始祖なる者、ヴァンパイアマスター19
炎の精霊王は、全ての精霊の頂点に君臨する存在であった。
始祖精霊と呼ばれていた。
精霊王は、炎の精霊王の他に、大地の精霊王、風の精霊王、水の精霊王、光の精霊王、闇の精霊王、雷の精霊王、氷の精霊王の、合計8人がいた。
でも一番偉いのは、炎の精霊王だった。
何せ始祖精霊である。
全ての精霊王、精霊たちは、炎の精霊王から生まれた。
それは、始祖ヴァンパイアである浮竹と、その妹であるブラッディ・ネイがヴァンパイアという存在を、作っていったのに似ていた。
炎の精霊王は、氷の精霊王と水の精霊王と仲が悪かった。
ただ単に、反属性であるからという理由もあった。
この世界が、創造神ルシエードによって作られて8千年。
ヴァンパイアの国、血の帝国は当時弱小国であった。それが、始祖浮竹とブラッディ・ネイの手によって繁栄を謳歌し、今日(こんにち)まで続いた。
氷の精霊王は、代替わりしたばかりで、齢100年にも満たぬ若輩者であった。
炎の精霊王は、新しい氷の精霊王と交流を深め、属性による相性の悪さを克服していた。
「我には、新しい契約者ができた。実に140年ぶりのことだ」
「いいなぁ。我にはまだいない。いいなぁ」
氷の精霊王は、12歳くらいの少年の姿を形どっていた。水色の髪に、水色の瞳をした美少年だた。
炎の精霊王は、20代前半の、燃えるような長い赤い髪に、赤い瞳の美青年だった。
二人は、酒盛りをしていた。
精霊に未成年という定義はない。
生まれ落ちた瞬間から、酒も飲めるし、他の精霊と睦み合って、子を成すこともできた。
炎の精霊王は、樽ごとワインを飲みほしていた。
「いいなぁ、炎の精霊王は。我も契約者が、主が欲しい」
精霊王は、その属性の一番上に立つ存在であった。
その精霊王たちは、主を、契約者を欲しがった。そうでなければ、人間界に、制約つきでないと遊びにいけないのだ。
人間界は、精霊界にないもので満ち溢れている。
精霊たちは、通称精霊族と呼ばれた。
他の精霊たちは、自由に人間界を行き来しているのに、精霊王たちがその有する魔力のため、制約つきでしか人間界に行くことができなかった。
力の大半を封印した形で、居れて3日が限度であった。
炎の精霊王は、浮竹の元を訪れて追い返された後、一度精霊界に帰った。
そしてS級ダンジョンに挑むと聞いて、炎の精霊王はそれだと思い至り、50階層のボスを勝手に倒して、自分がボスになった。
やってきた浮竹、京楽、一護にやられて、最後は浮竹の、契約者になってほしい者に屠られるほどのダメージを与えられて、それを契約とした。
普通の方法で契約してくれない者には、少々強引な手を使う。それが炎の精霊王のやり方であった。
「この料理、辛いな!」
炎の精霊王は、氷の精霊王に向けて、炎のブレスを吐いていた。
「ちょっと、炎の精霊王!我のキューティクルな髪が、アフロになったではないか!」
「てへ」
「てへじゃない、表でろやこらぁ」
「まあまあ、氷の精霊王。ほら、苺のシャーベットだぞ」
「何!我の大好物ではないか!」
苺のシャーベットに夢中になる氷の精霊王を、まるで孫を見るような眼で、炎の精霊王は見ていた。
「時に、汝の契約者の名はなんであった?」
「浮竹十四郎。始祖ヴァンパイアにして、我が友創造神ルシエードの子にして、我の新しい友だ」
「浮竹、十四郎・・・・・・・」
「こら、氷の精霊王。我の友に、契約者になってもらおうなどと、思っているのではないだろうな?」
「別にいいではないか、炎の精霊王。世界には、かの魔人ユーハバッハのように、複数の精霊王を使役する者もいた」
「ユーハバッハは、神に刃を向けた罰として、千年の眠りについているであろう」
「ユーハバッハが目覚めるまで待てない。我は、契約者を探しに人間界へ行くぞ」
「待て、氷の精霊王!」
「バーカバーカ。アフロにしてくれた礼だ」
氷の精霊王は、覚えたばかりの禁呪を使った。
「何をする、氷の精霊王」
「ふふふ。酒を持ってこいー。酒が足りぬぞー」
水の精霊ウンディーネが、ワインを持ってきた。
「我はワインは好かぬ。アニモニアの実の果実酒を所望する」
「あいにく、在庫を切らしていてな」
「なんだと!炎の精霊王、我がアニモニアの実の果実酒がなければ、氷のブレスがはけないことを知ったうえでのことか!」
「いや、ただの偶然で・・・・・」
「許せぬ、炎の精霊王。我を蔑ろにするつもりだな?」
「誤解だ、氷の精霊王」
「汝など、凍てついてしまえ」
ほんの冗談のつもりであった。戯れのつもりであった。
氷の精霊王が炎の精霊王に向けた氷の刃は、あろうことか炎の精霊王のコアを貫いた。
「あ、やべ、炎の!」
「ちょ、なにしてくれる、氷の!」
二人して、顔を見合わせた。
「きゃあああああ!氷の精霊王様のご乱心だわ!氷の精霊王様が、炎の精霊王様を封印しようとしている!早く、このことを契約者に伝えなければ!」
「ちょっと待て、ウンディーネ!」
「今、契約者を呼んでまいります!」
「だから、ちょっと待って!これは・・・・・」
「行ってしまったぞ?」
ウンディーネは、すでに精霊界を出ていた。
「氷の精霊王。汝に、我が契約者と契約するのを、許そう」
「本当か、氷の精霊王!」
「その代わり、このコアの修復代金は、そちらもちで」
「う!汚いぞ、炎の」
「元を正せば、氷の、汝が氷の刃など向けてくるから!」
炎の精霊王は、コアを破壊されかけたせいで、活動を停止してしまうので、炎の精霊イフリートに憑依した。
「我はコアが再生するまでの間、イフリートでいる」
「炎の精霊王、すまない。我のミスだ」
「氷の精霊王。我を召還できぬことで、契約者が本当に精霊界にくるかもしれない。その時に頼んでみるといい。契約を」
「すまない、炎の精霊王」
----------------------------------------------------
「こちらです、浮竹様!」
浮竹は、京楽を伴って、精霊界にきていた。
水の精霊ウンディーネに導かれるまま、炎の精霊王のいる神殿を目指す。神殿では、炎の精霊王が活動を停止していた。
「遅かったか!」
「いや、我は無事だぞ、我が友よ」
「イフリート?いや、中身は炎の精霊王か」
「そうだ、我が友よ」
「ねぇ、浮竹。ちょっとウンディーネの言ってたことと、現実が違うようなんだけど」
京楽は、浮竹を見た。
浮竹は、イフリートを見ていた。
「我と酒を飲みかわしいて、好物の果実酒がないと知った氷の精霊王が怒って、戯れに我に氷の刃を向けて、我は油断しまくりで、コアを、つまりは心臓を少し。修復すれば、我は元の姿に戻れる」
「コアの再生方法は?」
「魔力」
「京楽、出番だ!」
「ええ、なんで!浮竹の従えてる精霊王でしょ!?」
京楽が、浮竹に抗議した。
「なんか、嫌な気がする。複数の精霊王から、契約者にならないかって言われそうな気がして」
「ああ、氷の精霊王には、契約者として、汝を紹介しておいた」
「ああ、いらないことを・・・・」
浮竹は、頭を抱えた。
そこに、12歳くらいの、水色の髪に水色の瞳の少年が現れた。
「汝が、浮竹十四郎か。我は氷の精霊王である。我の契約者になれ」
「いやだ」
「そうかそうか。ってなんで!?」
氷の精霊王は、泣いて喜んでもらえるものだとばかり思っていたので、拒絶の言葉に自分で自分をつっこでいた。
「我ら精霊王を複数従えるのは、名誉あることなのだぞ!」
「そんなもの、いらない」
「浮竹、氷の精霊王泣いちゃったよ」
うわんうわんと、氷の精霊王は盛大に泣きだした。
「ああもう、精霊王って変なのばっかだな!分かった、契約してやる」
「本当だな?」
「別にしなくてもいいんだぞ」
また、うわんうわんと、氷の精霊王は泣きだした。
「分かった、分かったから泣くな。どうやって契約するんだ?」
「普通は、相手を打ち破る。しかし、炎の精霊王を打ち破るほどであるから、この契約書に署名でいい」
氷の精霊王が出してきた契約書は、古代語で書かれていた。
浮竹は、それにサインせず破り捨てた。
「依代になるなんて、聞いていない」
「ぐ、古代語だから読めないと思っていたのに・・・・・」
「浮竹、この子、意地が悪いみたいだよ」
「そうだな。帰るか」
「ちょ、ま!嘘だ、さっきの契約書は嘘!本物はこっちだ」
氷の精霊王は、本物の契約書を出してきた。
現代語で書かれた、ちゃんとした内容の契約書で、浮竹は何度か読み返した後、サインをした。
「これで、汝は我が友である。ばりばり呼べ」
「呼ばん」
「なんですと!?」
「そう頻繁に、戦闘をしているわけじゃない。それに、精霊王の召還は、魔力がごっそりもっていかれるから、きっとめったにしない」
「仕方ない。魔人ユーハバッハのようにはいかぬか」
「魔人ユーハバッハ?」
浮竹が首を傾げた。
「古代人だ。古代魔法文明を築いた、魔人ユーハバッハ。8種族の全ての精霊王を使役した、伝説の存在」
「そんな者が存在したのか・・・・」
「神になろうと、神を殺そうとして怒りを買い、千年の封印を施された」
「死んで、いないのか」
「そんな存在がいるの?」
ごくりと、京楽が唾を飲みこむ。
「魔人と呼ばれ、4千年を生きていた。今も、海に沈んだ古代遺跡で眠っている。封印が解かれるまで、あと400年はある」
「封印されたのは、今から600年前・・・・俺が、ちょうど休眠していた間だな。知らなくて当たり前か。元々、俺は他の種族に、特に人間には興味なかったからな」
「僕は人間だったけどね。浮竹の熱い愛で、血族になったんだ」
「汝ら、できているのか」
「そうだよ。僕と浮竹は愛し合っている」
「京楽、いらんことを教えなくていい」
「あはは、ごめん、浮竹」
氷の精霊王は、浮竹の手を取って、魔力を流し込んだ。
「何をしているんだ?」
「この世界は、存在するのに魔力を消費する。2人も精霊王と契約していると、魔力の消耗も激しくなる。それを防いだだけだ」
「気を使ってくれたのか。ありがとう」
「魔力を流しこんで今分かった。汝、とんでもない魔力を有しているな?魔人ユーハバッハに引けをとらぬ・・・・」
「そうか?」
「そうだ」
「さすが僕の浮竹」
京楽は、浮竹に抱きついてキスをした。
「こら、子供が見ているだろう!」
「我は、齢80歳なのだが・・・・・」
「80歳だなんて、ヴァンパイアでも子供の年齢だ!」
「そうか。汝はヴァンパイアであったな。長くを生きるでのあれば、我も嬉しい」
「浮竹、古城に帰ろうよ」
京楽が、除け者にされてつまんないのだとばかりに、意思表示した。
「炎の精霊王の傷ついたコアに魔力を流してから帰る。京楽、お前も手伝ってくれ」
「分かったよ」
神殿のベッドの上で、昏々と眠る炎の精霊王のコアに、魔力を注ぎ込む。ぎゅんと、凄まじい魔力をもっていかれた。それは、京楽も同じだった。
二人して、魔力切れを起こしかけていた。
「すまぬ、我が友と。汝と、汝の血族の魔力が美味すぎて、ほとんど吸ってしまった」
炎の精霊王は、復活していた。
「魔力がないと、この精霊界にはいられないんだろう。俺と京楽は、戻る」
「少し待て。今、魔力の実をもってくる。失われた魔力を回復させる薬だ」
少しして、ウンディーネが魔力の実でできた飲み物をもってきてくれた。
「あ、意外とおいしい。なんだろう、胸のあたりがぽかぽかする」
「本当だ美味いな。体全体がぽかぽかする」
「我が友の魔力は膨大だ。体全体がぽかぽかするは、神クラスの魔力を持っている証」
「俺は神クラスなのか?」
「そうでなければ、我が望んで契約を無理やりにさせたりはせぬ」
浮竹は、まだ納得がいかなかったようだが、まぁいいかと、難しい事柄の思考を放棄した。
「まだ、精霊界にいていいのか?」
「ああ。精霊界は、汝と汝の血族を、快く迎え入れよう。よくぞ、我の危機を救ってくれた。宴だ!飲め、食え、騒げ!」
炎の精霊王の様子に、浮竹も京楽も、祝いごとが好きなんだなと思った。
たくさんの料理が出され、ワインか果実酒といった酒もあった。
S級ダンジョンで、50階層を突破した後にも精霊界にきたが、友人が古城で待っていたので、思う存分飲み食いできなかった。
今回は、思う存分食べて、飲んで、そして笑った。
「次は、ウンディーネによるストリップ!」
「浮竹は見ちゃダメ!」
京楽は、大胆に動くウンディーネの裸を見ながら、浮竹の目を塞いでいた。
「ああ、あれが浮竹なら・・・・」
浮竹の大胆なストリップを想像して、京楽は鼻血を出していた。
「どうした、京楽。そんなにウンディーネのストリップに興奮したのか。この浮気者!」
「違う・・・脳内で、浮竹に変換してた」
「なっ!」
浮竹は真っ赤になり、京楽の頭をはたいた。
「いたたたた。でも、いいもの想像できた。おなかいっぱい」
「この変態が!」
「我が友には、少ないが、財宝を与えよう」
「宝箱!」
「ミミックだ。ミミック好きだと、聞いたのでな」
「ミミックの宝箱!」
浮竹は、目をキラキラ輝かせて、宝箱をあけた。
「暗いよ狭いよ怖いよ息苦しいよーーー」
「またやってる」
京楽は、苦笑しながら、浮竹をミミックから救出した。
「ウィンドカッター」
風の魔法で斬り裂くと、ミミックは金塊の他に5冊も魔法書を落としてくれた。
「我が、精霊族に伝わる魔法だ」
「禁呪ばかりだな。ありがたくもらっておく」
目を通して、もう覚えてしまったが、他の誰かにも教えることがあるかもしれないと、アイテムポケットに直した。
「浮竹、肝心の金塊忘れてる」
「ああ、魔法書にばかり目がいって、忘れていた」
金塊も、アイテムポケットに入れた。
「じゃあ、元の世界に戻る。世話になった」
「こちらこそ、騒ぎに巻き込んですまぬ、我が友よ」
「炎の精霊王だけでなく、我も呼んでくれよ?」
氷の精霊王が、手を振っていた。
「ああ、分かった」
「浮竹、いくよ」
「まってくれ、京楽!」
水の精霊ウンディーネに案内されて、来た道を戻る。
「我ら精霊族は、他種族の侵略から身を護るため、世界を閉ざしいます。許可のある者しか出入入りができません。これを」
黒水晶の結晶を渡された。
「その黒水晶があれば、精霊界への道は開けます。では、また・・・・」
「ああ、ありがとう」
「ああ、あの子ストリップしてたウンディーネだ。浮竹に頭の中で変換してたから・・・ああ、思い出すだけで鼻血が!」
「この変態が!」
京楽は、浮竹に蹴られながら、浮竹と一緒に古城の庭にもどってきていた。
-------------------------------------
桔梗の花が綺麗に咲いていた。
前に、東洋の浮竹と京楽からもらった花の種を、プランターで育ていた。
四季を通して咲くようにと、民間魔法の乱れ咲きの魔法をかけていた。
「ああ、まだ脳内で、浮竹がストリップしてる」
「いい加減、忘れろ」
「無理。むらむらしてきた」
「盛るな!せめて、風呂に入ってからにしろ!」
夕飯を食べて、風呂に入った後で、京楽が寝間着を一枚一枚浮竹からはぎとって、その美しい体に魅入っていた。
「ああ、ウンディーネのストリップなんて目じゃないね。なんて白くて滑らかな肌だろう」
「んんっ」
京楽が、味わうように、肌をついばみ、舐めていく。
「変なかんじだ」
「そうだ、今日は最後まではしないでおこう」
「お前がそれで満足するなら、俺はそれでいいが」
京楽は、殊更ゆっくりと、浮竹の衣服を脱がせていった。下着をとりさり、裸の浮竹を舐めるように見た。
「や、なんか恥ずかしい・・・・・」
「綺麗だよ浮竹」
京楽は、自分も裸になって、浮竹に覆いかぶさった。
「ああ、白い肌。なめらかで気持ちいい」
浮竹のものを口に含み、舐め挙げて、全体を指でしごいた。
「ああああ!!!」
浮竹は、京楽の攻めに耐え切れず、京楽の口の中に精液を吐き出していた。
「今日は、素股をしよう」
「素股か。まぁ、俺はそっちの方が負担がなくて楽だな」
「太もも、閉じて?」
言われるまま、浮竹は太ももを閉じた。
背後から、京楽の立派な一物が、閉じた太ももの間を出入りする。
「ああ、いいよ。すごくきもいい」
「俺は何も感じないんだが」
「後で、またいかせてあげるから、今は僕を気持ちよくさせて?」
そのまま、何度か太ももを出入りして、京楽はシーツに染みを作った。
それを、京楽は4回ほど繰り返した。
「あ、ああああ!」
京楽にしゃぶりつかれて、浮竹はいっていた。
「ああああ!」
「まだ、出せるでしょ?美味しい君のミルク、僕にもっとっちょうだい?」
「やああ、もう出ない・・・・・・」
それでも、しつこく京楽は浮竹のものを舐め続けた。
「きもちよくしてもらった、ご褒美だよ」
白い太もももにかじりついて、京楽は吸血した。
「ひあああああ!!」
ぷしゅあああああああ。
浮竹は、潮をふいていた。
「ああ、エロいね。君の中に出してないのに、君の体は吸血されるだけで、女の子みたいになっちゃうんだね」
「あああ、ああ・・・」
浮竹は、何度も吸血してくるその快感を感じながら、瞳を閉じるのであった。
-----------------------------------------------
「ウルキオラ」
「はい、藍染様」
「血の帝国にいき、このウィルスをまき散らすのだ」
「御意」
ウルキオラは、藍染が集めた十刃の一人だった。
他の十刃がどうしているのかは、知らない。
ただ、主である藍染の命令に従うだけ。
「必ず、藍染様の役にたってみせます」
「いい子だね、ウルキオラ」
藍染は、ウルキオラの顎に手をかけて、上を見させると、口づけた。
「あ、藍染様・・・・・・」
「さぁ、行っておいで。そして、血の帝国を滅茶苦茶にしておいで」
「はい、藍染様・・・」
魔族であるウルキオラは、闇にその身を紛れさすと、魔国アルカンシェルを出て、血の帝国に向かうのであった。
始祖精霊と呼ばれていた。
精霊王は、炎の精霊王の他に、大地の精霊王、風の精霊王、水の精霊王、光の精霊王、闇の精霊王、雷の精霊王、氷の精霊王の、合計8人がいた。
でも一番偉いのは、炎の精霊王だった。
何せ始祖精霊である。
全ての精霊王、精霊たちは、炎の精霊王から生まれた。
それは、始祖ヴァンパイアである浮竹と、その妹であるブラッディ・ネイがヴァンパイアという存在を、作っていったのに似ていた。
炎の精霊王は、氷の精霊王と水の精霊王と仲が悪かった。
ただ単に、反属性であるからという理由もあった。
この世界が、創造神ルシエードによって作られて8千年。
ヴァンパイアの国、血の帝国は当時弱小国であった。それが、始祖浮竹とブラッディ・ネイの手によって繁栄を謳歌し、今日(こんにち)まで続いた。
氷の精霊王は、代替わりしたばかりで、齢100年にも満たぬ若輩者であった。
炎の精霊王は、新しい氷の精霊王と交流を深め、属性による相性の悪さを克服していた。
「我には、新しい契約者ができた。実に140年ぶりのことだ」
「いいなぁ。我にはまだいない。いいなぁ」
氷の精霊王は、12歳くらいの少年の姿を形どっていた。水色の髪に、水色の瞳をした美少年だた。
炎の精霊王は、20代前半の、燃えるような長い赤い髪に、赤い瞳の美青年だった。
二人は、酒盛りをしていた。
精霊に未成年という定義はない。
生まれ落ちた瞬間から、酒も飲めるし、他の精霊と睦み合って、子を成すこともできた。
炎の精霊王は、樽ごとワインを飲みほしていた。
「いいなぁ、炎の精霊王は。我も契約者が、主が欲しい」
精霊王は、その属性の一番上に立つ存在であった。
その精霊王たちは、主を、契約者を欲しがった。そうでなければ、人間界に、制約つきでないと遊びにいけないのだ。
人間界は、精霊界にないもので満ち溢れている。
精霊たちは、通称精霊族と呼ばれた。
他の精霊たちは、自由に人間界を行き来しているのに、精霊王たちがその有する魔力のため、制約つきでしか人間界に行くことができなかった。
力の大半を封印した形で、居れて3日が限度であった。
炎の精霊王は、浮竹の元を訪れて追い返された後、一度精霊界に帰った。
そしてS級ダンジョンに挑むと聞いて、炎の精霊王はそれだと思い至り、50階層のボスを勝手に倒して、自分がボスになった。
やってきた浮竹、京楽、一護にやられて、最後は浮竹の、契約者になってほしい者に屠られるほどのダメージを与えられて、それを契約とした。
普通の方法で契約してくれない者には、少々強引な手を使う。それが炎の精霊王のやり方であった。
「この料理、辛いな!」
炎の精霊王は、氷の精霊王に向けて、炎のブレスを吐いていた。
「ちょっと、炎の精霊王!我のキューティクルな髪が、アフロになったではないか!」
「てへ」
「てへじゃない、表でろやこらぁ」
「まあまあ、氷の精霊王。ほら、苺のシャーベットだぞ」
「何!我の大好物ではないか!」
苺のシャーベットに夢中になる氷の精霊王を、まるで孫を見るような眼で、炎の精霊王は見ていた。
「時に、汝の契約者の名はなんであった?」
「浮竹十四郎。始祖ヴァンパイアにして、我が友創造神ルシエードの子にして、我の新しい友だ」
「浮竹、十四郎・・・・・・・」
「こら、氷の精霊王。我の友に、契約者になってもらおうなどと、思っているのではないだろうな?」
「別にいいではないか、炎の精霊王。世界には、かの魔人ユーハバッハのように、複数の精霊王を使役する者もいた」
「ユーハバッハは、神に刃を向けた罰として、千年の眠りについているであろう」
「ユーハバッハが目覚めるまで待てない。我は、契約者を探しに人間界へ行くぞ」
「待て、氷の精霊王!」
「バーカバーカ。アフロにしてくれた礼だ」
氷の精霊王は、覚えたばかりの禁呪を使った。
「何をする、氷の精霊王」
「ふふふ。酒を持ってこいー。酒が足りぬぞー」
水の精霊ウンディーネが、ワインを持ってきた。
「我はワインは好かぬ。アニモニアの実の果実酒を所望する」
「あいにく、在庫を切らしていてな」
「なんだと!炎の精霊王、我がアニモニアの実の果実酒がなければ、氷のブレスがはけないことを知ったうえでのことか!」
「いや、ただの偶然で・・・・・」
「許せぬ、炎の精霊王。我を蔑ろにするつもりだな?」
「誤解だ、氷の精霊王」
「汝など、凍てついてしまえ」
ほんの冗談のつもりであった。戯れのつもりであった。
氷の精霊王が炎の精霊王に向けた氷の刃は、あろうことか炎の精霊王のコアを貫いた。
「あ、やべ、炎の!」
「ちょ、なにしてくれる、氷の!」
二人して、顔を見合わせた。
「きゃあああああ!氷の精霊王様のご乱心だわ!氷の精霊王様が、炎の精霊王様を封印しようとしている!早く、このことを契約者に伝えなければ!」
「ちょっと待て、ウンディーネ!」
「今、契約者を呼んでまいります!」
「だから、ちょっと待って!これは・・・・・」
「行ってしまったぞ?」
ウンディーネは、すでに精霊界を出ていた。
「氷の精霊王。汝に、我が契約者と契約するのを、許そう」
「本当か、氷の精霊王!」
「その代わり、このコアの修復代金は、そちらもちで」
「う!汚いぞ、炎の」
「元を正せば、氷の、汝が氷の刃など向けてくるから!」
炎の精霊王は、コアを破壊されかけたせいで、活動を停止してしまうので、炎の精霊イフリートに憑依した。
「我はコアが再生するまでの間、イフリートでいる」
「炎の精霊王、すまない。我のミスだ」
「氷の精霊王。我を召還できぬことで、契約者が本当に精霊界にくるかもしれない。その時に頼んでみるといい。契約を」
「すまない、炎の精霊王」
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「こちらです、浮竹様!」
浮竹は、京楽を伴って、精霊界にきていた。
水の精霊ウンディーネに導かれるまま、炎の精霊王のいる神殿を目指す。神殿では、炎の精霊王が活動を停止していた。
「遅かったか!」
「いや、我は無事だぞ、我が友よ」
「イフリート?いや、中身は炎の精霊王か」
「そうだ、我が友よ」
「ねぇ、浮竹。ちょっとウンディーネの言ってたことと、現実が違うようなんだけど」
京楽は、浮竹を見た。
浮竹は、イフリートを見ていた。
「我と酒を飲みかわしいて、好物の果実酒がないと知った氷の精霊王が怒って、戯れに我に氷の刃を向けて、我は油断しまくりで、コアを、つまりは心臓を少し。修復すれば、我は元の姿に戻れる」
「コアの再生方法は?」
「魔力」
「京楽、出番だ!」
「ええ、なんで!浮竹の従えてる精霊王でしょ!?」
京楽が、浮竹に抗議した。
「なんか、嫌な気がする。複数の精霊王から、契約者にならないかって言われそうな気がして」
「ああ、氷の精霊王には、契約者として、汝を紹介しておいた」
「ああ、いらないことを・・・・」
浮竹は、頭を抱えた。
そこに、12歳くらいの、水色の髪に水色の瞳の少年が現れた。
「汝が、浮竹十四郎か。我は氷の精霊王である。我の契約者になれ」
「いやだ」
「そうかそうか。ってなんで!?」
氷の精霊王は、泣いて喜んでもらえるものだとばかり思っていたので、拒絶の言葉に自分で自分をつっこでいた。
「我ら精霊王を複数従えるのは、名誉あることなのだぞ!」
「そんなもの、いらない」
「浮竹、氷の精霊王泣いちゃったよ」
うわんうわんと、氷の精霊王は盛大に泣きだした。
「ああもう、精霊王って変なのばっかだな!分かった、契約してやる」
「本当だな?」
「別にしなくてもいいんだぞ」
また、うわんうわんと、氷の精霊王は泣きだした。
「分かった、分かったから泣くな。どうやって契約するんだ?」
「普通は、相手を打ち破る。しかし、炎の精霊王を打ち破るほどであるから、この契約書に署名でいい」
氷の精霊王が出してきた契約書は、古代語で書かれていた。
浮竹は、それにサインせず破り捨てた。
「依代になるなんて、聞いていない」
「ぐ、古代語だから読めないと思っていたのに・・・・・」
「浮竹、この子、意地が悪いみたいだよ」
「そうだな。帰るか」
「ちょ、ま!嘘だ、さっきの契約書は嘘!本物はこっちだ」
氷の精霊王は、本物の契約書を出してきた。
現代語で書かれた、ちゃんとした内容の契約書で、浮竹は何度か読み返した後、サインをした。
「これで、汝は我が友である。ばりばり呼べ」
「呼ばん」
「なんですと!?」
「そう頻繁に、戦闘をしているわけじゃない。それに、精霊王の召還は、魔力がごっそりもっていかれるから、きっとめったにしない」
「仕方ない。魔人ユーハバッハのようにはいかぬか」
「魔人ユーハバッハ?」
浮竹が首を傾げた。
「古代人だ。古代魔法文明を築いた、魔人ユーハバッハ。8種族の全ての精霊王を使役した、伝説の存在」
「そんな者が存在したのか・・・・」
「神になろうと、神を殺そうとして怒りを買い、千年の封印を施された」
「死んで、いないのか」
「そんな存在がいるの?」
ごくりと、京楽が唾を飲みこむ。
「魔人と呼ばれ、4千年を生きていた。今も、海に沈んだ古代遺跡で眠っている。封印が解かれるまで、あと400年はある」
「封印されたのは、今から600年前・・・・俺が、ちょうど休眠していた間だな。知らなくて当たり前か。元々、俺は他の種族に、特に人間には興味なかったからな」
「僕は人間だったけどね。浮竹の熱い愛で、血族になったんだ」
「汝ら、できているのか」
「そうだよ。僕と浮竹は愛し合っている」
「京楽、いらんことを教えなくていい」
「あはは、ごめん、浮竹」
氷の精霊王は、浮竹の手を取って、魔力を流し込んだ。
「何をしているんだ?」
「この世界は、存在するのに魔力を消費する。2人も精霊王と契約していると、魔力の消耗も激しくなる。それを防いだだけだ」
「気を使ってくれたのか。ありがとう」
「魔力を流しこんで今分かった。汝、とんでもない魔力を有しているな?魔人ユーハバッハに引けをとらぬ・・・・」
「そうか?」
「そうだ」
「さすが僕の浮竹」
京楽は、浮竹に抱きついてキスをした。
「こら、子供が見ているだろう!」
「我は、齢80歳なのだが・・・・・」
「80歳だなんて、ヴァンパイアでも子供の年齢だ!」
「そうか。汝はヴァンパイアであったな。長くを生きるでのあれば、我も嬉しい」
「浮竹、古城に帰ろうよ」
京楽が、除け者にされてつまんないのだとばかりに、意思表示した。
「炎の精霊王の傷ついたコアに魔力を流してから帰る。京楽、お前も手伝ってくれ」
「分かったよ」
神殿のベッドの上で、昏々と眠る炎の精霊王のコアに、魔力を注ぎ込む。ぎゅんと、凄まじい魔力をもっていかれた。それは、京楽も同じだった。
二人して、魔力切れを起こしかけていた。
「すまぬ、我が友と。汝と、汝の血族の魔力が美味すぎて、ほとんど吸ってしまった」
炎の精霊王は、復活していた。
「魔力がないと、この精霊界にはいられないんだろう。俺と京楽は、戻る」
「少し待て。今、魔力の実をもってくる。失われた魔力を回復させる薬だ」
少しして、ウンディーネが魔力の実でできた飲み物をもってきてくれた。
「あ、意外とおいしい。なんだろう、胸のあたりがぽかぽかする」
「本当だ美味いな。体全体がぽかぽかする」
「我が友の魔力は膨大だ。体全体がぽかぽかするは、神クラスの魔力を持っている証」
「俺は神クラスなのか?」
「そうでなければ、我が望んで契約を無理やりにさせたりはせぬ」
浮竹は、まだ納得がいかなかったようだが、まぁいいかと、難しい事柄の思考を放棄した。
「まだ、精霊界にいていいのか?」
「ああ。精霊界は、汝と汝の血族を、快く迎え入れよう。よくぞ、我の危機を救ってくれた。宴だ!飲め、食え、騒げ!」
炎の精霊王の様子に、浮竹も京楽も、祝いごとが好きなんだなと思った。
たくさんの料理が出され、ワインか果実酒といった酒もあった。
S級ダンジョンで、50階層を突破した後にも精霊界にきたが、友人が古城で待っていたので、思う存分飲み食いできなかった。
今回は、思う存分食べて、飲んで、そして笑った。
「次は、ウンディーネによるストリップ!」
「浮竹は見ちゃダメ!」
京楽は、大胆に動くウンディーネの裸を見ながら、浮竹の目を塞いでいた。
「ああ、あれが浮竹なら・・・・」
浮竹の大胆なストリップを想像して、京楽は鼻血を出していた。
「どうした、京楽。そんなにウンディーネのストリップに興奮したのか。この浮気者!」
「違う・・・脳内で、浮竹に変換してた」
「なっ!」
浮竹は真っ赤になり、京楽の頭をはたいた。
「いたたたた。でも、いいもの想像できた。おなかいっぱい」
「この変態が!」
「我が友には、少ないが、財宝を与えよう」
「宝箱!」
「ミミックだ。ミミック好きだと、聞いたのでな」
「ミミックの宝箱!」
浮竹は、目をキラキラ輝かせて、宝箱をあけた。
「暗いよ狭いよ怖いよ息苦しいよーーー」
「またやってる」
京楽は、苦笑しながら、浮竹をミミックから救出した。
「ウィンドカッター」
風の魔法で斬り裂くと、ミミックは金塊の他に5冊も魔法書を落としてくれた。
「我が、精霊族に伝わる魔法だ」
「禁呪ばかりだな。ありがたくもらっておく」
目を通して、もう覚えてしまったが、他の誰かにも教えることがあるかもしれないと、アイテムポケットに直した。
「浮竹、肝心の金塊忘れてる」
「ああ、魔法書にばかり目がいって、忘れていた」
金塊も、アイテムポケットに入れた。
「じゃあ、元の世界に戻る。世話になった」
「こちらこそ、騒ぎに巻き込んですまぬ、我が友よ」
「炎の精霊王だけでなく、我も呼んでくれよ?」
氷の精霊王が、手を振っていた。
「ああ、分かった」
「浮竹、いくよ」
「まってくれ、京楽!」
水の精霊ウンディーネに案内されて、来た道を戻る。
「我ら精霊族は、他種族の侵略から身を護るため、世界を閉ざしいます。許可のある者しか出入入りができません。これを」
黒水晶の結晶を渡された。
「その黒水晶があれば、精霊界への道は開けます。では、また・・・・」
「ああ、ありがとう」
「ああ、あの子ストリップしてたウンディーネだ。浮竹に頭の中で変換してたから・・・ああ、思い出すだけで鼻血が!」
「この変態が!」
京楽は、浮竹に蹴られながら、浮竹と一緒に古城の庭にもどってきていた。
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桔梗の花が綺麗に咲いていた。
前に、東洋の浮竹と京楽からもらった花の種を、プランターで育ていた。
四季を通して咲くようにと、民間魔法の乱れ咲きの魔法をかけていた。
「ああ、まだ脳内で、浮竹がストリップしてる」
「いい加減、忘れろ」
「無理。むらむらしてきた」
「盛るな!せめて、風呂に入ってからにしろ!」
夕飯を食べて、風呂に入った後で、京楽が寝間着を一枚一枚浮竹からはぎとって、その美しい体に魅入っていた。
「ああ、ウンディーネのストリップなんて目じゃないね。なんて白くて滑らかな肌だろう」
「んんっ」
京楽が、味わうように、肌をついばみ、舐めていく。
「変なかんじだ」
「そうだ、今日は最後まではしないでおこう」
「お前がそれで満足するなら、俺はそれでいいが」
京楽は、殊更ゆっくりと、浮竹の衣服を脱がせていった。下着をとりさり、裸の浮竹を舐めるように見た。
「や、なんか恥ずかしい・・・・・」
「綺麗だよ浮竹」
京楽は、自分も裸になって、浮竹に覆いかぶさった。
「ああ、白い肌。なめらかで気持ちいい」
浮竹のものを口に含み、舐め挙げて、全体を指でしごいた。
「ああああ!!!」
浮竹は、京楽の攻めに耐え切れず、京楽の口の中に精液を吐き出していた。
「今日は、素股をしよう」
「素股か。まぁ、俺はそっちの方が負担がなくて楽だな」
「太もも、閉じて?」
言われるまま、浮竹は太ももを閉じた。
背後から、京楽の立派な一物が、閉じた太ももの間を出入りする。
「ああ、いいよ。すごくきもいい」
「俺は何も感じないんだが」
「後で、またいかせてあげるから、今は僕を気持ちよくさせて?」
そのまま、何度か太ももを出入りして、京楽はシーツに染みを作った。
それを、京楽は4回ほど繰り返した。
「あ、ああああ!」
京楽にしゃぶりつかれて、浮竹はいっていた。
「ああああ!」
「まだ、出せるでしょ?美味しい君のミルク、僕にもっとっちょうだい?」
「やああ、もう出ない・・・・・・」
それでも、しつこく京楽は浮竹のものを舐め続けた。
「きもちよくしてもらった、ご褒美だよ」
白い太もももにかじりついて、京楽は吸血した。
「ひあああああ!!」
ぷしゅあああああああ。
浮竹は、潮をふいていた。
「ああ、エロいね。君の中に出してないのに、君の体は吸血されるだけで、女の子みたいになっちゃうんだね」
「あああ、ああ・・・」
浮竹は、何度も吸血してくるその快感を感じながら、瞳を閉じるのであった。
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「ウルキオラ」
「はい、藍染様」
「血の帝国にいき、このウィルスをまき散らすのだ」
「御意」
ウルキオラは、藍染が集めた十刃の一人だった。
他の十刃がどうしているのかは、知らない。
ただ、主である藍染の命令に従うだけ。
「必ず、藍染様の役にたってみせます」
「いい子だね、ウルキオラ」
藍染は、ウルキオラの顎に手をかけて、上を見させると、口づけた。
「あ、藍染様・・・・・・」
「さぁ、行っておいで。そして、血の帝国を滅茶苦茶にしておいで」
「はい、藍染様・・・」
魔族であるウルキオラは、闇にその身を紛れさすと、魔国アルカンシェルを出て、血の帝国に向かうのであった。
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