黒猫と白猫の亜人10
猫神祭も終わり、平穏な毎日がやってくる。
神子と呼ばれていた浮竹も、ただの猫の亜人として扱われる。
京楽と一緒に、市場を散歩していると、たくさんの猫に囲まれている魔王の浮竹を発見してしまう。
『おおい、また会ったな?』
「猫、いっぽいるな?」
「白哉君のとろこの猫も混じってるね」
『俺は動物に好かれやすいんだ。だから、猫も集まってくる』
魔王の浮竹の近くには、幽鬼の京楽がいた。
猫たちは幽鬼の京楽を怖がり、近づかない。
『ボクは、禍々しい魔力をもっているからね。動物に好かれないんだよ』
「確かに、ピリピリした気配がするが、俺は嫌いじゃないぞ?」
浮竹が、幽鬼の京楽に近寄る。
幽鬼の京楽は、しばらくぼーっとしていたが、ふと浮竹の白猫の耳をもふる。
「わ、びっくりした」
『やっぱ、本物なんだね』
「当り前だろう。猫の亜人なんだから」
『猫の姿になれる?』
「なれるが。ほら」
浮竹は猫になった。
それを、幽鬼の京楽が抱き上げて、抱っこした。
『温かいね』
「猫を抱きたかったのか?」
『うん』
『京楽は、花に好かれるが動物には嫌われるんだ。逆に俺は花を枯らし、動物には好かれる』
「ふ~ん」
京楽が、幽鬼の自分から浮竹の体を抱き上げる。
「浮竹はボクのものだから」
『そうかい。ごめんね。猫をいっぱい触ってみたかったから。浮竹が羨ましいんだよね』
「ああもう、そんなに猫をもふりたいなら‥‥‥…」
京楽は、魔法で音声を届けて、恋次を呼び出した。
「え。浮竹さんと京楽さんが二人!?」
びっくりしている恋次を猫の姿にすると、幽鬼の京楽に押し付ける。
「この子、思いっきりもふっていいから」
「ちょ、なんなんすか!もぎゃあああああああ」
恋次を生贄にした。
でも、幽鬼の京楽は。
『この子、なんか嫌。抱くなら黒猫のボクか白猫の浮竹がいい」
そう文句を言う。
魔王の浮竹と幽鬼の京楽は、遊びにきてちょっと会いたかっただけだからと、去ってしまった。
「うう、もうお嫁にいけない」
「誰の嫁にいくつもりだったんだ」
「もちろん、白哉さんっすよ」
「白哉が嫁ではないんだな?」
「あ、白哉さんが嫁です!」
「あほいってないで、散歩の続きしよ、浮竹。恋次君は消えていいよ」
「俺の扱い酷くないっすか!?」
恋次が涙目でいじける。
「後でねずみとって、君にあげるから」
「俺は本物の猫じゃないっすよ!ねずみなんて食えません!」
恋次をからかってから、京楽も猫の姿になると、集まっていた猫に挨拶してから、浮竹と一緒に市場に消えていく。
市場では、新鮮な魚、果物、野菜、肉、加工食品といった食べものから、衣服やアクセサリーといったいろんなものが売っていた。
ふと、浮竹がアクセサリー店で足を止める。
店の主人は、猫の浮竹が純金の首輪で亜人の証でもある記章をつているのを目ざとく見つけ、声をかけてくる。
「朽木様んとこの猫の亜人だね?猫用のアクセサリーもあるよ。お代は朽木様からもらうから、買っていかないかい?」
「じゃあ、この金の鈴を」
京楽が、店の主にそういうと、店の主は喜んで金の鈴を浮竹の首輪につけた。
「お代はボクが払うよ」
黒猫姿のまま、京楽は首にかけてあった財布を店の主人に見せる。星金貨がつまっていた。
「1枚とっていいよ」
「お、おつりはいくらいりますか?」
「おつりはいらないよ。浮竹にいいものつけてくれたお礼にとっておきなよ」
「ま、毎度あり!さすが朽木様のとこの猫だ。羽振りがいい」
そう上機嫌な店の主を見てから、浮竹と京楽は市場の散歩を続ける。
「あ、あの串焼きうまそう」
「待ってて。買ってくるから」
京楽は、ツケで串焼きを買ってきて、猫の姿のまま浮竹と分け合った。
「あーんあーん」
「ちっ、また貧民街のガキか。おら、てめぇのような貧乏人に売る串焼きはねぇぞ!」
「おなかすいたよう」
泣いている子供があまりにも哀れだったので、京楽はツケで串焼きを買うと子供に与えた。
「これ、くれるの、猫ちゃん」
「にゃあ」
「ありがとう!」
京楽も浮竹も、ただの猫のふりをした。
子供は串焼きを頬張って、手を振りながら貧民街のほうへ去っていく。
「猫の亜人のだんな。あんな子供にえさなんてやるべきじゃねぇですぜ。あいつら、徒党を組んで堂々と盗みしてきやがる」
「白哉君のもってる教会の炊き出しは?」
「そんなもの、雀の涙っすよ。貧民の全員にいきわたるはずがねえ」
貧民街の問題は、山積みのようだった。
「白哉君は、性格上から貧民の全てに渡るよう炊き出しをしてるはずだよね」
「そうだと思う」
「教会の誰かが、お金をねこばばして、炊き出しをしていない可能性があるね」
「見に行こう。炊き出しの現場を」
浮竹と京楽は、貧民街に向かう。
炊き出しに行列が並んでいたが、全員の分はなさそうであった。
教会の中を出入りしても、猫なのであやしまれない。
人の目につかないように動くので。
「ここ‥‥‥金貨がこんなにある」
「教会の不正だね。白哉君に知らせよう」
その後、二人は猫の姿のまま白哉の家にいき、人の姿になって教会の炊き出しの件について報告すると、白哉はすぐに動いてくれた。
「京楽、浮竹、兄らのお陰で助かった。教会の神父の一人が金だけせしめて、炊き出しを行っていなかったのが発覚した。鞭打ちの刑のあと、財産を全て没収した」
その神父は、貧民街に住むことになる。
不正を見つけてしまった浮竹と京楽を恨み、その後事件を引き起こすのだった。
神子と呼ばれていた浮竹も、ただの猫の亜人として扱われる。
京楽と一緒に、市場を散歩していると、たくさんの猫に囲まれている魔王の浮竹を発見してしまう。
『おおい、また会ったな?』
「猫、いっぽいるな?」
「白哉君のとろこの猫も混じってるね」
『俺は動物に好かれやすいんだ。だから、猫も集まってくる』
魔王の浮竹の近くには、幽鬼の京楽がいた。
猫たちは幽鬼の京楽を怖がり、近づかない。
『ボクは、禍々しい魔力をもっているからね。動物に好かれないんだよ』
「確かに、ピリピリした気配がするが、俺は嫌いじゃないぞ?」
浮竹が、幽鬼の京楽に近寄る。
幽鬼の京楽は、しばらくぼーっとしていたが、ふと浮竹の白猫の耳をもふる。
「わ、びっくりした」
『やっぱ、本物なんだね』
「当り前だろう。猫の亜人なんだから」
『猫の姿になれる?』
「なれるが。ほら」
浮竹は猫になった。
それを、幽鬼の京楽が抱き上げて、抱っこした。
『温かいね』
「猫を抱きたかったのか?」
『うん』
『京楽は、花に好かれるが動物には嫌われるんだ。逆に俺は花を枯らし、動物には好かれる』
「ふ~ん」
京楽が、幽鬼の自分から浮竹の体を抱き上げる。
「浮竹はボクのものだから」
『そうかい。ごめんね。猫をいっぱい触ってみたかったから。浮竹が羨ましいんだよね』
「ああもう、そんなに猫をもふりたいなら‥‥‥…」
京楽は、魔法で音声を届けて、恋次を呼び出した。
「え。浮竹さんと京楽さんが二人!?」
びっくりしている恋次を猫の姿にすると、幽鬼の京楽に押し付ける。
「この子、思いっきりもふっていいから」
「ちょ、なんなんすか!もぎゃあああああああ」
恋次を生贄にした。
でも、幽鬼の京楽は。
『この子、なんか嫌。抱くなら黒猫のボクか白猫の浮竹がいい」
そう文句を言う。
魔王の浮竹と幽鬼の京楽は、遊びにきてちょっと会いたかっただけだからと、去ってしまった。
「うう、もうお嫁にいけない」
「誰の嫁にいくつもりだったんだ」
「もちろん、白哉さんっすよ」
「白哉が嫁ではないんだな?」
「あ、白哉さんが嫁です!」
「あほいってないで、散歩の続きしよ、浮竹。恋次君は消えていいよ」
「俺の扱い酷くないっすか!?」
恋次が涙目でいじける。
「後でねずみとって、君にあげるから」
「俺は本物の猫じゃないっすよ!ねずみなんて食えません!」
恋次をからかってから、京楽も猫の姿になると、集まっていた猫に挨拶してから、浮竹と一緒に市場に消えていく。
市場では、新鮮な魚、果物、野菜、肉、加工食品といった食べものから、衣服やアクセサリーといったいろんなものが売っていた。
ふと、浮竹がアクセサリー店で足を止める。
店の主人は、猫の浮竹が純金の首輪で亜人の証でもある記章をつているのを目ざとく見つけ、声をかけてくる。
「朽木様んとこの猫の亜人だね?猫用のアクセサリーもあるよ。お代は朽木様からもらうから、買っていかないかい?」
「じゃあ、この金の鈴を」
京楽が、店の主にそういうと、店の主は喜んで金の鈴を浮竹の首輪につけた。
「お代はボクが払うよ」
黒猫姿のまま、京楽は首にかけてあった財布を店の主人に見せる。星金貨がつまっていた。
「1枚とっていいよ」
「お、おつりはいくらいりますか?」
「おつりはいらないよ。浮竹にいいものつけてくれたお礼にとっておきなよ」
「ま、毎度あり!さすが朽木様のとこの猫だ。羽振りがいい」
そう上機嫌な店の主を見てから、浮竹と京楽は市場の散歩を続ける。
「あ、あの串焼きうまそう」
「待ってて。買ってくるから」
京楽は、ツケで串焼きを買ってきて、猫の姿のまま浮竹と分け合った。
「あーんあーん」
「ちっ、また貧民街のガキか。おら、てめぇのような貧乏人に売る串焼きはねぇぞ!」
「おなかすいたよう」
泣いている子供があまりにも哀れだったので、京楽はツケで串焼きを買うと子供に与えた。
「これ、くれるの、猫ちゃん」
「にゃあ」
「ありがとう!」
京楽も浮竹も、ただの猫のふりをした。
子供は串焼きを頬張って、手を振りながら貧民街のほうへ去っていく。
「猫の亜人のだんな。あんな子供にえさなんてやるべきじゃねぇですぜ。あいつら、徒党を組んで堂々と盗みしてきやがる」
「白哉君のもってる教会の炊き出しは?」
「そんなもの、雀の涙っすよ。貧民の全員にいきわたるはずがねえ」
貧民街の問題は、山積みのようだった。
「白哉君は、性格上から貧民の全てに渡るよう炊き出しをしてるはずだよね」
「そうだと思う」
「教会の誰かが、お金をねこばばして、炊き出しをしていない可能性があるね」
「見に行こう。炊き出しの現場を」
浮竹と京楽は、貧民街に向かう。
炊き出しに行列が並んでいたが、全員の分はなさそうであった。
教会の中を出入りしても、猫なのであやしまれない。
人の目につかないように動くので。
「ここ‥‥‥金貨がこんなにある」
「教会の不正だね。白哉君に知らせよう」
その後、二人は猫の姿のまま白哉の家にいき、人の姿になって教会の炊き出しの件について報告すると、白哉はすぐに動いてくれた。
「京楽、浮竹、兄らのお陰で助かった。教会の神父の一人が金だけせしめて、炊き出しを行っていなかったのが発覚した。鞭打ちの刑のあと、財産を全て没収した」
その神父は、貧民街に住むことになる。
不正を見つけてしまった浮竹と京楽を恨み、その後事件を引き起こすのだった。
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