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梅の花

「そろそろ、梅の花が咲く時期ですね」

「ああ、そうだな」

朽木邸の中庭に繋がる縁側で、恋次は茶菓子に出されたわかめ大使を食べながら、白哉を見た。

白哉は、咲き始めた梅の花を、懐かしそうに見ていた。

「緋真は、梅の花が好きで・・・・緋真のために、中庭に梅を木を植えたのだ」

「そうっすか」

今は亡き、妻を白哉は懐かしそうに空を見上げた。

「梅の花が咲くたびに、緋真を思い出す」

「今は、俺のことも考えてくださいよ?」

「わかっている」

白哉は、子供のようにすねる恋次の口に、わかめ大使をつめこむ。

「もがががが」

「私は、今は貴様を愛している」

「隊長・・・・・・」

恋次が抱きついてきた。

それを許してしまうあたり、恋次を愛してしまった故か。

「兄様、恋次が来ていると聞きましたが・・::」

ルキアの声が聞こえると、白哉は恋次を庭に転がした。

「恋次?貴様、そのような場所で、何をしておるのだ」

「いや、隊長、いくらなんでもひどいっす」

「うるさい」

白哉は、何もなかったかのように玉露のお茶を飲む。

「恋次は、この庭の土が好きだそうだ」

「そうなのか、恋次!この朽木家の庭師は手がよくてだな・・・・・」

ルキアの話をえんえんと恋次は聞かされる。

ルキアが満足して去っていった頃には、夕刻になっていた。

「ひどいっす、隊長」

「そうすねるな。何もしないのであれば、同じ褥で寝てやる」

「せめて、キスとハグくらいはさせてください」

「仕方ない・・・・・・・」

白哉は、恋次に大分甘くなっていた。

雪解け水のように、凍っていた白哉の心を、恋次が溶かしてしまった。

「緋真のことは永遠に忘れないし、今も愛している。でも、私は今は恋次、お前のほうをもっと愛してしまっているのだ」

「鼻血でてきた・・・・」

「貴様・・・」

「す、すんません。でも、鼻血でるくらいうれしいです」

「ふっ・・・今日は泊まっていくのであろう」

「そのつもりです」

付き合いはじめて、恋次が白哉のところに泊まっていく回数が増えた、

1週間に一度ほど、別の屋敷で会い、逢瀬をしているが。

白哉の近くに、恋次はいるようになっていた。

「私も、甘くなったものだな・・・・・・」

「なんか言いました?」

わかめ大使を食べながら、恋次が聞いてくる。

「いや、なんでもない」

緋真。

そなだだけを永遠に愛すると言って死別してしまったのに、裏切ってしまいすまない。

だが、私には今は恋次が必要なのだ。

どうか、許してほしい。、

緋真。

愚かな私を、許してくれ。


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