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血と聖水と名において2

東のバラムまで、馬車で3日はかかる。

そこで、氷の精霊フェンリルを呼び出し、元の巨大な大きさになってもらい、その背に浮竹と京楽は乗って、バラムまで向かった。

半日もしないうちにつくと、バラムの町はゴーストタウンと化していた。

人が一人もいないのだ。」

いるのはグールに下級ヴァンパイアのみ。

それらの群れは、浮竹と京楽を見つけると、襲いかかってくる。

「いちいち相手にしていたらきりがない。フェニックス、イフリート、出でよ!」

「きゅあああああ」

「何ぞ用だ」

「この町のグールと下級ヴァンパイアたちを焼き尽くしてくれ」

「きゅあああ」

「承知」

フェニックスとイフリートは、灼熱の炎でグールや下級ヴァンパイアを焼き尽くし、後に残るのは灰ばかりであった。

「そこにいるんだろう、出てこい!」

「お兄ちゃん、強いんだね」

「君は?」

京楽が、住民の生き残りかと保護しようと近づくと、浮竹に止められた。

「ヴァンピールだ。三人のハンターの命を奪っている」

「あは、ヴァンパイアハンターなんだ。道理で銀のにおいがするわけね。このミネアに倒せないハンターなんていないんだから!」

ミネアと名乗ったヴァンピールは、まだ年端も行かぬ10歳くらいの女の子だった。

「両親はどうした!」

「あははは、ミネアの邪魔するから、殺してあげたの。お父様はお母さまを最後まで庇っていたけど、ミネアの攻撃に耐えきれずに灰になちゃった♪」

「このヴァンビール、感情が欠落しているな。処分しなくちゃ危険だ」

「あはははは、ミネアを処分?笑わせないで。たかがB級のハンターごときが」

浮竹はB級を意味するペンダントをしていた。

だが、浮竹もペンダントをしている。

「な、そっちはS級ですって!たかが人間ごときが!」

「まだ、休業していたいんだけどねぇ。仕方ない、一緒に駆除するよ、浮竹!」

「ああ!」

ミネアは、自分の血から戦闘人形を作りだしてけしかけてくる。

「こんなの、何の役にもたたないよ」

京楽が剣をとりだすと、一掃してしまった。

「血を飲んで、ヴァンパイアにしてあげる。そっちの白い髪のお兄ちゃん綺麗ね。血を吸って、ずっとミネアに尽くす奴隷ヴァンパイアになって?」

なぜか、浮竹を見るヴァンパイアは皆、浮竹の血を欲しがる。それはヴァンピールでも同じことだった。

浮竹は銀の短剣をミネアに投げていたが、素早い動きにあたらず、銀の弾丸の入った銃でもとらえることができなかった。

「いただきまーす」

ミネアは、浮竹の隙をついて、肩に噛みつき血をすする。

「うぎゃああああああ!!!喉が、喉が焼けるうううう」

「ふふ、残念だったな。俺は水銀の浮竹。俺の血には、猛毒の水銀が含まれている」

「おのれえええ」

ミネアが可憐な少女の姿から、醜い肉の塊になる。

「あはははは、この姿は誰にも消せない。銀もきかないし、物理攻撃も魔法攻撃も効かないんだから!」

「いっそ、その姿のほうが殺しやすくて助かるよ。本気でいっていい、浮竹?」

「ああ。夜叉の京楽の力、見せてやれ」

夜叉。それが、京楽の二つ名だった。

京楽は、軽くミネアに触れる。そこから、大量の血液が噴き出す。

「な、ミネアに今何をした!」

「死ねと思って触れただけだよ」

「そんなことで、ミネアは死なないわよ!」

「浮竹、銀の銃を」

「銃くらい、自分のをもっておけ」

浮竹は、京楽に銃を渡すと、下がった。

「血と聖水の名において、アーメン」

そう言って、京楽は銀の弾丸をミネアに向かって打つ。

それは大きな銀の刃となって、ミネアを引き裂いた。

「きゃあああああ!!!」

ミネアは、元の少女の姿に戻っていたが、右手と左足がなかった。

「嘘!ミネアのあの体を傷つけれるハンターがいるなんて、嘘!」

「いや、一応ボクはこれでもS級ヴァンパイアハンターだからね。その気になれば、ヴァンパイアマスターだって殺せるよ」

「ひいいい、くるな!ミネアは、このミネアだけの楽園の町で生きるのよ!」

「あいにくだが、住民のグールや下級ヴァンパイアたちは燃やし尽くした」

「あんなの、ミネアの血があればいくらでも作れるわ」

「ますます、君を殺さないといけなくなったね」

京楽は、銀の剣を抜いた。

S級ハンターにだけ所持を許される、聖剣であった。

「せめて、楽にいかせてあげよう」

「ミネアはこんなところで死なないわ!この町と同じように、隣の都市のリハイムも手に入れるのよ!」

叫ぶミネアを、京楽は顔色一つ変えずに、その心臓を貫く。

「あはははは、ミネアの心臓は・・・・・」

「これだろう?」

浮竹の手には、どくどくと脈打つ心臓があった。

「ぎゃああ、それに触るな!かくしておいたのに、なぜ見つけた!」

「そりゃ、あんだけ結界はってれば、ここに何かありますっていっているようなものだしな。そら、京楽、トドメを」

「いやああああああ!ごめんなさい、もう何もしませんから、どうか命だけは!」

「自分勝手がすぎるよ。おとなしく、死んで?」

京楽は、聖剣でミネアの心臓を貫いた。

「ぎゃあああああああああ」

叫び声を残して、ミネアは灰となる。その灰を、浮竹はカプセルに入れる。

「さすがだな、京楽」

「しっぽり!」

「前言撤回。お前の頭には、しっぽりすることしかないのか!」

「うん」

「だめだこりゃ」

ハンターギルドに行き、灰を提出して金貨千枚を手に入れた。

「けっこうば儲けになったな」

「早く!早く家に帰ってしっぽりしよう!」

「はぁ・・・・・まあ、約束だから仕方ない。しっぽりするか」

「やっほう!二週間ぶりに浮竹を抱ける!」

「まぁ、二週間禁欲言いつけてたからな。よく守れたな」

京楽は、浮竹を抱きしめる。

「君に嫌われたくないからね。ボクの花婿」

「お前が花嫁なんだよなぁ。変だが」

「変でもなんでもいいから、家に帰ってしっぽりしようね」

「ああ、分かっている」

京楽は性欲が強いが二週間も禁欲を言いつけられた反動か、浮竹が意識を失うまで抱くのであった。



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