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桜のあやかしと共に98

藍染は、7つある命のうち、3つを失った。

魔神であることが終わったのだ。

「何故だ!何故、私は神のままでいられない!」

「それは、君が神にふさわしくないからだよ」

「ええい、うるさい!死ね!」

藍染は、憐れむような京楽に向けて、破壊の力を発動させる。

京楽は、それを桜鬼神の力で受け止める。

「何故、私だけ神になれないのだ!こんなにも神になりたいのに」

「動機が不純だからだろう。お前は神の力を利用してこの世界を自分のものにしようとしている」

桜の花神になった浮竹は、ふっと桜の花びらを吹いた。

それは炎となって藍染を包み込む。

「この程度の攻撃・・・・・」

藍染は、火をすぐに消し去った。

「やはり、しぶといな。魔神になりそこなっても神もどきであることには変わりない。京楽!」

「うん、分かってるよ!」

浮竹と京楽は、神の力を合体させる。

「われは桜の神。四季の神。桜の鬼の神。死するに値する者よ、滅びるがいい」

「うぎゃああああああ」

藍染は、4つの命のうち1つをまた失った。

「こ、こうなれば魔神ユーハバッハの核を取り込んでやる!」

藍染は、取り出した魔神ユーハバッハの核を飲み込んだ。

「くくくく、力があふれてくる」

「愚かな。相応の力もないのに、そんなものを取り込めば・・・・・・」

「ぐが、ぐぎゃああああああああ!!」

藍染は、血を全身から出しながら倒れる。

「愚かな者に死の慈悲を」

浮竹と京楽は、神として合体して一柱の神になっていた。元々、桜の花神も桜鬼神も1つの神であった。

「さぁ、残りの命はあと3つ。いつまで耐えれるかな?」

「ま、待て!わ、私と手を組もう!」

「そんなことするわけないと、分かっているだろに。我は桜の神。桜があれば、それでよいのだ」

異界にある、桜の大樹が輝いた。

「滅びよ、藍染」

「ぎゃああああああああ」

一気に残り3つの命を奪われて、藍染は塵となってこの世から消え失せた。

「ふう、終わったね」

「ああ、終わったな」

桜の神であった二人は、一人から二人に戻っていた。

「さて、これからどうするの?」

「藍染の手下を全て殺す」

「容赦ないねぇ」

「第二の藍染が出てこないとも限らないからな」

「そうだね。一掃したら、平和になるね」

それから、1か月かけて藍染の手下を全て処分した。

「結局、太陽の王の出番はなかったね」

「一護くんには、争いと無縁でいてほしいからな」

「うん、そうだね」

「俺は長く生きすぎた。少し・・・・・そうだな、1年くらい休眠しようと思う」

「じゃあ、ボクも付き合うよ」

「祓い屋の仕事はいいのか?」

浮竹が首を傾げる。

「恋次くんになすりつける」

「ふふ、わがままな神もあったものだな」


「じゃあ、眠ろうか」

「うん」

異界の桜の大樹は、いつものように咲き狂っていた。

「いつか、人とあやかしが仲良く生きられる時代がくるといいな」

「そうだね」

二人は、1年の休眠に入るのだった。

藍染はいなくなり、脅威は去った。

二人は、不要となった神の力を放棄するために休眠に入ったのだ。

それから1年後、休眠から目覚めると、白哉が迎えにいてくれた。恋次も一緒だった。

「この赤ハエがあああああああ」

「うわあああ、だから、一緒に迎えに行くの反対だったんです!」

浮竹は、どこからか殺虫スプレーを取り出して恋次にふきかける。

「うう、体がしびれる」

「ふふふ。人間にも効くように作ったからな」

「浮竹、やめないと、弟であることをやめるぞ?」

「白哉、すまなかった」

浮竹はしょんぼりした。

「さぁ、現世に返ろう。鴆の京楽と彼岸花の整理絵の浮竹が、首を長くして待っているぞ」

「帰ろうか、京楽」

「うん」

こうして、二人は京楽のマンションに戻る。

『やっと目覚めたな。神であることをやめたのか。もったいない』

『藍染が死んで、不要になったからじゃない?』

「その通りだ。不相応の力は、己を滅ぼす」

「ボクは神のままでもよかったんだけどね?」

京楽は、浮竹にハリセンではたかれる。

「さぁ、藍染もその手下もいない平和な世界を満喫しよう。まずは世界旅行だ!」

「うわあ、スケールがでかいねぇ」

『またいなくなるのか?』

彼岸花の精霊の浮竹が不機嫌そうに言う。

「何、異界渡りをすれば、いつでも会える」

『それならいい。桜の王とはもっと遊びたいからな』

鴆の京楽は、薬をいっぱいくれた。

『1年も眠っていたんでしょ。力が弱まっているはずだよ。これはそれを治す薬ね?』

「ああ、ありがとう」

「ありがとね」

浮竹と京楽は、白哉も連れて世界一周旅行に出かけることになった。

平和なさりげない日常が戻ってくる。

船での旅であったが、浮竹はよく異界を通って、彼岸花の精霊の浮竹と鴆の京楽に、京楽と一緒に会いにいった。

「世界は広いぞ」

『うん、そうだね。ボクもいつか、外の世界を旅してみたいよ』

「まずは、人になれることからだな」

『うん』

『今日のお土産は?』

急かす彼岸花の精霊の浮竹に、浮竹はドーナツをあげた。

『始めてた食べるが、うまいな』

「ふふ。さぁ、始めようか、俺たちの新しい物語を」

浮竹は、桜の花びらを散らせて、微笑んだ。

みんな、その顔があまりにも綺麗なので、見つめていた。



さぁ、はじめよう。

新しい、物語を。




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