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桜のあやかしと共に71

消えてしまったはずの花嵐は、新しくまた桜の花鬼として生を受ける。

「ああ‥‥さよならって、言ったのに」

花嵐は苦笑して、桜の王である浮竹に会いにいこうか悩んだ。

「私が存在していることがばれたら、きっと藍染がまた私を狙って、桜の王を苦しめる」

花嵐は、遠まきに現世に住む浮竹と、その伴侶である京楽、そして転生したはずの白哉を見ていた。

「転生したはずなのに、また転生するなんて、おかしいわね」

クスリと、花嵐は笑う。

『そこの桜の花鬼』

「え、私のことですか?」

彼岸花の精霊の浮竹が、花嵐に声をかけた。

「浮竹様にそっくり‥‥」

『ふふ、やっぱり桜の王に縁がある者か』

『ちょっと浮竹、いきなり失礼だよ!』

「私は構いませんよ?」

『桜の王には会いに行かないのか』

「悩んでます。会いたいけど、すでに転生した私が弟として家族として傍にいる。さらに転生したなんて知れたら‥‥」

『いいじゃないか。会いたいなら、会えばいい』:

『浮竹、そんなこと言うけど、そう簡単なものじゃないかもしれないよ』

「決めました。やっぱり、会いにいきます!」

花嵐は、桜色のは髪を風になびかせて、桜色の瞳で前を向いて歩きだす。

ピンポーン。

チャイムがなり、京楽が対応した。

「依頼かい?」

「似たようなものです。桜の王に会わせてください」

「そういうわけにもいかないんだ。最近は物騒だからね。誰か、身の保証をしてくれる人は‥‥」

『俺が保証しよう』

「彼岸花の精霊の浮竹!まぁ、君が保証するならいいか」

花嵐は、京楽の3億するマンションに恐る恐る足を踏み入れる。

「桜の王‥‥‥私です。分かりますか?」

桜の王である浮竹に話しかけると、浮竹は目を見開いた。

「花嵐!成仏したんじゃなかったのか!」

「それがぁ、また桜の花鬼として命をさずかったみたいで‥‥‥」

「花嵐?私の前世が、また転生を?」

白哉がやや困惑気に、花嵐を見る。

「えへへ、また転生しちゃいました。今日は、それを知らせたかっただけです」

「まぁ、中に入れ。京楽、彼女がこの前言っていた、桜の上級花鬼の花嵐だ]

「いやぁ、どうも。浮竹が世話になったみたいで」

「もう、2千年以上も前も話ですよ」

「それでも、君がいてくれたから、今の十四郎がいるわけで」

「あははは、そうですね」

『もっと修羅場を期待していたのに』

『ちょっと、浮竹失礼だよ』

鴆の京楽と、彼岸花の精霊の浮竹も来ていた。

「知り合いのフルメンバーに近いな。よし、ベランダでバーベキューをしよう」

浮竹がそう言いだした。具材はもう買ってあるらしく、物置になっている部屋にバーベキュー用の器具があり、それを京楽がベランダに設置する。

「この階は、他に住人がいないからね。騒いでも平気だよ」

『バーベキューか。肉を焼け、肉を』

『ちょっと浮竹、まるで夕食をたかりにきたみたいになってよ』

「歓迎するぞ、鴆の京楽に彼岸花の精霊の俺」

白哉は、花嵐と向かいあって、酒を飲んだ。

「何はともあれ、また転生したのであれば、新しい人生を謳歌すればいい」

「白哉くんはぁ、いい子ですねぇ。私が転生した先とは思えないくらい、いい子」

「子供扱いはよせ」

「でもぉ、私にとっては実の子供ような存在でぇ」

花嵐は、すでに酔っていた。

そして、バーベキューを楽しんでいるメンバーに酒をすすめていく。

「俺は飲めないんだ。下戸に上に酒乱らしくて」

浮竹にも酒をすすめるが、浮竹は首を左右に振る。

「気にしなくていいから、飲みなさい」

「花嵐がそう言うなら」

浮竹は、すすめられるままに酒を飲んだ。

そして、彼岸花の精霊の浮竹に抱き着いて離れなくなった。

『どうした、桜の王。また、昔のように俺としっぽりしたいのか?』

『浮竹から離れて、桜の王』

「十四郎、こっちに来なさい」

「あははははは。星が回ってるうううう」

京楽の腕の中で、浮竹は眠りについてしまった。

「主役が寝ちゃったよ」

『え、今回の主役は花嵐ちゃんでしょ』

『しっぽりしたいなぁ‥‥‥なぁ、京楽ぅ』

彼岸花の精霊の浮竹も酔って、鴆の京楽にしなだれかかる。

『しっぽりしよう?』

『ごめん、ゲストルーム借りるね』

鴆の京楽と彼岸花の精霊の浮竹は、京楽の家でしっぽりする気満々だった。

「私は、明日また恋次と祓い屋の仕事があるので、寝る」

「あははは、みんな自由人ねぇ」

花嵐は、飲んで食べて笑っていた。

「ふにゃあ。花嵐、それは京楽といって飲み物だ]

「ちょっと、何言ってるのさ浮竹!寝てたんじゃないの?」

「ふにゃああ」

「だめだこりゃ」

花嵐は、一夜を京楽の家で過ごして、朝になって異界の桜の里に帰還することにした。

「うう、頭が痛い‥‥」

「お酒を飲むからだよ」

『ゲストルームありがとう。しっぽりできたよ』

『京楽、酒が入るとすごい‥‥‥‥‥』

彼岸花の精霊の浮竹は、満足そうにしていた。鴆の京楽はしっぽりの報告までする。

「じゃあ、私は帰るね?」

「ああ、気をつけて」

「あ、異界に帰る前に、こっちの世界の浮竹様の桜見て帰ります」

花嵐は、そう言って35階のベランダの窓から飛び降りていった。

「だから、玄関使って!」

「私も行くぞ。では、後日」

白哉も、35階のベランダの窓から飛び降りていく。

それを真似して、鴆の京楽も彼岸花の精霊の浮竹も飛び降りていった。

「だーかーらー、玄関!!!」




「もし、そこの桜の上級花鬼のお嬢さん」

「誰?」

花嵐は、近くの公園の浮竹の桜を見上げていると、老婆から声をかけられた。

「フフフフ‥‥‥‥」

「濡れ女?何、なんなの!」

濡れ女は、若い美女の姿になると、花嵐を術で眠らせた。

「藍染様に、いい手土産ができたわ。桜の王の悔しがる顔が、早く見たいわ」

ふっと、濡れ女も花嵐も、次元のかなたに消えるのであった。


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