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始祖なる者、ヴァンパイアマスター18-2

そこは、精霊界であった。

精霊たちで満ちた世界。

浮竹や京楽のいる世界と、完全に異なる異界であった。

西洋の浮竹と京楽の影に潜んでいた、東洋の浮竹と京楽も異界の存在であるため、必要なしと飛ばされしまった。

「あ、東洋の僕らがいない」

「本当だ」

浮竹は、きょろきょろと辺りを見回すが、浮竹と京楽、一護の他には精霊しかいなかった。


「よくきたな、我が友よ。今宵は我を使役することができた者が現れたことの祝いの宴だ。参加していけ」

炎の精霊王は、元に戻った長い赤い髪を翻して、精霊たちに客人をもてなすように命令した。

いろんな精霊がいた。

フェニックスやイフリートの姿もあったし、冬獅郎が使役している氷の精霊フェンリルや、S級ダンジョンで倒したウンディーネ、シルフィードといった、炎の属性以外の精霊の姿もあった。

祭りが、行われた。

「さぁさぁ、飲め、食え、そして騒げ!」

精霊王は、樽ごと酒を飲んでいた。

浮竹と京楽はそれぞれワインを飲んでいた。

一護は未成年なので、フルーツジュースを飲んでいた。

「我を使役できる者は、実に140年ぶりだ」

「精霊王も、けっこう暇人なんだな」

「我は忙しいぞ。精霊界を統治しなければいけないし、いろんな精霊を生み出し、管理している」

「そうか。悪かった、暇人などと言って」

「構わぬ。我も、長い時間を生き過ぎた。我を使役し、我と対等の会話できる者が現れることを、この140年間ずっと待っていた」

「それが俺か」

「そうだ。我が友、創造神ルシエードの子よ。まさか、我の友の子が、我の主となるとはな。運命とは、かくも奇妙なものよ」

きっと、古城に飛ばされたであろう東洋の浮竹と京楽は、ご飯を作って待っていてくれているだろうと思い、料理にはあまり手を出さなかった。

「む、精霊界の食べ物は口に合わぬか?」

「いや、夕飯を作って待ってくれているだろう友人たちがいるので」

「そうか。酒だけでも、飲んでいけ」

高級なワインやら甘い果実酒やらが出された。

それを口にしていると、精霊王は満足したのか、浮竹と京楽と一護を、元のダンジョンではなく、古城にまで飛ばしてくれた。

「また会おう、我が主。我が友の子にして、新たなる友よ」

「ああ、またいつか力を貸してもらう」

「汝の召還に、我はいつでも答えよう」

古城は、夕焼けに染まっていた。

「ただいま」

「ただいまー」

「お邪魔します」

帰ってきた3人を、東洋の浮竹と京楽が出迎えてくれた。

(おかえり)

(おかえりなさい。僕たちで夕飯を作ったんだ。食材を勝手に使わせてもらったけれど、大丈夫だよね?)

「ああ、ありがとう。いい匂いだ」

「ほんと、いい匂い」

「俺、帰りますね」

「え、一護君、食べていかないのかい?」

「なんか、俺だけ邪魔っぽいから」

「そんなことないのに」

しゅんとなる浮竹に、京楽が頭を撫でた。

「ルキアちゃんの顔を見て、強くなったことを教えたいんだよね?」

「別に、そんなんじゃ・・・・」

一護は、赤くなっていた。

「そうか。一護君は、ルキア君を。ふーん。へー」

「ちょ、浮竹さん!」

真っ赤になった一護は、礼を言って、古城の地下に安置された空間転移魔法陣で、血の帝国に戻ってしまった。

(カルボナーラとペペロンチーノを作ったんだ。春水が)

(デザートは羊羹だよ)

「ありがたい。皆で食べよう」

足りない分は戦闘人形に調理させて、最高級のワインを出して、夕飯を皆で食べた。

お茶会を何度かしたが、夕飯を一緒に食べるのは初めてだった。

「ふう、おなかいっぱいだ。もう食べれない」

浮竹は、そう言いながら羊羹を食べていた。

「ねぇ、東洋の僕。このご飯、君が作ったんだよね?」

(そうだよ?)

「レシピを!レシピを頂戴!僕も、浮竹に手料理を食べてもらいたい。レパートリーが少なくて、困ってたんだ」

東洋の京楽は、いろんな料理のレシピを西洋の京楽に、書いて与えた。

「ありがとう!」

(料理の腕、あげるんだよ?)

「うん」

(さて、僕らは、そろそろおいとまするよ。とても有意義な時間を過ごせて、楽しかったよ)

(俺も、もういく。本当に世話になった。また、遊びにくる)

「え、もう行ってしまうのか?」

(こっちの世界で、数日を過ごしてしまったからな。俺たちにも、帰る場所があるから)

(うん。本当にありがとう、西洋の僕ら。じゃあ、僕たちは自分の世界に戻るよ)


突然やってきた時のように、彼らは風のように去っていった。

「まるで、嵐みたいだったね」

「そうだな。また、会えるといいな」

「会えるさ。必ず」

京楽は、もらったレシピを手に、胸に光る水晶をぎゅっと握った。

浮竹も、同じように水晶のペンダントを握りしめるのであった。


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風呂に入り、ベッドに横になると、お腹はいっぱいだろうに、飢えた目で見つめてくる京楽がいた。

「どうしたんだ?」

「君が、東洋の僕についていきそうな気がして」

「ばかだな、京楽。俺には、お前だけだ」

「うん、そうだね。ねぇ、一度してみたかったことがあるんだよ。してもいい?」

「ああ、いいぞ」

「言質、もらったからね」


「あ、やぁ!」

浮竹は、目隠しをされていた。

おまけに、包帯で手首を戒められていた。

「やあ、とって、とって春水!」

「だめ。今日はそのまま、乱れて僕の下で喘いで?」

「やぁん」

ズチュリと、浮竹の中を犯してる熱は、熱を放っても放っても、硬度を失わなかった。

「ああああ!」

浮竹の奥に向かって、突き上げる。

「あああ・・・見えないから、余計に感じる」

「そうでしょ。ほら」

「あああ!!!」

ちゅどんと、最奥の結腸をこじ開けられて、浮竹は乱れた。

「ああああ!!!」

「もっと僕を求めて、十四郎」

「あ、春水春水!」

見えない目で、浮竹は京楽を探す。

「ここにいるよ」

頬に手を当てると、涙が京楽の手に触れた。

「泣いてるの?」

「お前が見えないから、怖い」

「ごめん」

京楽は、浮竹の目隠しと戒めを解いてやった。

「これで、大丈夫?」

「あ、春水・・・・愛してる」

浮竹は、うっとりと微笑んだ。

本当に、サキュバスのようだ。いや、男なのでインキュバスか。

「君は、本当にかわいいね」

「ああん!」

胸の先端をつまみあげると、甘い声を出した。

「あ、あ、あ!」

リズムをつけて、浮竹を貫き、揺さぶった。

「あああ!」

浮竹は、精液を弾けさせていた。

「やっ、血を、血を吸ってくれ」

「君からそんなこと言うなんて、珍しいね?」

「あああああ!」

首筋を噛まれて、大量に血を飲まれた。

「数日ぶりだから、僕も乾いてる」

「あああ・・・・」

再生していく傷口をぺろりと舐めると、浮竹も自分の唇を舐めた。

「もっと、精液、ちょうだい?」

「君は本当に・・・娼婦のようだね。僕専用の」

ずちゅっと、中をすりあげて、最奥にまた熱を流しこむと、浮竹は満足したように眠りに落ちていった。


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「ん・・・・」

「どうしたの、浮竹」

「頭が痛い。飲みすぎた」

「ああ、僕の精液を・・・いた!」

浮竹は、思い切り京楽の頭を殴っていた。

二日酔いだった。

症状が重いので、ポーションを飲んだ。

猫の魔女、松本乱菊の作ったポーションだった。


リィィン。

鈴の音がする。

訪問者だ。

浮竹も京楽も、着替えてから、対応した。


「助けてください!」

いたのは、精霊のウンディーネだった。

「炎の精霊王が、炎の精霊王が!」

浮竹と京楽は、顔を見合わせた。

「どうしたの?」

「何があった!」

「精霊王が、新しく生まれた氷の精霊王に、封印されかかって!」

もう一度、浮竹と京楽は、顔を見合わあうのだった。

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