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最後の冬 学校生活

尸魂界から、穿界門を通り、現世へと戻ってきた一護とルキア。

ルキアは、まず一心に挨拶して、双子の妹にも挨拶して、また一緒に暮らせることを伝えた。

双子の妹たちは、ルキアを実の姉のように慕い、一心も実の娘のように扱った。

相変わらず双子の部屋を与えられたが、ルキアは一護の部屋でいいと断った。

「ルキアちゃんに手を出すんじゃねーぞ!」

「ああ、それは無理。俺たち、付き合うことにしたから」

「一護、貴様!私と貴様がいつ付き合うとう言った!」

「いや、だってお互い告白し合ったら、後は付き合うしかねーだろ」

「そそそそ、そうなのか?」

ルキアに恋愛面の経験はないので、一護はそうだと言って、ルキアを丸めこんだ。

「井上と茶虎と石田にも報告しないとな。ルキアも帰ってきたって」

早速三人に連絡を入れる、一護の部屋に集まることになった。

井上は、売り残りのパンを、石田と茶虎はお菓子とジュースを手に、集まった。

「朽木さーん!また一緒の高校に通えるなんて嬉しい!」

「うむ、私もだ井上・・・むぐぐぐ」

井上に抱き寄せられて、背の低いルキアはその豊満な胸に顔を圧迫されて、窒息死しそうになっていた。

「おい、井上、ルキアが窒息死する!」

「あ、私ったら、嬉しくてつい」

「黒崎が大戦から帰ってきたら高校の通うのは当たり前だけど、まさか朽木さんまでとは・・・」

「俺が、京楽総隊長にお願いしたんだ」

「そうか・・・・・・」

「みんな、パンあるから食べてねー」

「む、いただく」

よく井上のパンにお世話になっていた茶虎が、売れ残りのパンを口にする。

「それにしても、こんなに売れ残りのパンだして、お前のところのバイト先マジで大丈夫か?」

「えへへ、平気平気」

「あ、あと報告。俺とルキア、付き合うことにしたから」

「たわけ、貴様!」

ルキアが、顔を真っ赤にさせた。

「え、黒崎君と朽木さん付き合うんだ!朽木さんから告白したの?」

「違う、俺からだ」

「黒崎君は優しいから。私も、一度告白したんだけど振られちゃった。朽木さんが好きだって」

「井上・・・・」

「黒崎君、思いがかなってよかったね」

心なしか、井上は少し涙ぐんでいた。

でも、一護にはどうすることもできない。

「まぁ、ぱーっと騒ごうよ!せっかく石田君と茶虎君が、お菓子とジュース買ってきてくれたんだから!」

「ああ、そうだな」

ルキアが頷く。

「私は、明日から復学するこになった。生徒と教師の記憶は、記憶置換で少しいじることになるが・・・・・・」

「ほらほら、石田くんも飲みなよ~。ぐいっと」

コーラをコップに注いで、なくなった側から、井上が足していく。

「ちょっと待ってくれ、井上さん!そんなにコーラばっかり飲めない!」

「じゃあ茶虎君も~」

茶虎も、おなかがたぷんたぷんになるまでコーラを飲まされた。

「ほらぁ、朽木さんも」

「む。私はコーラでなく、オレンジジュースが良い」

「ではオレンジジュースを飲んで~飲みまくって~」

「うむ。苦しゅうない」

どこかの殿さまのようになっているが、上流貴族なのだ。そういう扱いをされるのに、慣れているのだろう。

「朽木さん、今度買いものに行こうよ。冬用の服、持ってないでしょ」

「うむ・・・制服はなんとか、浦原のつてで冬服が手に入ったが・・・」

「浦原さん、そんなことまでするのかよ」

「あやつは、いろいろつてがあるからな」

その日は、深夜近くまで騒いで、解散となった。

井上がもってきたパンとお菓子を食べたせいで、夕飯はいらなかった。

二人分の夕飯は、サランラップで包まれて、テーブルの上に置かれてあった。

「遊子に悪いことをしたな」

「明日食べればいいだけじゃねぇか」

「それはそうだが・・・・・・」

その日は、湯浴みをして眠ることにした。

「ほら、ルキアこっち」

「わ、私は押し入れが恋しいのだ!」

「一緒に寝るぞ」

ルキアをひょいっと持ち上げて、一護はルキアをベッドに寝かせると、その隣で当たり前の用に横になり、腕の中にルキアを抱き抱えて、一護は眠ってしまった。

「一護・・・?」

問いかけてみるが、静かな寝息がするだけで、一護は寝てしまっていた。

「私だけ、意識しすぎなのか・・・・」

一護に好きと言われて、付き合うことになったというものの、ルキアは胸のドキドキが収まらなかった。

やがて、ルキアの意識も闇に落ちていった。

次の朝。

「やっべ、遅刻だ!」

一護が慌てて着替えるものだから、その着替えシーンをばっちり見てしまって、ルキアは頬を赤らめた。

「ルキア、外で待ってるから、早く着換えて用意しろ」

「う、うむ・・・・・」

すぐ扉の外で一護が待っていると考えるだけで、頬が朱くなる。

もう慣れてしまったが、死覇装の袴では見えぬ足が、スカートから膝上くらいから丸見えだった。

「うぬ・・・久しぶりの制服のスカートは、スースーするな」

「いいから、急げ、ルキア!走ればまだ間に合う!」

義骸に入っているので、瞬歩は使えない。

一護も死神でいることが大戦で慣れてしまって、やりにくそうだった。

「瞬歩使えないのって、けっこうきついな」

「そうであろう。私の今までの大変さを貴様も味わえ」

17カ月前。

義骸で過ごしていたルキアの気持ちが、少しだけ分かった。

学校に到着すると、門が閉められていた。

「よっと」

「うむ」

二人はそれをひらりと乗り越えて、教師の怒り声を背後から受けながら、下駄箱のある入り口にいく。

一護は3週間ぶり近くになる登校であったが、自分の下駄箱をあけると、バサバサと溜まっていたラブレターが入っていた。

「ふん。貴様はもてるのだな」

「ルキア、今焼きもちやいただろ」

ニマニマする一護に、ルキアはごほんを咳払いをした。

「そ、そのようなことはない!」

一護は、ラブレターの束を読むこともせず、捨ててしまった。

「じゃあ、なんで眉間に皺寄せてるんだ?」

「そ、それは私の上履きがないからだ!」

「あるだろ。その隅っこの一番上」

「あ、本当だ・・・・」

でも、身長の低いルキアでは届かなかった。

「む、この!」

「どけよ。俺が出してやるから」

「う、うむ。苦しゅうない」

「その苦しゅうないってなんだ?どっかの時代劇の殿様みたいだな?」

ルキアに上履きを出してやり、登校するときはいていた革靴を下駄箱になおす。

「どうでもよかろう、そのようなこと!今は急がねば、朝礼が始まってしまう!」

すでに記憶置換により、ルキアはアメリカに留学していて、今日から復学が決定した設定であった。

「それにしても、アメリカに留学の設定って無理ないか?英語大の苦手だろ」

「そのあたりは、記憶置換でどうにでもなる」

「それ、めっちゃ便利だよな」

「む、貸さなぬぞ!これは人が使ってよい物ではない」

「別にいらねーよ。誰かの記憶を改竄したいなんて思ってねーし」

ガラリと戸を開けると、朝礼の途中であった。

「遅いぞ、黒崎!朽木もだ!」

担任の教師は、一護とルキアを叱った。

ちなみに、一護とルキアは親戚という設定しておいた。その方が、黒崎家から二人が出てくるところを見られても、平気だからだ。

「えーこの度、アメリカ留学から帰ってきた朽木が復学することになった。しばらくぶりなので、いろいろと大変だろうから、いろいろ気を使ってやってくれ」

「おほほほ・・・・よろしくお願いたします」

「きもい」

そう言った一護の頭を殴り、ルキアも一護も席についた。

一護の隣だった。ルキアの席は。

授業を受けるが、ルキアには国語と古典以外ちんぷんかんぷんだった。

一護も一護で、
尸魂界に3週間近くいたせいか、ついていけなかった。

「これはやばい・・・茶虎にでも頼んで、休んでいた間の勉強教えてもらおう」

石田と茶虎と井上も
尸魂界に赴いたが、帰還は一護よりずっと早かった。

「あー、あんた、授業についてけないんでしょ」

「あ、たつき。すまねぇ、休んでいた時の分教えてくれ」

「それは別にいいけど・・・・あんた、いいの?」

「何が」

「朽木さん放っておいて。男子生徒二人に連れていかれたよ」

「まじかよ!」

一護が、男子生徒二人に連れていかれたという屋上にやってくると、ルキアがちょうど男子生徒の一人の顔面に蹴りを入れているところだった。

「あ、パンツ見えた。水玉か・・・・・」

「一護!助けにきてくれたのかと思ったら、パンツなど見よって!けしからん!」

ルキアは体が軽いが、けっこう蹴りは強いのだ。

もう一人の男子生徒も、腹を蹴られて、屋上で蹲っていた。

「おい、お前ら。ルキアは俺のものだ。手だしたら、無事でいられないと思え」

それぞれの生徒の頭を蹴って、ルキアの方を向く。

「だ、誰が貴様のものだ!私は私自身のものに決まっておろう!」

「ルキア、愛してる」

「う・・・卑怯だぞ!そのような切ない顔で、そのような台詞!」

「ルキアは、俺のこと好きか?」

「す、好きに決まっておろう!」

「じゃあ、愛してる?」

「し、知らぬ!」

真っ赤な顔をして、ルキアは屋上から立ち去ってしまった。

「ああもう、かわいいなぁ」

一護は、ルキアに大分毒されているようだった。



―-------------------------------------------二人の最後の冬がやってくる。



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