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浮竹の生きている世界線

「さよなら・・・浮竹」

京楽は、愛する者の死に涙を零して、浮竹の死体が荼毘に付されていくのを見ていた。

棺の中の浮竹は、白百合の花に囲まれて、今すぐに起きてきそうなほど綺麗で、体に損傷もなかった。

遠く、火葬場で煙が上がっていくのを見る。

「僕はだめだね。君がいなくなっただけで、世界が色あせて見える。総隊長なんだ、しっかりしなくちゃね」

浮竹の墓は、雨乾堂の跡地に作られた。

立派な墓標だった。


浮竹が死んで、10年が経った。

「さて、明日もがんばりますか」

浮竹の墓標に酒を注いで、久しぶりの非番だったので、墓参りにきていたのだ。

京楽は、浮竹の墓を愛しそうに撫でて、そして空を見上げた。

浮竹の遺体を焼いた日のように、空は雲一つなく蒼かった。

「とりあえず、また来るよ。またね、浮竹」

京楽は、多忙で寝不足気味だったので、非番の日であるが、寝る事にした。

夢の中で、浮竹が出てきた。

17歳くらいの、院生時代の1回生くらいの容姿の浮竹だった。

院生時代の懐かしい夢を見ていた。

「俺は、お前を一人にはしない。必ず、会いにいくから」

「僕は、でも君に残される。君は一人でいってしまう」

「そんなことはない。俺は、いつもお前の傍にいる。見えないだけで」

「見えるようにしてよ。じゃなきゃ、泣くよ?」

「お前に泣かれるのは困るな。分かった、見えるようにしてもらおう」

誰に?とは聞かなかった。

懐かしい夢を見ていた。

ふと気づくと、5時間も眠ってしまっていたらしい。日は傾いて夕日になりかけていた。

「ん・・・・暖かい?」

肌寒い季節になっていた。

布団だけで寝ていたが、寒かった。自分が寝ていた隣に、暖かな温もりがあって、京楽は不思議に思い、布団をめくった。

「えええええええええええ」

院生時代の17歳くらいの浮竹が、寝ていたのだ。

「ん・・・うるさい」

「うるさいじゃないよ君!浮竹なの!?」

「はぁ?俺以外に誰がいるんだ・・・・って、なんで俺ここにいるんだ。生きてる。死んだのに」

「ええええええええ。そうだ、これは夢だ。もう一回寝よう」

「寝るなあああああああああ!!!」

「もぎゃああああああ!!」

浮竹に布団をはぎとられて、股間を蹴り上げられて京楽は悶えた。

「どうなってるんだこれは!地獄にいたはずなのに、何故尸魂界にいる!まさか、生き返った・・・・?でも、なんで院生時代の姿なんだ。おまけに服も院生時代のままだ」

「いやあ、すごい夢だなぁ」

京楽は、頭を壁にゴンゴン打ち付けていた。

「痛い。夢じゃない・・・・浮竹えええええ!!」

「ぎゃああああああああ!!!いきなり盛るなあああ!!」

「だって、君を失って10年だよ!10年間もずっと、君を想い続けてた。生きてる君が傍にいてくれるなんて、奇跡だ」

浮竹は驚く。

「俺が死んで10年後の世界・・・・・なんで俺は、しかも院生姿で蘇った?」

謎だらけだ。

でも、考えれば考えるだけ無駄なので、思考を放棄した。

「なんだかよく分からいけど、ただいま、京楽」

「浮竹ぇええええ」

京楽は鼻水を垂らしながら泣きだした。

「ほら、ティッシュで鼻をかめ」

「うん・・・・・」

「今の13番隊はどうなっている?」

「ルキアちゃんが隊長になったよ。あと阿散井君と結婚して、子供ができた」

「隊長は朽木か。俺の思っていた通りになったな。しかも恋次君と結婚して子供ができたなんて、なんていうのか俺が死んでる間にいろいろなことが起こってるな」

浮竹は、感慨深く頷いた。

「そうだよ、なんで死んじゃったの。神掛けをしなきゃ世界が滅ぶって分かっていたど、僕には君の喪失が耐え難かった」

「今、ここにいるじゃないか」

「そうだけど、君がいないこの10年、僕の世界は色あせていて、ずっと、ずっと、君を想っていた・・・・・・・」

抱きしめられた。

まだ少年の幼さを残した姿の浮竹は、背もあまり高くなく、髪も短いが、衣服を女性のものにすれば少女で通ったかもしれない。

「その・・・・ごめん。お前を置いていったりして」

「ううん。今、君がここにいる。それだけで十分だよ」

「明日、12番隊のところにいって検査してもらおう」

「だめだよ!浮竹がいきなり生き返ったなんて知れたら、パニックだよ」

「いや、もう遅いから。地獄蝶飛ばしてしまった」

「ええ、なんだって!」

情報が広がるのは早い。

京楽は1番隊の隊首室で寝ていたのだが、浮竹もそこで寝ていたのだ。

まずは、どこから忍び込んできたのか、12番隊隊長の涅マユリが現れて、サンプルをとりないので時間が空いた時にでも12番隊に来るようにと言って、去って行った。

1番隊の執務室に場所を移すと、ルキアが恋次と一緒に赤子を抱いてやってきて、涙を零して浮竹に抱きついた。

「浮竹隊長ー!お姿が若いですが、隊長が生きてるなんて凄いです!」

「こらルキア、もっと丁寧に苺花を扱え」

「恋次のアホ!浮竹隊長が蘇ったのだぞ!ああでも、今は私が13番隊隊長をしているせいで、浮竹隊長の行く場所がない・・・・」

浮竹は、ルキアに抱き着かれて、困った顔をしていた。

「ルキアちゃん、浮竹は僕のものだから、返してね?」

「あ、すみません京楽総隊長!」

浮竹と京楽ができていたことは、尸魂界でも有名なことだった。

「霊圧は高いけど、院生時代のものだし、斬魄刀もないし、しばらくは僕の元で書類仕事を手伝ってもらおうと思ってる」

「おい、勝手に決めるな」

「だって、自由にしてもいいけど、暇でしょ?雨乾堂はもうないし」

「え、ないのか」

浮竹がびっくりしていた。

「君が死んで、壊して墓建てた」

「ううむ・・・行く当てもないか」

「だから、君は僕の傍にいてね。常に手の届くところに」

京楽の執着心は半端ではないようで、一度失った大切なものが戻ってきて、もう二度と手放すものかと、浮竹を見えない糸でがんじがらめにする。

「お前の傍か。不安なんだよな」

「とりあえず、後がつまってるから、ルキアちゃんも恋次君もまた今度で」

その後、日番谷や白哉、他の隊長副隊長と会って、話をした。


「はあ、疲れた。話を少しするだけのつもりが、もう夜だ」

「お腹すいたでしょ?」

「そうだな」

「僕の屋敷においで。今日はそこで泊まろう」

「分かった」

京楽は、浮竹を連れて今一番よく使っている屋敷に帰った。

地獄蝶を飛ばしておいたお陰で、二人分の食事の用意はされてあった。

「うわ、久しぶり食べる現代の食事・・・・・うまいな。地獄では、食べるという習慣自体なかったからな」

「山じいや卯ノ花隊長は元気にしてる?」

「ああ。よく稽古だといって斬り合っている。先生も卯ノ花隊長も元気だぞ」

「地獄に行ってまで、剣の稽古か。戦闘狂だな。流石は先代剣八」

京楽と浮竹はカニを食べた。

寒い季節になってきたから、温かい鍋は嬉しかった。

〆の雑炊までいただいて、浮竹と京楽は一緒に風呂に入った。

「その、あまりじろじろ見るな」

「どうして」

「俺の体はまだ訓練する前で、筋肉がほとんどない。お前の鍛え上げられた体をみていると、虚しくなる」

「君は、かわいいし綺麗だよ。いつもの君の姿もいいけれど、こうやって幼い君をまた見れるのはなにか、いけないことをしているようで、興奮するね」

「その、いけないことをしようとしているんだろう?」

「あ、ばれた?」

京楽のものは、腰にタオルを巻いているが、かちかちに勃っていた。

「院生時代の体だ。お前のものに慣れていない。あまり、無茶をさせるなよ」

「分かってるよ・・・・さっきのうちに、ネットでローション買ったんだよね」

ローションを用意していた京楽に、浮竹は開いた口が塞がらない。

「お前は・・・はぁ、もういい。抱くなら、抱け」

「抱くよ。君は僕のものだ。その体にはまだ触れたことがないから、大事にはするけど」

ゆっくりと味わうように、口づけを交わしていく。だんだん激しいものに変わり、つっと銀の糸が垂れた。

「あっ」

「かんじるところは、同じなんだ」

風呂場で、声が響く。

「やっ」

京楽の手で、翻弄される。

「ああああ!!」

京楽が、勃ちあがった浮竹のものを口に含み、舐めあげてしごいていると、浮竹は京楽の口の中に精液を放っていた。

「ひあああ!!」

ローションまみれの指が、体内に入ってくる。

「あ、春水・・・・・」

「大好きだよ、十四郎。君をまたこの手で抱けるなんて、夢みたいだ」

「あ!」

こりっと刺激の弱い部分を指で何度かいじり、京楽の指は去って行った。

「いれるけど、大丈夫かな?君の体、幼いし・・・・・・」

「別にいい。こい」

「ん、いくよ」

「ひあああああああ!!!」

浮竹は十年ぶり以上に引き裂かれる熱と、その痛みに涙を零す。

その涙を吸い取りながら、京楽はゆっくり解した浮竹の蕾へと、自分のものを収めていく。

「んん・・・・」

しばらく動かず、大きさに慣れるまで口づけあった。

「あ、もう、動いていいぞ」

「うん」

ずちゅりと、中を京楽が犯していく。

その体は処女らしく、浮竹今までの体との違いに戸惑いながらも、京楽を受け入れた。

「ひあああああ!!」

最奥を突きあげられて、オーガズムで達した。

まるで、昔に戻った気分になる。

若い分、体は正直だし性欲も旺盛なようで、浮竹は熱を放った。

「君からみたら、僕はおじさんだね」

「そうかもな。でも、俺も中身はおじさんだからな」

クスリと笑い合う。

「ああああ!!」

最奥を貫かれて、揺さぶられ、抉られて、浮竹はオーガズムでいきながら、生きているという喜びを噛みしめた。

「んあ・・・・」

ぱちゅんぱちゅんと音をたてて、京楽のものが出入りする。

何度か、京楽は浮竹の胎の奥で熱をはじけさせる。

「あ、もっと、もっとぐずぐずになるまで、俺を犯せ」

湯船の中に入りながら、交わった。

「あ、溶ける・・・・・」

お湯が体内に入ってくる。

京楽はあくまで浮竹の欲を満たすように動く。

「あ、いっちゃう、いっちゃう」

「何度でもいっていいよ。君がとろとろになるその顔をが好きだよ」

「ああああ!!」

浮竹は精液を湯船の中で放っていた。

「やああああああ!!」

京楽の熱が、体内の奥深くで弾けるのが分かった。

「あああ・・・・・」

浮竹は、ぐずぐずに溶けていく。

京楽と一緒に。

後始末と言われて湯船の中で、中に出したものをかき出されている時も。オーガズムでいってしまっていた。

「もう、煽らないでよ。もう、出せないよ」

「仕方ないだろう。体は処女なのに、俺という精神を宿しているせいで我ながら淫乱なんだから」

「ねえ、十四郎」

「なんだ、春水」

「いなく、ならないでね。これが今日だけのできごとだたってことに、しないでね?」

「俺も、それは分からない。いつこの体がこの時代から消えるのかも消えないのかも、何も分からない」

浮竹と京楽は口づけた。

「消えないって、約束して」

「ああ、約束しよう」

指切りをして、風呂で体を髪を洗い、出てから互いに水分を拭き取りあって、その日は眠った。

朝起きると、浮竹の姿はまだあった。

それに安心して、京楽は浮竹の額にキスをする。

「君を、もう一f度手に入れた・・・・・・」

もう、離さない。

そう京楽は思うのだった。

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