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浮竹死んだけど幽霊です憑いてます10 甘味屋大食い選手権

「今度、壬生の甘味屋で、大食い選手権があるんだ」

そう、浮竹は切りだしてきた。

「それがどうしたの?」

「その選手権に出たいんだ!協力してくれ、京楽!」

「ええっ!」

かくして、甘味屋大食い選手権に、京楽に憑いた浮竹が出ることとなったのであった。


大食い選手権の当日。

ただで食べれて、その上優勝者には賞金がでるということで、たくさんの参加者がいた。

だが、まずはおはぎの食べ放題で、選手は振り分けられた。

次々とギブアップしていく選手の中に、浮竹はいない。体を透けさせたまま、幽霊の状態でさっささっとおはぎを食べていく。

「そこまでですーー!」

残ったのは10人の選手だった。その中には浮竹もいた。

「なんと、今回はあの大戦で亡くなられたのに、幽霊として復活した浮竹十四郎選手がいます!」

京楽に憑いているので、隣には当たり前のように京楽がいた。

その二人の純愛を思って、女性観客からは黄色い声が送られてくる。

そんな女性観客にひらひらを手を振って、浮竹はいざ大食い選手権本番に挑むこととなった。

次の甘味物は白玉餡蜜だった。

浮竹は、さっさっと消して食べていく。

本当なら、もうお腹いっぱいといいそうなのに、幽霊だからか、次々と食べていった。

「そこまででーす!」

4人にまで、選手は絞られた。

まだ浮竹はいた。

「浮竹選手、幽霊であるだけ底なしか!?」

キャーキャーという黄色い声に手をふりながら、いざ、最終決戦へ。

ぜんざいだった。

浮竹はさっさっと食べていく。

だが、他の選手も負けていない。

浮竹が、食べるのに時間がかかりだした。

ぜんざいが、少しだけ減る。

既に2名はギブアップしていて、一騎打ちだった。

「もうだめだ・・・・・ぷはぁ。もう無理。幽霊としてのエネルギーに返還して食べてたけど、俺はここまでのようだ」

「おーっと、ここで浮竹選手ギブアップ宣言!優勝は、原口選手になります!」

原口選手は、100万の金を手に入れた。

「いい戦いだった・・・・おっと、幽霊だから握手はできないか」

「そんなことないぞ」

手だけを実体化させて、驚く相手を気にしもせず、握手をした。

「すまない、京楽。せっかく選手権に出してもらったのに、負けてしまった」

「それにしても食べたねぇ。10人分は食べたんじゃないかい」

「幽霊として存在するエネルギーに変換しまくっていたが、リミットまで溜まってしまったようだ。この様子だと1日くたい実体化できそうだな」

その言葉に、京楽がごくりと唾を飲み込んだ。

「いっとくが、セックスはしないからな!」

「ちぇっ」

「あ、浮竹選手。2位の賞金があります」

「え、2位でも賞金でるのか?」

「はい。30万になります」

「ありがとう」

京楽が、代わりに受け取った。

「この30万、何に使おう?」

「甘味屋で使えばいいんじゃない?」

「それもそうだな」

こうして、浮竹の甘味屋大食い選手権は、幕を閉じたのだった。

次の日、浮竹は1日だけ実体化をした。

京楽と睦みあうことなく、ただだ抱擁してキスを交わし、一緒のベッドで抱き締めあいながrた眠った。

実体化した浮竹は、普通に食べる。そして、湯浴みをした。

「ああ、このさっぱり感、幽霊の時じゃあ感じられない。きもちいい」

「もっと気持ちよくならない?」

尻を触ってくる京楽の手をつねる。

「あいた」

「今回はお預けだ。今度1日実体化した時に、抱かせてやる」

「本当に?約束だよ」

ベッドの上に押し倒された。

口づけがふってくる。

「ううん・・・・・」

ぴちゃりと舌が絡まるキスを何度も繰り返し、抱き締めあった。

「やはり、生身はいいな。お前と触れることができる」

「いっそのこと、ずっと実体化すればいいのにね」

「それじゃあ、生き返ったみたいだろう。ああ、そろそろ時切れだ」

すーっと、浮竹の体が透けていく。

「次に1日実体化できるのは、来月くらいかな。食事をたくさんして、幽霊エネルギーをためないと」

幽霊エネルギーの溜まり具合と、直接浴びている京楽の霊圧のお陰で実体化できるのだ。

「抱くのは、今度な」

「約束だからね」

京楽は、浮竹が実体化できない時、浮竹を喘がせて、一人エッチをして抜いていた。

でも、浮竹が1時間とか1日とか実体化できるようになり、抱けるよになって、一人エッチの回数も減った。

「君が来月に抱けるまで、我慢できそうにないから、ちょっと抜くよ。喘ぎ声、お願い」

「京楽!言っとくが、一人で喘ぐのがとても恥ずかしいだぞ」

「でも、僕のためならしてくれるんでしょ?」

浮竹は言葉を失って、真っ赤になった。

「ああん、京楽、いい!」

「いいねぇ、その調子で」

「ああああ!京楽・・・・・・春水、愛してる、あああ、ひあああ!」

「もう少しで終わるから、頑張って」

「あ、春水がまた硬く・・・・ああん、いい、そこいい、もっとぐちゃぐちゃにして」

「ん・・・・・」

京楽は、ティッシュの中に欲望を2回ほどはきだいした。

「もういいか?」

「うん。満足した。それにしても、浮竹、その芝居で食べていけるんじゃない!」

「あほ!」

手だけ実体可して、ぽかりと京楽の頭を殴った。

「冗談だよ」

「ふん」

すねた恋人の機嫌を直すためあれやこれやするのだが、結局おはぎを食べさせたら、浮竹の機嫌はあっさりと直るのだった。

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