熱しやすい一護と冷めた白哉
結婚式が終わって、2か月が経った。
相変わらず白哉とは、嫌がらせをしたりされたりだ。
まぁ、平穏な日常だろう。
一護は、今日の朝は寝坊してしまって、一人だけ朝食が遅くなった。ドッグフードがでてきたが、無言でそれを白哉の部屋にばらまいて、厨房にいって自分の食べるはずだったメニューをかっさらっていく。
「困ります、一護様。白哉様から、ドッグフードを食べさせろと申し上げられているのです」
「白哉にウンコたれと言っておいてくれ」
「そんな殺生な」
まぁ、一護の嫌がらせに失敗した家人を怒るほど、度量の狭い白哉ではないので、普通の朝飯を食堂でとった。
「9時半か~ルキアのやつ、起こしてくれればいいのに」
見事に、目覚まし時計も止められていた。
死覇装をきて、左肩に副隊長の証をつけて、瞬歩で13番隊の執務室までいった。浮竹隊長の代では、雨乾堂があり、そこで療養所と執務室と隊首室を兼ねた庵があったのだが、今は取り壊されて、その後に浮竹の墓石があった。
大戦のせいで、命を落としたのだ。敵にやられたわけではない。神掛をおこない、病をとめていたミミハギ様を解放し、ほぼ自死に近い。
13番隊の隊首室と執務室は作られたばかりで、木のいい香りがした。
「わりぃ、寝坊した」
ルキアはすでに仕事を4分の1は片づけていた。
「いつまで寝ているのだたわけが。自分で起きる癖ぐらいつけろ」
「いやぁ、現世のくせがなかなかぬけなくてな。大学はいつも9時半から授業だったから。真央霊術院もそうだったし」
「たわけ、そこに座れ。今日のお前の仕事は事務作業と、13番隊隊舎の裏の雑草むしりだ」
「事務作業は分かるけど、雑草むしりってなんだよ。平隊員にやらせればいいだろうが!」
一護が叫ぶが、ルキアは冷静だった。
「無論やらせる。席官も、私も、全員で草むしりだ」
「どんだけ土地広いんだよ」
「此度はユーハバッハによる戦火で、食料事情も乏しかったからな。13番隊の裏の土を耕して畑をつくるのだ。13番隊の他にも、自給自足を推進している隊はある」
「自給自足ねぇ。朽木には無縁な言葉だな・・・・・・」
「何を言う!我が家で出る卵は、かっている鶏のものなのだぞ。そのえさも、サラダに出てくる野菜も、朽木家が自家栽培しておるのだ!・・・といっても、規模がでかすぎて、自給自足というか、市場マーケットを独占しておるが・・・・・・」
白哉は、金を腐らせているわけではない。いろいろと投資して、利益を得ているのだ。
「白哉のやつ、そういう場所に視察しにいったりはするのか?」
「ああ、年に2回ほどな」
「そうか」
思ったより、真面目らしい。4大貴族であるが、驕り高ぶらず、けれど気品のよさは保ったまま・・・・そんな白哉だからこそ、ルキアも好きなのだろう。
そうだ。帰ったら、白哉の頭に生卵をぶつけてやろう。そうほくそ笑んでいると、ルキアがじとーっとした目線で見てくる。
「な、なんだよ」
「貴様今、兄様に何かしようと企んだのであるまいな?」
「んなわけあるかよ。旦那を信じろよ」
「しかし、人の悪そうな笑みを浮かべていたぞ。何かいたずらを思いついた子供のような」
「気のせいだ」
「そうか?」
執務室で、二人で仕事をしてていた。書類を手分けして、整理していく。
お昼休みになった。
13番隊の食事ではなく、ルキアと一護には朽木家からきた料理人が料理し、メニューを出してくる。ルキアのは寿司のフルコースだった。一護のは、白ご飯を平らにもった上に、梅干し一つの、いわゆる日の丸弁当だった。
「おい。調理した料理人のところに案内しろ」
「ひいっ」
メニューをもってきた給仕係も連れて、料理人のところにくると、白哉の命令は聞かずに俺の飯をちゃんと普通のものにしろと命令した。しかし、当主は白哉なので、逆らえないようだった。
仕方ないので、ありあまっていた材料で適当にご飯を作ってもらった。
ありあわせのものであったが、猫まんまやドッグフードや日の丸弁当よりはましなものを食べた。
昼飯を終わり、自由時間になって、一護はルキアを抱き寄せた。
「なぁ、ルキア」
「なんだ、くすぐったいぞ」
「子供ほしくねーか?」
「ききき貴様、なななな何を!?」
「いや、俺たち普通に体重ねてるじゃんか。子供、二人くらいできればいいなーと思って」
「そればかりは、神頼みだな・・・・だが名はすでに決めておるのだ。女なら苺花、男なら一勇だ」
「両方うまれるといいな」
キスをした。ただ、職場ではハグやキスはできても、それ以上はできないので我慢する。
「今日の夜、いいか?」
ルキアの細い腰を抱き締めながら、耳を噛むと、ルキアは真っ赤になりながら小さな声で
「好きにしろ」
と答えた。
お昼の後は、13番隊の死神総出で、空き地だった場所の草むしりをした。
久しぶりの土いじりに、一護も夢中になった。
「お、バッタ発見。ほれほれ、ルキア」
「ひいい、虫は、虫はやめろ!」
「隊長は虫がお嫌いなのか」
そんな声が、隊中に広がる。
「みみずなんてどうだ?」
「ひいい、にょろにょろしてきもち悪い!」
けっこう、ルキアって普通の女の子の反応で、それがかえって新鮮だった。
6時になり、死神の業務は通常のものは終わりとなった。ルキアと二人、並んで朽木家の岐路につく。途中で、市場で卵をかった。できるだけ古そうなものを。
「卵など、どうするのだ?」
「なんでもねーよ」
適当に誤魔化して、朽木家について、白哉の霊圧を探す。まだ帰宅していないようだった。
なんとか最近習得した、霊圧を0にする方法を試す。
「一護?霊圧なぞ消して、何をしておるのだ」
「ああルキアはいいから、先に湯あみでもしておいてくれ」
「ふむ、分かった」
白哉の霊圧が近づいてきた。
間近まできて、とりゃっと卵を投げてやった。
それを白哉はさけて、後ろにいた恋次を前に押しやって、その顔に炸裂した。
「なんだこの卵・・・うわっ、腐ってるじゃねーか!」
かまうものかと、卵をぽいぽいと、白哉に向かってなげるが、全部回避されて、その全部が恋次に命中した。
「ふ、この程度。浅はかだな、一護よ」
「ムキーーー!」
「それはこちらの台詞だバカ野郎!腐った卵まみれになっちまったじゃねーか!どうしてくれるんだ!」
「あー、俺の死覇装かしてやるから、湯あみでもしてこい」
「朽木隊長に用があるっていわれてついてきてみれば、ただの盾代わりかよ!」
この人はと、ぶつぶつ言い出す恋次。
「湯あみしてこい」
恋次をおいたてる。
「そういや、何か忘れているような・・・・?」
湯殿で、恋次とルキアはかちあった。
「ぬおおおおおおルキア!?」
「ぎゃああああああ、何故恋次が朽木家の湯殿に!」
桶でぼこぼこにされて、恋次は湯に沈んだ。
裸体をみられぬようにと、バスタオルで隠しながらあがって、一護に詰め寄る。
「入浴中なのに、恋次が入ってきたのだぞ!どういうことだ!」
ぷんぷん怒るルキアは可愛かった。
「いや、なんつーか手違いがあってな」
「他の湯殿もあるではないか!」
朽木の本宅には、3か所湯殿があった。だが、いま湯がちょうどいい具合にわいている場所は、ルキアと恋次が入った湯殿くらいであった。
「悪かった俺の手違いだ」
「貴様は、妻の裸を自分の友人に見られても平気なのか!」
「平気なわけねーだろ!」
ルキアを抱き締める。ルキアは小声で「おおうつけ者」といって、静かになった。
結局その日の晩は、なせか恋次も食堂にいて、普通のメニューの夕食を食べた。
「じゃあ、俺は帰るからな。腐った卵まみれになった俺の死覇装、ちゃんを洗って返せよ!」
洗濯を、専門の侍女にしてもらう。
白哉は、飼っている猫の琥珀を膝の上に抱きかかえながら、一言。
「阿呆が」
一護は、立ち上がった。
「バーカバーカバーカバーカ!馬の脚で蹴られて死んじまえ!このおたんこなす!」
「ふ・・・・・」
「ムキーーーーー!いつかぎゃふんをいわせてやるー!」
「ぎゃふん」
抑揚のない声で、白哉がいう。
「ムキーーーーーー!!!!あったまくるーーーーーーー!!」
その日は、頭に血が上りすぎて、結局ルキアとは一緒に眠るだけだった。
相変わらず白哉とは、嫌がらせをしたりされたりだ。
まぁ、平穏な日常だろう。
一護は、今日の朝は寝坊してしまって、一人だけ朝食が遅くなった。ドッグフードがでてきたが、無言でそれを白哉の部屋にばらまいて、厨房にいって自分の食べるはずだったメニューをかっさらっていく。
「困ります、一護様。白哉様から、ドッグフードを食べさせろと申し上げられているのです」
「白哉にウンコたれと言っておいてくれ」
「そんな殺生な」
まぁ、一護の嫌がらせに失敗した家人を怒るほど、度量の狭い白哉ではないので、普通の朝飯を食堂でとった。
「9時半か~ルキアのやつ、起こしてくれればいいのに」
見事に、目覚まし時計も止められていた。
死覇装をきて、左肩に副隊長の証をつけて、瞬歩で13番隊の執務室までいった。浮竹隊長の代では、雨乾堂があり、そこで療養所と執務室と隊首室を兼ねた庵があったのだが、今は取り壊されて、その後に浮竹の墓石があった。
大戦のせいで、命を落としたのだ。敵にやられたわけではない。神掛をおこない、病をとめていたミミハギ様を解放し、ほぼ自死に近い。
13番隊の隊首室と執務室は作られたばかりで、木のいい香りがした。
「わりぃ、寝坊した」
ルキアはすでに仕事を4分の1は片づけていた。
「いつまで寝ているのだたわけが。自分で起きる癖ぐらいつけろ」
「いやぁ、現世のくせがなかなかぬけなくてな。大学はいつも9時半から授業だったから。真央霊術院もそうだったし」
「たわけ、そこに座れ。今日のお前の仕事は事務作業と、13番隊隊舎の裏の雑草むしりだ」
「事務作業は分かるけど、雑草むしりってなんだよ。平隊員にやらせればいいだろうが!」
一護が叫ぶが、ルキアは冷静だった。
「無論やらせる。席官も、私も、全員で草むしりだ」
「どんだけ土地広いんだよ」
「此度はユーハバッハによる戦火で、食料事情も乏しかったからな。13番隊の裏の土を耕して畑をつくるのだ。13番隊の他にも、自給自足を推進している隊はある」
「自給自足ねぇ。朽木には無縁な言葉だな・・・・・・」
「何を言う!我が家で出る卵は、かっている鶏のものなのだぞ。そのえさも、サラダに出てくる野菜も、朽木家が自家栽培しておるのだ!・・・といっても、規模がでかすぎて、自給自足というか、市場マーケットを独占しておるが・・・・・・」
白哉は、金を腐らせているわけではない。いろいろと投資して、利益を得ているのだ。
「白哉のやつ、そういう場所に視察しにいったりはするのか?」
「ああ、年に2回ほどな」
「そうか」
思ったより、真面目らしい。4大貴族であるが、驕り高ぶらず、けれど気品のよさは保ったまま・・・・そんな白哉だからこそ、ルキアも好きなのだろう。
そうだ。帰ったら、白哉の頭に生卵をぶつけてやろう。そうほくそ笑んでいると、ルキアがじとーっとした目線で見てくる。
「な、なんだよ」
「貴様今、兄様に何かしようと企んだのであるまいな?」
「んなわけあるかよ。旦那を信じろよ」
「しかし、人の悪そうな笑みを浮かべていたぞ。何かいたずらを思いついた子供のような」
「気のせいだ」
「そうか?」
執務室で、二人で仕事をしてていた。書類を手分けして、整理していく。
お昼休みになった。
13番隊の食事ではなく、ルキアと一護には朽木家からきた料理人が料理し、メニューを出してくる。ルキアのは寿司のフルコースだった。一護のは、白ご飯を平らにもった上に、梅干し一つの、いわゆる日の丸弁当だった。
「おい。調理した料理人のところに案内しろ」
「ひいっ」
メニューをもってきた給仕係も連れて、料理人のところにくると、白哉の命令は聞かずに俺の飯をちゃんと普通のものにしろと命令した。しかし、当主は白哉なので、逆らえないようだった。
仕方ないので、ありあまっていた材料で適当にご飯を作ってもらった。
ありあわせのものであったが、猫まんまやドッグフードや日の丸弁当よりはましなものを食べた。
昼飯を終わり、自由時間になって、一護はルキアを抱き寄せた。
「なぁ、ルキア」
「なんだ、くすぐったいぞ」
「子供ほしくねーか?」
「ききき貴様、なななな何を!?」
「いや、俺たち普通に体重ねてるじゃんか。子供、二人くらいできればいいなーと思って」
「そればかりは、神頼みだな・・・・だが名はすでに決めておるのだ。女なら苺花、男なら一勇だ」
「両方うまれるといいな」
キスをした。ただ、職場ではハグやキスはできても、それ以上はできないので我慢する。
「今日の夜、いいか?」
ルキアの細い腰を抱き締めながら、耳を噛むと、ルキアは真っ赤になりながら小さな声で
「好きにしろ」
と答えた。
お昼の後は、13番隊の死神総出で、空き地だった場所の草むしりをした。
久しぶりの土いじりに、一護も夢中になった。
「お、バッタ発見。ほれほれ、ルキア」
「ひいい、虫は、虫はやめろ!」
「隊長は虫がお嫌いなのか」
そんな声が、隊中に広がる。
「みみずなんてどうだ?」
「ひいい、にょろにょろしてきもち悪い!」
けっこう、ルキアって普通の女の子の反応で、それがかえって新鮮だった。
6時になり、死神の業務は通常のものは終わりとなった。ルキアと二人、並んで朽木家の岐路につく。途中で、市場で卵をかった。できるだけ古そうなものを。
「卵など、どうするのだ?」
「なんでもねーよ」
適当に誤魔化して、朽木家について、白哉の霊圧を探す。まだ帰宅していないようだった。
なんとか最近習得した、霊圧を0にする方法を試す。
「一護?霊圧なぞ消して、何をしておるのだ」
「ああルキアはいいから、先に湯あみでもしておいてくれ」
「ふむ、分かった」
白哉の霊圧が近づいてきた。
間近まできて、とりゃっと卵を投げてやった。
それを白哉はさけて、後ろにいた恋次を前に押しやって、その顔に炸裂した。
「なんだこの卵・・・うわっ、腐ってるじゃねーか!」
かまうものかと、卵をぽいぽいと、白哉に向かってなげるが、全部回避されて、その全部が恋次に命中した。
「ふ、この程度。浅はかだな、一護よ」
「ムキーーー!」
「それはこちらの台詞だバカ野郎!腐った卵まみれになっちまったじゃねーか!どうしてくれるんだ!」
「あー、俺の死覇装かしてやるから、湯あみでもしてこい」
「朽木隊長に用があるっていわれてついてきてみれば、ただの盾代わりかよ!」
この人はと、ぶつぶつ言い出す恋次。
「湯あみしてこい」
恋次をおいたてる。
「そういや、何か忘れているような・・・・?」
湯殿で、恋次とルキアはかちあった。
「ぬおおおおおおルキア!?」
「ぎゃああああああ、何故恋次が朽木家の湯殿に!」
桶でぼこぼこにされて、恋次は湯に沈んだ。
裸体をみられぬようにと、バスタオルで隠しながらあがって、一護に詰め寄る。
「入浴中なのに、恋次が入ってきたのだぞ!どういうことだ!」
ぷんぷん怒るルキアは可愛かった。
「いや、なんつーか手違いがあってな」
「他の湯殿もあるではないか!」
朽木の本宅には、3か所湯殿があった。だが、いま湯がちょうどいい具合にわいている場所は、ルキアと恋次が入った湯殿くらいであった。
「悪かった俺の手違いだ」
「貴様は、妻の裸を自分の友人に見られても平気なのか!」
「平気なわけねーだろ!」
ルキアを抱き締める。ルキアは小声で「おおうつけ者」といって、静かになった。
結局その日の晩は、なせか恋次も食堂にいて、普通のメニューの夕食を食べた。
「じゃあ、俺は帰るからな。腐った卵まみれになった俺の死覇装、ちゃんを洗って返せよ!」
洗濯を、専門の侍女にしてもらう。
白哉は、飼っている猫の琥珀を膝の上に抱きかかえながら、一言。
「阿呆が」
一護は、立ち上がった。
「バーカバーカバーカバーカ!馬の脚で蹴られて死んじまえ!このおたんこなす!」
「ふ・・・・・」
「ムキーーーーー!いつかぎゃふんをいわせてやるー!」
「ぎゃふん」
抑揚のない声で、白哉がいう。
「ムキーーーーーー!!!!あったまくるーーーーーーー!!」
その日は、頭に血が上りすぎて、結局ルキアとは一緒に眠るだけだった。
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