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小説掲載プログ
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勇者なガンダムと魔王な俺様。

「おーおー派手だなぁ、嫉妬のティエリアは。まぁ、そこがかわいいんだが」
遠目で切れたティエリアが、頬を膨らませて魔法を決めた瞬間を見る。
「いつもながらに、遠慮がないねぇ。流石、ライル」
いつも、的になるのは何故かライルだった。ニールの双子の弟。同じ顔をしているせいか、ティエリアがニールのことで切れると、ライルにお鉢がまわる。
「兄さん・・・・早く帰ってきてくれ・・・俺、死ぬ」
(遺言を残して、ライルは逝った)
「ちょ、まてまて、まじで死んでないからああ!!酷い!!」
「せっかく買ったステテコとハラマキが黒こげだな。さぁ、新しいステテコとハラマキを買いに行こう」
「うっそ、またかよー!!」
ステテコ、ハラマキ姿のライル。ライルはPTのマスコットキャラだ。ティエリアじゃないのかって?
ライルはいじめやすいからだ。だからライルがマスコットキャラなのだ。マスコットじゃないけど。いじられキャラです。

PTはアルデンの町を後にして、馬車に乗って旅を続ける。
本当なら、魔王を倒す旅なのだが。
刹那はLVあげがすきならしく。関係のない町までいってLVをあげまくり、PTはLV20くらいにまでなってしまった。
武器防具も新しいものに買い換えている。
今のライルの格好は、ホイミスライムの着ぐるみだ。毎度毎度、ろくな防具がない。武器はまともなのに。
「勇者様、助けてください!町にモンスターが襲ってきたのです!!」
デランの町につくと、いきなり住人が刹那に頼み込んできた。
刹那は、勇者の剣を腰から抜くと、構えることなく地面に突き刺した。
「25000リラ」
「はい?あの、勇者様?」
「25000リラだな。町の人間全員で金を集めて払え」
「ちょ、それはないんじゃないですか!?」
「ばかを抜かせ。勇者は慈善事業じゃない。モンスター退治なんて、この町が壊滅しようと俺には関係ない。金払わないなら退治しない」
刹那は金のことにはシビアだ。
「ちょ、PTの皆さんは!?」
「僕も刹那の意見に賛成」
「僕もだね。無料で今時モンスター退治なんて引き受けないよ。大体、こういうイベントに限って、ボスが出てくるんだから」
「ギクリ」
町の住人は冷や汗をたらした。
「そこのホイミスライムさんは!」
「あー。いや、俺はホイミスライムだから。ベホマ唱えてりゃいいんだって。ベホマ、ベホマ」
(ライルのHPが回復した)
「分かりました。払いますので、退治してください!」
住人は涙を流して懇願した。

モンスターのザコをやっつけると、お決まりのボス戦が待っていた。
(ボス、エンジェルハウンドが現れた!)
天使のわっかと翼をつけた、ただのおっさんだった。でもボスなので、刹那たちは容赦しない。
(エンジェルハウンドの特殊攻撃、エンジェルボイス発動)
「く・・・・」
「ぐ・・・」
「耳を塞いで!精神攻撃だ。MP吸われるよ!」
「あ・・・俺のMPが!」
(ライルはMP150P失った)
ライルは着ぐるみをぬぐと、漆黒のコートと漆黒のブレスレットを装備し、銃を抜くとエンジェルハウンドに向けて発砲する。
(エンジェルハウンドに470のダメージ)
「いくぞ、みんな」
刹那は勇者の剣を大地から引き抜き、エンジェルハウンドに切りかかる。
アレルヤは神聖魔法を唱えた。
「神よ我らに祝福あれ、スピードアップ!」
PT全員に、攻撃速度のあがる呪文をかける。
後ろではティエリアが詠唱中だ。
「世界は我にあり、世界は我にあり、我ら世界に牙をむけ!ジェノサイドフレア!」
天からいくつものフレアが降ってくる。
(エンジェルハウンドに3700のダメージ。エンジェルハウンドの攻撃)
エンジェルハウンドは、刹那の剣を素手で受け止めると、刹那を吹き飛ばした。
「ジェノサイドフレア!!!」
エンジェルハウンドは、攻撃された魔法をそのまま詠唱し、使うことができるボスモンスターだ。天使のコスプレしたただのおっさんだけど、ボスはボス。
「神よ我らに祝福あれ、神の吐息は盾となり我らを守る、ホーリーシールド!!」
「魔よ牙むけ世界へ、さぁ誘わん、マジックシールド!!」
アレルヤとティエリアが張った結界によって、エンジェルハウンドのジェノサイドフレアはダメージが微量になる。
それでも、PT全員に780のダメージ。セラフィスの魔法は、人間が唱える魔法の威力の2倍はある。それを返された形になるので、ダメージも大きい。
刹那はポーションを使った。刹那のHPが全回復する。
刹那は勇者の剣を頭上で振り回し、必殺技を繰り出す。
「ダブルオーライザービーム!!!」
勇者の剣の一撃が決まり、エンジェルハウンドは後ろに吹き飛んだ。
(エンジェルハウンドに2200のダメージ)
ライルは銃の引き金をひいて、銃弾を叩き込む。
(エンジェルハウンドに800の追加ダメージ)
「天と地よ、割れろ。アースクエイク!」
ティエリアの放った魔法がエンジェルハウンドを飲み込み、地割れに飲み込まれたところを、攻撃力増加の魔法を自分にかけたアレルヤが、拳を連続で叩き込む。
(エンジェルハウンドに2600のダメージ)
エンジェルハウンドは攻撃にでる。ティエリアに1200のダメージ。ティエリアを庇ったライルには680のダメージ。
「天の祝福よ我らにあり、ウィンドヒール」
ティエリアは、パーティー全員に回復魔法をかけた。
ウィザードも回復魔法を使える。神聖魔法でなくとも、回復魔法はあるし、回復はアイテムだけでなく必殺技の中にもHPを回復する技もある。ティエリアのHPケージは3分の1だ。ウィザード系は体力もHPもない。すぐに、アレルヤが回復魔法を唱えた。
「神よ祝福あれ、祈りよ届きたまえ、ヒール!」
ティエリアのHPが全回復した。

「トドメだ!」
刹那が勇者の剣を振りかざす。
「神よ彼に祝福を与えたまえ。フレアディバイン!」
アレルヤの魔法で、刹那の勇者の剣に火炎の属性が宿った。
刹那は剣を高速でふりまわし、エンジェルハウンドを、最後は魔法の効果の白いフレアを叩きこんだ。
(エンジェルハウンドに6300のダメージ。エンジェルハウンドを撃破した。5000EXPを手に入れた!刹那のLVがあがった。アレルヤのLVがあがった!ライルのLVが下がった!)
「ちょ、俺のLV下がるのかよ!!」
「ふふっふ・・・・・俺の負けだ。ガクッ」
天使のコスプレをしたおっさんは、世界に溶けて消えた。倒したモンスターはきえる。それが世界の理だ。
(ニールの置手紙を入手した)
「あの人は・・・またこんなものを」
ライルは、下がったというLVがちゃんとあがったのを確認していたせいで、また逃げ遅れた。ちなみに、セラフィスのティエリアは白い翼を背中に広げたままだ。戦闘時には、白い翼が現れる。魔力を高める効果があるのだ。その翼で空に羽ばたくと、ニールの手紙の封をきる。
(よお、ティエリア読んでるかな?南のリゾートいいぞぉ。今、すっごい偶然でティエリアと同じセラフィスの女の子と知り合った。ナンパされてさ、ついつい。そのうち帰ってくるからよろしく)

「何が・・・そのうち帰ってくるですか。ナンパされてついつい?・・・・・・このおお浮気ものおおお!!ジェノサイドフレア!!!」
魔法はライルを巻き込んで、ドカーンと町に大きな穴をあけた。
たくさんのクレーターの中で、ライルが白目をむいて気絶していた。
「ライル・・・・いつもいつも、逃げればいいのに」
「そろそろティエリアも我慢の限界かな。魔王に会いにいこう」
こうして、PT一行は魔王退治ではなく、魔王に会いにいくこととなった。

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