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ラブファントム「笑顔」

少しづつ、変わっていく。
まるで、氷の雪が朝日にとけていくように、少しづつ。
ティエリアが、少しづつ変わっていく。
「おはよう、ティエリア」
「おはようございます、ロックオン・ストラトス」
ティエリアは、朝起こしにきたロックオンを素直に受け入れる。
そのまま並んで歩き出す。
一緒に食堂に入り、隣の席に座って食事をはじめる。
ティエリアは、目の前に置かれたトレイの食事を黙って食べる。それを、愛しげにロックオンが見つめる。
「あーあ、またピーマン残したな」
ティエリアの目の前のトレイの上に、鮮やかな緑のピーマンだけが綺麗に残されていた。
「苦いので、嫌いです」
ツーン。
プイっと、あさっての方向を向くティエリア。
ロックオンは、フォークでひときれピーマンを刺すと、ティエリアの口の前に持ってきた。
「ほら、口開けろ」
「嫌です」
ツーン。
「仕方ねぇなぁ」
ロックオンは、食べないティエリアの代わりに、残されたピーマンを食べる。
「おはよう」
「おう、おはようアレルヤ」
「おはよう、アレルヤ・ハプティズム。隣に座るか?」
隣の席を譲るティエリアに、朝食のトレイを片手にもったアレルヤが微笑む。
「ありがとう、ティエリア」
ティエリアの隣に座って、食事をはじめる。
そのまま、三人で他愛もない雑談をする。
じっと、ティエリアがアレルヤのトレイの上にのっかっている苺を見つめていた。
「あははは。ティエリアは苺好きだったよね。あげるよ」
「本当か?」
ぱぁぁと、花が咲くように。
とても嬉しげに、ティエリアがもらった苺を食べる。
「美味しい」
かわいいなぁ。
ロックオンもアレルヤも、そう思っていた。
感情を表に出し始めたティエリアは、とにかくかわいい。いつもはクールなくせに、どこか乙女チックな反応をして、そのミスマッチがまたたまらない。
「おはよう」
刹那が、食堂に現れた。
「刹那・F・セイエイ」
「どうした、ティエリア・アーデ」
「昨日借りた、18禁の映画のディスクを返す」
隠しもっていた映画をディスクを取り出すティエリア。
それを、刹那が受け取ると、ロックオンが取り上げた。
「何をする、ロックオン・ストラトス」
「何をするじゃないでしょう!まだ16歳だろうに、刹那は!こんなものみちゃいけません!没収!」
「横暴だ!」
声を荒げる刹那。
「ティエリアも、こんなものみちゃいけません。18歳になってないだろうに」
ティエリアは、首を傾げた。
「でも、僕はイオリアが生きた時代も生きていた記録が残っている。この面子の中では、一番年上になると思うのだが?」
「見た目の問題だ!だめったらだめ!」
「返せ!」
刹那が、背伸びをして映画のディスクを取り返そうとするが、何分身長差があるので届かない。
背伸びをしても届かない。
「残念だったな」
「この!」
刹那が、思いっきりロックオンの足を踏みつけた。
「あいて!」
「ざまぁみろ!」
舌を出す刹那。
「刹那あああ!!」
ロックオンが、刹那を追いかける。
もう、慣れてしまった日常の一コマ。

クスリ。

ティエリアが笑った。
それを、アレルヤ、刹那、ロックオンはちゃんと見ていた。
ティエリアが笑ったところを見るのははじめてだった。
とてもかわいく笑う。
「ティエリア、もっかい笑ってくれ」
「嫌です」
ツーン。
「そんなこと言わずに。すっげーかわいかった」
「うん、かわいかった」
「かわいかった」
「かわいくありません!僕はかっこいいんです!」
頬を赤らめて、プンプン怒る。
その言動がかわいいのだ。
「これでどうだ」
ティエリアの隣に座ったロックオンの顔を、背後から刹那がムニーと引っ張った。
秀麗なロックオンの顔が変に歪む。
「あははははは」
堪えきれずに、ティエリアは笑い声をあげた。
綺麗なボーイソプラノ。
笑顔は、子供のようにあどけなく、幼く、そして少女のようにかわいらしい。
乙女だ。
刹那もロックオンもアレルヤも思った。
いつもはクールでかっこいいのに、なんて乙女ちっくでかわいいのか。
こんなかわいい生き物きっと他にはいないだろう。

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