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桜のあやかしと共に60

鴆の京楽と彼岸花の精霊の浮竹は、住んでい山が山火事になって、隠れることができないので次の住処を探すまで、京楽の家に居候するとこになった。

鴆の京楽はいいとして、京楽にとって彼岸花の精霊の浮竹は浮竹の浮気相手なので、警戒していた。

『ふふふ、そんなに警戒しなくても、桜の王の俺をどうにかはしないぞ』

「ほんとにぃ~?」

ジト目で京楽は、彼岸花の精霊の浮竹を見る。

『ふふふふ』

彼岸花の精霊は、怪しく微笑む。妖艶でとても綺麗だった。

「彼岸花の精霊の浮竹は、浮竹と違ってまたおもしろいな」

白哉がそんなことを言う。

『白哉、俺と一緒に‥‥』

「だめだめだめえええ!白哉は俺の!いくら彼岸花の精霊の俺でもだめ!」

『いや、一緒に料理の手伝いをしようと言おうとしただけだぞ?』

クスクスと、彼岸花の精霊の浮竹は笑う。

対して、浮竹はかーっと赤くなった。

「浮竹?どうしたのだ」

「な、なんでもない」

『桜の王、今夜‥‥‥』

「だめだよだめだよ!浮竹はボクのものだからね!」

『いや、今夜夜更かしをしようと言おうとしただけなのだが?』

クスクスと彼岸花の精霊の浮竹はまた笑った。

京楽は、ジト目で彼岸花の精霊の浮竹を見る。

「君、わざとでしょ」

「ああ、ばれてしまったか」

「ちょっと鴆のボク!この子なんとかしてよ」

『はいはい。浮竹、おとなしくしておこうね?問題を起こしたら、もう料理作ってやらないよ?」

『はーい。おとなしくする』

さすがに鴆の京楽の言葉はきいたみたいで、彼岸花の精霊の浮竹は、おとなしくコーラを飲んで、ポテチを食べて、テレビを見始める。

「この箱の中に人がいるのか?」

テレビ番組を見たことのない彼岸花の精霊の浮竹は現世に疎い。

「これはテレビと言ってな‥‥‥」

彼岸花の精霊の浮竹は、何度か京楽の家に遊びにきたが、家電製品については尋ねたことがなかった。

「こっちが冷蔵庫。こっちが電子レンジ、洗濯機、掃除機‥‥‥だいたい、こんなところか?」

浮竹が家電製品について、あらかた説明すると、彼岸花の精霊の浮竹は、洗濯機に興味をもったようだった。

『俺の服、洗ってもいいか?』

「ああ、いいぞ」

彼岸花の精霊の浮竹は、浮竹からもらったいくつかの洋服のうちの一枚を洗濯機に放り込んで、洗剤をいれて洗濯機をまわそうとする。

「洗剤いれすぎ!洗濯物はそれだけだともったいない」

『うーん、うまくいかないな。現世のものは便利だが、難しいな』

『浮竹、おとなしくしてなさい。白哉くんと桜の王と格闘ゲームでもしてなさい』

鴆の京楽がそう言うと。

『ふふ、コテンパンにしてやる』

「なに。俺に勝つつもりか?これでも強いんだぞ」

「浮竹は強い。無駄なところで才能がある」

「白哉、それ誉め言葉になってない」

浮竹が、悲しそうだった。

『よし、じゃあ勝負だ!』

「望むところだ」

「彼岸花の精霊の浮竹、兄とは格闘ゲームをしたことがあったな」

『ああ、あったな』

「あれとは別のゲームだ」

『お、楽しみだな!』

3人がゲームでわいわいわいしている間に、鴆の京楽は昼ごはんを、京楽は掃除をしだした。

3人とも、手伝う気はないらしい。

京楽達は、仲がいいのはいいことなので、とりあえず放置しておくことにした。

『ふふふふ、勝ったぞ?』

「くそおお、負けたあああ」

「彼岸花の精霊の浮竹は本当に初心者か?あの浮竹にかってしまうとは」

『よし、負けたやつは罰ゲームだ』

「なに、そんなこと聞いてないぞ」

「同じく」

『負けた二人は、化粧をして女の服を着ること』

「なんだそれは」

「なぜ、女装などせねばならぬ」

『いいから、前に女体化した時に服を買っていたんだろう?男性でも入れるサイズの服があるだろうからそれを着ること。化粧は俺がする』

彼岸花の精霊の浮竹はのりのりで、浮竹と白哉は、仕方なく使っていない部屋のクローゼットにしまっていた女性ものの衣服を着て、帰ってきた。

スカートはいやなので、ズボンの衣服だった。

女性ものだが、男性が着てもさほど違和感はなかった。

『じゃあ、まずは白哉から化粧するな?』

「あまり派手にするなよ。兄の腕がどんなものか分からぬが」

白夜の顔に白粉をはたき、頬にピンクのチークを少し、唇に紅をさして完成だった。

「白哉、綺麗だぞ。俺のお嫁さんになってくれ」

「浮竹、兄とは兄弟だ。兄弟同士で結婚はできぬ」

「ぬああああ、そうだったあああ」

次に浮竹が化粧された。美人度が2倍以上になっていて、白哉とならぶと、とても綺麗で美しい女性にしか見えなかった。

『京楽、それに桜鬼の京楽、見てくれ』

彼岸花の精霊の浮竹は、自分の力作を二人に見せた。

「十四郎、綺麗だよ。白哉くんも綺麗だね」

『男性というのが疑わしいくらいに似合っているね』

「それで彼岸花の精霊の俺、いつまでこの恰好でいなきゃいけないんだ?」

「今日中ずっと」

「外にでれぬな」

「買い物に行きたいんだ‥‥‥京楽に任せるか」

浮竹と白哉は女体化したこともあり、女装にそれほど抵抗感はないようだった。

スカートをはいているわけじゃないので、余計にだ。

『京楽も、鴆の京楽も格闘ゲームをしないか』

『負けたら女装なんでしょ?遠慮しておくよ』

「ボクも」

『大丈夫だ、お前たちはむさくるしいから、女装はなしだ』

「むさ苦しい‥‥‥悲しい」

『ボクも』

結局二人も格闘ゲームをして、彼岸花の精霊の浮竹にこてんぱんにやられて、悔しがる。

「なぁ、二人とも、彼岸花の精霊の浮竹は格闘ゲームのほぼ初心者には見えないだろう?」

浮竹が問いかけると、二人は頷いた。

「冥界に格闘ゲームありそうなかんじだな」

『ふ、冥界には何もない。ただ彼岸花の花畑と三途の川しかない。こんな楽しいものがあったら、冥界も好きになれそうなのだがな』

彼岸花の精霊の浮竹は、少し悲しそうに微笑む。

それから、白哉は一人でRPGのゲームをはじめてしまった。

彼岸花の精霊の浮竹はそれを見て楽しんでいて、鴆の京楽も一緒に画面を見ていた。

「十四郎‥‥‥寝室に行こう?」

浮竹の女装に興奮した京楽は、やる気満々だった。

「家事は全部すんだのか?」

「うん。鴆のボクが食事も用意してくれたから」

「居候がいるのに盛るのか」

「君がそんな恰好をするからだよ」

結局、浮竹と京楽は結界をはってしっぽりした。

遺された三人は、顔を見合わせて、お盛んだなぁと、小さくため息をつくのであった。




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