奴隷竜とSランク冒険者28
「ぴーぴー」
「浮竹、いい加減に人型に戻ってよ」
「ぴ?」
新月の夜は、人型をとれる真竜のドラゴン族は、元のドラゴンの姿に戻る。
今までの新月の夜は、浮竹は一人になりたいと言って、京楽をあまり近づけさせなかった。
森の中で、一人巨大なムーンホワイトドラゴンの姿になり、朝が来るのを待った。
そんな浮竹も、一緒にいたいという京楽の願いを聞き入れて、森の中で一緒に過ごす新月の夜も多くなった。
だが、浮竹は見た目は成人しているが、ドラゴンの年齢で考えるとまだ子供だった。
ある日の新月の夜、浮竹はいつもの大きな白い羽毛に覆われた、儚くも美しい珍しいドラゴン姿から、もこもこした毛玉のような子ドラゴンになった。
京楽はそんなことは初めてなので、慌ててハイエルフの浮竹とダークネスドラゴンの自分のところに行ったが、問題はないとのことだった。
「ねぇ、浮竹」
「ぴーー?」
「もう、夜明けだよ。新月の夜は終わった。なのに、なんで子ドラゴンの姿のままなの。早く、人型に戻ってよ」
「ぴー」
浮竹は、宿のベッドの上ではねて、スプリングがきいて自分がぽよんぽよんする遊びを、楽しんでいた。
完全に一夜が明けても、元に戻らないので京楽は、ハイエルフの浮竹とダークネスドラゴンの京楽に助けを求めた。
曰く、時間が解決してくれるらしい。
「ぴーーーー?」
「浮竹・・・・元に戻って・・」
「ぴぴ」
「十四郎、たとえ君がそのままの姿でも、僕は君を愛しているよ」
「ぴーーーー!!」
京楽はちびドラゴンの浮竹を思い切り抱きしめて、キスをした。
ぼふん。
音をたてて、浮竹が人型に戻る。
「え、キスで変化するってまるでおとぎ話みたい」
「ち、違うぞ。決して、元に戻れるのに子供姿の自分が面白くて、慌てる京楽が面白くて、ちびのままでいたんじゃないぞ」
「へー、そうなの。お仕置き、必要だね」
「ぎゃあああああああああ」
浮竹はその場で押し倒されて、ハリセンで京楽の頭を殴りまくり、なんとか京楽をなだめた。
「子ドラゴンの時はドラゴン語しか言えないんだ。ぴーぴーと言っているが、ちゃんと言葉になっている。まぁ、京楽はドラゴン語は身に付けられないだろうが」
「なんで?ハイエルフの浮竹には分かるんでしょ?僕も勉強すれば・・・・」
「ハイエルフの俺は、知識量が半端じゃない。言語理解のユニークスキルをもっているはずだ。京楽のユニークスキルはフタツナルモノ・・・・・魔法と剣に大幅に上昇効果が得られるスキルだ。ユニークスキル、リカイスルモノがなければ、ドラゴン語は分からない」
「じゃあ、僕はそのリカイスルモノもらってくる」
「へ?」
浮竹は間抜けな声を出していた。
「魔法屋に、金をつめばユニークスキルを覚えさせてくれる店がある。そこには、確かリカイスルモノも扱っていたはずだよ」
「ユニークスキルが、売買の対象に?人間って、恐ろしい・・・・」
浮竹は、まだ人間社会については詳しくなかった。
生まれ持って覚えていたユニークスキル以外のユニークスキルを、なんらかのことがあって手に入れるなら分かるが、売買できるなんて、初めて知った。
浮竹は、京楽の後を追って、その魔法屋にやってきた。
「はいはい、リカイスルモノですね。白金貨150万枚になります」
「もうちょっとまけてよ」
「うーん、魔法屋の常連さんの京楽さんですから、白金貨120万枚で」
「もう一声」
「うー、渡り上手な人だ。いつもエリクサーやエリクシールを買っていただいているので、白金貨100万枚です。これ以上は、いくら京楽さんでも無理です」
「よし、買った」
アイテムポケットから、白金貨100万枚の入った袋をとりだして、店の主人に渡す。
すると、店の主人はポーションをさしだしてきた。
「ポーション?」
「そうだよ、浮竹。飲んで、覚えるの」
「飲んで、覚える・・・・ユニークスキルを飲む・・・・・」
京楽は、青く輝くポーションを飲んだ。
ぴろりろりーん。
京楽は、ユニークスキル、リカイスルモノを手に入れた。
そんな音と声がして、京楽は本当にリカイスルモノを手に入れてしまった。
「戦闘系に関わるユニークスキルの売買は国が禁止しているから、リカイスルモノなら戦闘系じゃないから買えたよ」
「子ドラゴンになってみて」
「ぴーーー」
「京楽のあほばかうんこたれ。この絶倫のすけべ・・・・う、浮竹?」
「ぴーーーーー」
「やっべ、ほんとのこと言っちゃった・・・・うきたけぇぇぇ?」
ぽん。
人型に戻り、浮竹は京楽を引きずって店を出る。
「いいか、ユニークスキルを売買できるのはこのメリアナ王国くらいだ。あっちのハイエルフの俺とダークネスドラゴンの京楽には言うなよ」
「え、あ、うん」
「俺もユニークスキルが売買できるなんて初めて知って、すごく驚いているんだからな」
「でも、ドラゴン姿になったもう一人の僕の言葉に反応するだろうから、ユニークスキルをどうやって手に入れたって聞かれて、答えるしかなくなると、ばれるよ」
「ああああ!京楽、ダークネスドラゴンの京楽や俺がドラゴン語でしゃべっていても、反応するな」
「無理だよ。せっかく覚えたんだから」
「はぁ・・・・ハイエルフの俺、怒るかな」
「なんで?」
「ユニークスキルは生まれ持っているか、相当の苦労をして手に入れるものだからな。お金で簡単に売買できるなんて知ったら、店をつぶしそうだ」
「そえりゃ困る。分かったよ、ドラゴン語は理解できないふりするね」
「そうしてくれ」
結局ハイエルフの浮竹に全部ばれて、売られていたユニークスキルは全て破棄させられて、その魔法屋は潰れるのであった。
そして、次の新月の夜にまた浮竹はちびドラゴンになるのだが、今度は人型に戻れなくて、京楽が「助けて」とハイエルフの浮竹とダークネスドラゴンの京楽のところに行くのは、また違うお話であった。
「浮竹、いい加減に人型に戻ってよ」
「ぴ?」
新月の夜は、人型をとれる真竜のドラゴン族は、元のドラゴンの姿に戻る。
今までの新月の夜は、浮竹は一人になりたいと言って、京楽をあまり近づけさせなかった。
森の中で、一人巨大なムーンホワイトドラゴンの姿になり、朝が来るのを待った。
そんな浮竹も、一緒にいたいという京楽の願いを聞き入れて、森の中で一緒に過ごす新月の夜も多くなった。
だが、浮竹は見た目は成人しているが、ドラゴンの年齢で考えるとまだ子供だった。
ある日の新月の夜、浮竹はいつもの大きな白い羽毛に覆われた、儚くも美しい珍しいドラゴン姿から、もこもこした毛玉のような子ドラゴンになった。
京楽はそんなことは初めてなので、慌ててハイエルフの浮竹とダークネスドラゴンの自分のところに行ったが、問題はないとのことだった。
「ねぇ、浮竹」
「ぴーー?」
「もう、夜明けだよ。新月の夜は終わった。なのに、なんで子ドラゴンの姿のままなの。早く、人型に戻ってよ」
「ぴー」
浮竹は、宿のベッドの上ではねて、スプリングがきいて自分がぽよんぽよんする遊びを、楽しんでいた。
完全に一夜が明けても、元に戻らないので京楽は、ハイエルフの浮竹とダークネスドラゴンの京楽に助けを求めた。
曰く、時間が解決してくれるらしい。
「ぴーーーー?」
「浮竹・・・・元に戻って・・」
「ぴぴ」
「十四郎、たとえ君がそのままの姿でも、僕は君を愛しているよ」
「ぴーーーー!!」
京楽はちびドラゴンの浮竹を思い切り抱きしめて、キスをした。
ぼふん。
音をたてて、浮竹が人型に戻る。
「え、キスで変化するってまるでおとぎ話みたい」
「ち、違うぞ。決して、元に戻れるのに子供姿の自分が面白くて、慌てる京楽が面白くて、ちびのままでいたんじゃないぞ」
「へー、そうなの。お仕置き、必要だね」
「ぎゃあああああああああ」
浮竹はその場で押し倒されて、ハリセンで京楽の頭を殴りまくり、なんとか京楽をなだめた。
「子ドラゴンの時はドラゴン語しか言えないんだ。ぴーぴーと言っているが、ちゃんと言葉になっている。まぁ、京楽はドラゴン語は身に付けられないだろうが」
「なんで?ハイエルフの浮竹には分かるんでしょ?僕も勉強すれば・・・・」
「ハイエルフの俺は、知識量が半端じゃない。言語理解のユニークスキルをもっているはずだ。京楽のユニークスキルはフタツナルモノ・・・・・魔法と剣に大幅に上昇効果が得られるスキルだ。ユニークスキル、リカイスルモノがなければ、ドラゴン語は分からない」
「じゃあ、僕はそのリカイスルモノもらってくる」
「へ?」
浮竹は間抜けな声を出していた。
「魔法屋に、金をつめばユニークスキルを覚えさせてくれる店がある。そこには、確かリカイスルモノも扱っていたはずだよ」
「ユニークスキルが、売買の対象に?人間って、恐ろしい・・・・」
浮竹は、まだ人間社会については詳しくなかった。
生まれ持って覚えていたユニークスキル以外のユニークスキルを、なんらかのことがあって手に入れるなら分かるが、売買できるなんて、初めて知った。
浮竹は、京楽の後を追って、その魔法屋にやってきた。
「はいはい、リカイスルモノですね。白金貨150万枚になります」
「もうちょっとまけてよ」
「うーん、魔法屋の常連さんの京楽さんですから、白金貨120万枚で」
「もう一声」
「うー、渡り上手な人だ。いつもエリクサーやエリクシールを買っていただいているので、白金貨100万枚です。これ以上は、いくら京楽さんでも無理です」
「よし、買った」
アイテムポケットから、白金貨100万枚の入った袋をとりだして、店の主人に渡す。
すると、店の主人はポーションをさしだしてきた。
「ポーション?」
「そうだよ、浮竹。飲んで、覚えるの」
「飲んで、覚える・・・・ユニークスキルを飲む・・・・・」
京楽は、青く輝くポーションを飲んだ。
ぴろりろりーん。
京楽は、ユニークスキル、リカイスルモノを手に入れた。
そんな音と声がして、京楽は本当にリカイスルモノを手に入れてしまった。
「戦闘系に関わるユニークスキルの売買は国が禁止しているから、リカイスルモノなら戦闘系じゃないから買えたよ」
「子ドラゴンになってみて」
「ぴーーー」
「京楽のあほばかうんこたれ。この絶倫のすけべ・・・・う、浮竹?」
「ぴーーーーー」
「やっべ、ほんとのこと言っちゃった・・・・うきたけぇぇぇ?」
ぽん。
人型に戻り、浮竹は京楽を引きずって店を出る。
「いいか、ユニークスキルを売買できるのはこのメリアナ王国くらいだ。あっちのハイエルフの俺とダークネスドラゴンの京楽には言うなよ」
「え、あ、うん」
「俺もユニークスキルが売買できるなんて初めて知って、すごく驚いているんだからな」
「でも、ドラゴン姿になったもう一人の僕の言葉に反応するだろうから、ユニークスキルをどうやって手に入れたって聞かれて、答えるしかなくなると、ばれるよ」
「ああああ!京楽、ダークネスドラゴンの京楽や俺がドラゴン語でしゃべっていても、反応するな」
「無理だよ。せっかく覚えたんだから」
「はぁ・・・・ハイエルフの俺、怒るかな」
「なんで?」
「ユニークスキルは生まれ持っているか、相当の苦労をして手に入れるものだからな。お金で簡単に売買できるなんて知ったら、店をつぶしそうだ」
「そえりゃ困る。分かったよ、ドラゴン語は理解できないふりするね」
「そうしてくれ」
結局ハイエルフの浮竹に全部ばれて、売られていたユニークスキルは全て破棄させられて、その魔法屋は潰れるのであった。
そして、次の新月の夜にまた浮竹はちびドラゴンになるのだが、今度は人型に戻れなくて、京楽が「助けて」とハイエルフの浮竹とダークネスドラゴンの京楽のところに行くのは、また違うお話であった。
PR
- トラックバックURLはこちら