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あなたの写真でナニをする

「でゅふふふふふ」

京楽は、笑んでいた。

べランダに身を潜めていた。

風呂上がり姿の、浮竹の半裸の姿ばっちりカメラで撮った。

何枚も写真を撮った。これをおかずに、ナニをするのだ。

ネガを奪われないように、ベランダの隅にこっそりおいて、部屋に戻る。

「うわあああ、京楽いたのか!」

パンツ一丁の浮竹は、京楽を蹴って、毛布を被った。

「くそ、いないと油断してしまった」

毛布の下で、こそこそと衣服を身に着ける。ちょっと難しかったが、京楽と共同生活をしているうちに身につけて、もう慣れてしまった。

院生の服に着替えると、浮竹は毛布をベッドの上に置いた。

京楽がもっていたカメラを没収し、中のネガをとりだしてだめにした。

でも、浮竹は知らない。そのネガはフェイクで、本物がベランダの床の奥にあるなんて。

「でゅふふふふふ」

「きもいから、その笑いをやめろ」

「マイスウィートハニー!」

ばきっ。

京楽の腕に飛び込むようにみせかけて、顎を殴った。

「おおう、愛が痛い・・・・・そんなに照れなくていいんだよ、浮竹」

「これが照れているように見えるか」

「見える」

「お前の目は腐っているな」

「でゅふふふふふ」

「ああ、もういい。夕飯を食べに行くぞ」

「(^O^)/はーい」

その日の夕食は、ホルモン焼きだった。全体的に内臓系の肉系は苦手な浮竹は、げっそりした。

無理に食べたくないので、デザートの梨のタルトだけを食べていた。

「僕の分も食べなよ」

結局、京楽にほぼ全部をおしつけて、梨のタルトと飲み物だけで我慢した。

幼い頃は、もっと飢えていたので、これくらい平気だった。

京楽は、浮竹が内臓系の肉が嫌いなのだと初めて知った。

途中、売店でサンドイッチを購入する。

「これ、食べなさい」

「いいのか?」

「うん」

こういう優しい紳士なところがあるから、変態でも京楽の傍にいたくなるのだ。

寮の自室に戻り、サンドイッチを口にする。あの売店のご飯はまずいと有名なので、そのサンドイッチもまずかったが、空腹を抱えているよりはましだった。

「今度から、ホルモン焼きとかの飲み屋にいくのはやめよう」

時折、飲みに行く店で、ホルモン焼きの店も選んでいた。浮竹はそんな時、酒ばかり飲むので、ホルモンが嫌いだとは思わなかった。

「すまない」

「いいんだよ。それより、初めに素直に言ってくれればいいのに。ホルモンが苦手だって」

「だって、こんな年で好き嫌いがあるのはみっともないだろう」

「そんなことないよ。嫌いな食べ物なんて、誰にでもあるよ。なんでも食べれるって人もいるけど、その人にだって苦手な食べ物くらいあるだろうし」

桃の天然水を飲み干して、浮竹はとってあった苺のキャンディを口にいれた。

こいこいと、指で京楽を呼ぶ。

抱き着いてくる京楽にキスをして、口の中の苺のキャンディをあげた。

「これはおいしいね」

「故郷で、売ってる飴だ。人気があって、なかなか入手しづらいから、実家に帰った時くらいしか買えないが」

この前、京楽が浮竹の親に息子さんを下さいとか言い出した時に、買っておいた飴だった。

4袋くらいかったのだが、もう残り1袋のうちの半分になっていた。

時折口にするのだが、美味しさについついもう1つと指が伸びてしまう。

その日の夜は、静かだった。

いつもなら寝る間際まで京楽がうるさいのだが、何かこそこそしているなと思ったら、ベッドの中で自虐しているらしかった。

こいつ・・・・と思いながらも、まぁ個人の自由なので許した。

しかし、その自虐するおかずが、浮竹の今日の湯上りの写真であるのを確認して、バキボキと指の関節を鳴らす。

「(*´Д`)ハァハァ」

「おい、京楽」

「うわあ!」

ぽろりと、息子さんを見せられた。

いそいそとそれをなおして、京楽は一緒におかずにしていた浮竹の、この前なくしたお気に入りのパンツを(*´Д`)ハァハァと口に含んでいたのを外して、こう言う。

「一緒に、えっちしたいの?」

「お前は今日はベランダで寝ろ!」

「ああ、殺生な!」

ベランダに追い出して、窓を閉めて鍵をかけた。

しばらくの間、どんどんと窓を叩いていたが、無理だとわかって素直にベランダで横になって眠りだす。こんなこともあろうかと、べランダにはいつも毛布が干されてあるのだ。

それを被っていた。

「はぁ・・・・少しはいいやつと思った俺がバカだった」

浮竹の溜息は、夜に紛れていった。



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