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小説掲載プログ
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その変態の名は

その変態に名があるとしたら、京楽春水。

上流貴族京楽家の次男坊。死神の通う学院の3回生。

成績優秀、眉目淡麗、鬼道の腕も剣の腕もある。

将来は護廷13隊席官入り間違いなしといわれている人材であるが、現在のところ同じ護廷13隊席官入り間違いなしと言われている浮竹に付きまとう、ただの変態であった。

朝起きると、京楽は浮竹のパンツを被っていた。それを没収すると、こう言い出した。

「浮竹~~~これつけてよ~」

猫耳をちらつかせてくる京楽。

「大丈夫、ちゃんと写真に収めるから・・・おぶっ」

頬をはたかれて、それでも京楽は迫る。

「ねぇねぇつけてよ。つけてくれるだけでいいから。つけてくれないと、寝込み襲うよ」

マジな顔で脅されて、浮竹は大きなため息をついた。

「一度だけだからな!」

京楽の目の前で、浮竹は猫耳のカチューシゃを装着した。

「ああ、いいね、いいね!こっちむいて!」

パシャパシャと、写真を撮っていく京楽。

「にゃあって、言ってくれたら僕、いっちゃうから」

「にゃあ」

「ああああああああ!きたーーーーーーーーー!」

声まで、録音してあった。

「今日から、このにゃあって声、目覚ましにセットして起きる。ああ、僕もいっちゃいそう・・・浮竹、キスミープリーズ」

そんな京楽を蹴り飛ばして、浴室に向かわせる。

京楽は、息子さんがたっていた。

こんな猫耳、もういらないとばかりに、床にたたきつけた。

猫耳をつけたままなんて、浮竹まで変態の仲間入りだ。

浴室では、京楽が一人(*´Д`)ハァハァと荒い息をつきながら。息子さんをいじっていた。

「今日の浮竹は素直だ・・・・チャンスあるかも!」

浴室から出てきた京楽は、もう猫耳姿でない浮竹に、涙を流す。

「どうして外してしまったんだい。似合っていたのに」

「こんなもの、似合ってたまるか!」

猫耳を投げてよこして、浮竹はこういった。

「お前もつけろ」

「ええ、無理だよ。僕には似合わないよ」

「いいから、つけろ」

斬魄刀をもちだして、脅すと、京楽はこくりと頷いた。

浮竹のつけていた猫耳をつける。

「ははははははは、似合ってるぞ。すごくきもい」

その姿を写真に収めた。

「俺が身に着けていたんだ・・・・肌身離さず、身に着けていたいだろ?」

「そういえばそうだね。ああ、そう思うだけでたっちゃいそう」

「それから、語尾にはにゃあをつけること。これを守ったら、1日添い寝してやる」

「え、まじかい・・・・・にゃあ」

「さぁ、食堂にいくぞ」

「え、この格好でにゃあ?」

「お前ならいける!すごく似合っているぞ、京楽にゃあ子!」

「うーん。まぁ、浮竹がそういうにゃら」

ざわざわ。

京楽の姿はとにかく目立った。

ただでさえ一番がたいがいいのだ。浮竹の身長もそこそこあるが、それより頭一つ分ほど背が高い。190センチをこしている。おまけにもじゃもじゃだ。

そんな京楽が猫耳をつけていて・・・・。

はっきいって、似合ってなかった。かなりシュールだった。

「おい、浮竹。京楽のやつ猫耳なんてつけて、どうしたんだ?」

「猫耳だけじゃないぞ。おい京楽」

「にゃんだい」

「うわー。きつい。俺の精神に500のダメージだ」

「うわぁ、京楽・・・・お前、浮竹に弄ばれてないか?」

「そんなことにゃい」

「うわぁ、やっぱり弄ばれてる」

いつもは、変態京楽をみんな遠目で見ているのに、なぜか今日の変態京楽は人気だった。

「にゃあにゃあ」

「猫まんまでもくうか?」

嫌がらせのつもりで、食堂のおばちゃんに頼んで味噌汁ぶっかけた猫まんまを作ってもらったのだが、京楽は嬉しそうにそれを平らげた。

「おいしいにゃあ」

「そうか。よかったな・・・・・・はっ。今、俺は京楽を見てかわいいと思ってしまった!?」

浮竹はショックを受けた。

猫耳をつけて語尾がにゃあとなる京楽をかわいいと感じるなんて。

「いかんいかん、正気に戻れ浮竹十四郎」

浮竹は、食事を終えると、京楽を連れて部屋に戻った。

「ご主人にゃあ。今日は一緒にねてくれるにゃあ?」

「誰が!」

「今日一日、これつけてにゃあとつけてたら、添い寝してくれるといったにゃあ」

「く、覚えてやがったのか」

「約束守らないと、今日浮竹がはいているパンツがすごいことになるにゃあ?」

「何をするつもりだ・・・・・」

「内緒にゃあ」

結局、その日は約束だと京楽のベッドの上で眠った。京楽は癖になったのか、にゃあにゃあいいながら、浮竹と眠った。

ただ眠るだけならいいのだが、全身を這う手に我慢できなくなって、脳天に頭突きをいれて静かにさせてから寝た。

次の日、浮竹は猫耳カチューシャを処分した。

すでに、京楽の浮竹抱き枕は、昨日京楽が撮った写真がプリントアウトされていた。

猫耳の、愛らしい浮竹の姿。

それを見るだけで、京楽はにまにましていたのだった。




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