始祖なる者、ヴァンパイアマスター49
ココルは、目覚めた。
女神であり、邪神であった。
生まれる前から、世界を知っていた。
すりこまれた、始祖浮竹と血族の神喰らいの魔神京楽を、殺さなければならないと思った。
「わたくしは神。女神であり邪神でもある」
ココルは生まれてまだ4カ月なのに、大人になっていた。
邪神として、覚醒していた。
このまま生きていれば、神々に滅ぼされることは分かっていた。
だから、目的を果たしたら眠りにつこうと思っていた。
目覚めることのない永遠の眠り。
それはまどろみの幸せであり、永遠の安楽であった。
ココルは動きだす。
邪神として周囲に瘴気を満たしながら、歩き出す。
----------------------------------------------------
魔剣ラグナロク。
それは、神代の時代に作られし、呪われた魔剣。
浮竹が手に入れた頃には、力をなくしてただのミスリル銀の魔剣になっていた。
それが、京楽の手に渡り、魔神としての魔力と血を吸ったことで、元の呪われた魔剣に戻った。
魔剣の呪いは、使用者の魂を吸うというもの。
もともとの魔剣ラグナロクも使用者の魂を吸う。
なので、いつも魔剣を持ち歩いている京楽が心配になって、浮竹は一時的に魔剣を預かった。
「うーーーん」
魔剣は、鞘から抜こうとしてもびくともしなかった。
せめて、魔剣の呪いをどうにかしようと思い、錬金術の釜に放り込み、生きたマンドレイク、ドラゴンの血にけちってはいられないとエリクサーもぶちこんで、煮込むこと5時間。
「やった!呪いが解けた!」
魔剣ラグナロクの、魂を吸うという呪いは消えていた。
魔剣を釜で煮込むなんて思っていなかった京楽は、呪いのなくなった魔剣を手に、微妙な顔をしていた。
「どうした。あの禍々しい呪いは解けたぞ」
「いや、僕はあの禍々しい呪いを気に入っていたんだよ。魔剣らしくて。魂を吸う呪いなんて、僕は神喰らいって名がついてるけど、モンスターの魂だってくう。この魔剣はグルメで神の魂が好きみたいだけどね」
「呪いを解いたのは、余計な世話だったということか・・・・・」
しゅんと項垂れる浮竹に、京楽は慌てた。
「でも、魔剣の呪いが解けたお陰で神の魂を頻繁に食わなくていいから、助かったよ」
「そうか。やっぱり、呪いがないほうがいいよな?」
「うん。呪いのない魔剣ラグナロクもいいんじゃないかな。呪いのせいで、切れ味おちてたし」
「ここにミスリル銀のインゴットがある。世界でも一番固い金属だ。試しに、切ってみろ」
「ええ!魔剣ラグナロクももともとはミスリル銀だよ!」
「いいから、切ってみろ」
「もう、どうなっても知らないからね」
スパッ。
音をたてて、ミスリル銀のインゴットは切れた。豆腐のように柔らかく感じた。
「凄い・・・今までよりも更に、切れる!」
「そうだろう、そうだろう。魔剣の呪いは魔剣自体の力を弱めるからな。これで、いつでも神をスパスパ切れるぞ」
「そんなに神が頻繁にやってきたら困るよ」
京楽は、ここ最近女神やら神がやってくることに、不安を感じていた。
「エリクサーの材料が切れた。町に買い出しにいくぞ」
「ちょっと、待ってよ!!」
先に行こうとする浮竹の後を、京楽は追いかけるのであった。
--------------------------------------------------
「これだけあれば、エリクサー5個はできそうだ」
白金貨3枚・・・・大金貨30万枚をはらい、浮竹はいつもより安かったエリクサーの材料を買い占めた。
その後で、王国お抱えのミスリルランクの錬金術士が、エリクサーの材料を買い求めるのだが、Sランク冒険者の浮竹が買っていったと聞いて、憤慨した。
「どなりこんでやる!」
その錬金術士は、ギルドマスターから浮竹の住んでいる場所を聞いて、本当にどなりこんできた。
「頼もう!」
「なんだ、来客か」
侵入者を知らせるピリリリという警戒音ではなく、リンリンと鈴のような音を出したので、来客だと分かった。
「私は王国宮廷錬金術士のアバタール。そなた、錬金術士でもないのに、エリクサーの材料を買い占めたそうだな。金は払うから、エリクサーの材料を全て渡してもらおうか」
「何言ってるの、こいつ」
「人間か。記憶を奪って、森の外にでも放り出すか」
「まて!そなたら、人間ではないな!?」
アバタールは慌てた。
「そうだけど、それが何?」
「人外の分際で、錬金術士の真似事をするのか!錬金術を愚弄しているのか!」
「俺は、ミスラリランクの錬金術士だ。わけあって錬金術士ギルドには入っていないが、お前と同じミスリルランクだ。ばかにするな」
アバタールは憤慨した。
「どちらがより腕の高い錬金術士が勝負だ!」
浮竹は、にやりと笑った。
「じゃあ、素材はお前が金を出してくれるな?今俺の手元にあるエリクサーの材料は全部で大金貨30万枚した。それを出してくれると、思っていいんだな?」
「だ、大金貨30万枚程度、俺にはどうということはない!」
「いいの、浮竹。人間だよ?」
「適当に扱って、記憶消して森に転がす」
「ああああ、僕の浮竹が悪徳商人みたいになってる」
「余計なお世話だ」
とりあえず、ハリセンで京楽の頭を殴っておいた。
錬金術の館で、浮竹はアバタールと並んで、エリクサーを調合していく。
何度か爆発を起こしたが、気にもせずエリクサーを調合した。
「1つできたぞ」
「うぬぬぬ・・・・・・」
勝負は、お互いのエリクサーの材料がなくなるまで。
けっこうな材料を買い占めたので、調合には時間がかかった。
何度も爆発を繰り返して、結果できたのは浮竹が4つ、アバタールが2つだった。
「俺の勝ちのようだな」
「ぐぬぬぬ、こんな勝負、インチキだ!この釜が悪い!何か余計な仕掛けでしてるんだろう!ミスリルランクの王国宮廷錬金術士の俺を愚弄した!王に知らせて、無許可で錬金術をしているそたなをとらえてやる!」
「浮竹、こいつ殺していい?」
「だめだ。王国宮廷は厄介だ。記憶を全て奪って、森に転がそう」
「何をする、離せ!」
暴れるアバタールに、浮竹は魔法をかける。
この古城での一件を全て忘れさせて、古城の外の森に放り出した。
「はて・・・・俺は何をしていたのか?」
歩き去って行くアバタールを確認して、浮竹も京楽も古城に戻った。
錬金術の館は、爆発のせいで屋根がが吹き飛び、酷い有様になっていた。
「この錬金術の館はしばらく使えんな。戦闘人形たちに、命令して、作り直してもらう」
「君の血は便利だねぇ。戦闘人形なんて、普通そうそう作りだせないよ。あのブラッディ・ネイにだって作り出せない」
「まぁ、俺は始祖だからな」
胸を張る浮竹に、京楽はかわいいと思って頭を撫でた。
「そうそう、浮竹は始祖だもんね」
「全てのヴァンパイアの源だ」
持ち上げる京楽に気分をよくしたのか、浮竹はご機嫌だった、
「今日の夕飯のデザートに、苺パフェがあればいいな」
「はいはい。作ってあげるから」
浮竹は、その日、幸せを噛みしめて平穏を楽しみ、眠りにつくのであった。
------------------------------------------------------------------------
「ここが、始祖浮竹と神喰らいの魔神京楽のいる場所・・・・」
早朝に、ココルは浮竹たちの住む古城にやってきた。
ビリリリリリ。
警告音が鳴り響き、まだ眠っていた浮竹と京楽は慌てて起き出した。
「こんな時間に侵入者とは。眠りを妨げるやつには、死んでもらおう」
「わたくし女神ココル。そして邪神でもある」
現れた銀の神に青い瞳をもつ女性は、確かに女神ではあるが、邪神であるということも本当なようで、瘴気を発生させていた。
「庭に出ろ。ここでは戦いたくない」
「どこを選んでも自由よ?あなたたちが死ぬことには変わらないのかだから」
庭に出ると、ココルは自分の右手手首をナイフで切って、血を滴らせた。
ボコボコと、地面が腐っていく。
そこから、大量のアンデットが出てきた。
浮竹は、東洋の自分からもらった浄化の護符で、そのアンデットたちを浄化してしまった。
浄化の護符はココルにも効いているようで、纏っている瘴気が薄らいでいく。
「わたくしのかわいいアンデットを殺した罪。その命で、贖ってもらうわ!」
ココルは、手のひらを浮竹に向けた。
ごぽり。
浮竹の周囲を水がつつむ。
だが、浮竹は水中でも呼吸できる民家魔法を覚えている。
水に包まれたまま平気な顔をしている浮竹が癇に障ったのか、ココルは水を硫酸に変えた。
全身を焼かれて、浮竹は硫酸を蒸発して、傷をすぐに再生させた。
「ああ、僕の美しい浮竹の髪が・・・・」
全身の細胞を再生するのが先なので、髪は後回しだった。
短くなってしまった浮竹の髪を哀しそうに見つめながら、京楽は魔剣ラグナロクをココルに向けた。
「浮竹を傷つけた。死んで?」
ココルは、硫酸で京楽を包み込んだ。
けれど、京楽の周りには水のバリアがあって、京楽が硫酸に焼かれることはなかった。
「嘘、なんで!」
ココルが操るのは硫酸と、水だ。
グサリと魔剣ラグナロクに胸を貫かれて、ココルは血を吐いた。
「わたくしは女神。わたくしは邪神」
どろどろと、ココルの体は崩れ落ちて、硫酸になった。
硫酸が、ココルの本体であった。
「死ね!」
ドロドロの硫酸は、浮竹を襲った。
浮竹は全身に水のバリアを発生させて、硫酸で焼かれることを防いだ。
もう、髪も元の長さにまで再生していた。
「ゴッドフェニックス、カイザーフェニックス、エターナルフェニックス・・・トリプルファイアフェニックス!」
炎の禁呪を喰らって、ココルの本体の硫酸が蒸発していく。
「いやあああ!!」
ココルは硫酸を足して回復させると、今度は京楽に刃となった硫酸を向けた。
「こんなの、当たらなきゃどうってことないよ!」
「京楽、後ろだ!」
人型に戻ったココルが、背後から京楽の胸を素手で貫いていた。
「京楽!」
「ふふ・・・僕の血は、猛毒だよ?硫酸を体の中に流そうとしたって、そうはいかない」
京楽を貫いていたココルの手が、腐り落ちた。
「何故!邪神であるわたくしが、ここまで苦戦するの!」
「力の差と、戦いの慣れの差だね」
藍染の手の者たちと散々バトルを繰り広げてきた。
浮竹と京楽が、強くなっていて当たり前だった。
「さぁ、焼け死ぬか、雷で焦げ死ぬか、氷で粉々になって死ぬか・・・・どれがいい?浮竹を傷つけたんだから、命乞いしても殺すよ?」
「わたくしの!わたくしの力を授けましょう!邪神になれるわ。魔神なら、喉から手が出るほどに欲しいはず!」
「残念だけど、ちっとも魅力を感じないねぇ。邪神になったら、神々に滅ぼされるんでしょう?僕は、そんなのごめんだね」
「わたくしの血を!血を飲めば、不老不死が手に入るわ!」
ココルは、諦めていなかった。
「へぇ・・・」
興味のある振りをして、ココルに近寄ると、ココルは硫酸で槍を作り出して、京楽の心臓を貫いていた。
「ふふふ・・・僕が、これくらいで死ぬとでも?」
ニタリと笑む京楽に、ココルは生れて始めての恐怖を感じて、後ずさった。
「ゴッドフェニックス、カイザーフェニックス、エターナルフェニックス・・・トリプルファイアフェニックス!」
浮竹が使った同じ禁呪を、京楽は使っていた。
「ぎゃあああああ!!!」
悲鳴をあげて蒸発していくココルを、魔神の咢(あぎと)でその魂を喰らっていく。
「うわ、不味いね。邪神の魂って、こんなに不味いんだ」
魂を食われて、力尽きたかに見えたココルは、最後の力を振り絞って、浮竹を硫酸の槍で貫いた。
「ぐっ・・・・」
「浮竹、大丈夫!?」
「ああ、なんとか。油断していた」
「邪神ココル・・・・」
京楽は、その魂を解放して、仮初の肉体を与えた。
「わたくしは、魂を食われて死んだはずでは・・・・」
「君はね、最後に浮竹を傷つけたんだ。そんな奴の魂を食うだけじゃあ、意味がないからさぁ
・・・ゴッドフェニックス、カイザーフェニックス、エターナルフェニックス・・・トリプルファイアフェニックス!」
「いやああああ!!
ココルは火だるまになった。
でも与えられた仮初の肉体は京楽の一部なので、滅びることはなかった。
「サンダーボルテックス!!」
「ぎゃああああああ!!」
与えられる魔法の傷みに、徐々にココルの魂に罅が入ってく。
「エターナルアイシクルワールド!」」
「いやあ、もう死なせてええええ」
「ゴッドフェンリル!」
「あああ・・・・・・」
ぱきん。
ついに、ココル魂に亀裂が走り、魂は粉々になっ弾け飛んだ。
「ふふ・・・いい気味だよ」
「京楽、やり過ぎだぞ」
浮竹が、仕方ないとばかりに、邪神ココルに貫かれた傷を再生しながら、京楽を窘めた。
「だって、君を傷つけた」
「だからって、一度食った魂に肉体まで与えて。逃げられたら、どうするんだ」
「肉体は僕の体の一部でできているから、大丈夫」
魂は粉々になっても、傷一つ負っていない、ココルの体を自分の中に吸収すると、京楽は頬笑んだ。
「僕は、浮竹、君を傷つけられるのが一番いやなんだ。だから、思い知らせてやったのさ。それに邪神の魂はまずい。まずすぎて魔力に変換しにくい」
「魂にうまい、まずいがあるのか」
「女神の魂はおいしいよ。今のところ、TOPかな」
「俺の血と、どっちがうまい?」
「それはもちろん、君の血かな」
京楽は、浮竹を抱きしめて、その首筋に噛みついて、血を啜った。
「んっ・・・」
「ああ、甘くて最高だよ。君の血は」
「あっ・・・・」
「ふふ、その気になちゃった?」
「ばか・・・・こんな朝っぱらから・・・・・」
「いいじゃない。僕たちは本能に忠実に生きている。血族と睦み合うのも、血を吸われて欲しいと思うのも、本能だよ」
「ここじゃだめだ。ベッドに行こう」
そう呟く浮竹に満足気に、京楽は浮竹と手を繋いで、寝室に戻っていくのであった。
-----------------------------------------------------------------------------
「ああ!」
京楽の口に含まれて、浮竹は甘い声を漏らしていた。
「んんっ!」
京楽の与えてくる刺激に耐えかねて、熱を京楽の口に放つ。
「俺もする」
浮竹は、珍しく自分から京楽のものを口にした。
「んっ、いいよ、そのかんじ」
ペロリと舐めあげながら、全体を指でしごく。
ちろちろと先端を舐めていると、京楽のものが弾けた。
「ああ、勿体ない。お前の精液が」
顔についたものを指で拭って舐めとる浮竹に、我慢できずに押し倒していた。
蕾はすでに、ローションで京楽に解されていて、後は侵入してくるだけだ。
「いくよ」
「あ、こい春水」
ずずずっと、音を立てて、京楽のものが浮竹の内部に入ってくる。
「あ、いい、いい、そこ、もっと」
いい場所をすりあげられて、浮竹はおねだりしていた。
「ここだね?」
「あああん!」
浮竹は甘く啼いて、精液を弾けさせていた。
「もっと奥に、お前をくれ、春水・・・・・・」
「分かってるよ」
最奥まで侵入して、ゴリゴリと押し付けてやると、浮竹はオーガズムでいいっていた。
「ひああああ!!!」
「もっと?」
「あ、もっと。もっとぐちゃぐちゃになるまで、俺を犯して」
浮竹は、京楽の肩に噛みついて、一口血を飲んだ。
「甘い・・・ああああ!」
浮竹は、ペロリと京楽の血が付いた唇を舐める。
「誘っているとしか、見れないな、君の行為は」
「そうだとしたら?」
「うん、君をぐちゃぐちゃになるまで、犯してあげる」
「ああ!」
京楽は、一度抜くと、浮竹の足を肩に担いで、貫いた。
「ひああああ!奥に、奥に当たってる、やあああ」
「ここが好きなんでしょ?」
「やああああ」
最奥をゴリゴリと刺激して、京楽は浮竹の胎の奥に欲望を放っていた。
「さぁ、まだまだいくよ」
「あ、加減は、してくれ・・・・」
「君をぐちゃぐちゃになるまで、犯すって言ったでしょ?」
「やあああん」
浮竹は、もう吐き出すものはなかった。
オーガズムでいくばかりだ。
「あああ!」
互いの体液が混ざり合い、ぐちゃぐちゃになっていた。
「あ、もう・・・春水、春水」
「どうしたの」
「もうやぁっ」
「じゃあ、これで終わりにするね?」
「それもやぁっ」
「どうすればいいの」
「このまま、繋がっていたい」
「でも、それじゃあ浮竹の中に注いだものがかき出せない。お腹壊しちゃうよ?」
「それでもいい。このまま眠る・・・・・」
次に起きた時、京楽のものは硬さを取り戻していた。
「あっ」
「起きた、浮竹?」
「ばか、盛るな」
「愛しい人に包まれて眠る幸せを味わったけど、お陰で僕の息子は復活した。責任、とってね?」
「あああああああ!!」
そえから更に3回は交わり、浮竹は精液でなくて潮をふいていた。
「いやああああ、潮はいやあああ」
「君が感じまくってる証拠で、僕は嬉しいよ?」
「や、やだあああああ」
「んっ、最後の一滴まで、君に注いであげるからね」
京楽は、息子が使い物にならなくなるまで、浮竹に注いだ。
「んああああ!」
背を弓なりにしならせていく浮竹の首筋に噛みついて、吸血してやる。
「ひあああああ!!」
吸血の快感まで与えられて、浮竹はぐったりとなった。
「お風呂、行こうか」
「ん・・・・・」
ずるりと浮竹の中から引き抜くと、尋常じゃない量の精液が溢れてきた。
「はは、注ぎすぎちゃったね?お腹は大丈夫?」
「大丈夫だ。腰が痛くて立てない。疲労開封のポーションをくれ」
事後のけだるさは腰にきてきいて、疲労回復のポーションを飲むことで自力で立てるまでに回復した。
「ん」
「はいはい、抱っこね?」
京楽は、シーツごと浮竹をお姫様抱っこすると、風呂場に向かった。
古城の風呂は、24時間入れるように、魔法で管理されてあった。
京楽に体の奥に残ったものをかき出されて、浮竹は京楽の肩に牙をたてたが、吸血はしなかった。
髪と体を洗われて、水分をバスタオルでふかれた。
「ほら、服をきて」
まあ昼過ぎだったので、普通の衣服を着た。
「少し遅いけど、中止にしようか」
「バナナパフェが食べたい」
「ええっ、バナナの在庫なんてあったかな」
「戦闘人形に買いにいかせる」
浮竹は血を操って戦闘人形ののメイドを出すと、町に買い出しにいかせた。
しばらくして、バナナやら他の食材を手に、戦闘人形のメイドが帰ってきた。
「浮竹を抱きまくったことですっきりしたし、バナナパフェ作りますか」
浮竹はすでにできていたカルボナーラと野菜スープを口にしていた。
「さぁできたよ、浮竹。ジャンボバナナパフェだよ」
「食う」
「はい、どうぞ」
スプーンを渡すと、浮竹はパクパク食べていった。
「僕の分は?」
「ない。全部、俺のだ」
「ありゃあ。僕も自分の分作ってこよ」
京楽が自分の分を作って食べる頃には、浮竹は午睡していた。
バナナパフェを食べ終わり、戦闘人形に後片付けを任せて、京楽は浮竹を抱き上げると、一番近いゲストルームのベッドに寝かせた。
「京楽も、寝ろ」
眠っていたはずの浮竹はゆっくり目を開けると、それだけ言って、また眠ってしまった。
「僕も、昼寝といきますか」
浮竹の隣にもぐりこむと、眠気はすぐにやってきた。
血族の主が近くにいると、とても心が落ち着いてリラックスできる。
浮竹と京楽はそのまま夕方に寝てしまい、その日の夜はなかなか眠れないのであった。
----------------------------------------------------------------------------
「ココルの魂を食わずに、魂の自己崩壊を起こすほどに痛めつけるなんて」
女神アルテナは、ココルの命の終わりを敏感に感じ取っていた。
「邪神ディアブロ。あなたはかつて人間であった。そして、浮竹の3番目の血族であった。そうでしょう?」
「そうだ。始祖浮竹はとても愛しい。愛しくてかわいい人だ」
「じゃあ、今の血族を殺して、もとの血族に戻してもらわないとね?」
「今の血族は・・・・神喰らいの魔神京楽か。面白い。どちらがより浮竹に相応しいか、力比べといこうではないか」
邪神ディアブロは、5千年前の浮竹の、3番目の血族であった。
今の京楽のように魔神となり、人間の国を浮竹のために滅ぼして、その人間たちの魂を喰らい、存在を進化させて邪神となり、神々に滅ぼされてアビスの世界の地中深くに封印されていた。
「待っていろ、愛しの浮竹よ。私はあなたのために国を滅ぼし邪神となった。それでもあなたは私を愛してくれた・・・」
遠き昔を思い出す。
邪神となり、神々に滅ぼされていくディアブロを、浮竹は泣いて止めようとしてくれた。
「愛しい、浮竹・・・私は三番目とはいえ、元は血族。血族同士、邪神と魔神で争いあおうではないか!」
緩やかに、京楽に魔の手が忍び寄ろうとしていた。
女神であり、邪神であった。
生まれる前から、世界を知っていた。
すりこまれた、始祖浮竹と血族の神喰らいの魔神京楽を、殺さなければならないと思った。
「わたくしは神。女神であり邪神でもある」
ココルは生まれてまだ4カ月なのに、大人になっていた。
邪神として、覚醒していた。
このまま生きていれば、神々に滅ぼされることは分かっていた。
だから、目的を果たしたら眠りにつこうと思っていた。
目覚めることのない永遠の眠り。
それはまどろみの幸せであり、永遠の安楽であった。
ココルは動きだす。
邪神として周囲に瘴気を満たしながら、歩き出す。
----------------------------------------------------
魔剣ラグナロク。
それは、神代の時代に作られし、呪われた魔剣。
浮竹が手に入れた頃には、力をなくしてただのミスリル銀の魔剣になっていた。
それが、京楽の手に渡り、魔神としての魔力と血を吸ったことで、元の呪われた魔剣に戻った。
魔剣の呪いは、使用者の魂を吸うというもの。
もともとの魔剣ラグナロクも使用者の魂を吸う。
なので、いつも魔剣を持ち歩いている京楽が心配になって、浮竹は一時的に魔剣を預かった。
「うーーーん」
魔剣は、鞘から抜こうとしてもびくともしなかった。
せめて、魔剣の呪いをどうにかしようと思い、錬金術の釜に放り込み、生きたマンドレイク、ドラゴンの血にけちってはいられないとエリクサーもぶちこんで、煮込むこと5時間。
「やった!呪いが解けた!」
魔剣ラグナロクの、魂を吸うという呪いは消えていた。
魔剣を釜で煮込むなんて思っていなかった京楽は、呪いのなくなった魔剣を手に、微妙な顔をしていた。
「どうした。あの禍々しい呪いは解けたぞ」
「いや、僕はあの禍々しい呪いを気に入っていたんだよ。魔剣らしくて。魂を吸う呪いなんて、僕は神喰らいって名がついてるけど、モンスターの魂だってくう。この魔剣はグルメで神の魂が好きみたいだけどね」
「呪いを解いたのは、余計な世話だったということか・・・・・」
しゅんと項垂れる浮竹に、京楽は慌てた。
「でも、魔剣の呪いが解けたお陰で神の魂を頻繁に食わなくていいから、助かったよ」
「そうか。やっぱり、呪いがないほうがいいよな?」
「うん。呪いのない魔剣ラグナロクもいいんじゃないかな。呪いのせいで、切れ味おちてたし」
「ここにミスリル銀のインゴットがある。世界でも一番固い金属だ。試しに、切ってみろ」
「ええ!魔剣ラグナロクももともとはミスリル銀だよ!」
「いいから、切ってみろ」
「もう、どうなっても知らないからね」
スパッ。
音をたてて、ミスリル銀のインゴットは切れた。豆腐のように柔らかく感じた。
「凄い・・・今までよりも更に、切れる!」
「そうだろう、そうだろう。魔剣の呪いは魔剣自体の力を弱めるからな。これで、いつでも神をスパスパ切れるぞ」
「そんなに神が頻繁にやってきたら困るよ」
京楽は、ここ最近女神やら神がやってくることに、不安を感じていた。
「エリクサーの材料が切れた。町に買い出しにいくぞ」
「ちょっと、待ってよ!!」
先に行こうとする浮竹の後を、京楽は追いかけるのであった。
--------------------------------------------------
「これだけあれば、エリクサー5個はできそうだ」
白金貨3枚・・・・大金貨30万枚をはらい、浮竹はいつもより安かったエリクサーの材料を買い占めた。
その後で、王国お抱えのミスリルランクの錬金術士が、エリクサーの材料を買い求めるのだが、Sランク冒険者の浮竹が買っていったと聞いて、憤慨した。
「どなりこんでやる!」
その錬金術士は、ギルドマスターから浮竹の住んでいる場所を聞いて、本当にどなりこんできた。
「頼もう!」
「なんだ、来客か」
侵入者を知らせるピリリリという警戒音ではなく、リンリンと鈴のような音を出したので、来客だと分かった。
「私は王国宮廷錬金術士のアバタール。そなた、錬金術士でもないのに、エリクサーの材料を買い占めたそうだな。金は払うから、エリクサーの材料を全て渡してもらおうか」
「何言ってるの、こいつ」
「人間か。記憶を奪って、森の外にでも放り出すか」
「まて!そなたら、人間ではないな!?」
アバタールは慌てた。
「そうだけど、それが何?」
「人外の分際で、錬金術士の真似事をするのか!錬金術を愚弄しているのか!」
「俺は、ミスラリランクの錬金術士だ。わけあって錬金術士ギルドには入っていないが、お前と同じミスリルランクだ。ばかにするな」
アバタールは憤慨した。
「どちらがより腕の高い錬金術士が勝負だ!」
浮竹は、にやりと笑った。
「じゃあ、素材はお前が金を出してくれるな?今俺の手元にあるエリクサーの材料は全部で大金貨30万枚した。それを出してくれると、思っていいんだな?」
「だ、大金貨30万枚程度、俺にはどうということはない!」
「いいの、浮竹。人間だよ?」
「適当に扱って、記憶消して森に転がす」
「ああああ、僕の浮竹が悪徳商人みたいになってる」
「余計なお世話だ」
とりあえず、ハリセンで京楽の頭を殴っておいた。
錬金術の館で、浮竹はアバタールと並んで、エリクサーを調合していく。
何度か爆発を起こしたが、気にもせずエリクサーを調合した。
「1つできたぞ」
「うぬぬぬ・・・・・・」
勝負は、お互いのエリクサーの材料がなくなるまで。
けっこうな材料を買い占めたので、調合には時間がかかった。
何度も爆発を繰り返して、結果できたのは浮竹が4つ、アバタールが2つだった。
「俺の勝ちのようだな」
「ぐぬぬぬ、こんな勝負、インチキだ!この釜が悪い!何か余計な仕掛けでしてるんだろう!ミスリルランクの王国宮廷錬金術士の俺を愚弄した!王に知らせて、無許可で錬金術をしているそたなをとらえてやる!」
「浮竹、こいつ殺していい?」
「だめだ。王国宮廷は厄介だ。記憶を全て奪って、森に転がそう」
「何をする、離せ!」
暴れるアバタールに、浮竹は魔法をかける。
この古城での一件を全て忘れさせて、古城の外の森に放り出した。
「はて・・・・俺は何をしていたのか?」
歩き去って行くアバタールを確認して、浮竹も京楽も古城に戻った。
錬金術の館は、爆発のせいで屋根がが吹き飛び、酷い有様になっていた。
「この錬金術の館はしばらく使えんな。戦闘人形たちに、命令して、作り直してもらう」
「君の血は便利だねぇ。戦闘人形なんて、普通そうそう作りだせないよ。あのブラッディ・ネイにだって作り出せない」
「まぁ、俺は始祖だからな」
胸を張る浮竹に、京楽はかわいいと思って頭を撫でた。
「そうそう、浮竹は始祖だもんね」
「全てのヴァンパイアの源だ」
持ち上げる京楽に気分をよくしたのか、浮竹はご機嫌だった、
「今日の夕飯のデザートに、苺パフェがあればいいな」
「はいはい。作ってあげるから」
浮竹は、その日、幸せを噛みしめて平穏を楽しみ、眠りにつくのであった。
------------------------------------------------------------------------
「ここが、始祖浮竹と神喰らいの魔神京楽のいる場所・・・・」
早朝に、ココルは浮竹たちの住む古城にやってきた。
ビリリリリリ。
警告音が鳴り響き、まだ眠っていた浮竹と京楽は慌てて起き出した。
「こんな時間に侵入者とは。眠りを妨げるやつには、死んでもらおう」
「わたくし女神ココル。そして邪神でもある」
現れた銀の神に青い瞳をもつ女性は、確かに女神ではあるが、邪神であるということも本当なようで、瘴気を発生させていた。
「庭に出ろ。ここでは戦いたくない」
「どこを選んでも自由よ?あなたたちが死ぬことには変わらないのかだから」
庭に出ると、ココルは自分の右手手首をナイフで切って、血を滴らせた。
ボコボコと、地面が腐っていく。
そこから、大量のアンデットが出てきた。
浮竹は、東洋の自分からもらった浄化の護符で、そのアンデットたちを浄化してしまった。
浄化の護符はココルにも効いているようで、纏っている瘴気が薄らいでいく。
「わたくしのかわいいアンデットを殺した罪。その命で、贖ってもらうわ!」
ココルは、手のひらを浮竹に向けた。
ごぽり。
浮竹の周囲を水がつつむ。
だが、浮竹は水中でも呼吸できる民家魔法を覚えている。
水に包まれたまま平気な顔をしている浮竹が癇に障ったのか、ココルは水を硫酸に変えた。
全身を焼かれて、浮竹は硫酸を蒸発して、傷をすぐに再生させた。
「ああ、僕の美しい浮竹の髪が・・・・」
全身の細胞を再生するのが先なので、髪は後回しだった。
短くなってしまった浮竹の髪を哀しそうに見つめながら、京楽は魔剣ラグナロクをココルに向けた。
「浮竹を傷つけた。死んで?」
ココルは、硫酸で京楽を包み込んだ。
けれど、京楽の周りには水のバリアがあって、京楽が硫酸に焼かれることはなかった。
「嘘、なんで!」
ココルが操るのは硫酸と、水だ。
グサリと魔剣ラグナロクに胸を貫かれて、ココルは血を吐いた。
「わたくしは女神。わたくしは邪神」
どろどろと、ココルの体は崩れ落ちて、硫酸になった。
硫酸が、ココルの本体であった。
「死ね!」
ドロドロの硫酸は、浮竹を襲った。
浮竹は全身に水のバリアを発生させて、硫酸で焼かれることを防いだ。
もう、髪も元の長さにまで再生していた。
「ゴッドフェニックス、カイザーフェニックス、エターナルフェニックス・・・トリプルファイアフェニックス!」
炎の禁呪を喰らって、ココルの本体の硫酸が蒸発していく。
「いやあああ!!」
ココルは硫酸を足して回復させると、今度は京楽に刃となった硫酸を向けた。
「こんなの、当たらなきゃどうってことないよ!」
「京楽、後ろだ!」
人型に戻ったココルが、背後から京楽の胸を素手で貫いていた。
「京楽!」
「ふふ・・・僕の血は、猛毒だよ?硫酸を体の中に流そうとしたって、そうはいかない」
京楽を貫いていたココルの手が、腐り落ちた。
「何故!邪神であるわたくしが、ここまで苦戦するの!」
「力の差と、戦いの慣れの差だね」
藍染の手の者たちと散々バトルを繰り広げてきた。
浮竹と京楽が、強くなっていて当たり前だった。
「さぁ、焼け死ぬか、雷で焦げ死ぬか、氷で粉々になって死ぬか・・・・どれがいい?浮竹を傷つけたんだから、命乞いしても殺すよ?」
「わたくしの!わたくしの力を授けましょう!邪神になれるわ。魔神なら、喉から手が出るほどに欲しいはず!」
「残念だけど、ちっとも魅力を感じないねぇ。邪神になったら、神々に滅ぼされるんでしょう?僕は、そんなのごめんだね」
「わたくしの血を!血を飲めば、不老不死が手に入るわ!」
ココルは、諦めていなかった。
「へぇ・・・」
興味のある振りをして、ココルに近寄ると、ココルは硫酸で槍を作り出して、京楽の心臓を貫いていた。
「ふふふ・・・僕が、これくらいで死ぬとでも?」
ニタリと笑む京楽に、ココルは生れて始めての恐怖を感じて、後ずさった。
「ゴッドフェニックス、カイザーフェニックス、エターナルフェニックス・・・トリプルファイアフェニックス!」
浮竹が使った同じ禁呪を、京楽は使っていた。
「ぎゃあああああ!!!」
悲鳴をあげて蒸発していくココルを、魔神の咢(あぎと)でその魂を喰らっていく。
「うわ、不味いね。邪神の魂って、こんなに不味いんだ」
魂を食われて、力尽きたかに見えたココルは、最後の力を振り絞って、浮竹を硫酸の槍で貫いた。
「ぐっ・・・・」
「浮竹、大丈夫!?」
「ああ、なんとか。油断していた」
「邪神ココル・・・・」
京楽は、その魂を解放して、仮初の肉体を与えた。
「わたくしは、魂を食われて死んだはずでは・・・・」
「君はね、最後に浮竹を傷つけたんだ。そんな奴の魂を食うだけじゃあ、意味がないからさぁ
・・・ゴッドフェニックス、カイザーフェニックス、エターナルフェニックス・・・トリプルファイアフェニックス!」
「いやああああ!!
ココルは火だるまになった。
でも与えられた仮初の肉体は京楽の一部なので、滅びることはなかった。
「サンダーボルテックス!!」
「ぎゃああああああ!!」
与えられる魔法の傷みに、徐々にココルの魂に罅が入ってく。
「エターナルアイシクルワールド!」」
「いやあ、もう死なせてええええ」
「ゴッドフェンリル!」
「あああ・・・・・・」
ぱきん。
ついに、ココル魂に亀裂が走り、魂は粉々になっ弾け飛んだ。
「ふふ・・・いい気味だよ」
「京楽、やり過ぎだぞ」
浮竹が、仕方ないとばかりに、邪神ココルに貫かれた傷を再生しながら、京楽を窘めた。
「だって、君を傷つけた」
「だからって、一度食った魂に肉体まで与えて。逃げられたら、どうするんだ」
「肉体は僕の体の一部でできているから、大丈夫」
魂は粉々になっても、傷一つ負っていない、ココルの体を自分の中に吸収すると、京楽は頬笑んだ。
「僕は、浮竹、君を傷つけられるのが一番いやなんだ。だから、思い知らせてやったのさ。それに邪神の魂はまずい。まずすぎて魔力に変換しにくい」
「魂にうまい、まずいがあるのか」
「女神の魂はおいしいよ。今のところ、TOPかな」
「俺の血と、どっちがうまい?」
「それはもちろん、君の血かな」
京楽は、浮竹を抱きしめて、その首筋に噛みついて、血を啜った。
「んっ・・・」
「ああ、甘くて最高だよ。君の血は」
「あっ・・・・」
「ふふ、その気になちゃった?」
「ばか・・・・こんな朝っぱらから・・・・・」
「いいじゃない。僕たちは本能に忠実に生きている。血族と睦み合うのも、血を吸われて欲しいと思うのも、本能だよ」
「ここじゃだめだ。ベッドに行こう」
そう呟く浮竹に満足気に、京楽は浮竹と手を繋いで、寝室に戻っていくのであった。
-----------------------------------------------------------------------------
「ああ!」
京楽の口に含まれて、浮竹は甘い声を漏らしていた。
「んんっ!」
京楽の与えてくる刺激に耐えかねて、熱を京楽の口に放つ。
「俺もする」
浮竹は、珍しく自分から京楽のものを口にした。
「んっ、いいよ、そのかんじ」
ペロリと舐めあげながら、全体を指でしごく。
ちろちろと先端を舐めていると、京楽のものが弾けた。
「ああ、勿体ない。お前の精液が」
顔についたものを指で拭って舐めとる浮竹に、我慢できずに押し倒していた。
蕾はすでに、ローションで京楽に解されていて、後は侵入してくるだけだ。
「いくよ」
「あ、こい春水」
ずずずっと、音を立てて、京楽のものが浮竹の内部に入ってくる。
「あ、いい、いい、そこ、もっと」
いい場所をすりあげられて、浮竹はおねだりしていた。
「ここだね?」
「あああん!」
浮竹は甘く啼いて、精液を弾けさせていた。
「もっと奥に、お前をくれ、春水・・・・・・」
「分かってるよ」
最奥まで侵入して、ゴリゴリと押し付けてやると、浮竹はオーガズムでいいっていた。
「ひああああ!!!」
「もっと?」
「あ、もっと。もっとぐちゃぐちゃになるまで、俺を犯して」
浮竹は、京楽の肩に噛みついて、一口血を飲んだ。
「甘い・・・ああああ!」
浮竹は、ペロリと京楽の血が付いた唇を舐める。
「誘っているとしか、見れないな、君の行為は」
「そうだとしたら?」
「うん、君をぐちゃぐちゃになるまで、犯してあげる」
「ああ!」
京楽は、一度抜くと、浮竹の足を肩に担いで、貫いた。
「ひああああ!奥に、奥に当たってる、やあああ」
「ここが好きなんでしょ?」
「やああああ」
最奥をゴリゴリと刺激して、京楽は浮竹の胎の奥に欲望を放っていた。
「さぁ、まだまだいくよ」
「あ、加減は、してくれ・・・・」
「君をぐちゃぐちゃになるまで、犯すって言ったでしょ?」
「やあああん」
浮竹は、もう吐き出すものはなかった。
オーガズムでいくばかりだ。
「あああ!」
互いの体液が混ざり合い、ぐちゃぐちゃになっていた。
「あ、もう・・・春水、春水」
「どうしたの」
「もうやぁっ」
「じゃあ、これで終わりにするね?」
「それもやぁっ」
「どうすればいいの」
「このまま、繋がっていたい」
「でも、それじゃあ浮竹の中に注いだものがかき出せない。お腹壊しちゃうよ?」
「それでもいい。このまま眠る・・・・・」
次に起きた時、京楽のものは硬さを取り戻していた。
「あっ」
「起きた、浮竹?」
「ばか、盛るな」
「愛しい人に包まれて眠る幸せを味わったけど、お陰で僕の息子は復活した。責任、とってね?」
「あああああああ!!」
そえから更に3回は交わり、浮竹は精液でなくて潮をふいていた。
「いやああああ、潮はいやあああ」
「君が感じまくってる証拠で、僕は嬉しいよ?」
「や、やだあああああ」
「んっ、最後の一滴まで、君に注いであげるからね」
京楽は、息子が使い物にならなくなるまで、浮竹に注いだ。
「んああああ!」
背を弓なりにしならせていく浮竹の首筋に噛みついて、吸血してやる。
「ひあああああ!!」
吸血の快感まで与えられて、浮竹はぐったりとなった。
「お風呂、行こうか」
「ん・・・・・」
ずるりと浮竹の中から引き抜くと、尋常じゃない量の精液が溢れてきた。
「はは、注ぎすぎちゃったね?お腹は大丈夫?」
「大丈夫だ。腰が痛くて立てない。疲労開封のポーションをくれ」
事後のけだるさは腰にきてきいて、疲労回復のポーションを飲むことで自力で立てるまでに回復した。
「ん」
「はいはい、抱っこね?」
京楽は、シーツごと浮竹をお姫様抱っこすると、風呂場に向かった。
古城の風呂は、24時間入れるように、魔法で管理されてあった。
京楽に体の奥に残ったものをかき出されて、浮竹は京楽の肩に牙をたてたが、吸血はしなかった。
髪と体を洗われて、水分をバスタオルでふかれた。
「ほら、服をきて」
まあ昼過ぎだったので、普通の衣服を着た。
「少し遅いけど、中止にしようか」
「バナナパフェが食べたい」
「ええっ、バナナの在庫なんてあったかな」
「戦闘人形に買いにいかせる」
浮竹は血を操って戦闘人形ののメイドを出すと、町に買い出しにいかせた。
しばらくして、バナナやら他の食材を手に、戦闘人形のメイドが帰ってきた。
「浮竹を抱きまくったことですっきりしたし、バナナパフェ作りますか」
浮竹はすでにできていたカルボナーラと野菜スープを口にしていた。
「さぁできたよ、浮竹。ジャンボバナナパフェだよ」
「食う」
「はい、どうぞ」
スプーンを渡すと、浮竹はパクパク食べていった。
「僕の分は?」
「ない。全部、俺のだ」
「ありゃあ。僕も自分の分作ってこよ」
京楽が自分の分を作って食べる頃には、浮竹は午睡していた。
バナナパフェを食べ終わり、戦闘人形に後片付けを任せて、京楽は浮竹を抱き上げると、一番近いゲストルームのベッドに寝かせた。
「京楽も、寝ろ」
眠っていたはずの浮竹はゆっくり目を開けると、それだけ言って、また眠ってしまった。
「僕も、昼寝といきますか」
浮竹の隣にもぐりこむと、眠気はすぐにやってきた。
血族の主が近くにいると、とても心が落ち着いてリラックスできる。
浮竹と京楽はそのまま夕方に寝てしまい、その日の夜はなかなか眠れないのであった。
----------------------------------------------------------------------------
「ココルの魂を食わずに、魂の自己崩壊を起こすほどに痛めつけるなんて」
女神アルテナは、ココルの命の終わりを敏感に感じ取っていた。
「邪神ディアブロ。あなたはかつて人間であった。そして、浮竹の3番目の血族であった。そうでしょう?」
「そうだ。始祖浮竹はとても愛しい。愛しくてかわいい人だ」
「じゃあ、今の血族を殺して、もとの血族に戻してもらわないとね?」
「今の血族は・・・・神喰らいの魔神京楽か。面白い。どちらがより浮竹に相応しいか、力比べといこうではないか」
邪神ディアブロは、5千年前の浮竹の、3番目の血族であった。
今の京楽のように魔神となり、人間の国を浮竹のために滅ぼして、その人間たちの魂を喰らい、存在を進化させて邪神となり、神々に滅ぼされてアビスの世界の地中深くに封印されていた。
「待っていろ、愛しの浮竹よ。私はあなたのために国を滅ぼし邪神となった。それでもあなたは私を愛してくれた・・・」
遠き昔を思い出す。
邪神となり、神々に滅ぼされていくディアブロを、浮竹は泣いて止めようとしてくれた。
「愛しい、浮竹・・・私は三番目とはいえ、元は血族。血族同士、邪神と魔神で争いあおうではないか!」
緩やかに、京楽に魔の手が忍び寄ろうとしていた。
PR
- トラックバックURLはこちら