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好き。6

月日が経つのはあっという間で。

期末試験も終わり、冬休みがやってきた。

ルキアにとって、高校生活最後の長期休暇である。卒業したら、尸魂界に戻らないといけない。

「メリークリスマス」

「メリークリスマス」

気づけば、クリスマスがやってきていた。

ルキアは、サンタのコスプレをして一護にプレゼントをあげる。

それに、一護は顔を赤くしてプレゼントを受け取って、自分もルキアにプレゼントをあげた。

サンタのコスプレというが、ミニスカサンタだった。ミニカートに、ニーソックス。

白い肌の絶対領域がまぶしい。

一護は、一度ルキアを自分の自室に入れる。

「お前、その衣装どこで」

「浦原だ。これを着れば、一護が喜ぶと。どうだ、嬉しいか?」

「ああ、嬉しいよ。だから、俺以外の男には、そのかっこ見せるなよ」

「それは無理だ。一心殿にもプレゼントを渡さねば」

「親父は別にいい」

「ふむ。遊子と夏梨の分もあげないとな」

ルキアは、一護の部屋を出て、一心と妹たちにプレゼントをあげた。

そのままクリスマスを家族全員で祝って、夜になりルキアはサンタ服から普通の服に着替える。

ちなみに、ルキアからのクリスマスプレゼントはマフラーだった。

一護のルキアへのクリスマスプレゼントは、毛糸の帽子と手袋だった。

ルキアは、早速それを着て、一護の手をとって外に出かけようと誘う。

「駅前までいこう。あそこのイルミネーションが一番綺麗なのだ」

「ああ、いいぜ。ただし、今回だけな。あんま遅くに外出るなよ」

「分かった」

ルキアは、一護からのプレゼントの手袋とニットの帽子をかぶっていた。

一護と手を繋いで、駅前にいくと恋人たちのカップルで賑わっていた。

「一護、写真をとろう」

「ああ」

ルキアと並んで、一護はスマホで写真をとる。

一護の首には、ルキアがあげたマフラーが巻かれていた。

「恋人同士のようだな?」

「いや、実際付き合ってるんだから俺たちも恋人同士じゃねぇの」

一護の言葉に、ルキアが真っ赤になって顔を隠す。

「おい、今更照れてるのか?」

「悪いか」

「別に悪くはねぇけどよ」

「明日はクリスマス当日であったな。一護、貴様も冬休みで暇であろう。最近は現世のイベントも尸魂界で行われることが多いのだ。朽木家でもクリスマスの祝いをする。兄様もいらっしゃるので貴様も出席しろ」

「はぁ?」

「いやなのか?」

ちらりと見られて、一護は首を横に振る。

「別に嫌じゃねぇけど、その、白哉の他に恋次とか他の隊長副隊長も来るんだろ?」

「うむ、その通りだ」

「ちょい恥ずかしいじゃねぇか」

「お前は私の恋人なのだ。堂々と振るまっておけばよい」

24日のイヴの日を、家族とルキアで過ごして、一護はクリスマスの当日を尸魂界で過ごすことになった。

朽木家のクリスマスパーティーは本格的で、ただで酒がのめて飯が食えると、特に乱菊やら総隊長である京楽が喜んでいた。

「兄は、ルキアを幸せにできるか?」

いきなり、白哉にそう言われて、一護は真剣な表情で頷く。

「絶対に、不幸にはしない」

「兄が、死神化しなければならぬ。家族と別れることになってもか?」

「ああ。でも、大学卒業までは人間でいたい」

「よいであろう。後数年。家族と、最後の時間を過ごすとよい」

白哉は、用意されていた赤ワインを飲んで、他の隊長のところへ消えてしまった。

「一護、貴様を死神化させることはまだ秘密にしておきたかったのだ。だが、貴様は人間。いつか、一緒になるためには貴様が死神になるか、私が人間になるかのどちらかを選択せねばならぬ。兄様は、貴様を死神にさせると断固として譲らなかった。もしそれが嫌なら‥‥‥」

「嫌じゃねぇよ。ルキアのためなら、家族と別れてもいい」

「一護‥‥‥」

「でも、大学卒業まで白哉も待ってくれるんだな。意外だった」

「兄様も、いきなり死神になれなど言わぬ。貴様に心の準備を与えられておるのだ」

「ああ。俺も、家族や友人といきなりさよならはきついしな」

ルキアと付き合いだして、曖昧にしていた人間と死神という種族の差は、一護が本物の死神になるということで解決した。

「しかし、貴様は飲まぬのか?」

ルキアは、赤ワインを飲んでいた。

「ばーか。俺は未成年だ。ルキアは見た目は未成年だけど年くってるからいいかもしれないが、未成年は酒とたばこは禁止なんだよ」

「え、そうなのか?」

始めて知って、ルキアはびっくりしていた。

「はは、現世で当たり前のこと、まだルキアでも知らないことあるんだな」

「むう、バカにするつもりか」

「いや、新鮮だと思って。ちょっと、ケーキもらってくる」

一護は、クリスマスケーキをもらいにいって、いろんな隊長副隊長から声をかけられて、楽しそうに笑っていた。

ルキアは、一護がとられた気がして、赤ワインをさらに飲む。

そのうち、飲みすぎたのか視界がくらくらしてきた。

「ルキア!おい、ルキア!」

クリスマスケーキをルキアの分まで持ってきた一護は、ルキアが酔っぱらってへべれけになっているのに、困った顔をする。

そこに白哉がやってきた。

「珍しいな。普段はこれほど酔うまでは飲まぬのだが。屋敷の奥へ連れていけ。休めるようにしてある」

「ああ、分かった」

クリスマスケーキはその場にたまたま居合わせた冬獅郎に押し付けて、一護はルキアを抱き上げて朽木家の屋敷の奥まで入っていく。

布団が、2組用意されていた。

「泊まる気は、なかったんだけどな」

ルキアを寝かせて、一護はその隣の布団に横になり、ルキアの寝顔をずっと見ているといつに間にか眠ってしまい、起きると朝になっていた。

隣に、ルキアの姿がなかったので探そうとすると、ルキアが部屋に戻ってきた。

「昨日、湯あみをしていなかった。貴様もだろう。替えの死覇装はあるゆえ、風呂に入ってこい」

「ああ、分かった」

朽木家の風呂は、とにかく広かった。

ちゃんと湯にまで浸かって出ると、ルキアが待っていた。

「その、朝餉を一緒に食していけ。兄様が、貴様の分まで用意してくださった」

「そうか。ありがとな。あと、冬休みだからって遊んでばかりもいられねぇからな。受験勉強と、冬休みの宿題がある」

ぴくりと、ルキアが動く。

「冬休みの宿題‥‥‥」

顔を蒼くさせる。

ルキアは、とにかく現世での高校の成績は、記憶置換でいいものにしていたが、そもそも本物の高校生ではないので、赤点の知識しかない。

「いつもみたいに、俺がやるから、それ写せ」

「すまん」

ルキアは、もじもじしていた。

「ルキア?」

ルキアは、一護に自分からキスをして、食堂まで走って消えてしまった。

「かわいいやつ」

一護は、胸がじんわりと温かくなるのを感じていた。

季節は冬で肌寒いが、心の中はルキアと一緒に過ごせるので、温かかった。


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