オメガバース京浮短編4
浮竹はオメガだった。
体が弱いし肺の病をもっているしで、問題はいっぱいあった。
だが、生まれつきものすごく高い霊圧を持っていて、浮竹の子は限りなく死神の頂点に君臨できると思った両親は、ある上流貴族との婚約を進めた。
婚約相手も、まだ子供だったが、高い霊圧をもっており、何よりアルファの上流貴族だ。
婚姻して番になり、子を産めば、浮竹も幸せになれると両親は思い込み、浮竹を上流貴族の妻にするために、女の子のように育てた。
だが、浮竹はそれとは反対のように、剣が好きで生粋の男の子として生きたがった。
いつも女装させられていた。
白くなった髪も、長く伸ばされてかわいくおさげにされていた。リボンをつけたり、女ものの着物を着せられても、性格はちゃんとした男だった。
「さぁ、紹介するよ。君の未来の妻の浮竹十四郎だ」
「十四郎?女の子なのに、男みたいな名前だね」
婚約相手の京楽春水の前で、ぷくーっと頬を膨らませて、美少女にしか見えない男の子の浮竹は、叫んだ。
「俺は男だ。オメガだが、お前の妻にはならない!番は、女性となる!」
「へ?男?」
「春水、知っているだろう。アルファとオメガは番になれる。オメガは男でも子を生せる。この十四郎は、すごい高い霊圧をもっている。君たちとの間に生まれた子供は、きっと例外なく死神となり、隊長になれる」
「俺は、京楽春水の妻になんてならない!ベータの女の子と結婚して、女の子に子供を産んでもらうんだ!」
「十四郎、君はオメガだ。アルファの子を生すのが仕事だ」
「知らない!ふん!」
浮竹は、怒って走り去ってしまった。
「僕の婚約者がオメガの男・・・・・。でもかわいい・・・・。うう・・・・・」
京楽は、別に子を生せればオメガの男でも仕方ないと思っていたが、想像していた以上に浮竹がかわいくて、頭から浮竹のぷくーっと頬を膨らませた顔が離れないでいた。
「落とす。僕の一生をかけて」
子供であるのに、すでに京楽はアルファとして、オメガの番になるであろう浮竹に好意を抱きまくっていた。
そうして、それぞれの家庭で育てられて、時折顔を見合わせあって。
10年が経とうとしていた。
浮竹は、美しい麗人に育っていた。長い白髪を背に流し、ベータの女の子と付き合っていた。
「浮竹は僕のものだよ」
浮竹の彼女に、京楽は脅しをいれて、浮竹を振らせた。
それを知ってしまった浮竹は、京楽の家に怒鳴り込んできた。
「京楽春水はいるか!」
「僕はここにいるよ」
にこにことした京楽の頬を、浮竹は思い切り叩いた。
「俺の彼女に、何を吹き込んだか知らないが、俺はお前と結婚する気はないからな!ベータの女の子と結婚して、幸せな家庭を築くんだ!」
「いいや、君は僕のものになる。僕の子を産んで、幸せな家庭を築くんだよ」
くすくすと笑う京楽に舌を出して、浮竹は走り去ってしまった。
そろそろ、ヒートがくる年齢にきていた。
浮竹にヒートがきたら、京楽が問答無用で抱いて、うなじを噛んで、番にするのだ。
でも、浮竹にはヒートがなかなか訪れなかった。
浮竹は、年頃になっていたので、京楽の家で京楽の妻としての生活を強いられた。
浮竹は、それを嫌そうにして、京楽と同じ屋根の下で暮らすのを嫌がり、離れに住んでいた。
「ねぇ、好きだよ、浮竹」
「俺はお前のことが大嫌いだ、京楽」
毎日、そんなことを言い合って、生活をしていた。
浮竹にヒートがくれば、すぐにでも落とせるのに。でも、浮竹にヒートはなかなかやってこない。
なので、京楽はヒートがきやすい薬を、隠れて浮竹の食事に混ぜた。
「あ・・・・・・」
ある日、京楽の家で母屋を訪れていた浮竹は、違和感を覚えた。
ヒートがこないのを理由に、京楽との婚姻を拒み続けていたが、本当にヒートになった。
「あ・・・助けて。誰か・・・誰か助けて。苦しい・・・」
「浮竹?」
「あ・・・来るな、京楽!俺は、ベータの女の子と結婚して、幸せな・・・ううう」
「つらいでしょ?今、楽にさせてあげるから」
オメガのフェロモンをもろにくらって、理性が飛びそうになるのを何とか我慢した。
京楽は、この日を待っていた。
待ちに待った浮竹のヒートに、気分が高揚する。
浮竹を風呂にいれてやり、それから寝所に抱きかかえて連れてきた。
「あ・・・嫌だ、嫌だ、オメガとして生きるなんて、嫌だ」
嫌がる浮竹の浴衣を脱がしていく。
「いや・・・・」
「好きだよ、浮竹。愛してる」
「俺は好きじゃない。愛してない。ああ、誰か助けて。俺はオメガとしてなんて、いやだ」
真っ白な肌に、京楽は夢中になった。
雪のような白い肌と髪に、翡翠の瞳をもつ浮竹。ずっとほしかった、番となるべきオメガ。
「痛くないようにするから」
「嫌だ・・・・・あああ」
首筋にキスマークを残されて、浮竹はヒートの熱にうなされながら、首を横に振った。
「こんなの・・・卑怯だ」
「卑怯でもいいよ。君を僕のものにできるなら」
浮竹の唇を奪う。
「んうっ」
ぬるりとした舌が入ってきて、浮竹は目を閉じた。
どんなに嫌がっても、しょせんはオメガ。アルファの支配には逆らえない。
「せめて・・・優しく、しろ」
「うん。優しくするから!」
やっと少し心を開いてくれた浮竹を貪るように、口づけを何度も交わした。
平らな胸をなめて、先端を口に含み、もう反対側をクニクニと指でつぶしていると、浮竹が熱に侵された瞳で見上げてきた。
「前戯なんていい・・・早く、来い」
「だめだよ。ちゃんと気持ちよくさせてあげたい。だから、僕は君を抱く」
「どうせ、突っ込むことに変わりはないだろうが」
「それでも、君に気持ちよくなってほしい。大好きだよ、浮竹」
京楽は、優しかった。
体の全体を愛撫して、浮竹の花茎を舐めあげて、浮竹は京楽の口の中に精を放ってしまっていた。
「あああ!」
快楽に、思考が麻痺する。
嫌だと、心は思うのに、体は貪欲に京楽に種付けされることを望んでいた。
「あ、あ、あ」
潤滑油に濡れた指が、つぷりと浮竹の体内に入ってくる。
そこは熱くて、締め付けがすごかった。
ここに、自分のものをいれるのだと考えただけで、鼻血がでそうだった。
浮竹の前をいじりながら、京楽は手探りで浮竹の前立腺を探した。指の一本が前立腺をかすめて、浮竹が反応する。
「あ!」
「ここ?」
「やぁっ」
「君のいいところ、見つけた」
浮竹の前立腺ばかりを刺激して、前もいじっていると、浮竹は熱で潤んだ瞳で京楽を見上げた。
「もう、いいから・・・子種を、くれ」
「浮竹・・・・・・」
「十四郎と呼べ。俺も、春水と呼ぶ」
蕾をとろとろになるまで解してから、京楽は浮竹の蕾に自身をあてがい、ゆっくりと侵入した。
「あ、あああ!」
ゆっくりと、引き裂かれていく。
潤滑油を大量に使ったおかげで、そこは切れることはなかった。
「ひあ」
とん、と奥をつくと、浮竹の反応が変わった。
「奥、いいの?」
「し、知らない」
一度ずるりと引き抜いて、前立腺をすりあげて奥まで侵入すると、浮竹は甘い声をあげた。
「んあああ!」
「十四郎、我慢しないで。声、出して」
「んあ・・・あ、あ、あ」
熱いうねる熱に包まれて、京楽も限界が近くなっていた。
浮竹のいい場所を突き上げて、こすり、抉った。
「あああ、あ、あ、春水」
「奥に出すよ。受け止めて、孕んでね」
「やっ」
ズッと、子宮口まで侵入してきたものは、浮竹の中で熱を弾けさせた。
最後の一滴までを浮竹の中に注いで、京楽は満足して抜き去ろうとするが、浮竹が締め付けて離さない。
「もう一回、する?」
最初は嫌がってはいたが、快楽の波に支配されて、浮竹は頷いていた。
もう一度、じっくりと交じりあって、そして京楽は浮竹のうなじをかんだ。
「あ!」
全身を支配するような感覚。
番になったのだと、お互い実感した。
「今日のsexで、多分子供がきでる。君は僕の妻になる。いいね?」
浮竹は、満たされてヒートの熱は一時的に引いたようで、不満を口にしながらも、了承してくれた。
「浮気、するなよ」
「しないよ。妻は君だけ。愛人とかも作らないし、花街にもいかない」
浮竹を抱くために、花街に数回いき、女を抱いた京楽であるが、本物の浮竹の方が何倍もきもちよかったし、愛しく感じた。
浮竹は、間もなくして妊娠した。
京楽の家で、浮竹に大事にされている。
子が生まれるまで、ヒートは3カ月に1回やってきた。
京楽と浮竹は、離れで交わりあいながら、生まれてくる子のことを思った。
医者の診断では、アルファの男児とされた。
京楽家の、跡取りだ。
京楽には兄がいたが、もう亡くなってしまっている。
「名前、なんにしよう」
「何がいいだろうな」
浮竹と京楽は、いつの間にか相思相愛になっていた。
やがて産み月になり、帝王切開で浮竹はアルファの男児を産んだ。
「もう、俺はいらないだろう?」
哀しそうに微笑む浮竹に、京楽が首を振る。
「子供はもっといっぱい欲しいし、君を幸せにしたい」
「俺は、お前のことを・・・・・」
「まだ、嫌い?」
「いや・・・・・好きだ。愛している」
「僕も好きだよ、十四郎」
「春水・・・・・」
口づけを交わし合いながら、番になったことを、浮竹が後悔することがなくてよかったと、ほっとする京楽がいた。
散々嫌いだと言われてきた。
ヒートを利用して、自分のものにした。
浮竹の、普通の女性と結婚して子供をもうけるという夢を壊した。
でも、京楽は本気で浮竹を愛していた。浮竹もまた、京楽が自分を愛するあまり、少々強引な手を使ったのだと知ってもなお、別れることはなかった。
二人は、三人の子をもうけて、それぞれ統学院に入り、死神となって隊長となった。
「んあ・・・・もう、子はいらないだろう。アフターピルを飲むぞ」
「もう一人、欲しくない?」
「他の兄弟と、年齢の差がありすぎる。子はいらない」
隊長となっても、番であることに変わりはなかった。
ヒートがくると、浮竹は休暇をとり、京楽家の離れで京楽と過ごした。
子が成長するのは早い。
すでに成人となった三人の子を見守りながら、浮竹はミミハギ様を解放する決意を出す。
大戦で、京楽は最愛の妻、浮竹を失う。
だが、子供たちに囲まれて、穏やかな生活を送った。
「浮竹・・・・そっちに行くには、もう少し待ってね」
総隊長にまで上り詰めて、引退し、余生を過ごした。
寿命を終えようとした時に、迎えにきた長い白髪に翡翠の瞳をした麗人に、微笑みかける。
「待たせたね」
「ああ、ずっと待ってた」
「逝こうか」
「ああ」
二つの魂は、交わりながら、霊子へと還っていく。
京楽家は、浮竹の産んだ子が次々と隊長になり、その孫も隊長になり、長らく栄えるのであった。
体が弱いし肺の病をもっているしで、問題はいっぱいあった。
だが、生まれつきものすごく高い霊圧を持っていて、浮竹の子は限りなく死神の頂点に君臨できると思った両親は、ある上流貴族との婚約を進めた。
婚約相手も、まだ子供だったが、高い霊圧をもっており、何よりアルファの上流貴族だ。
婚姻して番になり、子を産めば、浮竹も幸せになれると両親は思い込み、浮竹を上流貴族の妻にするために、女の子のように育てた。
だが、浮竹はそれとは反対のように、剣が好きで生粋の男の子として生きたがった。
いつも女装させられていた。
白くなった髪も、長く伸ばされてかわいくおさげにされていた。リボンをつけたり、女ものの着物を着せられても、性格はちゃんとした男だった。
「さぁ、紹介するよ。君の未来の妻の浮竹十四郎だ」
「十四郎?女の子なのに、男みたいな名前だね」
婚約相手の京楽春水の前で、ぷくーっと頬を膨らませて、美少女にしか見えない男の子の浮竹は、叫んだ。
「俺は男だ。オメガだが、お前の妻にはならない!番は、女性となる!」
「へ?男?」
「春水、知っているだろう。アルファとオメガは番になれる。オメガは男でも子を生せる。この十四郎は、すごい高い霊圧をもっている。君たちとの間に生まれた子供は、きっと例外なく死神となり、隊長になれる」
「俺は、京楽春水の妻になんてならない!ベータの女の子と結婚して、女の子に子供を産んでもらうんだ!」
「十四郎、君はオメガだ。アルファの子を生すのが仕事だ」
「知らない!ふん!」
浮竹は、怒って走り去ってしまった。
「僕の婚約者がオメガの男・・・・・。でもかわいい・・・・。うう・・・・・」
京楽は、別に子を生せればオメガの男でも仕方ないと思っていたが、想像していた以上に浮竹がかわいくて、頭から浮竹のぷくーっと頬を膨らませた顔が離れないでいた。
「落とす。僕の一生をかけて」
子供であるのに、すでに京楽はアルファとして、オメガの番になるであろう浮竹に好意を抱きまくっていた。
そうして、それぞれの家庭で育てられて、時折顔を見合わせあって。
10年が経とうとしていた。
浮竹は、美しい麗人に育っていた。長い白髪を背に流し、ベータの女の子と付き合っていた。
「浮竹は僕のものだよ」
浮竹の彼女に、京楽は脅しをいれて、浮竹を振らせた。
それを知ってしまった浮竹は、京楽の家に怒鳴り込んできた。
「京楽春水はいるか!」
「僕はここにいるよ」
にこにことした京楽の頬を、浮竹は思い切り叩いた。
「俺の彼女に、何を吹き込んだか知らないが、俺はお前と結婚する気はないからな!ベータの女の子と結婚して、幸せな家庭を築くんだ!」
「いいや、君は僕のものになる。僕の子を産んで、幸せな家庭を築くんだよ」
くすくすと笑う京楽に舌を出して、浮竹は走り去ってしまった。
そろそろ、ヒートがくる年齢にきていた。
浮竹にヒートがきたら、京楽が問答無用で抱いて、うなじを噛んで、番にするのだ。
でも、浮竹にはヒートがなかなか訪れなかった。
浮竹は、年頃になっていたので、京楽の家で京楽の妻としての生活を強いられた。
浮竹は、それを嫌そうにして、京楽と同じ屋根の下で暮らすのを嫌がり、離れに住んでいた。
「ねぇ、好きだよ、浮竹」
「俺はお前のことが大嫌いだ、京楽」
毎日、そんなことを言い合って、生活をしていた。
浮竹にヒートがくれば、すぐにでも落とせるのに。でも、浮竹にヒートはなかなかやってこない。
なので、京楽はヒートがきやすい薬を、隠れて浮竹の食事に混ぜた。
「あ・・・・・・」
ある日、京楽の家で母屋を訪れていた浮竹は、違和感を覚えた。
ヒートがこないのを理由に、京楽との婚姻を拒み続けていたが、本当にヒートになった。
「あ・・・助けて。誰か・・・誰か助けて。苦しい・・・」
「浮竹?」
「あ・・・来るな、京楽!俺は、ベータの女の子と結婚して、幸せな・・・ううう」
「つらいでしょ?今、楽にさせてあげるから」
オメガのフェロモンをもろにくらって、理性が飛びそうになるのを何とか我慢した。
京楽は、この日を待っていた。
待ちに待った浮竹のヒートに、気分が高揚する。
浮竹を風呂にいれてやり、それから寝所に抱きかかえて連れてきた。
「あ・・・嫌だ、嫌だ、オメガとして生きるなんて、嫌だ」
嫌がる浮竹の浴衣を脱がしていく。
「いや・・・・」
「好きだよ、浮竹。愛してる」
「俺は好きじゃない。愛してない。ああ、誰か助けて。俺はオメガとしてなんて、いやだ」
真っ白な肌に、京楽は夢中になった。
雪のような白い肌と髪に、翡翠の瞳をもつ浮竹。ずっとほしかった、番となるべきオメガ。
「痛くないようにするから」
「嫌だ・・・・・あああ」
首筋にキスマークを残されて、浮竹はヒートの熱にうなされながら、首を横に振った。
「こんなの・・・卑怯だ」
「卑怯でもいいよ。君を僕のものにできるなら」
浮竹の唇を奪う。
「んうっ」
ぬるりとした舌が入ってきて、浮竹は目を閉じた。
どんなに嫌がっても、しょせんはオメガ。アルファの支配には逆らえない。
「せめて・・・優しく、しろ」
「うん。優しくするから!」
やっと少し心を開いてくれた浮竹を貪るように、口づけを何度も交わした。
平らな胸をなめて、先端を口に含み、もう反対側をクニクニと指でつぶしていると、浮竹が熱に侵された瞳で見上げてきた。
「前戯なんていい・・・早く、来い」
「だめだよ。ちゃんと気持ちよくさせてあげたい。だから、僕は君を抱く」
「どうせ、突っ込むことに変わりはないだろうが」
「それでも、君に気持ちよくなってほしい。大好きだよ、浮竹」
京楽は、優しかった。
体の全体を愛撫して、浮竹の花茎を舐めあげて、浮竹は京楽の口の中に精を放ってしまっていた。
「あああ!」
快楽に、思考が麻痺する。
嫌だと、心は思うのに、体は貪欲に京楽に種付けされることを望んでいた。
「あ、あ、あ」
潤滑油に濡れた指が、つぷりと浮竹の体内に入ってくる。
そこは熱くて、締め付けがすごかった。
ここに、自分のものをいれるのだと考えただけで、鼻血がでそうだった。
浮竹の前をいじりながら、京楽は手探りで浮竹の前立腺を探した。指の一本が前立腺をかすめて、浮竹が反応する。
「あ!」
「ここ?」
「やぁっ」
「君のいいところ、見つけた」
浮竹の前立腺ばかりを刺激して、前もいじっていると、浮竹は熱で潤んだ瞳で京楽を見上げた。
「もう、いいから・・・子種を、くれ」
「浮竹・・・・・・」
「十四郎と呼べ。俺も、春水と呼ぶ」
蕾をとろとろになるまで解してから、京楽は浮竹の蕾に自身をあてがい、ゆっくりと侵入した。
「あ、あああ!」
ゆっくりと、引き裂かれていく。
潤滑油を大量に使ったおかげで、そこは切れることはなかった。
「ひあ」
とん、と奥をつくと、浮竹の反応が変わった。
「奥、いいの?」
「し、知らない」
一度ずるりと引き抜いて、前立腺をすりあげて奥まで侵入すると、浮竹は甘い声をあげた。
「んあああ!」
「十四郎、我慢しないで。声、出して」
「んあ・・・あ、あ、あ」
熱いうねる熱に包まれて、京楽も限界が近くなっていた。
浮竹のいい場所を突き上げて、こすり、抉った。
「あああ、あ、あ、春水」
「奥に出すよ。受け止めて、孕んでね」
「やっ」
ズッと、子宮口まで侵入してきたものは、浮竹の中で熱を弾けさせた。
最後の一滴までを浮竹の中に注いで、京楽は満足して抜き去ろうとするが、浮竹が締め付けて離さない。
「もう一回、する?」
最初は嫌がってはいたが、快楽の波に支配されて、浮竹は頷いていた。
もう一度、じっくりと交じりあって、そして京楽は浮竹のうなじをかんだ。
「あ!」
全身を支配するような感覚。
番になったのだと、お互い実感した。
「今日のsexで、多分子供がきでる。君は僕の妻になる。いいね?」
浮竹は、満たされてヒートの熱は一時的に引いたようで、不満を口にしながらも、了承してくれた。
「浮気、するなよ」
「しないよ。妻は君だけ。愛人とかも作らないし、花街にもいかない」
浮竹を抱くために、花街に数回いき、女を抱いた京楽であるが、本物の浮竹の方が何倍もきもちよかったし、愛しく感じた。
浮竹は、間もなくして妊娠した。
京楽の家で、浮竹に大事にされている。
子が生まれるまで、ヒートは3カ月に1回やってきた。
京楽と浮竹は、離れで交わりあいながら、生まれてくる子のことを思った。
医者の診断では、アルファの男児とされた。
京楽家の、跡取りだ。
京楽には兄がいたが、もう亡くなってしまっている。
「名前、なんにしよう」
「何がいいだろうな」
浮竹と京楽は、いつの間にか相思相愛になっていた。
やがて産み月になり、帝王切開で浮竹はアルファの男児を産んだ。
「もう、俺はいらないだろう?」
哀しそうに微笑む浮竹に、京楽が首を振る。
「子供はもっといっぱい欲しいし、君を幸せにしたい」
「俺は、お前のことを・・・・・」
「まだ、嫌い?」
「いや・・・・・好きだ。愛している」
「僕も好きだよ、十四郎」
「春水・・・・・」
口づけを交わし合いながら、番になったことを、浮竹が後悔することがなくてよかったと、ほっとする京楽がいた。
散々嫌いだと言われてきた。
ヒートを利用して、自分のものにした。
浮竹の、普通の女性と結婚して子供をもうけるという夢を壊した。
でも、京楽は本気で浮竹を愛していた。浮竹もまた、京楽が自分を愛するあまり、少々強引な手を使ったのだと知ってもなお、別れることはなかった。
二人は、三人の子をもうけて、それぞれ統学院に入り、死神となって隊長となった。
「んあ・・・・もう、子はいらないだろう。アフターピルを飲むぞ」
「もう一人、欲しくない?」
「他の兄弟と、年齢の差がありすぎる。子はいらない」
隊長となっても、番であることに変わりはなかった。
ヒートがくると、浮竹は休暇をとり、京楽家の離れで京楽と過ごした。
子が成長するのは早い。
すでに成人となった三人の子を見守りながら、浮竹はミミハギ様を解放する決意を出す。
大戦で、京楽は最愛の妻、浮竹を失う。
だが、子供たちに囲まれて、穏やかな生活を送った。
「浮竹・・・・そっちに行くには、もう少し待ってね」
総隊長にまで上り詰めて、引退し、余生を過ごした。
寿命を終えようとした時に、迎えにきた長い白髪に翡翠の瞳をした麗人に、微笑みかける。
「待たせたね」
「ああ、ずっと待ってた」
「逝こうか」
「ああ」
二つの魂は、交わりながら、霊子へと還っていく。
京楽家は、浮竹の産んだ子が次々と隊長になり、その孫も隊長になり、長らく栄えるのであった。
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