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小説掲載プログ
03 2024/04 29 30 05

始祖なる者、ヴァンパイアマスター32-2

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「ああ、兄様の料理、思い出すだけで心臓が止まりそう」

後日、回復したブラッディ・ネイは二度と実兄の料理を口にしないと決めた。

それは白哉も恋次もルキアも一護も冬獅郎も、全員そうだった。

「浮竹の料理の腕が、あれほど壊滅的だとは・・・・・」

「白哉さん、3日間寝こんでましたからね」

恋次の言葉に、ルキアも顔を青くしながら頷いた。

「浮竹殿の手料理は今後一切口にしないようにしよう。ちなみに一護は1週間寝こんだ」

「ルキア、それ言うな」

「軟弱だな。俺は2日だけだ」

「それ、自慢になってねーぞ、冬獅郎」

浮竹は、自分の手料理のせいで皆が倒れたことを知らずに、古城に戻っていった。

ちなみに、浮竹の作った海鮮パスタを穴に埋めたところ、穴からマンドレイクが生えてきて、ちょっとした騒ぎになった。

「マンドレイクを、毎度生きたままぶちこむそうだよ、兄様。マンドレイクは主に錬金術の材料で、食べるには向かないのにね」

「浮竹殿は、錬金術で料理を作っているらしい」

「だから、あんなに壊滅的なのか・・・・」

みんな、頷きあった。

ちなみにいつも被害にあっている京楽は、3時間で目を覚ました。

目覚めるまで個体差があるようで、一番長かったのは一護の1週間だった。

ブラッディ・ネイは8千年間浮竹の妹であったが、実の兄が料理している姿を見たことがなかった。いつも戦闘人形を出し、それに調理させていた。

「兄様の欠点を見つけてしまった・・・・・」

ブラッディ・ネイは、もう倒れるのはこりごりだが、愛しい兄の弱点を見つけて、一人ニマニマするのであった。

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「浮竹、そこでマンドレイクを入れようとしない!」

「だって、京楽、スープにはマンドレイクが必須だろう」

「必須じゃないから!マンドレイクを入れずに、煮込み続けてごらん」

浮竹は、京楽の言う通りに調理をした。

それを、京楽は恐る恐る口にした。

そして、倒れた。

「隠し味にドラゴンの血をぶちこんだんのだが、だめだったか?」

「だめに決まってるでしょ!ドラゴンの血は錬金術の材料であって、料理に放りこむものじゃないからね!?」

「だが、俺の料理は錬金術だぞ!」

「料理と錬金術を一緒にしない!」

「京楽がいじめるーーーー」

そう言って、浮竹は東洋の浮竹の元に逃げてしまった。

(どうしたんだ、西洋の俺)

突然現れた、泣いている西洋の浮竹に、東洋の浮竹はその頭を撫でながら、事情を聞いた。

(そうか。手料理がうまくなればいいのにな?)

「こっちの京楽は、うまいといって食べてくれたのに」

(春水はゲテモノ好きだからね)

「俺の料理はゲテモノなのだろうか・・・・」

(うーん、迷うところだなぁ)

「あ、こんなところにいた浮竹、帰るよ!」

「京楽にいじめられるー」

(こら、西洋の京楽。西洋の俺をいじめちゃだめだ)

「いじめてない、いじめない。料理の指導をしてただけだよ」

(でも、向こうの俺は泣いていたぞ?)

「浮竹、泣いてたの?」

「泣いてなんかない!」

そう言いつつも、ぽたりぽたりと、地面に雫が落ちた。

「ごめん、もっと優しく指導するから、泣かないで」

「マンドレイクを」

「ん?」

「生きたままのマンドレイクをまるかじりして食べたら、許してやる」

「ええええ!それ、ちょっとハードル高すぎない?」

「じゅあ、マンドレイク5体にするか?」

「1体で十分です」

「ああ、東洋の俺。浄化のお札をありがとう。おかげで、ネクロマンサーとアンデットの大軍をやっつけれた」

「わあ、役に立ったんだ!嬉しいなぁ」

「凄く役に立ったぞ。お札がなかったら、苦戦していたかもしれない」

西洋の浮竹は、東洋の自分の頭を撫でた。

(こそばゆい)

それに、東洋の浮竹が照れて、顔を赤くする。

(何してるの、3人で)

そこに、東洋の京楽が現れた。

雑居ビルの部屋は、4人で狭くなっていた。

いろいろ事情を話すと、東洋の京楽は西洋の自分を指さした。

(キミが悪い。愛しい伴侶の料理くらい、食べて平気でいるべきだ)

「でもねぇ、自動的に気絶するんだよ!?」

(西洋の浮竹は、マンドレイクを料理にぶちこまないこと。いいね?)

「分かった・・・・・」

「ちょっと、僕の言葉は聞かないのに、こっちの僕のいうことは聞くの?」

「こっちの京楽は、嘘をつかないから」

「僕も嘘はつかないよ?」

「この前、美味しいといって食べた料理、影で毒消しのポーションと胃腸薬飲んでただろ」

「ぎくっ」

「やっぱり、マンドレイク5体まるかじりコースだな」

「簡便してよお」

そんな二人に、東洋の二人も笑うのだった。

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結局、なんとか言いくるめて、マンドレイク丸かじりではなく、マンドレイクのスープにしてもらった。

とりあえず、マンドレイクをそのままぶちこまれそうになったので、刻むようにお願いしておいたら、いつもはマンドレイクをそのままぶちこむ浮竹も折れて、マンドレイクを一口サイズに刻んでくれた。

マンドレイクは刻まれる度に叫んでいて、かなりグロッキーな構図だった。

「うん・・・味は、いつもよりましだね」

マンドレイクだけを煮込んだスープは、ほんのりとした塩コショウの味しかしなかった。

「く、これでは罰にならない」

「罰!?僕、そこまで酷いことした!?」

「まぁいい。風呂に入ろう」

「え、なんでいきなり?」

「仲直りしよう」

「ああ、うん」

お風呂に入り、お互いの体と髪を洗って、風呂場からあがると京楽は浮竹の髪の水分を拭き取った。

ベッドの上で、浮竹は裸になり、足を広げて浮竹を誘った。

「来い、春水」

「十四郎・・・・・」

京楽は、その白い肌の至るところに、キスマークの赤い花びらを散らせていった。

「あ!」

浮竹の感じる部分を重点的に攻めていった。

胸の先端を口に含まれて、浮竹は顔を隠した。

「十四郎、感じてる顔、ちゃんと見せて?」

「嫌だ」

「そんなこと言わないで」

「あっ」

浮竹のものに手を這わすと、ピクリと浮竹の体がはねた。

「ああ!」

京楽の口の中で、浮竹のものはどんどん硬くなっていった。

「ひあ!」

欲望を、浮竹の口の中に放っていた。

「十四郎、愛してるよ」

「あ、春水、春水」

浮竹の欲望を飲みこみながら、浮竹の唇を奪った。

「んんっ」

舌に舌を絡ませあいながら、口づけを続ける。

燃え滾るように昂った京楽の熱をみて、浮竹は唇を舐めた。

「京楽のこれが欲しい」

「今あげるからね」

まずはローションを人肌の温度にまで温めて、浮竹の蕾を解していく。

ぐちゃぐちゃと音を立てて、3本を余裕で飲みこむようになったら引き抜いて、京楽は一気に浮を引き裂いた。

「あああ!!!」

「んっ、出すよ。中で受け止めてね」

「んあああ!」

浮竹の中の浅い部分に精液を放った。

それを塗り込むように、奥へ奥へと侵入する。

「あ・・・・・・」

結腸の入り口をとんとんとノックされて、浮竹はオーガズムでいっていた。

「やああああ!」

「血をすうよ?」

「やあ、だめぇ、いってるからぁ!」

京楽は、浮竹の太ももの内側に噛みついて、吸血した。

「あああ!」

吸血による凄まじい快感を感じながら、京楽のものを締め付けた。

「んっ、僕も君の中で出すよ?受け取ってね?」

「ああーーーーー!!」

京楽は浮竹の最奥で精を放った。

同時に、浮竹もまたシーツの上に欲望をぱたぱたと零していた。

「ん・・・・・」

引き抜かれていく感触に、浮竹が首を振る。

「まだ、繋がっていたい」

「でも、かき出さないと」

「いいから!」

二人は、繋がったまま眠った。

朝起きると、隣に京楽はいなくて、後処理をされて体は綺麗に拭われており、バスローブを着せられていた。

「京楽・・・・」

「ああ、起きた?」

「何をしているんだ?」

「君の手料理を真似て、マンドレイクのスープを作ってみたんだ」

鍋の底には、真っ赤に茹でられたマンドレイクが3体、刻んでいれられていた。

「マンドレイクは隠し味だぞ?」

「まあ、そう言わずに食べてみて?」

恐る恐る口にすると、ほのかな甘みを感じた。

「うまい・・・・・」

「そうでしょ?一晩水につけて、独特の渋みを取り去っておいたんだ。この方法のマンドレイクなら、隠し味にしても、大丈夫でしょ?」

「いや、だめだ」

「なんで!?」

「マンドレイクは生のまま、ぶちこむのがいいんだ」

結局、浮竹の料理に生きたマンドレイクをそのままぶちこむ癖は、治らないのであった。

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「何故だ!何故、私の子ではだめなのだ!」

藍染は、死んだルクレチアを悼むのではなく、怒っていた。

「魔人ユーハバッハの血が足りないのか・・・・いっそ、魔人ユーハバッハの封印を解くか?」

そんなことをすれば、この世界が滅ぶことなど、藍染も承知していた。

「私は神だ。神である私を崇めぬものはいらない」

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異界サーラで、眠っていた星の精霊ドラゴン、平子真子は目覚めた。

「なんや。誰かが、俺を呼んどる」

歌声のするほうに、平子は歩いていった。

純白の羽毛に覆われたドラゴンの姿をしていた。

「おまえが、星の精霊ドラゴン、平子真子か?」

「そやけど、あんたは誰や。いやあんたは・・・浮竹か?」

姿形も、魔力すらもそっくりであった。

「俺は、浮竹十四郎の残滓。創造神ルシエードが、このサーラの世界で作り上げた浮竹十四郎。本物の浮竹十四郎と会いたい。この世界サーラと、始祖ヴァンパイアの浮竹がいるアビスの世界を繋げた。さぁ、共に行こう。アビスの世界へ」

「でも、あんた人間やろ?」

「でも、浮竹十四郎だ」

「アビスの浮竹は俺の友人やで。その存在を傷つけるなら、俺は許さんで」

「一つになるだけだ」

「まぁいい。アビスの世界に運んでやろやないか。そこで、本物の浮竹にボコボコにされるとええわ」

「俺は残滓。浮竹の一部」

サーラの世界と、アビスの世界は繋がった。

神々が降りていく。

サーラの世界から、アビスの世界へ。

星の精霊ドラゴンもまた、神であった。



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