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黒猫と白猫の亜人35

「温水プールを作ってみたのだ。普段は一般市民に開放しようと思っている」

白哉の言葉で、通りで工事が長い間続いてるのだと京楽と浮竹は思った。

「ただで解放するわけじゃないんでしょ?」

「うむ。1回銀貨1枚ほどとろうと思っている」

一般の公式浴場が1回銅貨8枚くらいなので、妥当な値段とは思われた。

「やっほー。冬でも泳げる」

恋次が、猫の姿になり、温水プールに浮き輪を使って入る。

「恋次の浮き輪、いつ見ても不気味だ」

「白哉さん、かっこいいでしょ?俺の顔の柄の浮き輪」

赤い髪の恋次の顔が柄になっている浮き輪は、見た目からしてださかった。

「かっこ悪いね」

「かっこ悪いな」

「でも、浮竹も猫用の浮き輪してるけど、肉球柄でかわいいね?」

なぜか、浮竹と京楽も泳いでいるが、猫の姿でだった。

浮竹は、可愛いと言われて照れて、浮き輪に爪をたててしまうが、その程度では破れない素材でできており、浮竹は京楽っと一緒にスイスイ泳いでいた。

「がはははは!泳ぎとは我のためにあるようなもの!」

サタンが、プールに飛び込んで、溺れて白哉に救出されていた。

「サタン君、泳げないならプールの水場には近づかないほがいいよ?」

「うぬう。悪魔であった頃の我は泳ぎが得意だったのだ!」

「でも、今は猫だし、悪魔とは違うよ?」

「うぬう。でも、泳ぎたい」

「サタン、猫用の浮き輪があるのだ。使ってみるか?」

「うむ、苦しゅうないぞ」

白哉に猫用の浮き輪をすすめられて、着用してプールに飛び込むと、溺れることなく浮けた。

「うむ、これはよい」

「サタン、よかったな?」

浮竹が、同じように浮き輪をつけているので、サタンは競泳したいと言い出す。

「浮竹、京楽、それに恋次とやら。誰が一番速く泳げるか競争しようではないか」

「いいよ?」

京楽は、あっさりと許可した。

白哉の許可ももらって、25メートルを一番誰が早く泳げるかを競うことになった。

1位は、京楽だった。2位サタン、3位浮竹、4位は恋次ですごく遅かった。

「びゃ、白哉さん見てくれましたか、俺の華麗なる泳ぎを!」

「兄のは、溺れていたのではなかったのか」

その言葉に、恋次はがっくりと項垂れる。

「京楽さん、泳ぎを教えてください!」

「はえ?べ、別にいいけど」

その日から、恋次は泳ぎの特訓をして、浮き輪なしでも泳げるようになっていた。

再び、浮竹、京楽、サタンと泳ぎを競いあうことにして、恋次が1位になった。

「やったぁ!白哉さん、1位になりました!」

「うむ。よかったな」

「え、それだけですか。熱い抱擁と口づけは!?」

「そんなもの、ないに決まっているであろう」

白哉はやや赤くなって、違う方角を見る。

そんな白哉を、猫から人の姿になった恋次が、水の中から手を伸ばして白哉を水の中に入れる。

「恋次!衣服のままで入るものではない」

「細かいこと、いいじゃないですか」

恋次の着ていた神官服も濡れて肌に張り付いていた。

白哉は、体のラインが浮き彫りになるが嫌で、早々に水からあがった。

「ああ、白哉さんがいろっぽい」

恋次は、白哉の後をついていく。

「浮竹、サタン君、もっと泳ごうよ」

「俺は昼寝したい」

「我も我が子たちと時間を共にしたい」

そう言って、温水プールには京楽が一人というか一匹だけ取り残された。

「せっかく泳げるのに」

浮竹が、人の姿で水着姿になってまたやってきた。

「京楽、人の姿で泳ごう」

「あ、うん。ボクも、水着に着替えてくるね?」

浮竹と京楽は、ビーチボールを使ったりして遊んだ。

その日の夜、浮竹と京楽は温水プールができたと、魔王城まで遊びがてらに報告にくる。

『それなら、俺が経営しているプールがあるぞ』

魔王の浮竹が、プールを経営していると言って、浮竹と京楽は驚いた。

『白哉君とこと同じ、温水プールだったよね、浮竹』

『ああ、そうだ。どんな身分の者も使えるプールだぞ?』

「白哉君も、一般市民に開放するとは言っていたけど、多分貴族の客が多くなりそうだよね」

「そうだな。今度からもしも貴族とかに占領されている時は、魔王の俺の運営する温水プールで泳ぐか」

『お、それなら俺たちも泳ぎに行くぞ?』

『みんなでプールも、悪くないかもね?』

「俺は浮き輪がいるけど」

「泳ぎ、ボクが教えてあげるから」

『泳げるようになる、マジックアイテムならあるぞ?指輪状のやつ。お風呂場でも泳ぎ出そうとする、呪いかかってるけど』

「使えない」

『確かに、使えないマジックアイテムだよね。でも、ボクたちは呪いとかにはかからないから。まぁ、なんかの遺跡で出土して、献上された品だけど、呪いがあるせいで手元にあるかんじかな』

「じゃあ、今度そのプールで泳ごう。俺と京楽は猫の姿でだけど」

浮竹がそう言うと、魔王の浮竹が首を傾げる。

『何故に猫の姿で』

「猫の姿のほうが、泳ぎが得意なんだ。だから」

『分かった。その時は、プールは貸し切りにするな?』

「ありがとう、魔王の俺!」

浮竹は、魔王の自分に抱きつく。

魔王の浮竹は、和んだ瞳でそれを受け入れて、京楽がべりっとはがして、浮竹の頭を撫でる。

「あんまり、ボク以外に抱きつかないでね?」

「え、あ、うん」

京楽の嫉妬などかわいいものなので、魔王の浮竹も幽鬼の京楽も気に留めないのであった。

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