恋い焦がれ ルキアの思い一護の思い
ルキアと一護が一緒に生活する時間も、ピリオドがこようとしていた。
卒業だった。
「ルキア、おかしいとこないか?」
「いつも通り、おかしい」
「お前なぁ。人が真剣に聞いてるんだ」
「嘘だ。いつも通りかっこいいぞ、一護」
ルキアの笑顔に、一護が朱くなる。
「ルキアは・・・その髪飾り、恋次からもらったやつか?」
アメジストの髪飾りをルキアはしていた。
「そうだ。たまにはつけてやらぬと、恋次が哀れだからな」
本当なら、一護がアメジストの装飾品を渡したかった。でも、ルキアとは付き合っていない。
井上に、この前水晶のペンタンドをあげた。
井上はとても喜んでくれて、毎日それをつけてくれていた。
「時間だ、行くぞ」
「ああ」
高校に通うのも、これが最後。
今日は特別な日だ。
卒業式が終わると、ルキアは尸魂界に戻ることになっていた。
13番隊隊長代理及び副隊長とて、瀞霊廷の復興に尽力を尽くすつもりだった。
今まで、高校に通っていたのは一護の我儘を、京楽が承諾してくれた形であった。
「京楽総隊長には感謝せねばな・・・・貴様といれた時間、楽しかった」
「ああ、俺もだぜ、ルキア」
二人並んで、登校する。どちらともなしに、手を握り合っていた。
学校につく頃には、名残惜しいが手を放した。
卒業式がはじまる。
一護の父親でもある一心も来ていた。
「ううう、ルキアちゃん・・・・・」
実の息子の旅立ちに涙を流さずに、ルキアに対してのみ涙を流しいた。
一心らしいといえば、そうだった。
やがて、卒業生代表として、生徒会長であった石田がスピーチをする。
在学生がスピーチをして、校長がスピーチをして、卒業証書が渡される。
「黒崎一護」
「はい」
巡り巡って、ルキアの順にになる。
ルキアは出席日数も足りず、テストの点の悪いために留年が決定していた。まるごと記憶置換で教師たちの記憶を改竄した。
「朽木ルキア」
「はい」
ルキアは、卒業証書を手にしながら、泣いていた。
今までの3年間を思う。
藍染の反乱や、ユーハバッハによる大戦など、酷いことが起こった。隊長も副隊長も何人か死んだ。
それでも、前を向いて歩き出さなければならないのだ。
卒業証書を手に、ルキアと井上は、泣いていた。
「井上・・・いつかまた、辛なず現世にくるからな」
「うん・・・石田君も茶虎君も、別れ別れだね」
一護と井上は、同じ大学を進む。
「石田と茶虎も元気でな!」
ルキアは大きく手を振って、一護を一緒に帰宅した。
日常品から衣類までを鞄に詰め込んで、準備ができたルキアが、一護に声をかける。
「一護・・・・貴様には、本当に世話になった」
穿界門が開く。
その中に消えていくルキアは一言。
「貴様のことが好きだ」
そう言って、去ってしまった、
その真意を問おうにも、ルキアは尸魂界だ。そんなことのために、現世から尸魂界に行くわけにはいかない。
悶々としたものを抱えながら、一護はルキアが去っていった夕暮れの中、ただ道路に佇んでいた。
「ただいま帰りました、兄様、恋次」
「おかえり、ルキア」
恋次に抱擁されて、ルキアはああ、帰ってきたんだと実感した。
「ご苦労であった、ルキア。空座町の滞在死神を交換する手続きを、このまま13番隊で行ってこい」
「はい、兄様!」
ルキアは思う。
空座町の滞在の死神の座を明け渡したら、もう空座町とは縁がなくなる。
つまりは、一護に会いにいけないのだ。
それでも、死神としての矜持がある。
ルキアはそれに従った。
13番隊で、手続きを終えたルキアは、朽木邸に引き返す途中で、恋次に捕まった。
「恋次・・・?」
「お前は俺のものだ。そう認識して、いいんだよな?」
「う、うむ・・・・・」
「隊長から、結婚の許しが出た。まだ当分先になると思うが、俺で、本当にいいんだな?」
「恋次・・・私には、恋次だけだ」
ああ、嘘をついている。
ルキアの中には一護が住んでいる。
でも、尸魂界の、仲間の平和のためなら、自分を犠牲にすることは厭わなかった。
その日、ルキアは初めて恋次と体を重ねた。
「ん・・・恋次?」
起きると、体中に入れ墨をいれた恋次の背中があった。
「今更、一護が好きだとか、なしだぜ?」
「ああ、分かっておる・・・・・」
もう、戻れぬところまできてしまったのだ。
一方で。
一護もまた、井上と井上のアパートで体を重ねていた。
「黒崎君、大好き」
「ああ、俺もだ井上」
ルキアはもういない。目の前の井上だけを愛し抜こう。
そう決意した。
でも、その決意が揺らぐほどに、ルキアを思っていた。
だから、井上を抱いた。
もう後戻りはできぬように。
歯車は軋んだ。
恋い焦がれた思いは遥か遠く。
やがて、月日はめぐる----------------------。
卒業だった。
「ルキア、おかしいとこないか?」
「いつも通り、おかしい」
「お前なぁ。人が真剣に聞いてるんだ」
「嘘だ。いつも通りかっこいいぞ、一護」
ルキアの笑顔に、一護が朱くなる。
「ルキアは・・・その髪飾り、恋次からもらったやつか?」
アメジストの髪飾りをルキアはしていた。
「そうだ。たまにはつけてやらぬと、恋次が哀れだからな」
本当なら、一護がアメジストの装飾品を渡したかった。でも、ルキアとは付き合っていない。
井上に、この前水晶のペンタンドをあげた。
井上はとても喜んでくれて、毎日それをつけてくれていた。
「時間だ、行くぞ」
「ああ」
高校に通うのも、これが最後。
今日は特別な日だ。
卒業式が終わると、ルキアは尸魂界に戻ることになっていた。
13番隊隊長代理及び副隊長とて、瀞霊廷の復興に尽力を尽くすつもりだった。
今まで、高校に通っていたのは一護の我儘を、京楽が承諾してくれた形であった。
「京楽総隊長には感謝せねばな・・・・貴様といれた時間、楽しかった」
「ああ、俺もだぜ、ルキア」
二人並んで、登校する。どちらともなしに、手を握り合っていた。
学校につく頃には、名残惜しいが手を放した。
卒業式がはじまる。
一護の父親でもある一心も来ていた。
「ううう、ルキアちゃん・・・・・」
実の息子の旅立ちに涙を流さずに、ルキアに対してのみ涙を流しいた。
一心らしいといえば、そうだった。
やがて、卒業生代表として、生徒会長であった石田がスピーチをする。
在学生がスピーチをして、校長がスピーチをして、卒業証書が渡される。
「黒崎一護」
「はい」
巡り巡って、ルキアの順にになる。
ルキアは出席日数も足りず、テストの点の悪いために留年が決定していた。まるごと記憶置換で教師たちの記憶を改竄した。
「朽木ルキア」
「はい」
ルキアは、卒業証書を手にしながら、泣いていた。
今までの3年間を思う。
藍染の反乱や、ユーハバッハによる大戦など、酷いことが起こった。隊長も副隊長も何人か死んだ。
それでも、前を向いて歩き出さなければならないのだ。
卒業証書を手に、ルキアと井上は、泣いていた。
「井上・・・いつかまた、辛なず現世にくるからな」
「うん・・・石田君も茶虎君も、別れ別れだね」
一護と井上は、同じ大学を進む。
「石田と茶虎も元気でな!」
ルキアは大きく手を振って、一護を一緒に帰宅した。
日常品から衣類までを鞄に詰め込んで、準備ができたルキアが、一護に声をかける。
「一護・・・・貴様には、本当に世話になった」
穿界門が開く。
その中に消えていくルキアは一言。
「貴様のことが好きだ」
そう言って、去ってしまった、
その真意を問おうにも、ルキアは尸魂界だ。そんなことのために、現世から尸魂界に行くわけにはいかない。
悶々としたものを抱えながら、一護はルキアが去っていった夕暮れの中、ただ道路に佇んでいた。
「ただいま帰りました、兄様、恋次」
「おかえり、ルキア」
恋次に抱擁されて、ルキアはああ、帰ってきたんだと実感した。
「ご苦労であった、ルキア。空座町の滞在死神を交換する手続きを、このまま13番隊で行ってこい」
「はい、兄様!」
ルキアは思う。
空座町の滞在の死神の座を明け渡したら、もう空座町とは縁がなくなる。
つまりは、一護に会いにいけないのだ。
それでも、死神としての矜持がある。
ルキアはそれに従った。
13番隊で、手続きを終えたルキアは、朽木邸に引き返す途中で、恋次に捕まった。
「恋次・・・?」
「お前は俺のものだ。そう認識して、いいんだよな?」
「う、うむ・・・・・」
「隊長から、結婚の許しが出た。まだ当分先になると思うが、俺で、本当にいいんだな?」
「恋次・・・私には、恋次だけだ」
ああ、嘘をついている。
ルキアの中には一護が住んでいる。
でも、尸魂界の、仲間の平和のためなら、自分を犠牲にすることは厭わなかった。
その日、ルキアは初めて恋次と体を重ねた。
「ん・・・恋次?」
起きると、体中に入れ墨をいれた恋次の背中があった。
「今更、一護が好きだとか、なしだぜ?」
「ああ、分かっておる・・・・・」
もう、戻れぬところまできてしまったのだ。
一方で。
一護もまた、井上と井上のアパートで体を重ねていた。
「黒崎君、大好き」
「ああ、俺もだ井上」
ルキアはもういない。目の前の井上だけを愛し抜こう。
そう決意した。
でも、その決意が揺らぐほどに、ルキアを思っていた。
だから、井上を抱いた。
もう後戻りはできぬように。
歯車は軋んだ。
恋い焦がれた思いは遥か遠く。
やがて、月日はめぐる----------------------。
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