
ナナリーは泣いて喜んでいた。
「私は、お兄様いがい何も望みません!」
抱きついてくる妹を宥めなながら、これからどうするかと逡巡もした。
もう、あれから15年もたった。
まだ15年。でも、もう15年。
それが、限界の時間。
周囲は年老いていく。でも、ルルーシュとC.C.は少年と少女の姿のまま、永遠に変わらない。
アリエス宮で、客人のような扱いを受けながらも、ルルーシュはLと名乗り、死んだ少年皇帝ルルーシュの双子の弟ということで、皇族にも名前を連ねていたが、ルルーシュを見る視線の奇異の眼差しに、ルルーシュはいつもアリエス宮にこもり、外にでることはほとんどなかった。
ナナリーは、ゼロの仮面を脱いだスザクと一緒にアリエス宮によく遊びにきてくれた。ゼロとなったスザクも、アリエス宮にいる時だけはただのスザクに戻れた。
幸せだった。
この15年、本当に幸せだった。
本当なら、すぐにこのブリタニアの首都を、アリエス宮を去らねばいけなかったのに、それを先延ばしして、目前の幸せに浸り続けたいた。
でも、もう限界だ。
スザクは30をこえ、ナナリーも30前後になった。
ルルーシュは18のまま、永遠にとまっている。体も、心も。
周囲の、女官や家臣たちの異様なものを見る瞳。
時折、本宮殿に赴くルルーシュに注がれる、なぜ15年たっても年老いないのかという視線が。
もう限界なんだとルルーシュに知らせていた。
ナナリーと、スザクとも、もう一緒にはいられない。
いつか、別れの時がやってくる。そうなる前に、ルルーシュは逃げることを選んだ。
人は、生きている限り必ず誰かと別れる。
「本当に、何も言わずに出て行くつもりか」
「ああ」
「ナナリーにも?」
「ああ」
ルルーシュは荷物をまとめながら、同じ返事を繰り返した。
C.C.はチーズ君人形を抱きしめてソファーに座り、顔を伏せていた。
C.C.がルルーシュを生き返らせたようなものだ。体に現れていなかったコードを強制的に解除し、コード継承を終わらせた。ルルーシュはシャルルのコードを望んでもいないのに、継承していた。
なのに、何故だろう。ギアスの力はそのままなのだ。
まるで、コードの呪いを受けろという父シャルルの呪いのように。
「私は、お前をこうしたことに後悔はしていない。だって、お前がいなければ私は世界で一人きりだ。なぁ、私のことを憎んでいるか?」
「いいや」
一度は旅に出たC.C.。ルルーシュを置いてふらりと世界をぶらついたけれど、やっぱり戻ってきた。
似たもの同士は、吸い寄せられるのだ。
「お前には私と違って愛する者がたくさんいる。愛されるために生き返ったようなものだ。だから、私は一人でまた世界を旅した・・・でもな、だめだった。お前との契約はまだ終わっていない。続いているんだよ」
「そうだな・・・・契約か。お前の願いを叶える・・・・死をお前に与える・・・・どうして、お前は俺にコードを継承させなかった?ラグナレクの世界で、俺のギアスは一定以上の力になった。両目にギアスが宿ることが、コードを継承できる最初の条件なんだろう?」
「どうしてだろうな・・・・お前を、一緒にさせたくなったんだ。私のような存在と、同じものに。私のような絶望をもつ人間になってほしくなかった」
「でも、俺はシャルルのコードを継承してしまった。もう、遅いさ。同じだ、お前と」
「私はな・・・・心から、喜んだよ。これで、契約は永遠に続行だと。お前を失わずにすむ、またお前と一緒にいれる。私と同じ地獄を味わうものができたと」
チーズ君人形をぎゅっと抱きしめてで、心から嬉しそうにC.C.は喜びの表情を作る。
「お前らしい」
「そうだな・・・・」
二人はそっとキスをする。
触れるだけの。
荷物をまとめたルルーシュは、C.C.の荷物も続いてまとめだした。
「お前もついてくるんだろう?」
「もちろんだ」
「俺は王。王は孤独になる・・・そう、終わってなんかいないんだ。孤独になるのが王のギアスの力。コードを継承して再び孤独になる・・・王は、終わっていない。本当の王とは、コード継承のことなのかもな」
「そうだな。王は、コード継承者の隠語でもあるんだ。お前は魔王、私は魔女・・・・魔女とは女の王のこと」
「・・・・・・・・」
ルルーシュは何も言わなかった。
そのまま荷物をまとめて、二人でアリエス宮を出た。
ルルーシュを生き返らせたのはC.C.だ。
泣き続けるナナリーの目の前で、ルルーシュのコードを解放して継承を完全にさせ、生き返らせた。
ナナリーは泣いて喜んでいた。
「私は、お兄様いがい何も望みません!」
抱きついてくる妹を宥めなながら、これからどうするかと逡巡もした。
もう、あれから15年もたった。
まだ15年。でも、もう15年。
それが、限界の時間。
周囲は年老いていく。でも、ルルーシュとC.C.は少年と少女の姿のまま、永遠に変わらない。
アリエス宮で、客人のような扱いを受けながらも、ルルーシュはLと名乗り、死んだ少年皇帝ルルーシュの双子の弟ということで、皇族にも名前を連ねていたが、ルルーシュを見る視線の奇異の眼差しに、ルルーシュはいつもアリエス宮にこもり、外にでることはほとんどなかった。
ナナリーは、ゼロの仮面を脱いだスザクと一緒にアリエス宮によく遊びにきてくれた。ゼロとなったスザクも、アリエス宮にいる時だけはただのスザクに戻れた。
幸せだった。
この15年、本当に幸せだった。
本当なら、すぐにこのブリタニアの首都を、アリエス宮を去らねばいけなかったのに、それを先延ばしして、目前の幸せに浸り続けたいた。
でも、もう限界だ。
スザクは30をこえ、ナナリーも30前後になった。
ルルーシュは18のまま、永遠にとまっている。体も、心も。
周囲の、女官や家臣たちの異様なものを見る瞳。
時折、本宮殿に赴くルルーシュに注がれる、なぜ15年たっても年老いないのかという視線が。
もう限界なんだとルルーシュに知らせていた。
ナナリーと、スザクとも、もう一緒にはいられない。
いつか、別れの時がやってくる。そうなる前に、ルルーシュは逃げることを選んだ。
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