卯ノ花と浮竹と京楽2
「卯ノ花隊長、これはないんじゃないか」
「何を言うのです。高熱で倒れて入院したというのに、熱が下がればすぐ甘味屋にいくような患者を、自由にさせるほど甘くはありません」
浮竹は、ベッドの上で簀巻きにされていた。
「これだと、食事もできないのだが」
「その時だけ解いてあげましょう」
「卯ノ花隊長、俺が悪かったーーーーー」
「すでに、一度きつく言いきかせたのに、それを守らない人に人権はありません」
散々ないわれようだった。
その後、夕餉の7時まで放置された。
「卯ノ花隊長、厠にいきたいんだが」
「仕方ありませんね」
簀巻きを解かれた。
ここぞとばかりに逃げだそうとした浮竹の背後にまわり、その腕を捻じ曲げた。
「痛い痛い、いたたた、腕がもげる!」
「あら。腕が折れたら、ちゃんと治療してあげますよ」
にこにこにこ。
微笑む菩薩は、けれど修羅だ。
「夕餉を置いておきますので、食べてくださいね。くれぐれも逃げようとしないように。今度逃げ出したら・・・・細切れにして料理の中にいれますからね」
にーっこり。
そう言われて、浮竹は大人しくなった。
肺の病の入院ではないので、卯ノ花も本当にきつくは怒らない。
肺の発作は生死に関わるので、療養しろと言われたらちゃんとしていた。
ただ熱がある場合は、熱が下がれば病室だろうと抜け出していた。今までばれていなかったが、運悪く瞬歩で病室に戻った時、卯ノ花と出くわしてしまった。
「ああ・・・・俺の人生終わった」
鬼の角をはやした卯ノ花に、1時間ほどこってりとしぼられて、何度も謝ったのに反省していないと布団で簀巻きにされてしまった。
夕飯を食べて湯浴みをして、あとは寝るだけとなったのだが、また浮竹は簀巻きにされた。
仕方ないので、簀巻きのまま寝た。
「ふあ~~」
簀巻きで寝たのは初めてだったが、寝れないわけじゃなかった。
起きた浮竹の簀巻きをとってやり、体温計で熱を測る卯ノ花。
「おめでとうございます。今日も熱がないようなので、退院ですね」
「本当か、卯ノ花隊長!」
顔を輝かせる浮竹の耳元に、囁く。
「今度、肺の病であろうと、癒えて念のための入院になった時は簀巻きですからね」
ひーーーーー。
まだ怒ってるーーーーー。
浮竹は、退院のために自分の私物をまとめた。
卯ノ花烈。下の烈という名の通りの性格だった。
「浮竹、迎えにきたよ。今日退院でしょ」
「ああ、京楽・・・・俺、しばらく入院したくない・・・」
げっそりとした浮竹に、さては病室を抜け出したのが卯ノ花にばれたのだなと、すぐに分かった。
「卯ノ花隊長のいうことをちゃんと聞かないから」
「でも、一日中簀巻きだぞ!飯とか風呂とかの時は解いてくれたが、寝る時まで簀巻きだった」
「どうせ、病室抜け出して甘味屋にでもいったんでしょ?」
「うぐ・・・・・・」
「しかも、きっと僕のツケってことで飲み食いしたんだよね」
「ぐああああああ」
浮竹は、頭をかきむしった。
「4番隊の飯は不味いんだ!病院食ということで質素すぎるし味がしない!甘味屋に行きたくなる!」
「まぁ、僕も一度だけ虚退治の遠征で怪我をして入院したことあるけど、確かに食事は不味いね」
「あら・・・そんなに不味いというなら、あなたが肉になってみますか?」
ひいいいいいい。
でたあああああああ。
卯ノ花は、浮竹の病室でにこにこ微笑んでいた。
「患者には、胃に優しいものを食べさせます。自然と素味になるし、質素になるのは仕方ありません。でも、食事が出るだけましだと思ってくださいね?」
緊急時の入院や、入院費用を払えないものからはとりたてないのだ。
そのせいで、食事が豪華になることは余計にない。
「浮竹隊長も、仕送りなどで入院費が払えないものとして、無料で入院しているのですよ?ただなのに、食事に文句をつけないでください」
「う、すまない・・・・・」
「そういえば、京楽隊長は今日も元気そうですね。そうですが、そんなに献血をしたいのですか・・・・」
「僕、何も言ってないし何もしてないよ!?」
「あなたの血は新鮮なのです。この前たっぷりとった後も元気でしたし・・・さぁ、献血に参りましょう」
「浮竹た~す~け~て~」
連れていかれる京楽に向かって、浮竹は手を合わせて念仏を唱えだした。
「京楽、骨は拾ってやるからな!」
「浮竹、お~ぼ~て~な~よ~」
京楽はたっぷり献血されて、少し干からび帰ってきた。
献血をしたお礼にともらった野菜ジュースをちゅるるるると飲みほした。
「はぁ・・・・どうも、卯ノ花隊長は僕を血液の塊だと思ってるみたいだね。もうしばらく病院にはいたくない・・・・・帰ろう、浮竹」
浮竹は私物を手に、京楽と手を繋いで歩き出す。
浮竹が助けてくれなかったことは、根にもっていなかった。誰であろうと、卯ノ花を言い負かすことなどできない。
雨乾堂について、お互いを抱き締めあって、キスをした。
ここ1週間触れあっていなかった。
何度もキスを繰り返した。
病み上がりなので、京楽も浮竹もそれ以上はしなかった。
もしも病院で盛ったりした場面を見られたら、卯ノ花に闇に葬られる気がした。卯ノ花烈。
本当の名を卯ノ花八千流。
尸魂界きっての隊罪人であり、初代剣八だということを、二人はまだ知らないのであった。
「何を言うのです。高熱で倒れて入院したというのに、熱が下がればすぐ甘味屋にいくような患者を、自由にさせるほど甘くはありません」
浮竹は、ベッドの上で簀巻きにされていた。
「これだと、食事もできないのだが」
「その時だけ解いてあげましょう」
「卯ノ花隊長、俺が悪かったーーーーー」
「すでに、一度きつく言いきかせたのに、それを守らない人に人権はありません」
散々ないわれようだった。
その後、夕餉の7時まで放置された。
「卯ノ花隊長、厠にいきたいんだが」
「仕方ありませんね」
簀巻きを解かれた。
ここぞとばかりに逃げだそうとした浮竹の背後にまわり、その腕を捻じ曲げた。
「痛い痛い、いたたた、腕がもげる!」
「あら。腕が折れたら、ちゃんと治療してあげますよ」
にこにこにこ。
微笑む菩薩は、けれど修羅だ。
「夕餉を置いておきますので、食べてくださいね。くれぐれも逃げようとしないように。今度逃げ出したら・・・・細切れにして料理の中にいれますからね」
にーっこり。
そう言われて、浮竹は大人しくなった。
肺の病の入院ではないので、卯ノ花も本当にきつくは怒らない。
肺の発作は生死に関わるので、療養しろと言われたらちゃんとしていた。
ただ熱がある場合は、熱が下がれば病室だろうと抜け出していた。今までばれていなかったが、運悪く瞬歩で病室に戻った時、卯ノ花と出くわしてしまった。
「ああ・・・・俺の人生終わった」
鬼の角をはやした卯ノ花に、1時間ほどこってりとしぼられて、何度も謝ったのに反省していないと布団で簀巻きにされてしまった。
夕飯を食べて湯浴みをして、あとは寝るだけとなったのだが、また浮竹は簀巻きにされた。
仕方ないので、簀巻きのまま寝た。
「ふあ~~」
簀巻きで寝たのは初めてだったが、寝れないわけじゃなかった。
起きた浮竹の簀巻きをとってやり、体温計で熱を測る卯ノ花。
「おめでとうございます。今日も熱がないようなので、退院ですね」
「本当か、卯ノ花隊長!」
顔を輝かせる浮竹の耳元に、囁く。
「今度、肺の病であろうと、癒えて念のための入院になった時は簀巻きですからね」
ひーーーーー。
まだ怒ってるーーーーー。
浮竹は、退院のために自分の私物をまとめた。
卯ノ花烈。下の烈という名の通りの性格だった。
「浮竹、迎えにきたよ。今日退院でしょ」
「ああ、京楽・・・・俺、しばらく入院したくない・・・」
げっそりとした浮竹に、さては病室を抜け出したのが卯ノ花にばれたのだなと、すぐに分かった。
「卯ノ花隊長のいうことをちゃんと聞かないから」
「でも、一日中簀巻きだぞ!飯とか風呂とかの時は解いてくれたが、寝る時まで簀巻きだった」
「どうせ、病室抜け出して甘味屋にでもいったんでしょ?」
「うぐ・・・・・・」
「しかも、きっと僕のツケってことで飲み食いしたんだよね」
「ぐああああああ」
浮竹は、頭をかきむしった。
「4番隊の飯は不味いんだ!病院食ということで質素すぎるし味がしない!甘味屋に行きたくなる!」
「まぁ、僕も一度だけ虚退治の遠征で怪我をして入院したことあるけど、確かに食事は不味いね」
「あら・・・そんなに不味いというなら、あなたが肉になってみますか?」
ひいいいいいい。
でたあああああああ。
卯ノ花は、浮竹の病室でにこにこ微笑んでいた。
「患者には、胃に優しいものを食べさせます。自然と素味になるし、質素になるのは仕方ありません。でも、食事が出るだけましだと思ってくださいね?」
緊急時の入院や、入院費用を払えないものからはとりたてないのだ。
そのせいで、食事が豪華になることは余計にない。
「浮竹隊長も、仕送りなどで入院費が払えないものとして、無料で入院しているのですよ?ただなのに、食事に文句をつけないでください」
「う、すまない・・・・・」
「そういえば、京楽隊長は今日も元気そうですね。そうですが、そんなに献血をしたいのですか・・・・」
「僕、何も言ってないし何もしてないよ!?」
「あなたの血は新鮮なのです。この前たっぷりとった後も元気でしたし・・・さぁ、献血に参りましょう」
「浮竹た~す~け~て~」
連れていかれる京楽に向かって、浮竹は手を合わせて念仏を唱えだした。
「京楽、骨は拾ってやるからな!」
「浮竹、お~ぼ~て~な~よ~」
京楽はたっぷり献血されて、少し干からび帰ってきた。
献血をしたお礼にともらった野菜ジュースをちゅるるるると飲みほした。
「はぁ・・・・どうも、卯ノ花隊長は僕を血液の塊だと思ってるみたいだね。もうしばらく病院にはいたくない・・・・・帰ろう、浮竹」
浮竹は私物を手に、京楽と手を繋いで歩き出す。
浮竹が助けてくれなかったことは、根にもっていなかった。誰であろうと、卯ノ花を言い負かすことなどできない。
雨乾堂について、お互いを抱き締めあって、キスをした。
ここ1週間触れあっていなかった。
何度もキスを繰り返した。
病み上がりなので、京楽も浮竹もそれ以上はしなかった。
もしも病院で盛ったりした場面を見られたら、卯ノ花に闇に葬られる気がした。卯ノ花烈。
本当の名を卯ノ花八千流。
尸魂界きっての隊罪人であり、初代剣八だということを、二人はまだ知らないのであった。
PR
- トラックバックURLはこちら