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浮竹死んだけど幽霊です憑いてます23 バニーヘアバンド

正月もそろそろ終わりだった。

「今年は兎年だねぇ」

「だからって、これはなんだ」

バニーヘアバンドがあった。

それを見て、京楽がにんまりと笑った。

「つけてくれるよね?つけてくれないと、手袋つけて悪戯するよ」

霊体を触れるという特殊な手袋を、12番隊で開発してもらい、それでよく実体化できない時とか髪を結われたりした。

「お前の場合、悪戯で済まないから性質が悪い」

浮竹は、実体化するとバニーヘアバンドをつけた。

「これでいいのか」

「ああ、浮竹かわいいねぇ」

思い切り抱き着かれた。

ベッドに腰かけて、京楽の膝の上に座らされる。

「言っとくが、10分くらいしか実体化できないぞ」

「十分だよ」

浮竹の柔らかな髪に手を伸ばす。

頭を撫でて、口づけられた。

「んん・・・ふあっ・・・」

最初は触れるだけ。次に舌が絡まるほど深く。

「ああっ・・・・」

衣服の上から体をまさぐられる。

「変なことするな!」

ぽかりと、京楽の頭を殴る浮竹。

「でゅふふふふふ」

気味の悪い笑い声を浮かべる京楽。

やがて10分が経って、浮竹は透けてしまった。

「さぁ、新年の挨拶に出かけるよ」

「え、この格好のままでか?」

「そうだよ。そのためにつけてもらったんだから」

「お前は~~~~」

殴ろうにも、霊体なので殴れなかった。

そのまま、1番隊の副官である七緒に挨拶する。

「新年あけましておめでとう。今年もよろしくね」

「あけましておめでとう。今年もよろしく」

七緒はぽかんとした顔をしていたが、新年の挨拶を返す、

「あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いいたします・・・そのバニーヘアバンドは、京楽総隊長のせいですね?ご迷惑をおかけいたします」

「いやいや、伊勢のせいではないからいいんだ」

そのまま、次は6番隊の白哉のところにいく。

「新年あけましておめでとう。今年もよろしくね」

「あけましておめでとう。今年もよろしく」

「あけましておめでとう。浮竹、似合っているぞ」

「あ、白哉・・・なんか恥ずかしいな、こういうの」

浮竹は、照れていた。

「かわいいでしょー。でもあげないもんねー」

「浮竹はものではないのだ」

正論を言われて、京楽は舌を出した。

「実体化しても触っていいのは僕だけなんだからね」

「実体化できるのか?」

「ああ、あまり長いことは無理だが・・・」

「そうか。まぁ京楽総隊長もほどほどにな」

睦み事のことを言われて、浮竹は真っ赤になった。

次に訪れたのは10番隊の日番谷のところだった。

「新年あけましておめでとう。今年もよろしくね」

「あけましておめでとう。今年もよろしく」

「ああ、あけおめ。浮竹・・・お前は新年そうそう、京楽のおもちゃにされて大変だな」

「もっと言ってやってくれ、日番谷隊長」

「まぁ、ほどほどにな」

白哉と同じよなことを言われた。

最後に訪れたのは、13番隊。ルキアのところだった。

ルキアは、夫となった恋次と一緒にいた。

「新年あけましておめでとう。今年もよろしくね」

「あけましておめでとう。今年もよろしく」

「あ、隊長あけましておめでとうございます。今年もよろしくです」

「京楽総隊長・・・この浮竹隊長の耳のやつ、スペアないですか」

「あるよ」

浮竹とルキアが和やかに話し込んでいる裏で、恋次と京楽はこそこそとやりとりをする。

「君も、ルキアちゃんにつけさせたいんでしょ?」

「そうです。かわいいですね、あれ」

「ここにスペアがある。もっていくといいよ」

「ありがとございます、京楽総隊長」

恋次は、早速ルキアを呼んだ。

「おい、ルキア」

「なんだ、恋次」

「これ、つけてくれ」

「これは・・・浮竹隊長とお揃いか!つける!」

お揃いといつことに少しカチンときたが、バニーヘアバンドをつけたルキアは可愛かった。

「お、朽木似合ってるぞ。お揃いだな」

「浮竹隊長こそ似合ってます」

二人は、和やかに笑んでいた。

その二人を、京楽も恋次も、ほんわかとした態度で見守っていた。

「ルキア、今日1日その恰好でいてくれ」

「まぁいいが・・・」

「浮竹は、しばらくそのままね」

「おい、京楽・・・・・・」

「せっかく買ったのに、1日だけとか勿体ないでしょ。だから、つけておいてよ」

「仕方ないなぁ・・・」

今年は兎年。

バニーヘアバンドは少し恥ずかしいが、この程度のコスプレなら許容範囲だ。

さすがの京楽もバニーガールの恰好をしろとは言わないだろう。そんな恰好したら、ただの変態だ。

「いやねぇ、はじめはバニーガールの恰好してもらおうと用意しておいたんだけど、君のことだから絶対着てくれないと思って、バニーヘアバンドだけにしたんだよ」

「当たり前だ!誰がバニーガールの恰好なんかするか!ただの変態だろ、それは!」

「ちゃんと、半ズボンにしておいたし、それほど変態ちっくな格好じゃないんだけどなぁ」

「それでもいやだ!」

「やっぱりねぇ」

京楽は落ちこむが、断固として着ないと浮竹は口にする。

「絶対に着ない。着せようとしたら、1か月禁欲の刑だ」

「ああ、それは困る。仕方ない、処分するか」

鬼道でぼっと火をつけて、その場で京楽は燃やしてしまった。

「何も、鬼道で焼かなくとも・・・・」

「だって、こうでもしないと君が実体化した時着せちゃうよ」

「焼け!もっと派手に焼け!消し炭にしてしまえ!」

浮竹の切り替わりの速さに、苦笑しながらも、今年の正月も終わりを迎えようようといしていた。





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