堕天使と天使20
その日は、京楽の誕生日だった。
浮竹はヴァンパイアの京楽のところに行ってこいと、京楽を追いだして、キッチンで豪華な料理をつくり、ケーキを作った。
「味は大丈夫だと思うんだがな。なにせ相手は三ツ星レストランでコックもしていた経験のある京楽だ。さて、京楽を呼び戻すか」
スマホで、京楽に連絡を入れる。
電話ではなくて、メールにした。
「早く帰ってこいよ・・・・・・」
追い出しておいて、用意ができると帰ってこいというのは、ちょっとどうかと思ったがまぁいいかと思った。
帰ってきた京楽は、テーブルの上に並べられた京楽の好きなメニューのご馳走と誕生日ケーキに目を輝かせた。
「これ全部、浮竹が一人で作ったの?」
「ああ、そうだ。味はお前の作ったものには劣るかもしれないが・・・・・」
「そんなことないよ!愛情のこもった料理は何より美味しいんだから!」
京楽は、浮竹と一緒にご馳走を食べて、京楽のバースデーケーキを食べた。
「あと、これは誕生日プレゼントだ」
そう言って、浮竹が渡してきたのは、サファイアでできたカフスボタンだった。
「ありがとう!大事にしまっておくよ!」
「いや、ちゃんと使ってくれ。サファイアといってもそんなに高くない石を選んだから、日常的に使っても大丈夫だ」
京楽は、浮竹に抱き着いた。
「うわ!いきなりなんだ!」
「僕って、愛されてるなぁと思って」
「そりゃ、愛してるぞ。俺の伴侶なのだから」
「このまま、浮竹もいただいていい?」
「む・・・今日だけだぞ」
2人は、寝室に向かっていった。
----------------------------------------------------------
「加減を覚えろ」
情事の後、へろへろになった浮竹に、怒られてぶたれまくったので黒猫姿になって、にゃあにゃあいってそれ以上ぶたれないようにした。
「む、卑怯だぞ。黒猫になるなんて」
「むふふふふ。今日はいい日だなぁ。かわいかったなぁ、抱かれてる浮竹」
「それ以上言ったら殺すぞ」
浮竹は、拳を振り上げた。
「にゃあああ。簡便してよ」
「くそ、黒猫は京楽だってわかっているのに殴れない・・・・・・」
「ふふふ、僕のこの愛らしい姿の前には浮竹もメロメロだね」
「言ってろ」
「・・・・・・・だよ」
「?何か言ったか?」
「ううん。なんにも」
「ここだよ・・・・・・」
その声は次第に大きくなり、浮竹にだけ聞こえた。
「声がする。懐かしい・・・・・」
「浮竹?」
「ここだよ。私の復讐のためのかわいい天使」
浮竹は、声が聞こえるほうに歩き出す。
「どこへ行くの浮竹!」
「声がする・・・・俺を呼ぶ声が・・・・・」
「行っちゃだめだ、浮竹!くそ、なんで体が動かないんだ!」
京楽は、金縛りにあったように体が動かなかった。
浮竹は、窓を開けて6枚の翼を出すと、宙に羽ばたいた。
「ここだよ、私の復讐のためのかわいい浮竹」
宙に浮いていたのは、黒い6枚の翼をもつ堕天使だった。
手配書に描かれていた顔そっくりで、すぐに藍染だと分かった。
「藍染、僕の浮竹に何をするつもりだ!」
「なぁに、ちょっと借りるだけだよ。殺しはしないから安心したまえ」
「藍染・・・・・?ミカエル父様ではないのか?」
「ミカエルの血を少しいただいただけだ。ミカエルと同じ気配になるためにね」
浮竹には、藍染が実の父のミカエルに見えていた。
「父様・・・・・・」
「さぁ、行こうか浮竹。君のセラフの力を、貸してもらうよ」
「行かせるか!」
京楽はなんとか金縛りから脱出して、藍染と同じ6枚の黒い翼を出して人型の堕天使に戻ると、藍染に禁忌の魔法を放った。
「ファイナルフレア!」
「おや、動けるのか・・・・」
夢遊病のようにふらふらと、羽ばたいて藍染のところに行こうとしていた浮竹が正気に戻った。
「京楽!?俺は何を・・・・・」
「ちっ。まぁいい、今夜は挨拶代わりだ。またくるよ、浮竹。その時は、君は私の道具として働いてもらうよ」
「藍染!?ミカエル父様の匂いがする!父様に何をした!」
「少し血をもらっただけさ。生きてはいる。まぁ、一度力を一緒にとりこませてもらったから、ミカエルは用済みだ。もう手は出さないから、安心したまえ」
「藍染、浮竹に手を出すなんて許さないよ!エターナルアイシクルフィールド!」
「カウンターマジック」
京楽の出した氷の禁忌魔法は、藍染の手で跳ね返されて、京楽はそれをバリアで防いだ。
「く・・・・魔法が効きにくいのか」
「ふふふ。思い出すね、同じ12使徒だった時代を。私はギンにも手を貸してもらっている。ギンも、同じ12使徒だったね」
「市丸ギンか!」
同じ神の12使徒であり、京楽や藍染のように堕天使に堕ちた者、それが市丸ギンだった。
「なんや、争いごとは嫌いやで」
市丸ギンも、その場に何気なく存在していた。
「藍染、今回は失敗かいな。今度は成功するようにしいや」
「行くよ、ギン。じゃあ、また会おう、浮竹、それに12使徒であった京楽」
「二度と来るな!浮竹に手を出したら、生きていることを後悔させてやるからね!」
「だそうだよ、ギン」
「おおこわ。京楽も性格変わったなぁ。昔は色欲魔の無節操だったのに、この浮竹って子のことになると、そんなに怒るんかいな」
「ギン、藍染なんかに力を貸すな!」
ギンは、笑った。
「そんなこと言われても、命の鍵である核を握られとるからなぁ。まぁ、ほどほどに付き合って核解放してもろて、自由になるわ」
「ではね」
藍染とギンは、空気に溶けるようにいなくなってしまった。
京楽は、震える浮竹を黒い翼で包み込む。
「安心して。僕が、君の傍にいる。君に手を出させたりしないよ」
「京楽・・・・・・」
夜の風を受けながら、2人は藍染とギンが溶けていった空間をただ黙して見ているのだった。
浮竹はヴァンパイアの京楽のところに行ってこいと、京楽を追いだして、キッチンで豪華な料理をつくり、ケーキを作った。
「味は大丈夫だと思うんだがな。なにせ相手は三ツ星レストランでコックもしていた経験のある京楽だ。さて、京楽を呼び戻すか」
スマホで、京楽に連絡を入れる。
電話ではなくて、メールにした。
「早く帰ってこいよ・・・・・・」
追い出しておいて、用意ができると帰ってこいというのは、ちょっとどうかと思ったがまぁいいかと思った。
帰ってきた京楽は、テーブルの上に並べられた京楽の好きなメニューのご馳走と誕生日ケーキに目を輝かせた。
「これ全部、浮竹が一人で作ったの?」
「ああ、そうだ。味はお前の作ったものには劣るかもしれないが・・・・・」
「そんなことないよ!愛情のこもった料理は何より美味しいんだから!」
京楽は、浮竹と一緒にご馳走を食べて、京楽のバースデーケーキを食べた。
「あと、これは誕生日プレゼントだ」
そう言って、浮竹が渡してきたのは、サファイアでできたカフスボタンだった。
「ありがとう!大事にしまっておくよ!」
「いや、ちゃんと使ってくれ。サファイアといってもそんなに高くない石を選んだから、日常的に使っても大丈夫だ」
京楽は、浮竹に抱き着いた。
「うわ!いきなりなんだ!」
「僕って、愛されてるなぁと思って」
「そりゃ、愛してるぞ。俺の伴侶なのだから」
「このまま、浮竹もいただいていい?」
「む・・・今日だけだぞ」
2人は、寝室に向かっていった。
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「加減を覚えろ」
情事の後、へろへろになった浮竹に、怒られてぶたれまくったので黒猫姿になって、にゃあにゃあいってそれ以上ぶたれないようにした。
「む、卑怯だぞ。黒猫になるなんて」
「むふふふふ。今日はいい日だなぁ。かわいかったなぁ、抱かれてる浮竹」
「それ以上言ったら殺すぞ」
浮竹は、拳を振り上げた。
「にゃあああ。簡便してよ」
「くそ、黒猫は京楽だってわかっているのに殴れない・・・・・・」
「ふふふ、僕のこの愛らしい姿の前には浮竹もメロメロだね」
「言ってろ」
「・・・・・・・だよ」
「?何か言ったか?」
「ううん。なんにも」
「ここだよ・・・・・・」
その声は次第に大きくなり、浮竹にだけ聞こえた。
「声がする。懐かしい・・・・・」
「浮竹?」
「ここだよ。私の復讐のためのかわいい天使」
浮竹は、声が聞こえるほうに歩き出す。
「どこへ行くの浮竹!」
「声がする・・・・俺を呼ぶ声が・・・・・」
「行っちゃだめだ、浮竹!くそ、なんで体が動かないんだ!」
京楽は、金縛りにあったように体が動かなかった。
浮竹は、窓を開けて6枚の翼を出すと、宙に羽ばたいた。
「ここだよ、私の復讐のためのかわいい浮竹」
宙に浮いていたのは、黒い6枚の翼をもつ堕天使だった。
手配書に描かれていた顔そっくりで、すぐに藍染だと分かった。
「藍染、僕の浮竹に何をするつもりだ!」
「なぁに、ちょっと借りるだけだよ。殺しはしないから安心したまえ」
「藍染・・・・・?ミカエル父様ではないのか?」
「ミカエルの血を少しいただいただけだ。ミカエルと同じ気配になるためにね」
浮竹には、藍染が実の父のミカエルに見えていた。
「父様・・・・・・」
「さぁ、行こうか浮竹。君のセラフの力を、貸してもらうよ」
「行かせるか!」
京楽はなんとか金縛りから脱出して、藍染と同じ6枚の黒い翼を出して人型の堕天使に戻ると、藍染に禁忌の魔法を放った。
「ファイナルフレア!」
「おや、動けるのか・・・・」
夢遊病のようにふらふらと、羽ばたいて藍染のところに行こうとしていた浮竹が正気に戻った。
「京楽!?俺は何を・・・・・」
「ちっ。まぁいい、今夜は挨拶代わりだ。またくるよ、浮竹。その時は、君は私の道具として働いてもらうよ」
「藍染!?ミカエル父様の匂いがする!父様に何をした!」
「少し血をもらっただけさ。生きてはいる。まぁ、一度力を一緒にとりこませてもらったから、ミカエルは用済みだ。もう手は出さないから、安心したまえ」
「藍染、浮竹に手を出すなんて許さないよ!エターナルアイシクルフィールド!」
「カウンターマジック」
京楽の出した氷の禁忌魔法は、藍染の手で跳ね返されて、京楽はそれをバリアで防いだ。
「く・・・・魔法が効きにくいのか」
「ふふふ。思い出すね、同じ12使徒だった時代を。私はギンにも手を貸してもらっている。ギンも、同じ12使徒だったね」
「市丸ギンか!」
同じ神の12使徒であり、京楽や藍染のように堕天使に堕ちた者、それが市丸ギンだった。
「なんや、争いごとは嫌いやで」
市丸ギンも、その場に何気なく存在していた。
「藍染、今回は失敗かいな。今度は成功するようにしいや」
「行くよ、ギン。じゃあ、また会おう、浮竹、それに12使徒であった京楽」
「二度と来るな!浮竹に手を出したら、生きていることを後悔させてやるからね!」
「だそうだよ、ギン」
「おおこわ。京楽も性格変わったなぁ。昔は色欲魔の無節操だったのに、この浮竹って子のことになると、そんなに怒るんかいな」
「ギン、藍染なんかに力を貸すな!」
ギンは、笑った。
「そんなこと言われても、命の鍵である核を握られとるからなぁ。まぁ、ほどほどに付き合って核解放してもろて、自由になるわ」
「ではね」
藍染とギンは、空気に溶けるようにいなくなってしまった。
京楽は、震える浮竹を黒い翼で包み込む。
「安心して。僕が、君の傍にいる。君に手を出させたりしないよ」
「京楽・・・・・・」
夜の風を受けながら、2人は藍染とギンが溶けていった空間をただ黙して見ているのだった。
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