忍者ブログ

プログ

小説掲載プログ
07 2025/08 2 4 5 6 7 8 9 11 12 13 14 15 1617 18 19 20 22 2324 25 26 27 28 29 3031 09

教師と式20

「夢を、食われるのだ」

白哉の言葉に、浮竹と京楽が首を傾げる。

「あやかしか?」

「そのようだ。本来ならば悪夢しか食べぬと言われる獏なのだが、普通の夢まで食われてしまう。おかげで、あまり眠れぬ」

白哉に元に、獏が現れて夢を食うのだという。

あやかしたちが住む浮竹の屋敷に、わざわざ式の白哉の夢を食べるとは、変わった獏のようであった。

「獏か。普通悪夢しか食わないが、白哉の夢を食って衰弱させているようだな。祓おう」

「うん、それがいいね」

「獏は毎夜毎夜現れる。主、すまぬが退治してほしい」

「分かった。じゃあ、今日は白哉の寝室で白哉が眠りについて、獏が現れるのを待とう」

そんなこんなで、浮竹と京楽は白哉の寝室で気配を殺して待機して、獏が現れるのを待った。

「夢を‥‥‥おいしい夢をいただこう。その命も一緒に」

現れた獏は、眠っている白哉の枕元にたつ。

「そこまでだ!」

「おとなしく退治されなよ」

浮竹と京楽が、獏を取り囲む。

「術者か。お前たちの夢も食ってやろう」

獏は、すさまじい眠気の音波をだして、浮竹と京楽を昏睡状態にしてしまう。

「ふふふ、これで皆の夢は我のもの」

『お兄ちゃんいじめるの許さない!』

『十四郎、無茶はだめだよ!』

館の離れで居候している鬼の浮竹と鬼神の京楽が、獏に体当たりをかませて浮竹と京楽を起こす。

「すまん、助かった。まさか眠らせる能力まであるとは」

「一本とられたね。お礼は、おやつでいいかな?」

『うん』

『ボクは十四郎が助けたいっていうから助けただけ』

「おのれえええ、夢を食わせろおおおお」

獏は、幼子の鬼の浮竹と鬼神の京楽も含めて眠りの音波を出すが、みんな耳をふさいで防いだ。

「夢をくらいまくり、我はあのお方に力を捧げるのだ」

「もう、夢は食えない。お前は死ぬのだから」

浮竹は、呪符をとりだして獏の動きを封じる。

「京楽!」

「あいよ!桜一閃」

京楽は、桜の花びらで刃を作り、獏を切り裂く。

「ぬおおおお」

「滅!」

「ぎゃあああああああああ」

獏は、断末魔の悲鳴をあげて灰となった。

『俺たち、役にたった?』

「ああ、おかげで助かった」

『十四郎のおかげだよ。もっと感謝するべきだよ』

「鬼神の京楽は、手厳しいな」

「う‥‥‥‥」

眠っていた白哉が起きる。

「白哉、獏は退治した。もう、夢を食われる心配はない」

「すまぬ、主。寝ている時にしか現れぬので、自分では対処のしようがなかったのだ」

『ふあ‥‥眠い。おやすみ』

『ボクも眠い。おやすみ』

鬼の浮竹と鬼神の京楽は、白哉のベッドで眠ってしまった。

「仕方ない、一護くんを呼んで、離れに移動させてもらおう」

白哉は獏を倒されて、衰弱していたのが大丈夫のようであった。

「主、私も手伝おう」

「そうか。じゃあ、一護くんと一緒に運んでやってくれ」

ほどなくしてやってきた一護は、寝ているとこを起こされたのでやや寝ぼけていたが、無事二人を離れの館まで送り届ける。

白哉は一護をまだ認めていない。

「兄は、ルキアのみを愛すると誓えるか」

「俺にはルキアしかいないっす」

「ふむ‥‥‥」

鬼の浮竹と鬼神の京楽をそれぞれ抱き上げて、一護と白哉は言葉少なめに離れの館まで移動する。

「ルキアを泣かせたら、斬る」

「こわっ。泣かしたりしないから安心してください」

二人を離れの館のベッドに寝かしつけて、白哉は浮竹の元に戻り、一護は寝るために自分の寝室に戻った。



「獏が、悪夢以外を食うとは‥‥‥あのお方というのが気になる」

「どうせ、どこぞのボクを式にしていたあいつでしょ。ボクらにちょっかいかけるのやめないんだから」

「獏はもともと無害なあやかしだからな。暴走させていたんだろう」

「呪符に戻って眠っていても現れるので、難儀していたのだ」

「白哉は、とりあえず休め。ろくに睡眠もとれていないんだろう。1週間は、休暇を与える」

「主、すまぬ」

「白哉くんがいないなら、浮竹といちゃこら‥‥‥」

「しないからな、京楽」

京楽は、がっくりとうなだれる。

その日は、皆そのまま就寝した。

離れの屋敷で、鬼の浮竹と鬼神の京楽が目覚める頃には昼になっていた。

『おなかすいた』

『ボクも』

「はいはい、今パンケーキ焼いてあげるんでちょっと待ってください」

「一護、パンケーキだけではだめだ。ちゃんと野菜も食させないと」

「わかってるよ、ルキア。サラダ作ってくれ」

「分かった」

鬼の浮竹と鬼神の京楽の世話は、一護だけでなくルキアも面倒を見てくれていた。



「白哉、大丈夫か?」

獏を倒したが、白哉はまだ元気がなかった。

「ルキアが‥‥‥‥‥」

ただのシスコンの問題だったようなので、浮竹も京楽も放置することにした。






拍手[0回]

PR
URL
FONT COLOR
COMMENT
Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字
PASS

TRACK BACK

トラックバックURLはこちら
新着記事
(08/21)
(08/21)
(08/21)
(08/10)
(08/03)
"ココはカウンター設置場所"