始祖なる者、ヴァンパイアマスター外伝
「これは・・・・東洋の邪神の血か。面白い」
藍染は、たまたま手に入れた、大量の東洋の浮竹の血を、試験官の中にいれて培養した。
ゴポゴポゴポ・・・・・。
試験官の中で、東洋の邪神の血はぶよぶよの不定形な形の肉の塊だったが、ちゃんと人間の形になり、完成して試験官の中からでてきた。
「名をあげよう。名は、そうだな・・・・東洋の邪神だから、トウだ」
「全ては、藍染様のために・・・」
トウは、そう言って藍染が手中に収めた藍染の城をたち、浮竹と京楽のところに向かった。
----------------------------------------------
「今日もいい天気だなぁ。なぁ、ポチ、タマ」
浮竹は、ミミックを古城の外に出してひなたぼっこをしていた。
「るるるるる」
「りんりんりん」
ポチとタマは、初めて触れる外の世界を気に入ったのか、はしゃぎまくっていた。
「浮竹、危ない!」
突然、京楽に押し倒されていた。
「なんだ、何が起こった」
「どうやら、藍染が東洋の僕の血を、何らかのルートで取り入れたみたいだね。ほら、あの影に居る子」
その少年は、ほぼ影と一体化していた。
しゅるるるる!
少年は、巨大な黒蛇を放ってきた。
「またか!」
少年は、いつか襲ってきた東洋の邪神の血を培養した化け物に似ていたが、ちゃんと人間の形をしており、黒い髪に黒い瞳で、東洋の人間っぽかった。
浮竹は、襲ってきた巨大な黒蛇に向かって魔法を放つ。
「ファイアオブファイア!」
「しゃああああ」
灰となっていく黒蛇。
少年の影から小さな黒蛇が無尽蔵に湧き出して、二人を襲った。
「ファイアオブファイア!」
「サンダーボルテックス!」
次々に沸いてくる黒蛇を魔法で焼いたり焦がしたりするが、数が数だった。
「ゴッドフェニックス!」
浮竹は、本体である少年に魔法を放った。
少年は、黒い蛇でバリアをつくると、魔法をはじき返してしまった。
つい、浮竹がさっきまで立っていた場所を炎の不死鳥が飛んでいく。
黒蛇の一匹が浮竹の足に噛みついた。
チクリと痛みがしたかと思うと、体中が燃えるゆうに熱くなった。
「く、毒か・・・・」
「浮竹、いったん撤退しよう」
「いや・・・どうやら本物のお出ましみたいだ」
「え?」
京楽が首を傾げると、見知った姿があった。
(まーまー、ボクの血が元かもしれないけど、よくもボクの友人たちを傷つけてくれたね)
(西洋の俺、大丈夫か!?毒は、今浄化してやるからな)
「東洋の俺!すまん、迷惑をかける」
(そんなことどうでもいいから・・・うわああ、これは強烈な毒だな。一滴で死者が100人は出そうだ)
「俺、けっこうかまれたけど、死んでないぞ?」
(そりゃ、お前は不老不死の始祖ヴァンパイアだから)
東洋と西洋の浮竹がそんなやり取りをしている間、東洋の京楽は、妖刀を取り出した。
(これが何か、分かるよね?)
ニタァと笑う東洋の京楽に、少年は恐怖心を覚えたのか、影にもぐりこもうとした。
(そういうわけには、いかないよ!)
東洋の浮竹は、自分も影にもぐりこむと、少年の首を締め上げた。
「わああああ!!!」
少年が影から出てきて、無数の黒い蛇を放つ。
それを東洋の京楽は吸収してしまった。
(元はボクの力なんだから、返してもらうよ!)
「あああああ!!!
少年は頭を抱えて奇声を発して、黒蛇を召還すると、負傷している西洋の浮竹と治療に当たっている東洋の浮竹に蛇をさしむけた。
「死んで?」
東洋の京楽は、妖刀で少年を斬り裂いていた。
ぶわっと、形が崩れていくが、まだ生きていた。
「エターナルアイシクルワールド!」」
西洋の京楽は、二人の浮竹の元に向かいつつあった黒蛇を全て氷漬けにしてしまった。
「つめが甘いんじゃないか、東洋の僕」
「いわれなくても!」
とどめを、少年にさす。
「ぎゃああああああああ」
少年は塵となって、その瘴気ごと東洋の京楽のもつ妖刀に吸われていった。
(まにあってよかたったよ)
「べ、別に助けてくれなんて言ってないんだからな!」
西洋の浮竹のツンデレぶりに、東洋の浮竹があわあわしていた。
「ほら、浮竹。ちゃんとお礼を言って。今回は助かったよ。助けてくれてありがとう」
ちゃんとお礼をいう西洋の京楽の言葉を受け取って、次は西洋の浮竹を見る。
「た、た、助けてくれてありがとう。ちゃんと言ったからな、ふん!」
西洋の浮竹は、頬っぺたを赤くしながら、キッチンの方へいってしまった。
「ほら、俺がいれたマンドレイク茶だ」
(はぁ?マンドレイクのお茶?)
(西洋の俺、それは飲めるものなのか?」
「ちゃんと乾燥させたものを使ってある。飲めるぞ。意外とうまいぞ?」
「騙されたと思って、飲んでごらん」
西洋の京楽もそう進めるものだから、唾をゴクリと飲んで、東洋の二人はマンドレイク茶を飲んだ。
(あ、ジャスミンティーに似てる)
(ほんとだね。おいしい・・・・あのマンドレイクを乾燥させると、こんなおいしいお茶ができるかい。なんだか勉強になったよ)
「じゃあ、このマンドレイクをおみやげに・・・・・」
おみやげにマンドレイクを渡そうとする西洋の浮竹の襟首を、西洋の京楽が掴んで離さなかった。
「だから、マンドレイクはいろいろ問題があるから、おみやげにしないの」
西洋の浮竹はしょんぼりして、アッサムの最高級の茶葉を渡した。
「こんなものしかないが・・・・・」
(いや、こっちのほうが正直ありがたい。さすがにマンドレイクを受け取るわけにはいかんしな)
(じゃあ、ボクたちは戻るよ。君たちの危機を助けにきただけだからね)
「東洋の京楽!」
(ん?)
西洋の浮竹は、東洋の京楽に抱きついて、匂いをかいでいた。
(な、何してるの!?)
「いや、お前からも俺の京楽と似た匂いがしたから、つい」
見ると、東洋の浮竹はぷくーと頬を膨らませていた。
(十四郎、これは違うからね!?)
(春水の浮気者!)
つーんとなった東洋の浮竹に、西洋の京楽がドーナツを差し出した。
「これでも食べながら、帰ってよ」
(ドーナツ!)
途端に目をキラキラさせる東洋の浮竹。
(かしは、1つだよ)
「助けてもらった分をいれて、ちゃらってことで」
こうして、東洋の浮竹と京楽は元の世界に戻っていった。
「あ・・・邪神の血をこっちの世界で流すなっていう、重要なこと忘れてた」
「まぁ、向こうも気づいてたみたいだし、大丈夫でしょ」
邪神の血は、悪用されやすい。
いや、悪用するのは藍染だけだが。
-------------------------------------------
「トウもやられたか。東洋の邪神の血はもうない。頻繁くるようでもないし・・・まあいい、駒はいくらでもある」
藍染は、自分の城でくつくつと笑うのであった。
藍染は、たまたま手に入れた、大量の東洋の浮竹の血を、試験官の中にいれて培養した。
ゴポゴポゴポ・・・・・。
試験官の中で、東洋の邪神の血はぶよぶよの不定形な形の肉の塊だったが、ちゃんと人間の形になり、完成して試験官の中からでてきた。
「名をあげよう。名は、そうだな・・・・東洋の邪神だから、トウだ」
「全ては、藍染様のために・・・」
トウは、そう言って藍染が手中に収めた藍染の城をたち、浮竹と京楽のところに向かった。
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「今日もいい天気だなぁ。なぁ、ポチ、タマ」
浮竹は、ミミックを古城の外に出してひなたぼっこをしていた。
「るるるるる」
「りんりんりん」
ポチとタマは、初めて触れる外の世界を気に入ったのか、はしゃぎまくっていた。
「浮竹、危ない!」
突然、京楽に押し倒されていた。
「なんだ、何が起こった」
「どうやら、藍染が東洋の僕の血を、何らかのルートで取り入れたみたいだね。ほら、あの影に居る子」
その少年は、ほぼ影と一体化していた。
しゅるるるる!
少年は、巨大な黒蛇を放ってきた。
「またか!」
少年は、いつか襲ってきた東洋の邪神の血を培養した化け物に似ていたが、ちゃんと人間の形をしており、黒い髪に黒い瞳で、東洋の人間っぽかった。
浮竹は、襲ってきた巨大な黒蛇に向かって魔法を放つ。
「ファイアオブファイア!」
「しゃああああ」
灰となっていく黒蛇。
少年の影から小さな黒蛇が無尽蔵に湧き出して、二人を襲った。
「ファイアオブファイア!」
「サンダーボルテックス!」
次々に沸いてくる黒蛇を魔法で焼いたり焦がしたりするが、数が数だった。
「ゴッドフェニックス!」
浮竹は、本体である少年に魔法を放った。
少年は、黒い蛇でバリアをつくると、魔法をはじき返してしまった。
つい、浮竹がさっきまで立っていた場所を炎の不死鳥が飛んでいく。
黒蛇の一匹が浮竹の足に噛みついた。
チクリと痛みがしたかと思うと、体中が燃えるゆうに熱くなった。
「く、毒か・・・・」
「浮竹、いったん撤退しよう」
「いや・・・どうやら本物のお出ましみたいだ」
「え?」
京楽が首を傾げると、見知った姿があった。
(まーまー、ボクの血が元かもしれないけど、よくもボクの友人たちを傷つけてくれたね)
(西洋の俺、大丈夫か!?毒は、今浄化してやるからな)
「東洋の俺!すまん、迷惑をかける」
(そんなことどうでもいいから・・・うわああ、これは強烈な毒だな。一滴で死者が100人は出そうだ)
「俺、けっこうかまれたけど、死んでないぞ?」
(そりゃ、お前は不老不死の始祖ヴァンパイアだから)
東洋と西洋の浮竹がそんなやり取りをしている間、東洋の京楽は、妖刀を取り出した。
(これが何か、分かるよね?)
ニタァと笑う東洋の京楽に、少年は恐怖心を覚えたのか、影にもぐりこもうとした。
(そういうわけには、いかないよ!)
東洋の浮竹は、自分も影にもぐりこむと、少年の首を締め上げた。
「わああああ!!!」
少年が影から出てきて、無数の黒い蛇を放つ。
それを東洋の京楽は吸収してしまった。
(元はボクの力なんだから、返してもらうよ!)
「あああああ!!!
少年は頭を抱えて奇声を発して、黒蛇を召還すると、負傷している西洋の浮竹と治療に当たっている東洋の浮竹に蛇をさしむけた。
「死んで?」
東洋の京楽は、妖刀で少年を斬り裂いていた。
ぶわっと、形が崩れていくが、まだ生きていた。
「エターナルアイシクルワールド!」」
西洋の京楽は、二人の浮竹の元に向かいつつあった黒蛇を全て氷漬けにしてしまった。
「つめが甘いんじゃないか、東洋の僕」
「いわれなくても!」
とどめを、少年にさす。
「ぎゃああああああああ」
少年は塵となって、その瘴気ごと東洋の京楽のもつ妖刀に吸われていった。
(まにあってよかたったよ)
「べ、別に助けてくれなんて言ってないんだからな!」
西洋の浮竹のツンデレぶりに、東洋の浮竹があわあわしていた。
「ほら、浮竹。ちゃんとお礼を言って。今回は助かったよ。助けてくれてありがとう」
ちゃんとお礼をいう西洋の京楽の言葉を受け取って、次は西洋の浮竹を見る。
「た、た、助けてくれてありがとう。ちゃんと言ったからな、ふん!」
西洋の浮竹は、頬っぺたを赤くしながら、キッチンの方へいってしまった。
「ほら、俺がいれたマンドレイク茶だ」
(はぁ?マンドレイクのお茶?)
(西洋の俺、それは飲めるものなのか?」
「ちゃんと乾燥させたものを使ってある。飲めるぞ。意外とうまいぞ?」
「騙されたと思って、飲んでごらん」
西洋の京楽もそう進めるものだから、唾をゴクリと飲んで、東洋の二人はマンドレイク茶を飲んだ。
(あ、ジャスミンティーに似てる)
(ほんとだね。おいしい・・・・あのマンドレイクを乾燥させると、こんなおいしいお茶ができるかい。なんだか勉強になったよ)
「じゃあ、このマンドレイクをおみやげに・・・・・」
おみやげにマンドレイクを渡そうとする西洋の浮竹の襟首を、西洋の京楽が掴んで離さなかった。
「だから、マンドレイクはいろいろ問題があるから、おみやげにしないの」
西洋の浮竹はしょんぼりして、アッサムの最高級の茶葉を渡した。
「こんなものしかないが・・・・・」
(いや、こっちのほうが正直ありがたい。さすがにマンドレイクを受け取るわけにはいかんしな)
(じゃあ、ボクたちは戻るよ。君たちの危機を助けにきただけだからね)
「東洋の京楽!」
(ん?)
西洋の浮竹は、東洋の京楽に抱きついて、匂いをかいでいた。
(な、何してるの!?)
「いや、お前からも俺の京楽と似た匂いがしたから、つい」
見ると、東洋の浮竹はぷくーと頬を膨らませていた。
(十四郎、これは違うからね!?)
(春水の浮気者!)
つーんとなった東洋の浮竹に、西洋の京楽がドーナツを差し出した。
「これでも食べながら、帰ってよ」
(ドーナツ!)
途端に目をキラキラさせる東洋の浮竹。
(かしは、1つだよ)
「助けてもらった分をいれて、ちゃらってことで」
こうして、東洋の浮竹と京楽は元の世界に戻っていった。
「あ・・・邪神の血をこっちの世界で流すなっていう、重要なこと忘れてた」
「まぁ、向こうも気づいてたみたいだし、大丈夫でしょ」
邪神の血は、悪用されやすい。
いや、悪用するのは藍染だけだが。
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「トウもやられたか。東洋の邪神の血はもうない。頻繁くるようでもないし・・・まあいい、駒はいくらでもある」
藍染は、自分の城でくつくつと笑うのであった。
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