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血と聖水の名において 最終章

京楽が浮竹の花嫁になって、50年が経った。

いろいろあった。

父のレイモンドが皇帝の座を狙う藍染を殺し、レイモンドは黒崎一護に皇帝の座を譲り、妻であるブリュンヒルデと仲良く隠居生活を送っている。

京楽の変態が、ある日ぱったりとなくなった。

最初は大騒ぎだったが、次第に慣れて、京楽は紳士となっていた。

「浮竹、おはよう」

「ああ、おはよう京楽」

今日も、何気ない一日が始まる。


ドラゴンサモナーの浮竹は、パートナードラゴンの京楽と共に、一緒に静かに暮らせる場所を精霊界で見つけて、今は精霊界に住んでいる。

時おり、浮竹と京楽の元にやってきては、泊まってまた帰っていく。

『それにしても不思議だねぇ。神父のボクがある日まともになるなんて』

『まともになっても、俺は嫌いだがな』

『わお、十四郎毒舌』

『春水だって、まともになった神父の京楽を散々からかっただろう』

『まぁねぇ』

ドラゴンサモナーの浮竹は、京楽のいれた紅茶を飲む。

隣では、浮竹が京楽と穏やかに話をして笑っていた。

「京楽が、まともになって40年くらいになるな」

「そう?ボクはずっとまともだった気がする」

「いいや、お前はすぐ全裸になってしっぽりしようと襲いかかってきたり、盗んだ俺のパンツをを‥‥‥」

「やめてよ。人生の汚点は聞きたくない」

「ほんと、なんでこんなにまともになったんだろうな?」

「花嫁になってヴァンパイアになってちょっとしてからまともになったみたいだよね、ボク。ヴァンパイア化が影響してるのかも」

「魔女の薬でもだめだったのにな?」

浮竹が、京楽から紅茶のおかわりをもらう。

「今のボクじゃ不満かい?」

「いいや。まぁ、確かに騒がしくなくなったのは寂しいが、京楽がまともなほうがいい」

浮竹は、ドラゴンサモナーの浮竹が手をわしゃわしゃしているのを見た。

『ああ、昔のように燃やしたい‥‥‥』

「なんで!ボク、なんにもしてないよ!」

『いや、昔の癖でな』

『ほら、十四郎もそんな物騒なこと言ってないで、仲良くしよう?』

『昔の名残で、まだ苦手なんだ』

「昔はごめんね、浮竹と間違って襲ったりして」

『こんな風に謝られるから、調子が狂う。ああ、焼き焦がしたい』

『我慢だよ、我慢』

『ああ‥‥‥‥』


「血の帝国ブラッディアは、皇帝が黒崎一護になって藍染が死んで、大分変わった。平和な国になった。人間の奴隷化も禁止されて、人を襲うヴァンパイアの数は減ったが、まだ根絶はできないな。まぁ、いなくなったら俺たちヴァンパイアハンターがやっていけなくなるからな」

浮竹は、ハンターギルドから依頼のあったヴァンパイアを倒して、灰を提出して報酬金をもらったばかりであった。

今では錬金術師としてのほうが有名で、ハンター稼業は主に京楽に任せていた。

たまに、浮竹もヴァンパイアハンターとして働く。

ランクはS級になっていたが、S級も分類化されて、浮竹はSSS、京楽はSSになっていた。

「二人は、今日も泊まりかい?」

京楽が、夕飯を作るためにドラゴンサモナーの浮竹とパートナードラゴンの京楽を見る。

『3日ほど、泊まっていい?』

「ああ、いいぞ」

「3日か‥‥‥‥食料、買い出しに行かなきゃ」

「京楽、ついでにフェンリル用のキャットフード買ってきてくれ」

「フェンリルって、狼のクセにキャットフード食べるんだよねぇ」

「悪いかにゃ!」

浮竹に召喚されっぱなしのフェンリルが、文句を言う。

「ボクはグルメなんだにゃ。ドッグフードはまずいんだにゃ」

「はいはい。買ってきてあげるから、大人しく待っててね」

「にゃーん」

浮竹たちは、京楽を見送る。


「ああ、平和だなぁ」

浮竹は、変態だった京楽を少しだけ懐かしみつつ、紅茶を飲む。

ドラゴンサモナーの浮竹とパートナードラゴンの京楽は、探し求めていた安住の地を手に入れた。

浮竹も京楽も、静かな日々を手に入れた。


それがずっとずっと長く続けばいいのにと思うのであった。



                
        血と聖水の名において THE END










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