堕天使と天使9
浮竹と京楽は、ヴァンパイア退治を依頼されて、結局遂行できなくて、違う世界の自分たちと邂逅した。
京楽は原始の王の始祖ヴァンパイアで、浮竹がフェンリルだった。
お互いに会話をして、ガトーショコラを御馳走になった。
さて、それから月日は数日流れた。
浮竹の実は母親は生きている。
人間だった。アンヌ・マリーという名の女性だそうだ。
浮竹は、かつて実の父である大天使長ミカエルから、母親の住所がかかれたメモをもらっていた。いつか会いに行こうと思って、伸ばしに伸ばしてしまった。
「なぁ、京楽」
「なんだい?」
「実の母に会いに行こうと思うんだ。お前も、ついてきてくれるか?」
「え、何それ。君をお嫁さんにくださいって言いにいくってこと?」
「ばか、違う!そもそも俺はお婿さんだ。嫁にくるならお前が来い。じゃなくてだな、純粋に母親に会ってみたい」
浮竹の思いは募り、母親に会いたくなった。
アンヌ・マリーという女性は、隣国であるエスパニア王国にいるらしい。
意外と近いので、浮竹もびっくりしていた。
車に乗り込み、エスパニア王国の首都マイセルを目指して3時間。
エスパニア王国に入った。
肌の色が褐色の人種がおおくて、浮竹と京楽はちょっと毛色の変わった者に見えるかもしれなかった。
住所のメモを頼りに、小さな煉瓦作りのアパートに辿りついた。
「ここか・・・・俺の母の家は」
「会っても、大丈夫?拒否されたりしない?」
「いや、母は俺を愛してくれていた。神に幼い頃にガブリエルのところに連れて行かれるまでは、父と母と過ごしていた」
「そう。後悔しないでね」
「とりあえず、チャイムを鳴らすか」
ピンポーン。
チャイムが鳴ると、やや小柄な褐色の肌の女性が出てきた。
「どちら様ですか?」
「あなたが、アンヌ・マリー?」
「あなた・・・もしかして、十四郎?十四郎なのね!?」
見た目年齢にすると、35歳前後だろうか。
実質の年は50を超えているはずだ。
「アンヌ・マリー。僕の、母さん・・・・・・」
「ああ。またあなたを見れる日がくるなんて。私からの接触は禁じられているの。あがってちょうだい。狭いところだけど」
アパートは、3部屋とキッチンがついており、一人暮らしするにも十分な広さがあった。
「あなたの父のミカエルが、毎月お金をくれるの。私は右足が悪くてね。ろくに働けないのよ」
そういうえば、右足を引きずっていた。
「あなたの父のミカエルに会ったのは、まだ大学生の頃だったわ。一目見て恋に落ちたの。でも、相手は人間だと思っていたわ。思いが通じた時、大天使長ミカエルと聞いて、それでも離れられなかった。愛していたの」
アンヌの遺伝子は、浮竹の中にあるが、色は大天使長ミカエルの方が強く、褐色の肌は遺伝していなかった。
アンヌは、褐色の肌に金の髪、青い瞳の小柄な美しい人だった。
「その・・・母さんと、呼んでも?」
「ええ、十四郎。それで、こちらのお方は?」
アンヌが、京楽を見る。
「京楽春水。俺の伴侶だ」
「きええええええええ!!!京楽春水ですってええええええ!!あの、たらしの京楽春水!十四郎、悪いことは言わないから今すぐ別れなさい!絶対浮気するわ!!」
京楽の名は悪い意味で広がっており、京楽を知っている人物に会うと、皆別れたほうがいいというのだ。
「いや、大丈夫だから、母さん。京楽は浮気しないし、させない。俺のものだ」
「十四郎・・・・京楽春水」
「は、はい」
「この子を裏切ったりしたら、めっためたぎったんぎったんにして、あそこをもぎとってやるからね!」
「ひええええ」
京楽は、股間をおさえて数歩後ずさった。
「まぁ、とりあえずお昼だし、何が食べましょう。そうだわ、あなたの好きだったオムライスを作ってあげる。京楽春水の分も、仕方ないから作ってあげましょう」
そう言って、アンヌは3人分のオムライスを作った。
「懐かしいなぁ。うろ覚えだけど、母さんの作ったオムライスはおいしいの、覚えている」
アンヌの作り立てのオムライスは、おいしかった。
味でいえば京楽のシェフ並みの腕をもつオムライスのほうがおいしいかもしれないが、特別な愛情と懐かしさで、アンヌの作ったオムライスの方が美味しいと感じれた。
「いや、悪いね。僕まで御馳走になっちゃって」
「あなた、本当に十四郎の他には浮気していないのね?浮気したら、あそこをもいで干からびるまで十字架に張り付けよ!」
「怖い、怖いから!」
京楽は、浮竹の背後に隠れた。
「母さん、京楽は俺だけを愛してくれているから、大丈夫だ。浮気なんてしたら、別れるし俺がめったんめったんのぎったぎたにして股間をもぐ」
「あら、十四郎は頼もしいわね」
「この親子・・・・」
京楽は、自分の身を護るためにも、浮竹だけを愛していると、アンヌを言いくるめた。
「じゃあ、俺はこのあたりで帰るよ。また、遊びにきてもいいかな、母さん」
「ええ、いつでもいらっしゃい。京楽春水を連れてきてもいいけれど、浮気しないように契約の首輪でもする?」
契約の首輪とは、相手を縛り付ける魔道具の一種だ。
意に背いた行動をとると、動けなくなるようにできていた。
「いや、俺は京楽を信じているから。過去はとんでもないたらしの色欲魔だったらしいが、今は俺一筋と信じている」
「浮竹・・・・・」
京楽は感動した。
そのまま、車に乗りこんで自宅に帰る。
すると、フェンリルの浮竹が自宅前で座りこんでいた。
「どうしたの。そっちの京楽は?」
『ちょっとこの世界は珍しいものがあるから買い物にいってくるって。ついていきたかったけど、こっちの世界のフェンリルは精霊の一種らしくて、危険な存在として認識されているから、お留守番・・・・・』
「とりあえず、家にあがれ。外で待つのは退屈だったろう」
『ありさん数えてた』
「あ、そう・・・・・」
天使の浮竹は、京楽に行って紅茶と茶菓子にと作っておいたマーブルクッキーをフェンリルの浮竹に出した。
『おいしいな、これ』
「京楽が作ったんだ。そっちの京楽も、料理は上手なんだろう?」
『うん』
『浮竹、待ったかい。すまないね、すっかり世話になっているようで』
扉から入ってきたのは、ヴァンパイアの京楽だった。
戸は施錠していたのに、まるで空気のように室内に入ってきて、体を作り出す。
多分、蝙蝠になるのを応用しているのだろう。何せ原初の王にして始祖ヴァンパイアだ。
『京楽!買い物が済んだのか?』
『うん。この世界の懐中電灯なるものと缶詰と缶切りを買ったよ』
『この世界は、珍しいもので溢れているな。馬車の代わりに、車なるものが走っている』
「まぁ、君たちの世界よりは科学というものが進歩してるからねぇ」
京楽の言葉に、マーブルクッキーを全部食べ終えたフェンリルの浮竹が、ヴァンパイアの京楽の傍に寄り添った。
『じゃあ、僕らは戻るよ』
「ああ、またな」
「またねぇ」
『また、遊びにくる。その時はこちら側もお土産を用意しておくよ』
「さて、今度の依頼はなんだろうな?」
「ヴァンパイア退治はごめんだよ。情がうつる」
依頼内容は、どれも金貨10枚以下のモンスター処理の依頼だった。
そのうち、一番重要度の高そうなものを選び、二人は祓い屋もしくは退治屋としての活動を再開するのであった。
京楽は原始の王の始祖ヴァンパイアで、浮竹がフェンリルだった。
お互いに会話をして、ガトーショコラを御馳走になった。
さて、それから月日は数日流れた。
浮竹の実は母親は生きている。
人間だった。アンヌ・マリーという名の女性だそうだ。
浮竹は、かつて実の父である大天使長ミカエルから、母親の住所がかかれたメモをもらっていた。いつか会いに行こうと思って、伸ばしに伸ばしてしまった。
「なぁ、京楽」
「なんだい?」
「実の母に会いに行こうと思うんだ。お前も、ついてきてくれるか?」
「え、何それ。君をお嫁さんにくださいって言いにいくってこと?」
「ばか、違う!そもそも俺はお婿さんだ。嫁にくるならお前が来い。じゃなくてだな、純粋に母親に会ってみたい」
浮竹の思いは募り、母親に会いたくなった。
アンヌ・マリーという女性は、隣国であるエスパニア王国にいるらしい。
意外と近いので、浮竹もびっくりしていた。
車に乗り込み、エスパニア王国の首都マイセルを目指して3時間。
エスパニア王国に入った。
肌の色が褐色の人種がおおくて、浮竹と京楽はちょっと毛色の変わった者に見えるかもしれなかった。
住所のメモを頼りに、小さな煉瓦作りのアパートに辿りついた。
「ここか・・・・俺の母の家は」
「会っても、大丈夫?拒否されたりしない?」
「いや、母は俺を愛してくれていた。神に幼い頃にガブリエルのところに連れて行かれるまでは、父と母と過ごしていた」
「そう。後悔しないでね」
「とりあえず、チャイムを鳴らすか」
ピンポーン。
チャイムが鳴ると、やや小柄な褐色の肌の女性が出てきた。
「どちら様ですか?」
「あなたが、アンヌ・マリー?」
「あなた・・・もしかして、十四郎?十四郎なのね!?」
見た目年齢にすると、35歳前後だろうか。
実質の年は50を超えているはずだ。
「アンヌ・マリー。僕の、母さん・・・・・・」
「ああ。またあなたを見れる日がくるなんて。私からの接触は禁じられているの。あがってちょうだい。狭いところだけど」
アパートは、3部屋とキッチンがついており、一人暮らしするにも十分な広さがあった。
「あなたの父のミカエルが、毎月お金をくれるの。私は右足が悪くてね。ろくに働けないのよ」
そういうえば、右足を引きずっていた。
「あなたの父のミカエルに会ったのは、まだ大学生の頃だったわ。一目見て恋に落ちたの。でも、相手は人間だと思っていたわ。思いが通じた時、大天使長ミカエルと聞いて、それでも離れられなかった。愛していたの」
アンヌの遺伝子は、浮竹の中にあるが、色は大天使長ミカエルの方が強く、褐色の肌は遺伝していなかった。
アンヌは、褐色の肌に金の髪、青い瞳の小柄な美しい人だった。
「その・・・母さんと、呼んでも?」
「ええ、十四郎。それで、こちらのお方は?」
アンヌが、京楽を見る。
「京楽春水。俺の伴侶だ」
「きええええええええ!!!京楽春水ですってええええええ!!あの、たらしの京楽春水!十四郎、悪いことは言わないから今すぐ別れなさい!絶対浮気するわ!!」
京楽の名は悪い意味で広がっており、京楽を知っている人物に会うと、皆別れたほうがいいというのだ。
「いや、大丈夫だから、母さん。京楽は浮気しないし、させない。俺のものだ」
「十四郎・・・・京楽春水」
「は、はい」
「この子を裏切ったりしたら、めっためたぎったんぎったんにして、あそこをもぎとってやるからね!」
「ひええええ」
京楽は、股間をおさえて数歩後ずさった。
「まぁ、とりあえずお昼だし、何が食べましょう。そうだわ、あなたの好きだったオムライスを作ってあげる。京楽春水の分も、仕方ないから作ってあげましょう」
そう言って、アンヌは3人分のオムライスを作った。
「懐かしいなぁ。うろ覚えだけど、母さんの作ったオムライスはおいしいの、覚えている」
アンヌの作り立てのオムライスは、おいしかった。
味でいえば京楽のシェフ並みの腕をもつオムライスのほうがおいしいかもしれないが、特別な愛情と懐かしさで、アンヌの作ったオムライスの方が美味しいと感じれた。
「いや、悪いね。僕まで御馳走になっちゃって」
「あなた、本当に十四郎の他には浮気していないのね?浮気したら、あそこをもいで干からびるまで十字架に張り付けよ!」
「怖い、怖いから!」
京楽は、浮竹の背後に隠れた。
「母さん、京楽は俺だけを愛してくれているから、大丈夫だ。浮気なんてしたら、別れるし俺がめったんめったんのぎったぎたにして股間をもぐ」
「あら、十四郎は頼もしいわね」
「この親子・・・・」
京楽は、自分の身を護るためにも、浮竹だけを愛していると、アンヌを言いくるめた。
「じゃあ、俺はこのあたりで帰るよ。また、遊びにきてもいいかな、母さん」
「ええ、いつでもいらっしゃい。京楽春水を連れてきてもいいけれど、浮気しないように契約の首輪でもする?」
契約の首輪とは、相手を縛り付ける魔道具の一種だ。
意に背いた行動をとると、動けなくなるようにできていた。
「いや、俺は京楽を信じているから。過去はとんでもないたらしの色欲魔だったらしいが、今は俺一筋と信じている」
「浮竹・・・・・」
京楽は感動した。
そのまま、車に乗りこんで自宅に帰る。
すると、フェンリルの浮竹が自宅前で座りこんでいた。
「どうしたの。そっちの京楽は?」
『ちょっとこの世界は珍しいものがあるから買い物にいってくるって。ついていきたかったけど、こっちの世界のフェンリルは精霊の一種らしくて、危険な存在として認識されているから、お留守番・・・・・』
「とりあえず、家にあがれ。外で待つのは退屈だったろう」
『ありさん数えてた』
「あ、そう・・・・・」
天使の浮竹は、京楽に行って紅茶と茶菓子にと作っておいたマーブルクッキーをフェンリルの浮竹に出した。
『おいしいな、これ』
「京楽が作ったんだ。そっちの京楽も、料理は上手なんだろう?」
『うん』
『浮竹、待ったかい。すまないね、すっかり世話になっているようで』
扉から入ってきたのは、ヴァンパイアの京楽だった。
戸は施錠していたのに、まるで空気のように室内に入ってきて、体を作り出す。
多分、蝙蝠になるのを応用しているのだろう。何せ原初の王にして始祖ヴァンパイアだ。
『京楽!買い物が済んだのか?』
『うん。この世界の懐中電灯なるものと缶詰と缶切りを買ったよ』
『この世界は、珍しいもので溢れているな。馬車の代わりに、車なるものが走っている』
「まぁ、君たちの世界よりは科学というものが進歩してるからねぇ」
京楽の言葉に、マーブルクッキーを全部食べ終えたフェンリルの浮竹が、ヴァンパイアの京楽の傍に寄り添った。
『じゃあ、僕らは戻るよ』
「ああ、またな」
「またねぇ」
『また、遊びにくる。その時はこちら側もお土産を用意しておくよ』
「さて、今度の依頼はなんだろうな?」
「ヴァンパイア退治はごめんだよ。情がうつる」
依頼内容は、どれも金貨10枚以下のモンスター処理の依頼だった。
そのうち、一番重要度の高そうなものを選び、二人は祓い屋もしくは退治屋としての活動を再開するのであった。
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