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8話補完小説

「ルキア・・・・・・・」

施術が終わったルキアは、重症だった。

一護も重症であったが、立って歩くくらいはできた。

ふと、片目になっていたルキアの意識が戻る。

「一護・・・・そうか、守れなかったのだな」

「すまねぇ!」

「貴様が謝ることはない。今回の事態は、総隊長が亡くなるほど酷い戦いだったのだ・・・」

「おい、あんましゃべんな。傷に響く」

「これ以上は悪化せぬ」

ルキアは、片方だけの瞳から涙を零した。

「一護、一護、一護・・・・尸魂界を、守ってくれ・・・・・」

「分かってる」

ルキアに触れるだけのキスをして、別れた。


白哉の怪我は酷かった。

もう、意識は戻らないといわれた。

そんな中、0番隊が迎えにきた。

霊王を守る集団である。


カポーン。

「なんだよこれ!」

「みりゃ分かるだろ、湯治だ!」

白哉もルキアも恋次も、湯の中に沈んでいた。

滲み出す血は、けれど血と一緒に濁り切った霊圧を2種類の湯に浸り分けて入れ直すのだという。

ぷかりと浮かんできた白哉を、0番隊の男は紅い湯に無造作放り投げた。

「おい、乱暴に扱うなよ!」

「てめぇは、てめぇの心配だけしときやがれ!」

ふと、少しだけ白哉の意識が戻った。

でも、体は動かない。

「そうか・・・・私は、助かったのか・・・・」

ぶくぶくぶく。

また、湯に沈められた。

不思議と息苦しさはなかった。湯の中でも息ができた。

同じように湯に沈んでいる恋次とルキアを見る。二人とも重症だ。

黒崎一護だけが、見た目より元気そうだった。

「尸魂界を守るには、兄の力が必要なのだ・・・・黒崎一護」

白哉はまた、意識を失った。


ざっぱーんと、ルキアの体を0番隊の男が投げる。

包帯を巻かれているとはいえ、裸に近い恰好に、一護の眉が寄る。

「心配しなくてもとってくったりしねぇよ」

ルキア。

助けられなくてごめん。

ルキア。

愛してる。

どうか早く元気になってくれ。

一護の斬魄刀は折れた。だが、元に近い形に叩き直せるという。

今は、それにすがるしかなかった。


「ルキア、恋次、白哉・・・・・俺は絶対に強くなる。そして尸魂界を守ってみせる。だからお前たちも、早く元気になってくれ」

一人、傷の癒えかけた一護は誓うのだった。


ルキア。

今度は、必ず尸魂界を守ってみせる。

だから、ルキアも強くなってくれ。

ルキアは、漂う意識の中で、一護に触れた。

「ふふ・・・貴様は、なんでも一人でしょいこんで・・・・仲間だろう私たちは」

一護。

愛している。

どうか、尸魂界を守ってくれ。

一護は立ち上がる。未来に向かって、歩き出すために。


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