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黒猫と白猫の亜人5

「白哉、京楽を見なかったか?」

「いや、見ていないが」

昨日から、京楽の姿がなかった。

どこを探しても見つからず、浮竹は不安になる。

「京楽、俺に何も言わずいなくなるはずないんだけどな」



一方の、京楽は。

「あちゃあ、しくったね」

黒ミサをする連中に、捕まっていた。

純金の四大貴族の白哉のものだという首輪をしているにも関わらず、京楽に手を出してきた。

「サタン様に捧げる贄だ。丁重に扱うように」

黒猫姿であったが、すでに黒猫の亜人だとばれている。

黒猫の亜人の臓物は、黒ミサに使うと効果があるとされている。迷信なのに、京楽を捕まえた連中は信じていた。

「ほんとは、人は傷つけたくないんだけど。ウィンドカッター」

京楽は、檻を壊すと風の魔法で次々と黒ミサのサタン信者たちを倒していく。

「待て。サタン様の贄に‥‥」

「ファイアランス」

浮竹の後ろ脚を掴んだサタン信者を、とどめとばかりに火の槍で貫くと、男は黒焦げになり、しばらく痙攣していたが動かなくなった。

「さて、帰るか」

京楽は、白哉の家に帰ると浮竹が人の姿で抱きついてきた。

「京楽、よかった。帰ってこなかったから、何かあるかと思って‥‥‥これは血?けがをしていのか!?」

「ううん。サタン信者に捕まって、黒ミサに臓物を捧げられそうになっただけ」

その言葉に、白哉が秀麗な顔をしかめる。

「場所は覚えているか?」

「うん。市場を通って‥‥‥」

場所を伝えると、白哉は騎士団を派遣して、まだ生きていたサタン信者たちとその仲間を捕まえた。

「あの信者たち、どうなるの?」

「私のものである兄に手を出した罪だ。黒ミサを行おうとしていた者は処刑、それ以外の者は国外追放だ」

「わお、厳しい」

「それくらいしないと、兄も浮竹も守り抜けぬ」

「俺も、狙われているのか?」

浮竹は、自分を指さすと、人の姿になった京楽と白哉に頷かれた。

「兄は、京楽より狙われやすいかもしれぬ。くれぐれも一人で外を出歩かないように」

浮竹はこくんと頷き、京楽を見る。

「血で、汚れている。風呂に入って、着替えよう」

「浮竹も、ボクを抱き上げたから血がついてるね。一緒にお風呂入ろうか」

風呂場で、京楽は浮竹にキスをして、浮竹のものを口で奉仕した。

「んっ、ここはこういうことする場所じゃ、ないし、俺は」

「うん。最後まではしないから」

「ああっ」

浮竹は、京楽の口の中に射精していた。

「ボクのも、触ってくれる?」

京楽のものはギンギンに勃ちあがっていて、浮竹はおずおずと手でしごく。

勢いよく精子が飛び出して、浮竹の顔と白い長い髪を汚した。

「ああ、ごめんね。体も顔も髪も洗ってあげるから」

互いに人の姿で欲を吐き出しあうのは初めでではないが、慣れていないので浮竹は真っ赤になっていた。

「はぁ、いい湯だった」

「京楽のせいでのぼせた」

「顔が赤いの見せたくないって、湯の中に長い間もぐるように浸かるからだよ」

「むう」

浮竹は、扇風機に当たりながら、京楽からよく冷えたラムネをもらって、中身を一気に飲み干す。

「今日は、しないからな」

「今日も、でしょ?この前抱いたのはいつだったっけ」

「半月くらい前だな」

浮竹と京楽は猫の亜人であるので、人の姿でも過ごせるようにと白哉のいる屋敷の近くの一軒家を与えられていた。

たまに、京楽は人の姿になって浮竹を求める。

浮竹も、記憶にはないが、男娼として生きてきたので抱かれるのには慣れているし、逆に抱かれないと体が疼いて仕方なかった。

「俺は淫乱なのかもしれない」

風呂で抜いてもらったのに、まだ欲を抱いている自分を責める浮竹を、京楽が抱きしめる。

「君は、覚えていないから仕方ないけど、酷い人生を送ってきたから。仕方ないよ」

「俺は、白哉に記憶を消してもらったんだろう?俺自身の願いで」

「うん。思い出さないでね。君は傷つきすぎている」

「ああ、思い出したくない。でも、京楽に抱かれると思い出すかもしれないと思ったが、そうでもないんだよな」

「愛の力だよ」

「愛、か」

京楽は、浮竹を愛していた。

浮竹も、京楽を愛してる。

「俺は、お前を愛している」

「うん、知ってる。ボクも君を愛してるよ」

二人は、愛を囁きながら1つのベッドに横になり、互いを抱きしめあいながら寝た。

起きた時には、二人とも猫の姿になっていた。

「お互い、気をぬくと猫になっちゃうね」

「そうだな」

その日は、一日中猫の姿でいることにした。

「京楽、浮竹、珍しいな。今日は人の食事をとらぬのか?」

いつも、毎日京楽と浮竹は人の姿になって白哉と一緒に食事をとるが、今日は猫の姿のままだった。

「たまには、キャットフードだけでいいかなって」

「俺は、京楽が今日は猫の姿で過ごすというので、一緒にそうしているだけだ」

「浮竹、兄の大好きなエビフライがあるぞ」

白哉が小皿にエビフライを置いて床に置くと、浮竹は我慢できずにかぶりつく。

「あ、浮竹ずるい!今日は人の食事はなしにしようと言ったのに」

「す、すまん。しかし、エビフライだけは‥‥ああ、もうなくなってしまった」

白哉が笑って、2つ目のエビフライを小皿にいれて床に置く。

「にゃあっ」

浮竹は猫まるだしで、エビフライにかじりつく。

「にゃあ」

それに、京楽が猫の啼き声で答える。

「にゃあ‥‥‥」

白哉は、猫の言葉は亜人である京楽と浮竹の声だけなら分かった。

「ふむ、京楽も浮竹も、今夜の夕食はキャットフードでよいのだな?」

「うん、白哉君」

「俺もだ、白哉」

チリン。

白哉は、鈴を持ち出した。

「京楽は、一度危ない目にあったからな。浮竹、兄も危ない目に合うかもしれない。防護結界をはれる魔法の鈴をつけておこう」

「ありがとう、白哉」

浮竹は、動くたびにちりんちりんと鳴る鈴を気に入ったようだった。

京楽は、微妙な顔をしている。

「京楽?」

「いや、人の姿でえろいことしてる時も首輪をはめたままだから、鈴がなるのかなぁと」

浮竹は赤くなって猫パンチを京楽におみまいする。

「白哉の前で、そういうことは言うな」

「兄らは、本当に仲がよいな」

白哉は二人の黒猫と白猫の亜人を、猫のままの姿でいるので撫でまくり、二人は喉をくすぐられてゴロゴロと喉を鳴らすのであった。



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