奴隷竜とSランク冒険者25
『キュウ』
「これは・・・・どうしたことなんだ?」
浮竹が、ちびドラゴンになってしまったダークネスドラゴンの京楽の様子を、監察する。
『キュウキュウ』
「遊んで?いつものダークネスドラゴンの京楽らしくないな」
『キュウウウウ』
「腹減った?って、いたたたた、俺は食べ物じゃないぞ」
『キュウウ』
『ちょっとしたことがあってな。京楽はちびドラゴンになってしまった。噛むのは愛情の証だ』
ハイエルフの浮竹が、ちびになったダークネスドラゴンの京楽を抱き抱える。
「いいなー。じーーーーーーーーー」
熱い京楽の視線を感じて、浮竹は溜息を零した。
「今回だけだぞ。俺もちびドラゴンになろう」
浮竹は、ポンっと音をたてて、肩に乗れるくらいの猫の大きさのドラゴン姿になった。
羽毛で覆われていて、もふもふだった。
「わーい、浮竹のちびさんだーーー」
「ちょ、京楽、抱きしめる力が強い!俺は体は子供の姿になっているんだ」
「あ、ごめん。いつもの調子で抱き着いちゃった。このまま人間化すると、やっぱり小さいの?」
「いや、普通に元の人型に戻る。だから言っただろう。今回だけだと」
「浮竹かわいい。まじ天使。浮竹かわいい」
「それしかいえんのか」
浮竹は京楽の顔面に猫パンチならぬドラパンチをすると、ダークネスドラゴンの京楽に話しかける。
「さぁ、俺もちびになったぞ。おかげで遊びたい。一緒に遊ぼう」
『キュウ!』
いいよと言ってくれて、浮竹はダークネスドラゴンの京楽とじゃれあっていた。
「いいなぁ。僕もまじりたい」
『俺もまじりたい』
「でも、せっかくチビドラゴンになれた同士で遊ばせてあげたいしね」
『そうだな』
京楽とハイエルフの浮竹は、パタパタと空を飛んで追いかけっこする2匹の子ドラゴンをかわいいなぁと、眺めていた。
『きゅう、きゅう』
「おい、ハイエルフの俺。ダークネスドラゴンの京楽が腹が減ったそうだ」
『俺はドラゴン語は分かるぞ』
「そうか」
『ご飯にしよう。・・・・・・でも、俺は料理できない』
ハイエルフの浮竹は、いつもダークネスドラゴンの京楽がおいしいものを作ってくれるので、料理の腕など磨いたことがなかった。
「僕がつくるよ。材料は・・・うーん、海鮮パスタでいいかな」
『あ、そっちの京楽は料理できるのか?すごく助かる』
「こっちの浮竹も料理の腕はいまいちでね。僕が基本ダンジョンとかでは作るようにしてるよ。高級宿にいる時は、料理は作ってもらったの食べてるけど、料理はできるよ。浮竹に会う前は、ソロ冒険者してたからね」
「京楽の料理はうまいぞ」
『きゅう、きゅう』
「早く作れだとさ」
「僕にはドラゴン語はさっぱりだからねぇ。翻訳してくれて助かるよ」
京楽は、手慣れた手つきで海鮮パスタを作り、サラダとデザートにパイナップルに蜂蜜をかけたものを出してきた。
『お、美味いな』
ハイエルフの浮竹は、美味しそうに食べる。
浮竹はというと、ちびドラゴン姿のまま食べていた。
「人間に戻らないの?」
「一度ちび化すると、1日はこのままだ」
『きゅう、きゅうう』
ダークネスドラゴンの京楽は、海鮮パスタにもサラダにもデザートにも顔を突っ込んで食べるものだから、顔が最後は蜂蜜まみれになっていた。
『こら、京楽行儀が悪いぞ』
ハイエルフの浮竹が、濡れたタオルでダークネスドラゴンの京楽の、ちびドラゴンの小さな顔をふいてやる。
『きゅう、きゅう』
「お腹いっぱいになったから、寝たいだそうだ。俺も一緒に寝ないかと誘っている」
「だめ!いくらちびになったとしても、浮竹は僕のものだよ!ぜーーーーったいにだめ!」
「京楽・・・・お前、心がせまいな。今のこの子ドラゴンに、欲があると思うか?」
「それでもだめ。寝るっていうんなら、僕も混ざるよ」
『京楽、寝ていいが一人で寝ろ。ちゃんと傍にいるから』
『キュウウ!!』
「はい、ご主人様だって。そっちの俺は、そっちの京楽にご主人様と思われてるのか」
『あ、ああ。思考まで幼児化していて、いろいろ大変だ』
「京楽、保存できるような食事をたくさん作ってやれ。ハイエルフの俺は料理が苦手のようだし、このちびどらごん姿では、ダークネスドラゴンの京楽は飯を作れないだろうし、しばらく元に戻りそうにない」
「仕方ないねぇ。浮竹の頼みとあらば、冷凍して温めたら食べれる料理、1週間分くらい用意するよ。まずは買い出しに行かないとね」
「ああ、俺はこの姿だからお留守番だ。ハイエルフの浮竹と買い出しに行ってくれ。ダークネスドラゴンの京楽のことは、俺が見ておく」
ベッドに丸くなって眠っているダークネスドラゴンの京楽を、ちびドラゴンになった浮竹が優しく撫でた。
『急いで戻ってくるから!それまで、頼むよ。さぁ、人間の京楽、買い出しにいくぞ』
「え、ああ、うん」
ハイエルフの浮竹と京楽は、風の魔法を使って空を飛んで、マッハで買い物をしてアイテムポケットに買ったものをつっこんで帰ってきた。
「は、はやいな。まだ20分しか経ってないぞ」
『京楽が目を覚ました時、俺がいないと泣くからな』
「そうか。俺もこっちの京楽のことは一応主だとは思っているが、対等の関係でいたいのでそういう契約を交わしている」
『俺もだ』
「しかし、いつそっちの京楽は元に戻るんだ?」
『さぁ、俺にも分からない」
「そうか。愛する者を愛せば、意外と早く戻るかもな?」
『どういう意味だ?』
「それは、お前で考えろ」
『むう』
「さぁできた!1週間分の冷凍食品作ったから、帰るよ、浮竹」
「ん、ああ。そうだな」
浮竹は、京楽のアイテムポケットの中に入って、姿を見られないようにして自分の住む大陸の王国に、京楽と一緒に戻っていく。
「じゃあ、またな。ハイエルフの俺に、ダークネスドラゴンの京楽」
「またね~」
『はぁ・・・・京楽、いつになったら元に戻ってくれるんだ?』
『キュウ?』
目覚めたダークネスドラゴンの京楽は、重い溜息をつく浮竹にすり寄るのだった。
「これは・・・・どうしたことなんだ?」
浮竹が、ちびドラゴンになってしまったダークネスドラゴンの京楽の様子を、監察する。
『キュウキュウ』
「遊んで?いつものダークネスドラゴンの京楽らしくないな」
『キュウウウウ』
「腹減った?って、いたたたた、俺は食べ物じゃないぞ」
『キュウウ』
『ちょっとしたことがあってな。京楽はちびドラゴンになってしまった。噛むのは愛情の証だ』
ハイエルフの浮竹が、ちびになったダークネスドラゴンの京楽を抱き抱える。
「いいなー。じーーーーーーーーー」
熱い京楽の視線を感じて、浮竹は溜息を零した。
「今回だけだぞ。俺もちびドラゴンになろう」
浮竹は、ポンっと音をたてて、肩に乗れるくらいの猫の大きさのドラゴン姿になった。
羽毛で覆われていて、もふもふだった。
「わーい、浮竹のちびさんだーーー」
「ちょ、京楽、抱きしめる力が強い!俺は体は子供の姿になっているんだ」
「あ、ごめん。いつもの調子で抱き着いちゃった。このまま人間化すると、やっぱり小さいの?」
「いや、普通に元の人型に戻る。だから言っただろう。今回だけだと」
「浮竹かわいい。まじ天使。浮竹かわいい」
「それしかいえんのか」
浮竹は京楽の顔面に猫パンチならぬドラパンチをすると、ダークネスドラゴンの京楽に話しかける。
「さぁ、俺もちびになったぞ。おかげで遊びたい。一緒に遊ぼう」
『キュウ!』
いいよと言ってくれて、浮竹はダークネスドラゴンの京楽とじゃれあっていた。
「いいなぁ。僕もまじりたい」
『俺もまじりたい』
「でも、せっかくチビドラゴンになれた同士で遊ばせてあげたいしね」
『そうだな』
京楽とハイエルフの浮竹は、パタパタと空を飛んで追いかけっこする2匹の子ドラゴンをかわいいなぁと、眺めていた。
『きゅう、きゅう』
「おい、ハイエルフの俺。ダークネスドラゴンの京楽が腹が減ったそうだ」
『俺はドラゴン語は分かるぞ』
「そうか」
『ご飯にしよう。・・・・・・でも、俺は料理できない』
ハイエルフの浮竹は、いつもダークネスドラゴンの京楽がおいしいものを作ってくれるので、料理の腕など磨いたことがなかった。
「僕がつくるよ。材料は・・・うーん、海鮮パスタでいいかな」
『あ、そっちの京楽は料理できるのか?すごく助かる』
「こっちの浮竹も料理の腕はいまいちでね。僕が基本ダンジョンとかでは作るようにしてるよ。高級宿にいる時は、料理は作ってもらったの食べてるけど、料理はできるよ。浮竹に会う前は、ソロ冒険者してたからね」
「京楽の料理はうまいぞ」
『きゅう、きゅう』
「早く作れだとさ」
「僕にはドラゴン語はさっぱりだからねぇ。翻訳してくれて助かるよ」
京楽は、手慣れた手つきで海鮮パスタを作り、サラダとデザートにパイナップルに蜂蜜をかけたものを出してきた。
『お、美味いな』
ハイエルフの浮竹は、美味しそうに食べる。
浮竹はというと、ちびドラゴン姿のまま食べていた。
「人間に戻らないの?」
「一度ちび化すると、1日はこのままだ」
『きゅう、きゅうう』
ダークネスドラゴンの京楽は、海鮮パスタにもサラダにもデザートにも顔を突っ込んで食べるものだから、顔が最後は蜂蜜まみれになっていた。
『こら、京楽行儀が悪いぞ』
ハイエルフの浮竹が、濡れたタオルでダークネスドラゴンの京楽の、ちびドラゴンの小さな顔をふいてやる。
『きゅう、きゅう』
「お腹いっぱいになったから、寝たいだそうだ。俺も一緒に寝ないかと誘っている」
「だめ!いくらちびになったとしても、浮竹は僕のものだよ!ぜーーーーったいにだめ!」
「京楽・・・・お前、心がせまいな。今のこの子ドラゴンに、欲があると思うか?」
「それでもだめ。寝るっていうんなら、僕も混ざるよ」
『京楽、寝ていいが一人で寝ろ。ちゃんと傍にいるから』
『キュウウ!!』
「はい、ご主人様だって。そっちの俺は、そっちの京楽にご主人様と思われてるのか」
『あ、ああ。思考まで幼児化していて、いろいろ大変だ』
「京楽、保存できるような食事をたくさん作ってやれ。ハイエルフの俺は料理が苦手のようだし、このちびどらごん姿では、ダークネスドラゴンの京楽は飯を作れないだろうし、しばらく元に戻りそうにない」
「仕方ないねぇ。浮竹の頼みとあらば、冷凍して温めたら食べれる料理、1週間分くらい用意するよ。まずは買い出しに行かないとね」
「ああ、俺はこの姿だからお留守番だ。ハイエルフの浮竹と買い出しに行ってくれ。ダークネスドラゴンの京楽のことは、俺が見ておく」
ベッドに丸くなって眠っているダークネスドラゴンの京楽を、ちびドラゴンになった浮竹が優しく撫でた。
『急いで戻ってくるから!それまで、頼むよ。さぁ、人間の京楽、買い出しにいくぞ』
「え、ああ、うん」
ハイエルフの浮竹と京楽は、風の魔法を使って空を飛んで、マッハで買い物をしてアイテムポケットに買ったものをつっこんで帰ってきた。
「は、はやいな。まだ20分しか経ってないぞ」
『京楽が目を覚ました時、俺がいないと泣くからな』
「そうか。俺もこっちの京楽のことは一応主だとは思っているが、対等の関係でいたいのでそういう契約を交わしている」
『俺もだ』
「しかし、いつそっちの京楽は元に戻るんだ?」
『さぁ、俺にも分からない」
「そうか。愛する者を愛せば、意外と早く戻るかもな?」
『どういう意味だ?』
「それは、お前で考えろ」
『むう』
「さぁできた!1週間分の冷凍食品作ったから、帰るよ、浮竹」
「ん、ああ。そうだな」
浮竹は、京楽のアイテムポケットの中に入って、姿を見られないようにして自分の住む大陸の王国に、京楽と一緒に戻っていく。
「じゃあ、またな。ハイエルフの俺に、ダークネスドラゴンの京楽」
「またね~」
『はぁ・・・・京楽、いつになったら元に戻ってくれるんだ?』
『キュウ?』
目覚めたダークネスドラゴンの京楽は、重い溜息をつく浮竹にすり寄るのだった。
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