魔王と勇者 成人式
この世界での成人は、18歳である。
16歳である新勇者はまだ子供、ということになる。
「お菓子をくれなきゃ悪戯しちゃうぞーーー!がおーーーー!」
魔王城で、ハロウィンのコスチュームに身を包んで、浮竹に襲い掛かろうとしていた新勇者を、本物の勇者京楽が阻んだ。
「今何月だと思ってるんだい!ハロウィンなんてとっくの昔に過ぎたよ!」
「俺の故郷では、2月がハロウィンなんだ!」
「知ったことじゃないよ!」
「勇者京楽、お菓子をくれなきゃ悪戯しちゃうぞーー!がおーーーー!」
襲い掛かってきた新勇者の股間を、京楽は聖剣エクスカリバーでチーンと・・・・・。
「のああああああ!!!」
痛みのあまり、もだえている新勇者を窓の外に投げ捨てて、京楽は浮竹に赤くなりながら手をもじもじさせた。
「ねぇ、今日って・・・・・・」
「ああ、バレンタインだな」
「チョコレートは?」
「ここにあるぞ」
浮竹が、座っていたソファーの隣においてあった、でかい包みを取りだした。
30センチはあろうかという、板状のチョコレートだった。
「でかいね」
「それだけ、俺のお前への愛もでかいということだ」
「全部食べたら、絶対太りそう」
「ドラゴンでも倒して、運動すればいい」
「もっと違う運動がいいな」
「なっ」
そう切り返されるとは思っていなくて、浮竹が今度は赤くなった。
「んっ」
京楽が、浮竹の唇を奪う。
「だめだ、この話はR18ではないんだ!」
「いいじゃない、ちょっとくらい・・・・・」
「よくない!」
バキッ。
板チョコで、京楽の頭部を殴る浮竹。
「ああっ、チョコにひびがっ」
京楽が、ひびが入って2つに割れてしまったチョコレートを、かき抱いた。
「ハートマークのやつじゃなくてよかったな」
「うん、そうだね。浮竹のことだから、何するか分からないから今食べてしまおう」
ぱくぱく。
京楽は、バレンタインチョコをでかいのに食べきってしまった。
「げふ・・・・今日は、もう何も食べたくない」
「あれを食べきるか・・・ちょっと、感動した」
「浮竹の愛のこもったものだもの!」
「俺の愛のこもったチョコレートも食え!」
窓の外に放り投げたのに、復活してきた新勇者は、ハロウィンコスチュームのまま、小さなハートマークのちょこを浮竹と京楽に渡してきた。
浮竹と京楽は、一瞬逡巡したが、どうせ新勇者だしと、それを口にした。
「うっ」
「くっ」
「はははははははは!きいただろう、千年かけた呪いのチョコだ!毒は無効化するが、呪いはどうだ?」
京楽の頭に、きのこがはえた。
浮竹の頭には、うさぎ耳がはえた。
「え、あれ?呪われたマンドレイクが生えるはずなのに・・・あれ?」
マンドレイクは、引っこ抜くと悲鳴をあげて、それを聞いた者を死に至らしめる。
薬草などとしてよく取り扱われているが、採集の時は、まず息の根をナイフなどで止めてからひっこぬく。
「あれえええ!?」
にこにこ。
浮竹は、バニーヘアバンドをかぶったような状態で、新勇者の頭を撫でた。
摩擦で、ぼっと火が噴く。それくらい撫でた。
「お礼のいいこいいこ・・・・火が噴くバージョン」
「のぎゃああああああ!俺の大事なづらがあああ!」
銀色の縦巻きロールが腰まであるづらを、摩擦熱で浮竹は燃やしてしまった。
一方の京楽は、ピコピコ動く浮竹の兎耳にばかり目がいっていた。
かわいい。もふもふしたい。今すぐピーーーーーー。
18Rではないので、放送禁止用語は伏せられます。
脳内で、浮竹をピーしていた京楽の頭上のキノコが、にょきっと手足を出して、京楽から分離した。
「ああっ、それは幻の一目ぼれキノコ!」
ツルピカの新勇者は、予備にもっていた黒のアフロのかつらをかぶって、京楽から分離したキノコをじりじりと追い詰めた。
「魔力が極端に高い者に呪いを与えるとまれに生えてくるっていう伝説は、本当だったのか!これを女僧侶に食べさせてピーーーーーーー」
浮竹は、そのきのこを炎で焼いた。
「焼ききのこ・・・おいしそう・・じゅるっ」
新勇者は、幻の一目ぼれキノコを食べてしまった。
「京楽、赤い紐をひっぱってくれ」
「あ、うん」
がこん。
新勇者がいる場所の床に穴があいて、新勇者は落ちていく。
「ああああああ!ああああああ、なんてかわいいんだ、ロクサーヌ!君はロクサーヌだ!一目ぼれなんだ、結婚しよう」
「めええええええ」
暴れヤギにひっついて、求婚する新勇者は見ているだけでは愉快だった。
暴れヤギは暴れに暴れまくった。
それでも、新勇者は愛がどうだのこうだのとわめいていた。
「呪いは、無効化ではなく緩和だからなぁ。ステータス異常は・・・・おきてないな」
「新勇者、ほっといていいの?」
「ロクサーヌと結婚するんだろうさ」
浮竹は、耳が消えないのを気にしているようだった。
京楽は、浮竹の兎耳をさわってみた。もふもふだった。
「呪いは、数日効果が残る・・・・町の教会で、神父に呪いを解いてもらおう」
「そんなのだめだよ!せっかくかわいいんだから!ねぇこのまま僕とピーーーーー」
浮竹は、京楽に丸めこまれそうになっていた。
一方の、新勇者はというと、穴の開いた床で、暴れヤギのロクサーヌとピーーーしてしまっていた。
「あれ、俺は何を・・・何故、下半身が裸!?」
「めえええええええ」
暴れヤギは、雄だった。
でも、契ったことにかわりないので、新勇者を番として認めた。
「めええええええええ!!!」
「ぎゃああああああああ!!!」
ピーでピーでピーーーーーーー。
京楽は生えてきたのがきのこだったので、他に呪いの効果はなかったが、浮竹は数日兎耳のまま過ごすはめになるのであった。
数週間後、暴れヤギと新婚旅行に追い出された新勇者が、ロクサーヌとどうにかして離婚したいと訴えてくるのは、また別のお話。
16歳である新勇者はまだ子供、ということになる。
「お菓子をくれなきゃ悪戯しちゃうぞーーー!がおーーーー!」
魔王城で、ハロウィンのコスチュームに身を包んで、浮竹に襲い掛かろうとしていた新勇者を、本物の勇者京楽が阻んだ。
「今何月だと思ってるんだい!ハロウィンなんてとっくの昔に過ぎたよ!」
「俺の故郷では、2月がハロウィンなんだ!」
「知ったことじゃないよ!」
「勇者京楽、お菓子をくれなきゃ悪戯しちゃうぞーー!がおーーーー!」
襲い掛かってきた新勇者の股間を、京楽は聖剣エクスカリバーでチーンと・・・・・。
「のああああああ!!!」
痛みのあまり、もだえている新勇者を窓の外に投げ捨てて、京楽は浮竹に赤くなりながら手をもじもじさせた。
「ねぇ、今日って・・・・・・」
「ああ、バレンタインだな」
「チョコレートは?」
「ここにあるぞ」
浮竹が、座っていたソファーの隣においてあった、でかい包みを取りだした。
30センチはあろうかという、板状のチョコレートだった。
「でかいね」
「それだけ、俺のお前への愛もでかいということだ」
「全部食べたら、絶対太りそう」
「ドラゴンでも倒して、運動すればいい」
「もっと違う運動がいいな」
「なっ」
そう切り返されるとは思っていなくて、浮竹が今度は赤くなった。
「んっ」
京楽が、浮竹の唇を奪う。
「だめだ、この話はR18ではないんだ!」
「いいじゃない、ちょっとくらい・・・・・」
「よくない!」
バキッ。
板チョコで、京楽の頭部を殴る浮竹。
「ああっ、チョコにひびがっ」
京楽が、ひびが入って2つに割れてしまったチョコレートを、かき抱いた。
「ハートマークのやつじゃなくてよかったな」
「うん、そうだね。浮竹のことだから、何するか分からないから今食べてしまおう」
ぱくぱく。
京楽は、バレンタインチョコをでかいのに食べきってしまった。
「げふ・・・・今日は、もう何も食べたくない」
「あれを食べきるか・・・ちょっと、感動した」
「浮竹の愛のこもったものだもの!」
「俺の愛のこもったチョコレートも食え!」
窓の外に放り投げたのに、復活してきた新勇者は、ハロウィンコスチュームのまま、小さなハートマークのちょこを浮竹と京楽に渡してきた。
浮竹と京楽は、一瞬逡巡したが、どうせ新勇者だしと、それを口にした。
「うっ」
「くっ」
「はははははははは!きいただろう、千年かけた呪いのチョコだ!毒は無効化するが、呪いはどうだ?」
京楽の頭に、きのこがはえた。
浮竹の頭には、うさぎ耳がはえた。
「え、あれ?呪われたマンドレイクが生えるはずなのに・・・あれ?」
マンドレイクは、引っこ抜くと悲鳴をあげて、それを聞いた者を死に至らしめる。
薬草などとしてよく取り扱われているが、採集の時は、まず息の根をナイフなどで止めてからひっこぬく。
「あれえええ!?」
にこにこ。
浮竹は、バニーヘアバンドをかぶったような状態で、新勇者の頭を撫でた。
摩擦で、ぼっと火が噴く。それくらい撫でた。
「お礼のいいこいいこ・・・・火が噴くバージョン」
「のぎゃああああああ!俺の大事なづらがあああ!」
銀色の縦巻きロールが腰まであるづらを、摩擦熱で浮竹は燃やしてしまった。
一方の京楽は、ピコピコ動く浮竹の兎耳にばかり目がいっていた。
かわいい。もふもふしたい。今すぐピーーーーーー。
18Rではないので、放送禁止用語は伏せられます。
脳内で、浮竹をピーしていた京楽の頭上のキノコが、にょきっと手足を出して、京楽から分離した。
「ああっ、それは幻の一目ぼれキノコ!」
ツルピカの新勇者は、予備にもっていた黒のアフロのかつらをかぶって、京楽から分離したキノコをじりじりと追い詰めた。
「魔力が極端に高い者に呪いを与えるとまれに生えてくるっていう伝説は、本当だったのか!これを女僧侶に食べさせてピーーーーーーー」
浮竹は、そのきのこを炎で焼いた。
「焼ききのこ・・・おいしそう・・じゅるっ」
新勇者は、幻の一目ぼれキノコを食べてしまった。
「京楽、赤い紐をひっぱってくれ」
「あ、うん」
がこん。
新勇者がいる場所の床に穴があいて、新勇者は落ちていく。
「ああああああ!ああああああ、なんてかわいいんだ、ロクサーヌ!君はロクサーヌだ!一目ぼれなんだ、結婚しよう」
「めええええええ」
暴れヤギにひっついて、求婚する新勇者は見ているだけでは愉快だった。
暴れヤギは暴れに暴れまくった。
それでも、新勇者は愛がどうだのこうだのとわめいていた。
「呪いは、無効化ではなく緩和だからなぁ。ステータス異常は・・・・おきてないな」
「新勇者、ほっといていいの?」
「ロクサーヌと結婚するんだろうさ」
浮竹は、耳が消えないのを気にしているようだった。
京楽は、浮竹の兎耳をさわってみた。もふもふだった。
「呪いは、数日効果が残る・・・・町の教会で、神父に呪いを解いてもらおう」
「そんなのだめだよ!せっかくかわいいんだから!ねぇこのまま僕とピーーーーー」
浮竹は、京楽に丸めこまれそうになっていた。
一方の、新勇者はというと、穴の開いた床で、暴れヤギのロクサーヌとピーーーしてしまっていた。
「あれ、俺は何を・・・何故、下半身が裸!?」
「めえええええええ」
暴れヤギは、雄だった。
でも、契ったことにかわりないので、新勇者を番として認めた。
「めええええええええ!!!」
「ぎゃああああああああ!!!」
ピーでピーでピーーーーーーー。
京楽は生えてきたのがきのこだったので、他に呪いの効果はなかったが、浮竹は数日兎耳のまま過ごすはめになるのであった。
数週間後、暴れヤギと新婚旅行に追い出された新勇者が、ロクサーヌとどうにかして離婚したいと訴えてくるのは、また別のお話。
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