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始祖なる者、ヴァンパイアマスター50

浮竹には、かつて5人の血族がいた。

1番目は志波海燕、2番目はニィ・ペルル・シュトレウス、5番目ブラディカ・オルタナティブ。

まだ3番目と4番目が不明であった。

その3番目は、かつて人間であり、京楽と同じように魔神となり、その存在を進化させて邪神となったディアブロであった。

ディアブロは、邪神として神々に滅ぼされた。

当時の浮竹は絶望し、休眠に入った。

休眠から起こした相手が、4番目の血族で、今はまだ不明であった。

「愛しい浮竹。わたしは、あなたのために邪神となった。待っていてくれ。愛しいあなたの血族に、もう一度なってみせる」

ディアブロは空を飛ぶ。その凄まじい瘴気に、森の木々が枯れていった。

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それは、浮竹が一人で古城のプランターの、桔梗に水をやっている時だった。

「浮竹。私の愛しい人・・・・」

「誰だ!?」

浮竹は、振り返った。

「ディア・・・ブロ?」

そこにいたのは、5千年前に血族として愛し、魔神になりやがて邪神になり、浮竹の目の前で女神ククルに滅ぼされ、封印されたはずの男だった。

「ディアブロ!」

京楽は驚きのあまり、愛していたディアブロを抱きしめていた。

「本当にお前なのか!生きていたんだな!?」

「そう、生きていた。封印を、藍染が解いてくれた」

「藍染・・・」

その言葉を聞いて、浮竹は身構えた。

「何をそんなに威嚇する?私は今でもあなたを愛している。あの頃と、何も変わっていない」

「ディアブロ・・・・俺には、今愛する血族がいるんだ。ディアブロをもう一度血族にすることはできない」

「知っているよ、浮竹。神喰らいの魔神京楽があなたの血族でしょう。彼を殺して、私が、私だけが愛するあなたの血族になるよ」

「ディアブロ!」

ディアブロは、匂いのない布で浮竹の鼻と口を覆った。

すぐに眩暈がして、猛烈な眠気を感じて、浮竹は意識を失った。

「京楽よ!」

大声をあげると、京楽がでてきた。

「誰だい・・・って浮竹!浮竹に何をした!」

敵の手に落ちたであろう浮竹を取り戻そうと、魔剣ラグナロクを引き抜いた。

「この場で、争う気はないよ。私の名はディアブロ。浮竹の3番目の血族。リンデルの花園ある、古い館においで。そこで待っているから」

そう言って、浮竹を抱き上げて、ディアブロは大きな黒い翼を広げると、飛び去ってしまった。

桔梗の花が枯れていた。

「瘴気・・・あれは、邪神か」

リンデルの花園は、古城からそう遠くはない場所にある。

京楽は、戦闘の準備を進めて、リンデルの花園に向かった。

そこにある古い館は、手入れがきちんとされていて、人が住んでいる痕跡があった。

「ディアブロ、言いつけ通りに来たぞ!浮竹を返してもらう!」

「よく、逃げずにきたね」

リンデルの花園は、花が咲き乱れる綺麗な場所のはずだった。ディアブロの瘴気にやられて、花は全部枯れていた。

「僕が逃げるわけないでしょ。浮竹を返してもらうよ」

「ディアブロ。誰かきたのか?」

「ああ、愛しい浮竹。なんでもないよ、ただの賊だよ」

「浮竹!!」

古い館の扉から出てきた愛しい主は、ディアブロに抱きしめられながら、うっとりとしていた。

「浮竹、僕が分からないの!僕が助けにきたよ!!」

「ディアブロの知り合いか?俺には心当たりがないんだが」

「浮竹の記憶をいじったの?」

「少しだけ。記憶を5千年前のものにすり替えた」

「君って人は・・・・・」

ゆらりと、魔神としての魔力が蠢きだす。

「さぁ、決着をつけようか。浮竹はどの時代でも、血族は一人しか作らない。私か君のどちからだ」

「浮竹の血族は僕だ!この地位は、どうあっても手放すわけにはいかない!」

京楽は血のでできた鎌を作り出す。

「私も、もう一度浮竹の血族になりたいのだよ。愛しい存在が、5千年の時を経て色あせることなく生きていると知った時の私の感動は言葉では言い表せない・・・・・」

「浮竹が愛しいなら、見守ることを選ぶことだってできたでしょ!」

血の鎌は、まだ攻撃しない。

「私は嫌なんだ。愛しい存在が、他の男に抱かれて乱れるなんて。私は浮竹さえいればそれでいい」

「それは僕も同じだよ!浮竹さえいれば、後は何もいらない」

「さぁ、愛しい浮竹。君は私とこの魔神、どっちを愛している?」

「ディアブロを愛している」

浮竹はなんと戸惑いもなしに、ディアブロだと即答した。

京楽は、アイテムポケットの中にエリクサーを忍ばせていた。

「戦う前に、浮竹に別れをいいたい。それくらい、いいでしょ?」

「ああ、いいとも。思う存分、別れを惜しんでくれ」

京楽は、浮竹の傍にいくと、エリクサーを口に含み、口移しで中身を飲ませた。

「・・・・あ。京楽?」

「何をした!」

ディアブロが、怒り出す。

「エリクサーを飲ませたのさ。浮竹を正気に戻しただけだよ」

「ディアブロ!退いてくれないか!俺は、お前と戦いたくない!愛していたんだ、ディアブロ!」

浮竹は記憶を戻して、ディアブロをただ見つめていた。

「愛していた・・過去形か。あなたは酷い。こんなにも私はあなたを愛しているのに、あなたは私を拒絶する」

「ディアブロ!!」

「さがっていて、浮竹。彼には言葉は通じない」

「京楽も、ディアブロも止めてくれ!こんな不毛な争いなんて見たくない!」

浮竹は涙を零していた。

その涙を、ディアブロが受け取る。

「君の体液は甘い。蜜のようだ」

「ディアブロ、お前は俺の目の前で5千年前に女神ククルに滅ぼされた。俺にとって、お前は亡霊なんだ」

「亡霊でもいいよ。すぐに君の血族になって、僕を愛しく思えるように、またしてあげるから」

京楽は、血の鎌でディアブロを切り裂こうとした。

ディアブロはそれを避けて、ディアブロもまた血の鎌で攻撃してきた。

邪神ではあるが、浮竹の血族だったこともあって、本来はヴァンパイアロードだった。

お互い、血の鎌や刃で切り結びあう。

「京楽!」

「ごめん、今は君の言葉でも聞いてあげれそうにない!」

ディアブロの血の鎌が、京楽の肩を切った。

「京楽!」

「これくらい、大丈夫」

京楽の血の鎌が、今度はディアブロの肩を切った。

それぞれ血を武器に、対峙する。

「エターナルフェニックス!」

京楽は、炎の禁呪を発動させた。

「エターナルアイシクルワールド!」

それを、ディアブロは氷の禁呪で迎え撃つ。

二人は睨み合いを続けた。

先に動いたのは、京楽のほうだった。

魔剣ラグナロクを手に、ディアブロに切りかかる。

ディアブロアはその刃を腕でわざと受けると、右腕が吹き飛んだ。

それをすぐに血で再生させて、京楽を血の槍で貫いていた。

「がはっ・・・・・・」

肺をやられたのか、京楽はゴホゴホと咳き込み、地面に膝をつく。

「ゴッドウォータープレッシャー」

水圧で潰しにかかったディアブロの魔法を、炎の魔法で水を蒸発させた。

「エターナルアイシクルフィールド!」

京楽は、自分ごとディアブロを巻き込んで、凍結させていく。

ざぁぁあと、天から雨が降り出した。

「うおおおおおお!」

ありったけの魔力をこめて、血の槍を作り出すと、それでディアブロの心臓を貫ぬいた。

「おおおおお!!」

ディアブロは、傷を再生させようとする。

けれど、渦巻く京楽の血が、それを邪魔する。

その瞬間を狙って、京楽は炎の不死鳥を呼んだ。

「エターナルフェニックス!」

ごおおおおと、心臓を焼かれて、ディアブロが前のめりに垂れる。

「ディアブロ!」

浮竹がかけつけると、ディアブロは牙を伸ばして浮竹の肩に噛みつき、血を啜った。

「何を・・・・ディアブロ・・・・」

浮竹は、その場に倒れた。

「ふう。君の血をもらったよ。こうでもしないと、愛しい君を前に死んでいたからね」

「浮竹が大事なのに、浮竹を傷つけるのか」

「違うよ、これは愛だよ」

「そんな愛、僕は認めない」

京楽は、血の弾丸を作り出すと、ものすごいスピードでそれを打ちこんだ。

「うわあああ!!」

ディアブロは何か所か血の弾丸を浴びて、血まみれになっていた。

「くそ、魔神程度が・・・・」

「魔神と邪神の差は、そんなにないものだよ」

すでに一度、邪神を喰らっているから分かることだった。

「君は愛という言葉で浮竹を傷つけた。許せない」

京楽は、ざあぁぁと激しく降ってくる雨の中、佇みその時を待った。

天から、神の怒りのような稲妻が、京楽に落ちる。

「あああああ!サンダーボルテックス!!!」

自然の落雷を利用した雷の禁呪に、ディアブロの体が焦げていく。

「私は、浮竹を愛して・・・・・」

ざっと、その場に頽れる。

「浮竹・・・浮竹、愛している・・・・」

倒れていた浮竹は、京楽の手で置き上がっていた。京楽の血を口にしていた。

「嫌だ、嫌だ、浮竹、私を捨てないでくれ・・・」

「ディアブロ・・・・・」

浮竹は、ディアブロの傍にやってくると、ディアブロに口づけた。

「愛していた。きっと、今も愛している」

「なら、せめて君の手で・・・・・」

浮竹は頷いて、京楽から魔剣ラグナロクを借りると、その首をはねた。

「愛しい浮竹。これで、私の命はあなたの記憶の中で生き続ける・・・」

浮竹は、ディアブロの首を抱きしめると、泣きだした。

「ディアブロ、ディアブロ、愛していたんだ。うわああああ!!!」

雨はさらにひどくなり、浮竹の涙は雨なのか涙なのか分からなくなった。

「浮竹」

びくりと、体を震わせる。

「俺は最低だ・・・・愛していた人を、その手にかけた」

「浮竹・・・・」

ディアブロは完全に生命活動を停止させて、冷たくなっていく。

「せめて、新しい命になれ・・・・・来たれ、フェニックス!」

浮竹は、炎の最高位精霊フェニックスを呼び出すと、ディアブロの遺体を焼かせた。

灰の中から、瑠璃色の小鳥が生まれて、ちちちちと鳴いて、浮竹の肩に止まった。

「ほら、抑えているとはいえ、京楽の瘴気にやられるから、森へお帰り」

瑠璃色の小鳥は、再度チチチと鳴いて、浮竹の肩に糞をして、去ってしまった。

「糞された」

浮竹は笑っていた。

「浮竹・・・もう大丈夫?」

「ああ。取り乱したりしてしまって、すまない」

「いいんだよ。君の愛した人だったんでしょ?」

「そうだ。5千年前、血族にして愛した。魔神になり、俺を迫害する王国を滅ぼして邪神になり、女神ククルに、俺の目の前で殺された」

浮竹は、笑いながら泣いていた。

「あれ、おかしいな。涙が止まらない・・・・」

「もういいんだよ。もっと思い切り泣いても」

「京楽・・・うわあああああ!!」

浮竹は、京楽の膝の上で泣きまくった。

「京楽・・・・何があっても、邪神にはなるな」

「ならないよ。そんなに人間を殺したくもないし。そう言えば、今回はディアブロの魂を食べ損ねたね。まぁ、君の愛しかった人の魂を食うほど、落ちてはいないけどね」

浮竹は、残ったディアブロの灰を花園にまいた。

瘴気はもう残っていなくて、浮竹の魔力もあり、リンデルの花園はいろんな花で満開になった。

雨はいつの間にか止み、虹が出ていた。

「綺麗だな」

「うん、綺麗だね」

「ディアブロは、邪神だが天国にいけただろうか」

「きっといけたよ。瑠璃色の小鳥もディアブロでしょ?」

「少し違う。ディアブロの魂の一部を宿らせただけだ。魂の全ては、天に還った。

「そう・・・・・」

京楽は浮竹を抱きしめて、くちづけた。

「あ、瑠璃色の小鳥の糞のこと、忘れてた」

抱きしめ合ったので、互いの服が汚れていた。

「上の服は脱いで帰ろう」

「ああ・・・」

ディアブロは、きっと幸せだ。

愛している人の手にかかり、死ねたのだから。

「ねぇ、浮竹・・・」

「嫌だ」

「僕、まだ何も言ってないよ?」

「それでも嫌だ。どうせ、邪神になったら君の手で殺してくれというつもりなんだろう。そんな哀しいことをいうな。そんなことにはさせない」

「あらら・・・・・・」

ジワリと涙を滲ませる浮竹を、胸にかき抱く。

「安心して。僕は絶対に邪神になったりしない」

「約束だぞ?約束を破ったら、死んでお前の傍にいくからな」

不老不死の呪いがあるが。

矛盾した言葉に、けれど愛しさがつもり、二人は古城に帰るとそのまま睦み合った。


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「ああああ!」

京楽のものを迎え入れたそこは、限界にまで広げられていた。

「ねぇ、指いれてもいい?」

「ひあ!」

広がったそこに指を一本入れてみると、やすやすと飲みこんだ。

「あーあ。浮竹の体、エロくなちゃって・・・・・・」

「お前のせいだろうが!あああ!」

浮竹を再度貫き、京楽は揺すぶった。

「あ、あ!」

浮竹は啼いて、その行為を受け入れた。

「君を本当に愛しているのは僕だけって、思い知らせないとね?」

「やああああ」

京楽は一度引き抜くと、浮竹をうつぶせにした。

そのまま四つん這いにして、背後から貫いた。

「やあああ!!」

ぱんぱんと肉と肉がぶつかりあう音はして、結合部はお互いの体液とローションが混じったもので泡立っていた。

「ひあああ!」

京楽は一度入口付近にまでくると、一気に最奥まで貫いた。

「いああああ!」

浮竹は背を弓なりにしならせて、精液をシーツに零しながら、オーガズムでもいっていた。

「今、血を吸ってあげるからね?」

「やあああ、だめえええ!今はいってるから、だめえええええ!!」

京楽はそんなことお構いなしに、浮竹の太ももに噛みつき、血を啜った。

「あ”あ”あ”!」

ごりっと奥の結腸にまで侵入されて、浮竹の中がきつく締まる。

「君に注ぐから、全部受け取ってね?」

「ひあああ」

浮竹は意識を朦朧とさせながらも、京楽の熱が自分の中で弾けるのを感じていた。

「あ、もっと・・・」

限界を感じながら、貪欲に求める。

「君の胎がちゃぷちゃぷになるまで、注いであげる」

間に休憩を挟み、お互い疲労回復のポーションを飲んで、交じりあった。

「や、もう限界・・・・・やああああ」

「ふふ、僕も限界だよ。胎はちゃぷんちゃぷんになった?」

「とっくの昔に、なっている」

外側から見ても分かるくらい、浮竹の胎はぽっこりしていた。

「抜くね?」

「あああ・・・・・・・」

ぶわっと、京楽が放ったものが逆流してきた。タオルで受け取めるが、量が多すぎてシーツにも染みを作っていく。

それはマットレスまで染みこんだ。

「新しいマットレス、買わなくちゃ・・・・」

「お前がこんなに出すからだ、ばか!」

殴られながら、自分は浮竹の血族であることを噛みしめて、京楽は幸せそうだった。

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「ポチ~~~」

「るるるる」

「ほら、とってこい」

浮竹がボールを投げると、ポチは嬉しそうにボールを追いかけて、くわえて浮竹のところにもってきた。

「えらいぞ。ほら、ドラゴンステーキだ」

「るる♪」

ポチは美味しそうにドラゴンステーキを齧る。

「るるるるるる」

浮竹の上半身にもかみつくが、甘噛みであった。

「ポチにな、友達を連れてきたんだ」

そう言って、浮竹は新しいミミックをポチに紹介した。

「タマだ。仲良くしてくれよ?」

「るるるるるーーー」

「りんりんりんりん」

ミミック2匹は、仲良く古城を散歩した。

ポチが、いろんな場所を紹介しているようで、タマは「りんりんりん」と鳴きまがら、ポチ仲良く遊ぶのだった。

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「そう。邪神ディアボロスは死んだの」

「はい。式で確かめました」

「死神ナウセル。あなたに頼みがあるの」

「始祖浮竹と、神喰らいの魔神、京楽の暗殺ですね?」

「堂々と戦うから、だめなのよ」

死神ナウセルと呼ばれた青年は、神ではあるが、死神でどちらかといと、存在は魔神や邪神に似ていた。

「僕は自分の命が惜しい、やるなら一人でやりな、この厚化粧ババァ」

「なんですって!!!」

女神アルテナは怒り、雷をナウセルに浴びせた。

ナウセルはぴんぴんしていた。

「この青二才が!」

「うふふふふ。次は、この子がいくわぁ」

壊れた女神オリガは、また子を孕まされていた。

今度は、死神ナウセルの子だった。

「早く生まれておいで、死神キララ」

性別は女の子だった。

「女神オリガ。僕の子は僕のものでもある。一緒に、この狂った世界を抜け出そう」

「ええ、どこにいくのぉ?」

「創造神イクシードの元へ」

「いやよ!」

女神オリガは、嫌がった。

「イクシードは私を助けてくれなかった。私は、ここで神々の子を産み続けるの」

「そうよ、女神オリガ。あなたの体は、私のものだもの」

「ちっ、狂ってる。僕は行かないからな。邪神ディアブロのようになりたくない」

死神ナウセルは、狂った藍染の居城から姿を消すのであった。

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