好きなのか?
その日、考えれば白哉はおかしかった。
酒を飲まないかと誘われて、恋次は高めの居酒屋に来ていた。
一護とルキアも誘われていて、久しぶりに一護と話す機会があって、飯も酒も進む。ルキアは義兄である白哉があまり食がすすまないようなので、心配していた。
「兄様、ここの居酒屋の食事は口にあいませんでしたか?」
「いや、そうではない。少し、食欲がないだけだ」
白哉は、そう言って高級酒を飲む。
一護はもう大学生なので、酒は飲めた。
「高い店だけあって、酒も料理もうまいよな」
「そうだろ、一護。ここは、たまに隊長と飲みにくる店なんだ」
「へぇ。白哉でも、外にこんな風に飲みに行くこともあるんだな」
「兄は、私が飲みに行くのがおかしいか」
「いや、そんなことねーぜ?ただ、もっと個室の部屋で静かに飲んでそうだなと思っただけだ」
「昔はそうだった。最近は、普通に外でも飲む」
「この店は兄様のお気に入りなのだ。酒も飯もうまいであろう、一護」
なぜかルキアが威張る。
「会計は兄様が出してくれる。思う存分飲んで食うがいい」
ルキアも、遠慮せずに食べて飲んでいた。
恋次も、普段は飲まないような高級酒を飲み、高めのつまみを頼んだりする。
「‥‥‥好きだ、恋次」
「は?」
「え?」
「兄様?」
突然の白哉の告白に、三人とも固まる。
「好きなのだ、恋次」
「た、隊長!?酒の飲みすぎですか!?」
「兄様が好きだと言われておるのだ!ちゃんと返事を‥‥」
「ルキア、朽木家に戻るぞ」
「へあ、一護!?」
一護はルキアを連れて、居酒屋から出る。
「がんばれよ、恋次」
「おいこら、一護おおおおお」
白哉は、白い頬をうっすら紅色に染めて、恋次を見つめる。
「隊長、俺は」
「私のことが好きなのであろう?」
「え、ばれてた!?」
「日々の言動を見れば分かる」
「え、あ、はい、すんません」
「私は好きなのだ、恋次」
白哉は、絹のような黒髪をさらさらと零して、恋次を見つめる。
「隊長、俺も隊長のこと好きです。愛してます」
「私は‥‥だから、辛い酒が好きなのだ」
「はぁ」
「椿も好きなのだ」
「はぁ」
「梅の花も好きなのだ」
「はぁ」
「桜の花も好きなのだ」
「はぁ‥‥隊長、熱でもあるんすか?」
恋次は、白哉の額に手を当てると、とんでもない高熱だった。
「わああああ、隊長、熱高すぎです!自分が何いってるのかあんまり分かってませんね!?」
「恋次は、私のことが好きなのであろう」
「そうですけど、帰りますよ!いや、救護詰所に行ったほうがいいか」
「私は辛いものが好きなのだ、恋次」
「はい、わかりましたから、瞬歩で移動します!」
代金を白哉のもっていた財布から勝手に支払い、恋次は白哉をおぶって瞬歩で4番隊ヘ向かう。
隊長である虎徹勇音が、まだいた。
診てもらい、インフルエンザだと判明する。
「薬処方しておきますので、くれぐれも安静に」
「ありがとうございました」
「私は辛いものが好きなのだ」
「ああもう、隊長同じこと10回は繰り返してますよ!?」
朽木家に戻り、白哉を寝室に寝かせて、薬を飲ませると白哉はあっという間に眠ってしまった。
体温は41度もあって、へろへろだろうに、言動はおかしいが、見た目は普通だった。
一護とルキアに、白哉がインフルエンザであることを告げ、念のために検査キットをもらってきていたので、検査するが一護もルキアも恋次も陰性だった。
白哉はそれから一週間は寝込んだ。
インフルエンザが完治して、白哉が執務室に顔を出すようになると、恋次は顔が合わせづらかった。
熱のせいだとはいえ、恋次が白哉を好きなことがばれてしまったのだ。
一方の白哉は、恋次が好きだと言っていたが、他にもいろんなものを好きだと言っていたので、恋愛感情で好きと言ってくれたのかどうか怪しい。
恋次は、勇気を振り絞って白哉に言う。
「隊長、俺は隊長のことが好きです。恋愛感情で」
「そうか」
白哉は黙々と仕事を続ける。
「隊長、俺はピクミンです」
「そうか」
はぁと、恋次はため息をつく。
「隊長、俺の顔ちゃんと見て、俺の言葉聞いてください」
「恋次?」
白哉の手をとって、恋次は手を重ねた。
「俺のこと、嫌いですか」
「それはない」
「じゃあ、俺のこと好きですか」
「‥‥‥‥‥‥分からぬ。ただ、傍にいてほしいとは思うのだ」
「それ、きっと俺のこと好きなんすよ」
「そうなのであろうか」
奥手な白哉を、言い聞かせるように何度も好きだからと言っていると、白哉もだんだんそう思えてきた。
「恋次」
「はい」
「駄犬」
「酷い!」
「ふふ‥‥‥」
白哉はうっすら微笑する。その白い顔があまりにも綺麗で、恋次は見惚れてしまう。
「きっと、私は恋次が好きなのであろうな。恋次」
「はい」
白哉は、恋次の目を手で覆って口づけた。
「た、隊長!?」
「嫌ではない。私と付き合ってみるか、恋次」
「はい!」
恋次は自分の中の欲に気づいてしまっていた。いつか、白哉の全てを手に入れたいと。
「隊長、俺本気で落としにかかりますからね!」
「ふふ、構わぬぞ。私の全てを手に入れたいなら、励むことだ」
恋次は、白哉に口づける。
「今は、キスまでだ。それ以上は、まだだめだ」
「隊長の全てが欲しいです。いつか、全てを手に入れてみせます」
「恋次」
「はい」
「お前のそういう前向きなところ、嫌いではない」
「隊長、覚悟しておいてくださいね」
「ふ‥‥‥」
白哉は小さく笑うと、仕事に戻る。恋次も、仕事をする。
その日から、恋次と白哉は交際しだした。
ルキアはその話を聞いて、卒倒するのだった。
酒を飲まないかと誘われて、恋次は高めの居酒屋に来ていた。
一護とルキアも誘われていて、久しぶりに一護と話す機会があって、飯も酒も進む。ルキアは義兄である白哉があまり食がすすまないようなので、心配していた。
「兄様、ここの居酒屋の食事は口にあいませんでしたか?」
「いや、そうではない。少し、食欲がないだけだ」
白哉は、そう言って高級酒を飲む。
一護はもう大学生なので、酒は飲めた。
「高い店だけあって、酒も料理もうまいよな」
「そうだろ、一護。ここは、たまに隊長と飲みにくる店なんだ」
「へぇ。白哉でも、外にこんな風に飲みに行くこともあるんだな」
「兄は、私が飲みに行くのがおかしいか」
「いや、そんなことねーぜ?ただ、もっと個室の部屋で静かに飲んでそうだなと思っただけだ」
「昔はそうだった。最近は、普通に外でも飲む」
「この店は兄様のお気に入りなのだ。酒も飯もうまいであろう、一護」
なぜかルキアが威張る。
「会計は兄様が出してくれる。思う存分飲んで食うがいい」
ルキアも、遠慮せずに食べて飲んでいた。
恋次も、普段は飲まないような高級酒を飲み、高めのつまみを頼んだりする。
「‥‥‥好きだ、恋次」
「は?」
「え?」
「兄様?」
突然の白哉の告白に、三人とも固まる。
「好きなのだ、恋次」
「た、隊長!?酒の飲みすぎですか!?」
「兄様が好きだと言われておるのだ!ちゃんと返事を‥‥」
「ルキア、朽木家に戻るぞ」
「へあ、一護!?」
一護はルキアを連れて、居酒屋から出る。
「がんばれよ、恋次」
「おいこら、一護おおおおお」
白哉は、白い頬をうっすら紅色に染めて、恋次を見つめる。
「隊長、俺は」
「私のことが好きなのであろう?」
「え、ばれてた!?」
「日々の言動を見れば分かる」
「え、あ、はい、すんません」
「私は好きなのだ、恋次」
白哉は、絹のような黒髪をさらさらと零して、恋次を見つめる。
「隊長、俺も隊長のこと好きです。愛してます」
「私は‥‥だから、辛い酒が好きなのだ」
「はぁ」
「椿も好きなのだ」
「はぁ」
「梅の花も好きなのだ」
「はぁ」
「桜の花も好きなのだ」
「はぁ‥‥隊長、熱でもあるんすか?」
恋次は、白哉の額に手を当てると、とんでもない高熱だった。
「わああああ、隊長、熱高すぎです!自分が何いってるのかあんまり分かってませんね!?」
「恋次は、私のことが好きなのであろう」
「そうですけど、帰りますよ!いや、救護詰所に行ったほうがいいか」
「私は辛いものが好きなのだ、恋次」
「はい、わかりましたから、瞬歩で移動します!」
代金を白哉のもっていた財布から勝手に支払い、恋次は白哉をおぶって瞬歩で4番隊ヘ向かう。
隊長である虎徹勇音が、まだいた。
診てもらい、インフルエンザだと判明する。
「薬処方しておきますので、くれぐれも安静に」
「ありがとうございました」
「私は辛いものが好きなのだ」
「ああもう、隊長同じこと10回は繰り返してますよ!?」
朽木家に戻り、白哉を寝室に寝かせて、薬を飲ませると白哉はあっという間に眠ってしまった。
体温は41度もあって、へろへろだろうに、言動はおかしいが、見た目は普通だった。
一護とルキアに、白哉がインフルエンザであることを告げ、念のために検査キットをもらってきていたので、検査するが一護もルキアも恋次も陰性だった。
白哉はそれから一週間は寝込んだ。
インフルエンザが完治して、白哉が執務室に顔を出すようになると、恋次は顔が合わせづらかった。
熱のせいだとはいえ、恋次が白哉を好きなことがばれてしまったのだ。
一方の白哉は、恋次が好きだと言っていたが、他にもいろんなものを好きだと言っていたので、恋愛感情で好きと言ってくれたのかどうか怪しい。
恋次は、勇気を振り絞って白哉に言う。
「隊長、俺は隊長のことが好きです。恋愛感情で」
「そうか」
白哉は黙々と仕事を続ける。
「隊長、俺はピクミンです」
「そうか」
はぁと、恋次はため息をつく。
「隊長、俺の顔ちゃんと見て、俺の言葉聞いてください」
「恋次?」
白哉の手をとって、恋次は手を重ねた。
「俺のこと、嫌いですか」
「それはない」
「じゃあ、俺のこと好きですか」
「‥‥‥‥‥‥分からぬ。ただ、傍にいてほしいとは思うのだ」
「それ、きっと俺のこと好きなんすよ」
「そうなのであろうか」
奥手な白哉を、言い聞かせるように何度も好きだからと言っていると、白哉もだんだんそう思えてきた。
「恋次」
「はい」
「駄犬」
「酷い!」
「ふふ‥‥‥」
白哉はうっすら微笑する。その白い顔があまりにも綺麗で、恋次は見惚れてしまう。
「きっと、私は恋次が好きなのであろうな。恋次」
「はい」
白哉は、恋次の目を手で覆って口づけた。
「た、隊長!?」
「嫌ではない。私と付き合ってみるか、恋次」
「はい!」
恋次は自分の中の欲に気づいてしまっていた。いつか、白哉の全てを手に入れたいと。
「隊長、俺本気で落としにかかりますからね!」
「ふふ、構わぬぞ。私の全てを手に入れたいなら、励むことだ」
恋次は、白哉に口づける。
「今は、キスまでだ。それ以上は、まだだめだ」
「隊長の全てが欲しいです。いつか、全てを手に入れてみせます」
「恋次」
「はい」
「お前のそういう前向きなところ、嫌いではない」
「隊長、覚悟しておいてくださいね」
「ふ‥‥‥」
白哉は小さく笑うと、仕事に戻る。恋次も、仕事をする。
その日から、恋次と白哉は交際しだした。
ルキアはその話を聞いて、卒倒するのだった。
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