忍者ブログ

プログ

小説掲載プログ
10 2024/11 14 2324 25 26 27 28 29 30 12

堕天使と天使外伝

天使の浮竹と堕天使の京楽は、ヴァンパイアの京楽とフェンリルの浮竹と一緒に海に行った。

泳いで遊ぶ中、ヴァンパイアの京楽は暑さに弱いらしく、ビーチパラソルの下で、暑い日光を遮って、飲み物を飲んでなんとか涼もうとしていた。

『みんなで競争だ!お城を作ろう!』

『ボクはパス。この暑さの下だと倒れそう』

「じゃあ、僕もパース」

堕天使の京楽がそういうと、フェンリルの浮竹が唸り声をあげた。

『参加しないと尻を噛むぞ』

「なんで僕だけそんな扱い!?」

「まぁまぁ、俺も参加するから」

天使の浮竹が、場を和ませようとする。

『じゃあ、競争だ。誰が一番立派な城を作るか!勝った者は、一番下だった者の言うことを1つ聞くこと!』

「なんだって!それは勝たないと!君の僕への態度を改めてもらうよ!」

『そう簡単にいくと思うなよ』

3人は、それぞれ制限時間を2時間として砂の城を作り始めた。

フェンリルの浮竹は、何処で覚えてきたのか、西洋の本当にありそうな立派な砂の城を作った。

天使の浮竹もそこそこ城に見れる形にものを作った。

しかし、堕天使の京楽が作った城は、城というよりただの砂の山だった。

『審査するのはヴァンパイアの京楽だ!』

『はい。何も言わなくても優勝はフェンリルの浮竹だね』

「それ、私情入ってない?」

『はいってないよ。見事なものでしょ、このお城。精緻過ぎて真似できる人いなさそう』

「確かに、すごいな。俺もそれなりのものを作ったつもりだが、なんだか恥ずかしい」

「ふん、僕の城はダイナミックだよ!」

みんな、ただの砂の山を城という堕天使の京楽をアホだと思った。

『じゃあ、ドベは堕天使の京楽だな。黒猫の姿で水かきして泳げ!』

「何その命令!なんで黒猫姿になって泳がないといけないの!海にさらわれちゃう!」

『なんなら、そのまま溺れ死んでもいいんだぞ』

堕天使の京楽は、溜息をついて黒猫姿になった。

海水パンツが地面に落ちる。

「僕の猫かきを甘く見ないでもらおうか!」

マッハで海に向かって駆け出す。

そして、波に乗って泳ぎ始めた。

「ふふん、人魚の子とデートした頃を思い出すなぁ」

『天使の俺を傷つける言葉だ!サンダーボルト!』

「ぎにゃあああああああああ!!でも僕はこれくらいで、猫かきをやめて溺れるわけにはいかない!」

半ば意味不明の使命感に燃えて、堕天使の京楽は波の間をひたすら猫かきして泳いだ。

「ああ、いい運動になった」

黒猫姿の京楽は、浜辺に戻るとぷるぷると体を震わせて水分を飛ばして、大好きな天使の浮竹の腕の中。

『いいなぁ。なぁ、京楽、お前もあれ俺にやってくれ』

『ええ!キミの場合、サイズがでかいから無理だよ。逆ならできるかもしれないけど』

『ん、逆ってことは、フェンリル姿の俺がお前を抱き上げるのか?』

『抱き上げることはできないだろうから、乗せてもらうかくわえられるかだね』

『むー』

「フェンリルの俺、そんな残念がるな。京楽は黒猫姿だから抱き上げられるだけで、まぁ見かけは綺麗な黒猫だけど中身は色魔の堕天使だからな」

『臭いしな』

フェンリルの浮竹の言葉に、天使の浮竹が黒猫姿の京楽を落っことす。

「臭くない!余計なこと言わないでよ!」

「ああ、言われたらなんか潮の香りが・・・帰ったら、猫用シャンプーで洗ってやるか」

『ずるいぞ、堕天使の京楽!天使の俺に洗ってもらうなんて!俺も洗ってほしい!』

「それは、まぁまた今度な」

天使の浮竹は笑って、フェンリルの浮竹の頭を撫でた。

フェンリルの浮竹は、尻尾をばっさばっさと振って、喜んでいた。

『んー、かわいいねぇ』

ヴァンパイアの京楽が、悦に浸る中、同じように黒猫の京楽も。

「かわいいなぁ。フェンリルの浮竹も黙っていればかわいい」

『あげないよ』

「いらない!絶対ほしくない!」

『だそうだよ、浮竹』

『俺もお前なんていらない!そこらの石より価値がない!』

「酷い!僕は天使の浮竹さえいればいいから、君なんていらない!」

フェンリルの浮竹は、狼の耳をぺたんとさせた。

『浮竹を傷つけないでね。サンダーボルト』

「ぎにゃああああああああああ」

ヴァンパイアの京楽は、堕天使の京楽に大分威力を落としたサンダーボルトの魔法をかけた。

「仕方ないやつだなぁ。ヒーリング」

天使の浮竹が、まだ黒猫姿の京楽(服がないので)に、回復魔法をかけてやった。

「浮竹は優しいねぇ。ああ、やっぱり僕には天使の君が一番大好きだよ」

黒猫姿で、ぴょんと天使の浮竹の肩に乗り、顔をこすりつける。

『ラブシーンなのかな、これ』

『さぁ。まぁどうでもいいから、帰ろうか』

『天使の俺、帰るぞ!そんなドブネズミみたいな黒猫は捨てていけ!』

「いや、これでも一応、伴侶だしな。一緒に帰るさ」

海での一日は、それなりに楽しい日であった。






拍手[0回]

PR
URL
FONT COLOR
COMMENT
Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字
PASS

TRACK BACK

トラックバックURLはこちら
新着記事
(11/22)
(11/21)
(11/21)
(11/21)
(11/21)
"ココはカウンター設置場所"