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ドラゴン族の子とミミック18

浮竹と京楽は、Sランク昇格試験を受けれるまで成長して、Sランク試験を受けた。

苦労したが、無事Sランクになれた。

「先生のおかげです」

『お前と竜人の京楽が優秀だからだ』

Sランクの浮竹‥‥‥先輩の浮竹は、竜人である浮竹をねぎらう。

「はぁ。これで、ボクらもはれてSランク冒険者としてやっていけるね」

『慢心はだめだよ?君たちは、まだまだ伸びる。冒険者をしながら、成長していくといい』

霊刀の京楽の言葉に、浮竹と京楽も頷く。

「とりあえず、Sランク昇格祝いにミミック牧場でパーティーだ!」

「お。いいねぇ」



Sランクへの昇格試験は、2日にわたって行われた。1日目は筆記試験、2日目は擬似クエストにて擬似ドラゴン討伐だった。

筆記試験は問題なく通った。

2日目の疑似ドラゴン退治は、すでに何度かドラゴンを葬ってきた浮竹と京楽の手にかかれば、問題なく倒せた。

「アルティメットノヴァ!」

浮竹の禁忌の魔法の一撃だけで、疑似ドラゴンは跡形もなく消滅してしまった。

『おめでとう、合格だよ』

先輩の浮竹からそう言われて、浮竹と京楽は顔を見合わせあって、ハイタッチをする。

「先生、今までありがとうごいました」

『ふふ、今度はボクと霊刀の京楽と一緒に、Sランクダンジョンに挑もう?』

「はい!」

「そうこなくっちゃ」

かくして二人はSランクになり、ミミック牧場でパーティーを開いた。

酒がふるまわれたが、ミミックたちには害があるので、少ししかのまさなかったが、ミミックたちも酒が少しだけ飲めて喜んでいた。

「ほら、霊刀のボクももっと飲んで」

『十分飲んでるんだけど』

『竜人の浮竹は酔いつぶれたな』

「ああ、浮竹、牧場のど真ん中で寝ないで!」

「きしきしきし」

浮竹を守るように、黄金ミミックのポチがついていた。

「ああ。ホクたち、ほんとにSランクになれたんだね。夢みたい」

うーんとうなりながら、浮竹が起きる。

「いつか、里の者に名が知れ渡るような、そんなSランクになろう」

「うん、そうだね」

里を追い出した竜人族も認めざるを得ないSランク冒険者となって、浮竹と京楽は里に一時だけ帰還する。

浮竹はホーリードラゴンになれるようになっていて、京楽はダークドラゴンになっても暴走せず、自我を保てるようになっていた。

「ボクらを認めてくれるかな。竜人族として」

「いたしかたあるまい」

竜人族の長老は何か言いたげであったが、ここ数年で名を聞くようになった、里を追い出した竜人である浮竹と京楽の帰還を、仕方あるまいと受け入れた。

「まぁ、認められなくてもいいんだけどね。父さん、母さん、ただいま。そしてばいばい」

「春水!」

「なぁに?今更、両親としてボクに何かを求めるの?」

「父様、母様‥‥‥」

「ち、近寄るな。お前は、俺たちの子じゃない」

浮竹は、両親に拒絶されて、やっぱりかという顔をする。

「浮竹、行こう。ここは、ボクらの家にはなりえない」

「そうだな」

ドラゴン化した浮竹と京楽は、翼を広げて里を去っていく。

「やっぱり、ボクらの家はミミック牧場のある、あの一軒家だね」

「ああ」

Sランクとなった浮竹と京楽は、まだ誰もクリアしたことのない未開のSランクダンジョンを踏破して、その名をさらに高めるのであった。


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