桜のあやかしと共に34
『精霊の俺、たっぷりしっぽりしたんだな。桜鬼の匂いがいつもの10倍は濃い』
浮竹は妖狐の浮竹にハリセンをかませて、自分の腕のにおいをかいでみた。
「何も匂湾ないぞ」
『そりゃ普通ね。君の体内から、匂いがするから』
夜刀神にそう指摘されて、ハリセンではたきながら、浮竹は顔を真っ赤にしていた。
「いやあ、一昨日はしっぽりしたよ。十四郎、かわいかったなぁ」
「京楽、お前まで!」
浮竹は、自分のパートナーである京楽にもハリセンをかますのだった。
時は、一昨日に遡る。
満月の夜で、桜の血が騒ぐのか、京楽は桜鬼の姿になっていた。
瞳の色は桜色じゃなくて、血のような深紅。
けれど、力のコントロールを覚えているので、暴走することはなかった。
「京楽、そのまま桜鬼の姿で暴走することもなかったら、褒美を何かやろう」
「いいね。欲しいの、決まってるんだ」
「金をもつお前がほしいものってなんだろうな?珍しい」
京楽は、深紅の瞳のまま桜鬼の姿で一夜を過ごし、浮竹から褒美をもらえることになった。
「褒美は、浮竹が欲しい」
そう言いだした京楽に、浮竹は呆れた顔をする。
「もう、俺はお前のものだろう」
「そうじゃなくって、しっぽりね?桜鬼の姿のままやりたい」
「はぁ!?却下だ、却下」
京楽は、浮竹をお姫様抱っこした。
「ご褒美、くれるんでしょ」
「う、確かにそうは言ったが‥‥まるで何かのプレイのようで」
「いいじゃない。しようよ。桜鬼プレイ」
「ちょ、春水!」
浮竹は寝室のベッドに運ばれて、上から京楽が覆いかぶさってくる。
京楽の額の角を触ると、京楽は薄く笑った。
「じらされたいの?」
「あ‥‥」
服の上から愛撫されて、浮竹のものは緩く勃ちあがる。
「淫乱だねぇ。服の上から触っただけなのに」
「やだ、春水の意地悪」
浮竹は、妖狐の浮竹直伝の凄いテクのキスをすると、そのまま返された。
「ふあっ‥‥‥」
飲み込み切れなかった唾液が、顎を伝う。
「ふふっ、かわいい」
「春水」
衣服を脱がされて、京楽も脱いだ。京楽の引き締まった筋肉質の体に抱かれるのだと思うと、浮竹は期待で瞳を潤ませる。
「十四郎、たっぷりかわいがってあげるからね?」
「あ、春水」
京楽は、浮竹のものを手でしごいてから、口にふくみ、舐め転がしたりした。
「ああああ」
浮竹は、快感に涙を零す。
鈴口を舌で刺激されて、浮竹は精液を京楽の口の中にだしてしまった。
「あ、今ティッシュを‥‥」
「のんじゃった。君の体液は甘いから」
「ばか‥‥‥」
ローションを手に、時間をかけて浮竹の後ろを解していく。
前立腺をかすめるかと思ったら、いいところは触ってくれなくて、浮竹がねだった。
「も、いいから京楽のちょうだい。京楽の熱いので、俺をめちゃくちゃに犯して」
その言葉に、京楽は浮竹の片足を肩にかついだ。
「いれるよ?」
こくこく頷く浮竹を、貫く。
「ひああああ!!!」
「浮竹は、何度されれてもなれないね?でもそこがいいんだけど」
「あうっ」
入口まで一度引いて、奥まで突き上げると、浮竹は精液を零していた。
「こんなに濡らして」
「ああん」
浮竹の前立腺を刺激してやると、既に2回精液を放っていたが、浮竹のものはまた勃ちあがっていた。
すちゅり、ずちゅり。
恥ずかしくなりそうな水音が、下半身から聞こえる。
「ああああ、もっと、もっと、春水」
京楽は、浮竹の最奥にねじりこみ、そこに子種を弾けさせた。
「いっぱいあげるから、孕んでね?」
耳元で囁かれて、浮竹は熱にういなされたかのように返事をする。
「あ、あ、お前の子供ができちゃう」
男性同士で子供などできるはずもないのだが、このまま交わり続けたら、本当に子供ができそうな気がした。
「ひあああ!!!」
京楽が体勢を変えて、下になる。騎乗位になった浮竹は、長い白い髪を乱しながら、ずぶずぶと京楽のものを飲み込んでいく。
「いい眺め」
「ばかぁ」
桜鬼の妖力を、浮竹の中にも注ぎこみ、まだまだ萎えないようにする。
「あ、あ、あ!」
京楽が下から突き上げるリズムに合わせて、声が漏れた。
「んああああああ!!!」
騎乗位から半身を転がされように押し倒されて、浮竹はごりっと奥をえぐられて、大きく中いきしていた。同時に精液もだしていた。
「いやああ、一緒にいっちゃってるううう」
「浮竹、かわいい。もっと乱れて?」
「やああああん、桜鬼の妖力で、萎えない。終わらせたいのに、終わらない」
「だから言ったでしょ。たっぷりかわいがってあげるって」
「あ、責任はとれよ。春水のばかぁああ」
京楽は浮竹の中を穿ち、何度も精液を注ぎこんだ。浮竹のおなかは、京楽の出したものでぽっこりふくらんでいた。
「ひあああ、意識が、焼ききれ、る」
浮竹も、何度目になるかも分からない精液を吐き出しながら、背をしならせて中いきする。
「ああん、もうやぁ」
桜鬼の妖力は、まだまだ尽きない。
二人は、寝食を忘れて5時間ほども睦みあうのだった。
「やらぁ、もう、春水のザーメンいらない」
「そんなこと言わず、孕むまで犯してあげるから」
「やあ、もう孕んだぁぁ」
「たしかに、おなかぽっこりしてるね。ボクの出した精液のせいだろうけど」
「いやぁ、春水、もう終わってええ」
浮竹はぐずぐずになっていた。思考も精神も体も。
「やあ、また、真っ白いのくるうううう」
中いきしまくって、声もかすれていた。
京楽が浮竹の胎の奥に最後の一滴を注ぎ込む。
京楽の額にあるつのが、淡く輝いた。
「あれ、十四郎気絶しちゃった?」
主が気絶したりすると、額のつのが教えてくれるようになっていた。
「十四郎、ごめんね。いっぱい無理させちゃって」
浮竹の返事はない。
ここまでセックスに付き合えたのは、桜鬼の力であった。
もともと浮竹が桜鬼なので、体の相性の良さは抜群であった。
鋭かった爪は爪切りで切って、浮竹を傷つけないようにした。
時間をかけて後始末を終えて、マットレスにまで精液がしみこんでいたので買い替えることにして、違うベッドの浮竹を寝かせて、京楽は人の姿に戻った。
すると、急激な眠気を感じて立っていられなくなり、浮竹の隣で倒れるように寝た。
桜鬼の力を、エロいことに使いすぎて力尽きたのだ。
浮竹は、次の日に起きてきた。
「春水のアホ。スケベ」
そうやって一日中ののしられて、白哉はまたかと思うのであった。
そして、夜刀神の作るハリセンをもらいに、妖狐の浮竹と夜刀神の屋敷を訪れると、二人は終始にまにましていた。
浮竹が京楽に抱かれたことは、匂いだけでなくキスマークやら気ゃらで分かった。
『桜鬼のボク、そっちの浮竹を壊さないようにね?』
夜刀神がそんなことを言うものだから、浮竹はハリセンで夜刀神をはたく。
『随分と楽しんだんだな。桜鬼の京楽のにおいしかしない』
そう言われて、浮竹はちゃんとさシャワーを浴びて念入りに体や髪を洗ったのだが、内側からのにおいなので、とれなかった。
「浮竹、かわいかったよ。やりすぎて、はじめしかねだってくることはなかったけど」
「春水、お前はいっぺん死んどけえええ」
浮竹はハリセンをうならせながら、桜鬼の姿の京楽とセックスは今度しないと誓うのであった。
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